過去10年の3着内馬からは5頭のクラシックホースを輩出し、他にもスワーヴリチャード、ジャンタルマンタル、そして昨年はマスカレードボールを送り出したG3共同通信杯。クラシック前の3歳中距離重賞として唯一東京競馬場で行われるということで、毎年期待の馬たちが参戦します。
そのためレーティングが高くなり、少頭数で行われるということが特徴と言えるでしょう。
今年は、昨年のホープフルSを1戦1勝から制したロブチェンと、新潟2歳Sを4馬身差で圧勝しながら朝日杯FSは5着に敗れたリアライズシリウスと2頭の重賞勝ち馬が参戦。ほかにも楽しみなメンバーがそろいました。
そんな中、2.8倍の1番人気に支持されたのは昨年11月の東京芝1800m新馬戦を5馬身差で圧勝したラヴェニュー(父ロードカナロア)でした。ホープフルSに登録して事前の評判は高かったものの熱発で回避。今回は仕切り直しの1戦でした。
調教はとても良く見え、パドックでも落ち着いて適度な気合乗りでトモの踏み込みもよく、なかなかの状態に見えました。過去10年で1戦1勝馬はダノンベルーガ、ジャスティンミラノと2頭が優勝しており、2着も2頭いて連対の可能性は十分にあり得ます。ここで1着になれば、一躍クラシックの有力馬に躍り出ることになるでしょう。

2番人気(3.7倍)はリアライズシリウス(父ポエティックフレア)。新潟2歳Sの強さと朝日杯FSでの負けの落差が大きく、それが2番人気にとどまった理由でしょう。ただし調教はこちらも良く、パドックも少し小脚を使う場面はありましたが、基本的には落ち着いていてトモの踏み込みも力強く、力が出せそうに見えました。

3番人気(4.2倍)はロブチェン(父ワールドプレミア)。無敗のG1馬が3番人気というのも意外ですが、ホープフルSのレベルを疑問視する人が多かったのではないでしょうか。調教は不良でタイムが遅かったものの動きは良く見えたのですが、パドックは悪くはないもののホープフルSに引き続きインパクトはあまりなく、少し疑問を感じさせる状態でした。

さらに4番人気(6.9倍)は父エピファネイア、母クロノジェネシスと超良血のベレシート。昨年末のエリカ賞で究極の上り32.8で差すも1/2差届かず2着からの参戦。
5番人気(8.4倍)は昨年6月の新馬戦で、先週きさらぎ賞1着のゾロアストロに3 1/2馬身差で勝った1戦1勝のディバインウインド(父スワーヴリチャード)となりました。

レースはロブチェンが好スタートを切るも控えて、ガリレア(8番人気)が逃げてリアライズシリウスが2番手につける展開。ロブチェンは中団で、後方にラヴェニュー、ベレシートという順番で進みます。1000m59.4とやや遅めのペースとなり、前の2頭が後続を離して直線へ。
直線は馬なりで先頭に立ったリアライズシリウスを、残り400mを切って津村騎手が追い出します。そのシーンは新潟2歳Sを思い起こさせるもので、残り200mでも2~3馬身離して先頭。そのまま力強く伸びてリアライズシリウスが完勝するかと思わせました。
しかしロブチェンがじりじりと差を詰めてきて、さらに後方からは大外をベレシートが一気に追い込んできます。最後は内のリアライズシリウスに外のベレシートが並びかけたところがゴール。
結果はリアライズシリウスがギリギリ残して1着で、アタマ差2着がベレシート、さらにクビ差3着がロブチェンで、1馬身差4着がラヴェニューとなりました。
勝ちタイム1.45.5は過去10年で最も早かった昨年より0.5秒早い優秀なもので、レースのレベルとしては高い方だと思います。


4番人気以内の馬が4着内を占めるという固めの結果となりましたが、人気通りとはなりませんでした。
まず1着のリアライズシリウスですが、いったんは抜け出したものの最後は詰め寄られての辛勝でした。ペースも展開も向いた中で、上りはベレシートより1秒以上遅く、距離延長には大いに不安の残る結果でした。皐月賞は対応できると思いますが、ダービーでは厳しいのではないでしょうか。
逆にベレシートは血統的にも距離が伸びた方が良いと思われ、鋭い末脚からもダービー向きという印象です。ただし脚質的にも皐月賞は不向きでしょう。
ロブチェンはじりじりと伸びて結果的にはタイム差なしの3着ということで、力があるところは見せました。血統的にも長い距離が向きそうで、距離が伸びて良さが出そうです。
ラヴェニューは期待に応えられず0.2秒差4着まで。まだ見切ることはできないものの、クラシックに出るためには権利を取るか賞金を加算しなければならず、厳しい状況です。距離伸びて良いタイプでもなさそうで、どうでしょうか。
以上のことから、個人的にはベレシートとロブチェンがクラシック、特にダービーや菊花賞で期待できるのではと思いますが、勝てると言えるほどのインパクトは感じられなかったのが正直なところです。
また今日の結果からホープフルS組よりも朝日杯FS組の方がレベルが上と思われ、皐月賞は朝日杯FS上位組が有利ではないでしょうか。そして皐月賞の結果から、ダービーの行方も見えてくるように思われます。