2026年クラシックを占う ~牡馬編

今週は皐月賞だけでなく日本ダービーにつながる重要なトライアルレース弥生賞ディープインパクト記念(以下弥生賞)が行われました。まだスプリングSや若葉Sといったトライアルや毎日杯もありますが、ほぼ牡馬クラシックに臨む顔ぶれも見えてきたので、現状を整理して今後を占ってみたいと思います。

牝馬編でも指摘したのですが、近年はトライアルからではなく、それ以前のレースから間隔をあけて皐月賞に臨む馬が上位に来る傾向が強くなっています。
昨年こそ1着のミュージアムマイルは弥生賞4着からの戴冠となりましたが、過去10年の勝ち馬を見ると、共同通信杯:4頭、ホープフルS:2頭、京成杯,毎日杯,スプリングS,弥生賞:各1頭となっており、前走が2月以前の馬が7頭と多数を占めているのです。
ただし2着馬を見ると、弥生賞:5頭,ホープフルS,東スポ杯2歳S,朝日杯FS,若葉S,アーリントンC:各1頭とトライアル組が6頭いて、連下にはトライアル組も考慮する必要があるのですが。

それではここまでの主なレースを振り返ってみます。
●朝日杯フューチュリティS
過去10年で朝日杯FSから直行した馬は、2020年サリオスの2着のみとあまりふるいません。しかし間に1戦挟むと、近5年でも1着2頭(ジオグリフ、ミュージアムマイル)、3着3頭(ステラヴェローチェ、ドウデュース、ジャンタルマンタル)と好走しており、この方がローテーション的には良さそうです。

昨年の上位馬のうち2着ダイヤモンドノットは短距離路線のようなので、注目はデイリー杯2歳Sでも抜けて上位の1着カヴァレリッツォと3着アドマイヤクワッズでしょう。中団から1番の上りで勝ったカヴァレリッツォが最優秀2歳牡馬に選ばれたように、ホープフルSよりもレベルは上と思われるので、2頭は皐月賞でも有力でしょう。2頭とも距離は問題なさそうで、力も互角と思われ、ダービーまで見えてくると思います。
ただしカヴァレリッツォは好走例が少ない直行組。弥生賞を挟んだアドマイヤクワッズの方が、皐月賞では傾向的には有利な印象です(アドマイヤクワッズについては後述)。

●ホープフルS
過去10年で直行した馬からは、2019年サートゥルナーリア、2020年コントレイルと2頭の皐月賞馬を輩出し、昨年はクロワデュノールが2着に入りました。間に1戦した馬は2着2頭(サンリヴァル、タイトルホルダー)3着1頭(ファントムシーフ)いて、同じ舞台で行われるだけあり、皐月賞との相関関係はそれなりにありますが、朝日杯FSとあまり差がないのは意外でもあります。

昨年1着のロブチェンは共同通信杯で3着に敗退。上位2頭とは差がないものの、前には届かず後ろからは差されるというレースぶりは、やや期待外れではありました。ただし安定感はあり中山実績もあるので、変わり身に期待というところでしょうか。
過去の2,3着馬は春に関してはあまり活躍できていないので、見送りかなと思います。

●京成杯
2023年にソールオリエンスが皐月賞、2024年に1着ダノンデサイルが日本ダービー、2着アーバンシックが菊花賞を勝って、一躍注目のレースとなりましたが、それ以外にはあまり活躍馬を出せていないのも事実です。

今年はいずれも未勝利勝ちから臨んだグリーンエナジー、マテンロウゲイルが1,2着となりました。グリーンエナジーは前有利な展開の中、後方から1番の上りで差し切り勝ち。あまりインパクトは感じませんが、注意は必要かと思います。
ただし0.3秒差4着タイダルロックが、弥生賞で同じく0.3秒差4着。京成杯より状態が上がっていたとのことなので、レースレベルの観点からこれをどう判断するかでしょう。

●きさらぎ賞
残念ながら最近クラシック上位馬は送り出せていないものの、昨年は皐月賞で1着馬サトノシャイニングが2番人気に推されるなど、一時期よりは注目は上がってきているように思います。かつてはスペシャルウィークやネオユニヴァースを生んだ伝統のレースの復活はあるでしょうか。

今年は東スポ杯2歳S2着から臨んだ1番人気ゾロアストロが、内からアタマ差差し切って初重賞制覇となりました。ゾロアストロといえば末脚が印象的ですが、雪で2日間延びるなど環境の変化も影響したのか、切れる脚は見られず。それでも勝ったところに価値があると思います。万全なら上位を争える力はありそうです。
2着エムズビギンは6億円を超える高額で落札された話題の良血馬ですが、現状では物足りなさを感じさせるレースぶり。力はありそうですがどうでしょうか。

●共同通信杯
過去10年で4頭の皐月賞馬と1頭のダービー馬を送り出している共同通信杯。特に近4年に皐月賞で3着内となった12頭のうち、半分の6頭が前走共同通信杯で、クラシックのステップレースとしてかなり重要になっていると言えるでしょう。

今年は朝日杯FS5着のリアライズシリウスが先行して押し切り1着。前走エリカ賞で追い込み届かず2着のベレシートが再び追い込んでアタマ差届かず2着。3着が前出のロブチェンとなりました。
リアライズシリウスはぎりぎり残した感じで、新潟2歳Sで強い勝ち方をしていることからも、適距離はマイルの印象です。中山芝2000mは対応可能と思いますが、唯一の右回りで5着に負けていることが気になります。
ベレシートは末脚を活かすタイプで、後方から追い込む脚質のため、中山では脚を余す可能性があります。もちろん乗り方次第で十分に上位に来る可能性はありますが、東京の方がより合っているでしょう。

●弥生賞ディープインパクト記念
過去10年で弥生賞から皐月賞に臨んだ馬の上位成績は、1着1頭、2着5頭、3着2頭と、共同通信杯と並んで有力な前哨戦となっています。ただし勝ちきれない面はあり、中5週で再度ピークに持ってくる難しさがあるのかもしれません。
さらに4頭のダービー馬と2頭の菊花賞馬も生み出しており、皐月賞以降も上位馬の動向からは目が離せません。

今年勝ったのは、前走阪神芝2000m未勝利勝ちから臨んだキタサンブラック産駒のバステール(3番人気)。調教は目立たなかったものの、パドックでは長い脚で素軽い歩様を見せ、力強い踏み込みで毛ヅヤも輝いて、とてもよく見えました。そのため好走するだろうとは思ったのですが、直線入口で外の馬とぶつかってもひるまず、後方から1番の上りで実績馬2頭を軽く差し切り、想定以上の強さでした。
川田騎手曰く、まだ体も心も幼いとのことですが、そのなかであのパフォーマンスを見せたということは、将来性はかなり高いと思います。皐月賞の走り次第では、ダービーも見えてくるでしょう。
斉藤崇厩舎のキタサンブラック産駒というと、昨年のクロワデュノールを思い出します。2年連続のクラシック制覇はなるでしょうか。

2着は東スポ杯2歳S3着からのライヒスアドラー(2番人気)。前走は不利があったとはいえ、直線の伸びにはやや物足りなさを感じたのですが、今回もアドマイヤクワッズとの競り合いは制したものの、後ろから差されて同様の印象を受けました。今回は権利取りのために仕上げたはずなので、本番にどこまでつなげられるでしょう。

3着は朝日杯FS3着のアドマイヤクワッズ(1番人気)。前走は後方から大外を回ったので、実質勝ち馬と差はない印象です。賞金的に出走確実なため本番に向けて余裕のある作りだったので、差のない3着は悲観するものではないでしょうし、2000mに目途が立ったのも大きいと思います。ただし切れる脚がないわりに、距離伸びて良さが出た感じはなく、勝ちきれないところが気になります。

2歳時点では、朝日杯FSの上位2頭カヴァレリッツォとアドマイヤクワッズが抜けている印象だったのですが、ここにきて成長を見せている馬が何頭か現れてきた印象です。
個人的にはその2頭に加えて、共同通信杯の上位3頭(リアライズシリウス、ベレシート、ロブチェン)、ゾロアストロ、そしてバステールあたりが気になります。
今後のスプリングSや毎日杯の結果もふまえて、クラシックの推理を進めていきたいと思います。

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