2020年に第1回が開催された世界最高賞金を誇るサウジCですが、7回目にして初めてフォーエバーヤングが連覇を達成しました。
昨年はいったん突き放されたロマンチックウォリアーをゴール直前で差し返すという、すばらしいレースで勝利をおさめ、次走のドバイWCはその疲れの影響か3着に敗れたものの、秋はBCクラシックを勝つという快挙を成し遂げて、JRAの競走は1走もしないままで年度代表馬に輝いていました。
昨年はその前の年末に東京大賞典に出走していたのですが、今年はドバイWCとの連勝を狙うためにBCクラシックから直行というローテーションを選択。次走がどうなるかですが、現状では見事にそれが当たった感じです。
調教の段階でも好調が伝えられ、矢作師のコメントも自信あふれるものだったので期待は大きかったのですが、何が起こるかわからないのが競馬なので、一抹の不安は感じていました。
国内でのオッズは、フォーエバーヤングが1.2倍の圧倒的1番人気。2番人気は昨年のBCマイルを制して4連勝中のアメリカ調教馬ナイソス(5.0倍)。さらにBCクラシックは7着に敗れたものの前走ナイソスとタイム差なし2着のネバダビーチが13.3倍の3番人気。ほかの日本馬はサンライズジパングが25.1倍の5番人気、ルクソールカフェが27.6倍の6番人気と続きました。
枠番は13頭(当初14頭も1頭取り消し)立ての5番と真ん中やや内目。昨年は大外枠で、矢作師いわく外の方がよかったとのことで、馬群をどうさばくか坂井騎手の判断が問われることになりました。
やや出負けしたフォーエバーヤングですが、坂井騎手は積極的に前に行きます。向こう正面では開いた内ラチ沿いに導いて4,5番手で3~4コーナーへ。
コーナーワークで3番手で4コーナーを回ると、直線は最内から抜けて一気に先頭へ。外からナイソスが並びかけてきて、1/2馬身差まで迫られますが、その差を保ったまま2頭で抜け出します。そこからフォーエバーヤングはじりじりとナイソスとの差を広げていき、ナイソスも粘って再度差を詰めるも、結局1馬身差でフォーエバーヤングが振り切って1着となりました。
昨年のレースやBCクラシックもそうなのですが、フォーエバーヤングは切れる脚はないものの、勝負根性が素晴らしく、前の馬は必死で追い、並んだ馬には抜かさせないというレースぶりには、いつも感動させられます。
坂井騎手もその特徴を最大限に生かすレース展開に持ち込んでおり、このコンビならではの勝利と言えるでしょう。
しかし矢作師によると、昨年と違って年末に使わなかったことで間隔があき、出来としては8割ぐらいだったとのこと。スタートダッシュの行きっぷりで、状態が判断できるそうです。その状態で勝つのも驚きですが、今後さらに状態アップが見込めるという意味でも、いいローテーションで来られていると思います。
これでフォーエバーヤングの獲得賞金は、今回の15億6000万円超を加えて約45億6000万円。
2位のウシュバテソーロが約26億円、3位のイクイノックスが約22億1500万円なので、圧倒的なトップとなります。さらにドバイWCの1着賞金が約11億円なので、もし勝てば56億円を超えるとんでもない額になります。そして現在世界最高賞金を獲得しているロマンチックウォリアー(49億円超)を抜いて世界一になる可能性もあるのです。
まさに想像もできない額で、果たして今後超える馬が出てくるのでしょうか。
昨日の東京芝1800m未勝利で、父エピファネイアの半妹となるダーリングハーストが勝ちあがって話題になりましたが、その1つ上の姉ブラウンラチェット(父キズナ)もアルテミスSを勝っていて、芝で活躍する兄弟が多い印象です。
しかし芝のレースしか走っていない父リアルスティールのフォーエバーヤングは最初からダートで活躍しており、そのダート適性を見抜いた矢作師をはじめとする陣営の相馬眼には驚かされます。もしほかの馬主、厩舎だったら、はじめから芝を使っていて、ここまでの活躍は見込めなかったかもしれません。
そう考えると、馬の才能や適性を見抜くことは、競走馬の育成において何よりも大切だということがよくわかります。成績上位の厩舎というのは、そのあたりが長けているということなのでしょう。
次走はドバイWC。昨年の雪辱を果たす走りができるか、期待を持って見守りたいと思います。