2026年クラシックを占う ~牝馬編

重要な桜花賞トライアルの1つチューリップ賞が終わりました。まだフィリーズレビュー、アネモネSが残っているものの、ほぼ有力メンバーが見えてきたので、桜花賞そしてオークスに向けて現状をまとめて、今後の行方を占ってみたいと思います。

桜花賞戦線ですが、ここ7,8年で大きく傾向が変わってきたと感じています。
以前はチューリップ賞をはじめとしたトライアルから臨む馬が圧倒的に結果を残してきたのですが、2018年にアーモンドアイがシンザン記念1着から桜花賞を制して、その流れを変えました。2019年はグランアレグリアが朝日杯FSから、2020年はデアリングタクトがエルフィンSから桜花賞を勝って、その流れが決定的になったと思います。
2018年以降トライアルからの馬は2着までで、それより前のレースから臨む馬が桜花賞を勝つようになったのです。その内訳を見ると、阪神JF:3頭、クイーンC:2頭、朝日杯FS,シンザン記念,エルフィンS:各1頭となります。特に過去5年は阪神JFとクイーンCからしか桜花賞1着馬は出ておらず、この2レースの分析が重要になります。

それでは今年はどうなのか、主なレースを振り返ってみます。
●阪神JF
過去5年で阪神JF1着馬は、桜花賞で2・2・0・1の好成績。ただし2022年のサークルオブライフはチューリップ賞3着を挟んで本番で4着だったので、直行した4頭はすべて連対しているのです。さらに2024年は2着馬のステレンボッシュが1着、2022年も2着馬のサトノレイナスが2着に入っています。

昨年の1着馬スターアニスは、芝1200m未勝利1着から、芝1400mのG3中京2歳Sで牡馬相手に1番人気でクビ差2着。阪神JFは初のマイルへの適性の心配から、5.0倍とやや高いオッズの2番人気ながら、中団から2番の上りで鮮やかに差し切って1 1/4馬身差の1着となりました。
3着のタイセイボーグがチューリップ賞を勝ったことからもレースのレベルが高いことは間違いなく、状態が整っていれば桜花賞でも最有力であることは間違いないでしょう。上位勢では唯一直行というローテーションも近年の傾向に合っており、前走は3.5か月ぶりでも勝っているので、休み明けも苦にしないと思います。
ただ新馬は芝1200mでおろしており、血統からもマイルが合う印象でオークスはどうでしょう。

2着のキャラボーグは後方から2番の上りで追い込んだのですが、今年初戦のクイーンCでは2.5倍の1番人気に推されながら末脚不発で1.2秒差9着と大敗。直線で追うと左に刺さってしまい、川田騎手も懸命にクビを右に向けようとしていたものの、追いづらそうな様子でした。
右回りに変わる桜花賞は良いと思いますが、どこまで変われるでしょう。

●フェアリーS
昨年エリカエクスプレスが3馬身差で勝って、桜花賞では3.4倍の1番人気になり、新たな前哨戦になるかと期待されたのですが、結局5着に敗れてしまいました。過去10年では2021年にファインルージュが3着に入ったのが最高となっています。

今年の1着馬はファンタジーS4着から臨んだブラックチャリスで、5番人気での勝利でした。ただし時計も上りも平凡で、2,3着は2桁の人気薄ということでレベルに疑問が残りました。

●きさらぎ賞
昨年リンクスティップが、きさらぎ賞2着から桜花賞3着に入り、牡馬相手の重賞での好走は注意が必要です。
今年はラフターラインズが、牡馬クラシックでも期待されているゾロアストロ、エムズビギン相手に1番の上りでアタマ+ハナの3着と健闘しました。しかし1勝馬のため残念ながら桜花賞の出走は難しいでしょう。仕切り直してオークスを狙うのかもしれませんが、権利をとれれば面白い存在になると思います。

●クイーンC
2022年は2着馬のスターズオンアースが、昨年は1着馬のエンブロイダリーが、桜花賞で1着。以前はクイーンCで好走した関東馬は、輸送の影響か桜花賞で大敗することもたびたびあったのですが、最近はそういうケースもなく、信頼性は上がっていると思います。

今年は東京マイルで新馬と1勝Cを勝った、父キズナ、母ノームコアの良血ドリームコアが、先行して2番の上りで1 1/2馬身差の快勝。母譲りの東京マイルでの強さを遺憾なく発揮した形です。
しかしドリームコアは2戦目の中山マイルで1番人気を裏切って2馬身差3着に負けており、課題は右回りということになるかもしれません。ただしそこでも速い上りは使っており、うまくこなせれば当然上位の期待はあるでしょう。
また東京で実績を残していることから、オークスはかなり有力だと思います。

2着のジッピーチューンは11番人気の低評価を覆して、ドリームコアと同じ上りで好走しました。ただし428kgと体がなく、関西への輸送を考えると桜花賞は心配になります。可能性はあると思いますが。
また距離伸びるオークスも、血統的にはやや疑問でしょう。

●チューリップ賞
かつては桜花賞の王道路線でしたが、2016年のジュエラーを最後に9年も勝ちから遠ざかっています。しかしその後も2着馬6頭、3着馬4頭を送り出しており、有力な前哨戦であることに変わりはありません。

今年の1着馬は阪神JF3着から臨んだタイセイボーグでした。10kg増で496kgの立派な馬体ながら太目感はなく、パドックで若干テンション高めではあったものの、張りのある馬体と深い踏み込みは好調さをうかがわせました。
道中は中団を折り合って追走すると、直線は外からじりじりと伸びて、2番の上りできっちりと差し切りました。これで重賞は1・1・2・0と抜群の安定感。ただし勝ちきれない面があり、今回も2,3着馬とはクビ、クビ差。また最近チューリップ賞組は桜花賞で勝てていないという事実もあります。買うとしたら2,3着付けが良さそうです。
また距離は何とも言えませんが、脚質的にはオークスも行けそうですが。

2着は未勝利、1勝C連勝から臨んだナムラコスモス。パドックの気配がなかなか良かったので個人的に注目していたのですが、外目を先行すると、タイセイボーグには交わされたもののクビ差2着に入りました。最後までばてておらず、力はあると思います。ただしこちらも2,3着候補でしょうか。
距離もマイルがぎりぎりという印象です。

3着は阪神JFで1番人気に推されながら、後方から追い込んで脚を余した形で5着に敗れたアランカール。1勝馬で何としても権利取りが必要ということで、武豊騎手に乗り替わり背水の陣で臨みました。今回も2.6倍の1番人気となりましたが、馬体重は-6kgの432kg。パドックで見た印象はずいぶん細いなというものでした。気合乗りは良かったものの、トモの踏み込みは今一つで個人的にはどうかと思ったのですが、後方から1番の脚で追い込むと惜しい3着。それでも権利を取ることはできました。
ただし細い馬体で厳しいレースをしたことで、反動も心配です。本番ではペースも上がるでしょうから、展開的には向く可能性がありますが、不安の方が大きいのが正直なところでしょうか。
血統的には距離伸びて良さそうなので、脚質的にもオークス向きかもしれません。

こうして見てみると、桜花賞ではスターアニスに加えて、クイーンCおよびチューリップ賞の上位組が有力ということになると思います。ただしそれぞれ不安もあるので、それを克服した馬が上位に来ることになるでしょう。
最近の傾向通りの結果になるのか、あるいは傾向が変わって意外な結果になるのか。今後の調整状況も見ながら、予想の精度を高めていきたいと思います。

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