史上最少キャリアタイでのG1制覇 ~ホープフルS

今年のホープフルSは、新馬戦勝ちからキャリア2戦目となるロブチェン(7番人気 19.8倍)が勝ちました。G1昇格の2017年以降では、前走新馬勝ちからは2017年3着のステイフーリッシュが最高着順でしたが、初めてキャリア2戦目での勝ち馬が生まれました。
これまで前走新馬・未勝利からの馬は3着までという有力な消しデータがあったのですが、それが使えなくなったわけです。

このキャリア2戦目でのG1制覇というのは、事実上最少キャリアのG1馬となるわけですが、ロブチェンがグレード制導入後では3頭目となります。
1頭目は2011年の阪神JFを制したジョワドヴィーヴル。父ディープインパクト、母ビワハイジと、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、ブエナビスタの半妹となる超良血馬ですが、2011年11月に京都芝1600mの新馬戦を制した後、1か月後の阪神JFを4番人気ながら中団から2 1/2馬身突き抜けて快勝しました。

2頭目は2015年の朝日杯FSを制したリオンディーズ。こちらも父キングカメハメハ、母シーザリオで、エピファネイアの半弟でサートゥルナーリアの半兄という超良血。今年皐月賞を勝ち、有馬記念でも有力馬となっているミュージアムマイルと父としても注目されています。
2015年11月の京都芝2000m新馬戦を勝った後、1か月後の朝日杯FSを2番人気で後方から3/4馬身差で勝ちました。

こうしてみると少ないキャリアでG1を勝つような馬は、超良血馬でかつ仕上がりが早いタイプと思われます。ところがロブチェンはそういう印象とはかなり異なる馬だと言えるでしょう。

ロブチェンの父は、2019年の菊花賞と2021年の天皇賞(春)を勝ったワールドプレミア。新種牡馬として今年の2歳世代が初となります。
ディープインパクト産駒のワールドプレミアは、新馬を勝った後、京都2歳Sで3着に入るなど早くから活躍したものの、なかなか勝ちきれず、またソエもあって春のクラシックは不参加。それでも秋は菊花賞を勝って力はある馬でした。
しかし成績が長距離に偏っていることもあり、それほど人気の種牡馬ではなかったのです。
実際に今年の2歳世代でデビューしたワールドプレミア産駒は4頭で、そのうち勝ち上がったのはロブチェンのみと、なかなか厳しい船出でした。

ロブチェンの母ソングライティングは、ジャイアンツコーズウェイ産駒の持ち込み馬ですが未勝利のまま引退。産駒は1番仔のブラックボイスが平地で2勝、障害で3勝上げたものの、兄弟の最高成績がこれでは決して良血とは言えないでしょう。

血統的には残念ながら積極的に押す材料が乏しく、またデビュー戦も京都芝2000m重を逃げて3馬身差で勝つという地味なもの。正直言って買う要素はないと思いました。
ただ気になったのは、調教の走りがなかなか良かったのです。坂路の時計も良く目につく存在ではあったのですが、前走新馬戦からの連対はないということもあって切ってしまいました。

レースで松山騎手は、ロブチェンを押して最初の直線では好位の内に持っていきますが、徐々に下げて向こう正面では中団の内。行きたがるのを懸命に抑えます。内に入れたまま4コーナーを回って直線に向きますが、先行馬が行った後に残り200mで外目に出すと外をぐんぐんと加速。
最後は内から伸びるフォルテアンジェロ、アスクエジンバラを交わして3/4馬身差での戴冠となりました。

ロブチェン 2025年12月27日 中山競馬場

キャリア1戦とは思えないような大人びたレースで、無敗での戴冠ということもあり来年に期待が持てる存在だと思います。血統的にも距離が伸びてこそという感じなので、ダービーまで視野に入ってくるでしょう。
また種牡馬としてのワールドプレミアも一気に注目が上がることになると思います。2歳のG1を勝ったということは、生産者への大きなアピールとなるでしょうから。

ただ気になるのは、上記のジョワドヴィーヴルもリオンディーズも、G1を勝った後は未勝利でキャリアを終えているということです。いわゆる早熟という評価になるのでしょう。
ロブチェンは血統的にはそういう印象はないですが、はたしてどうなるのか。来春以降注目していきたいと思います。

そして2着に入ったのがフィエールマン産駒のフォルテアンジェロ。フィエールマンも菊花賞と天皇賞(春)と長距離G1を勝っており、種牡馬として今一つなのもワールドプレミアと似ています。この2頭の産駒がワンツーとなったのは、なにか共通点があるのでしょうか。
来年の役に立つかはわかりませんが、覚えておいて損はないかもしれません。

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