2025年度JRA賞発表を受けて

2025年の年度代表馬と競走馬各部門の受賞馬が、記者投票により決定して発表されました。まずはその結果から。

●年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬、最優秀ダートホース
フォーエバーヤング
フォーエバーヤング

●最優秀2歳牡馬
カヴァレリッツォ

●最優秀2歳牝馬
スターアニス

●最優秀3歳牡馬
ミュージアムマイル
ミュージアムマイル

●最優秀3歳牝馬
エンブロイダリー
エンブロイダリー

●最優秀4歳以上牝馬
レガレイラ
レガレイラ

●最優秀スプリンター
サトノレーヴ

●最優秀マイラー
ジャンタルマンタル
ジャンタルマンタル

●最優秀障害馬
エコロデュエル
エコロデュエル

●特別賞
カランダガン
カランダガン

昨年末に予想したのですが、最優秀4歳以上牡馬を外してしまいました。フォーエバーヤングを年度代表馬に推している以上、あとから考えればフォーエバーヤングとすべきだと思うのですが、やはりJRAのレースに出ていないという点と、芝のレースを勝ってこそという先入観があったことは否定できないと思います。

これは以前からも指摘されていましたが、ダートより芝、短距離より中長距離、障害より平場が重視される傾向が強く、それゆえに不遇な馬たちを救う意味もあって、ダートやスプリント、マイル、障害の最優秀部門が設けられてきたのだと思います。逆に最優秀ターフホースや最優秀中長距離馬という部門がないことがそれを示しているともいえるでしょう。

そんな中で、史上初めて1年間ダートのみを走った馬が、JRA賞の年度代表馬に選ばれたのです。これはある意味歴史が変わったと言っても過言ではないでしょう。
過去にもダートで活躍した馬は多くいました。2011年に東日本大震災で沈んでいる日本を、ドバイワールドカップ優勝という快挙で勇気づけたヴィクトワールピサや、2023年に同じくドバイワールドカップを勝ち、さらに川崎記念と東京大賞典も勝ってBCクラシック5着以外は5戦4勝だったウシュバテソーロなどはかなり印象的な活躍をしました。
しかし前者は最優秀4歳以上牡馬、後者は特別賞の受賞にとどまったのです。

特にウシュバテソーロについては最優秀ダートホースに選ばれなかったことについて、疑問の声があったことを覚えています。この年はレモンポップがフェブラリーSとチャンピオンズCを勝っており、ウシュバテソーロはJRAのレースを1走もしていないので仕方ないという意見が多かったのですが、レースの価値を考えると、果たしてそれでいいのかとも思いました。

規定を見てみると、JRA所属馬はJRAのレースだけでなく地方交流重賞や海外のパート1国の重賞も対象になり、また地方馬や外国馬のJRAレース参戦も対象になるのです。つまりJRA所属馬はJRAのレースに出ているかどうかは関係なく、JRA以外の馬もJRAのレースでの走りが評価されるのです。
1999年にエルコンドルパサーがJRAのレースを1戦もせずに年度代表馬に選ばれた時は、批判も多く議論を呼んだものですが、今年は248票中226票という圧倒的な支持でフォーエバーヤングが年度代表馬に選ばれており、上記の規定の認識が投票する記者も一般のファンも進んできた結果と言えるのかもしれません。

ちょうど1年前に「近い将来ケンタッキーダービーやBCクラシックを勝って年度代表馬に選ばれるような馬が現れる可能性も高くなっているのではないでしょうか」と書いたのですが、わずか1年後にそれが実現したということに感慨を覚えてしまいます。
またフォーエバーヤングはアメリカの年度代表馬候補の3頭に入っており、日米同時に年度代表馬になるという信じられないような快挙も実現するかもしれません。

年度代表馬といえば、ヨーロッパの年度代表馬カランダガンが特別賞を受賞しました。外国馬が特別賞に選ばれるのは初めてのことですが、20年ぶりに外国馬としてジャパンCを制し、しかも驚異的なレコードタイムで走ったということで、こちらも歴史を変えるような走りだったと思います。
もしフォーエバーヤングがアメリカの年度代表馬となれば、日本は世界で唯一日米欧の年度代表馬の走りを生で見られた国だったということで、これもなかなかの快挙だと言えるでしょう。

そのほか個人的に気になったのは、満票で選ばれたジャンタルマンタルとエコロデュエルでした。
ジャンタルマンタルは古馬マイルG1をどちらも勝ち、世代限定の朝日杯FSとNHKマイルCも勝っているので、史上初めて牡馬マイルG1完全制覇を成し遂げたということで、まさに最優秀マイラーにふさわしい成績だったと思います。
またエコロデュエルはオジュウチョウサン以来の同一年J・G1連覇を達成。中山の大障害コースでの強さは特筆すべきものだと思います。逆に東京コース得意のジューンベロシティなどは、不運だと感じてしまいます。

2025年のリーディングサイヤーは、昨年に続いてキズナが2年連続で獲得しました。しかし産駒のG1制覇はチャンピオンズCのダブルハートボンドのみ。頭数の多さが勝因だった側面もあります。その証拠に、1頭当たりの平均賞金額ではドゥラメンテ、キタサンブラックの後塵を拝することになりました。
しかしその2頭をも上回った馬がいます。それはディープインパクト。2025年に出走した産駒は58頭と、キズナの341頭はもちろん、キタサンブラックの208頭やドゥラメンテの202頭と比べても大幅に少なく、また年齢も6歳以上にもかかわらず、平均賞金額はリーディング上位の馬を凌駕したのです。
あらためて偉大な馬だったと思います。

世代別に見ると、やはり3歳世代の強さが目につきました。特に秋古馬3冠ではマスカレードボールとミュージアムマイルが活躍し、中心となるべき4歳世代を圧倒しました。クロワデュノールも調子が戻れば、3頭で2026年の古馬戦線を引っ張っていくのではないでしょうか。
もちろん4歳世代もダノンデサイル、ヘデントール、ジャンタルマンタル、メイショウタバルやレガレイラ、アスコリピチェーノなどが芝でG1を勝ちましたが、やはりフォーエバーヤング、ミッキーファイト、ダブルハートボンドとダートでの活躍の方が印象に残っています。
5歳世代はコスタノヴァがダートで気を吐き、ベラジオオペラが大阪杯連覇を決め、タスティエーラは香港での勝利はありましたが、全体的に秋は今一つで、どうしても谷間の世代というイメージが強くなってしまいました。
強かった6歳世代はサトノレーヴが短距離でがんばったほか、ジャスティンパレスやガイアフォースなどが善戦して、おもな馬は引退しているものの、世代の強さを見せてくれた印象があります。

2026年は引き続きフォーエバーヤングの世界での活躍が期待されます。最後は有馬記念出走も視野に入っているとのことで、ぜひ国内でもその雄姿を見てみたいものです。

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