枠順とローテーションの影響が大きい結果でした ~阪神JF

阪神JFの過去の成績を見ると、連対馬には比較的明確な傾向があります。
キャリアは2,3戦で、前走の着順は1,2着。勝ち馬の人気は5番人気以内などでしょうか。そのほかにも、14番から外の連対率が低いことと、中7週以上のローテーションが厳しいこともあげられます。

今年は多くの人気馬が、その2つのデータに引っかかってしまったのですが、そこを冷静に見極められれば、当たり馬券には比較的簡単に近づくことができたかもしれません。

まず枠順ですが、上位人気が予想された3頭が8枠を引いてしまいました。
16番が札幌2歳Sを勝ったドゥーラ、17番がデビュー2連勝でOPもみじSを3馬身差で制したウンブライル、そして18番がアルテミスSを勝ったラヴェル。外枠は不利とわかっていながら、順に6番人気、3番人気、4番人気に支持されます。とはいえ、もっと内枠だったら、さらに人気になっていたでしょう。

中7週以上だったのは、人気馬の中では2番人気のモリアーナ(4か月ぶり)、3番人気のウンブライル(中7週)、5番人気のサンティーテソーロ(中9週)、6番人気のドゥーラ(3か月ぶり)。
ウンブライルとドゥーラは2重苦という感じでした。

そして結果から言えば、これらの2~6番人気の5頭は、すべて馬券外に沈んでしまったのです。
特に8枠の3頭はそろってスタートで立ち遅れて後方から。馬場の傾向として内が伸びるということもあり、外差しは効きません。3頭の内で唯一内を突いたドゥーラが一瞬伸びかけるも6着まで。外を選んだラヴェルは11着、ウンブライルは15着と、まったく見せ場なく大敗してしまいました。

また好スタートから絶好の逃げを見せたサンティーテソーロは、残り200mを切ったところで失速して7着。中団から進めたモリアーナは、4コーナー手前で鞍上の手が激しく動くも直線は失速して12着。
ともに休み明けらしいパフォーマンスで、着外に敗れてしまいました。

そんな中、中団外から抜け出して強い勝ち方を見せたのが、1番人気のリバティアイランド。上位人気では絶好枠の5枠9番を引き、2年連続勝ち馬を出しているアルテミスSからの参戦。しかもそのアルテミスSでは前が詰まって、勝ったラヴェルに一気に前に出られて離されるも、最後はじりじりと差を詰めてクビ差2着という強いレースぶりでした。
枠順とローテーション、前走のパフォーマンスから、納得の1番人気ではありました。
個人的には前走の強さは認めるものの、やや反応の悪いレースぶりが気になったのですが、今日のレースではスムーズに突き抜けて、世代1位の力を証明するようなレースぶりでした。

そして2着に入ったのが、前走新馬を勝ったばかりの12番人気シンリョクカ。1勝馬で抽選対象でしたが、3/12という狭き門を潜り抜けて出走してきました。
実は気になっていたのが、牝馬ながら次週の朝日杯FSにも登録していることでした。牡馬相手でもやれるという手ごたえを感じていたのでしょう。その新馬戦のパフォーマンスは、好位から1番の上り33.4で3 1/2馬身突き抜けるという、なかなかのもの。
陣営の自信と前走のレースぶりから気にはなったのですが、こちらも中8週ということもあって、さすがに手が出ませんでした。力があれば、中8週ぐらいは問題ないということでしょう。

3着は札幌2歳S2着から臨んだドゥアイズ。こちらもドゥーラと同じく3か月ぶりでしたが、個人的には穴馬として注目していたので、納得の走りでした。
コスモス賞でモリアーナの2着に負けていて、勝ちきれない成績ではあったのですが、逆に今日人気になった2頭の2着に食い下がるという安定感を見せており、連下なら十分あり得ると思っていたのです。

「負けに不思議の負けなし」という野村監督の言葉ではないですが、あとから見てみれば、それぞれ負けるべくして負けたということがわかります。それに引き換え、勝ったリバティアイランドの勝ち方は素晴らしいものでした。
たとえそれまで素晴らしい成績を残していても、1回負けたことで沈んでいってしまった馬たちは、たくさん見てきました。今日人気で負けた馬たちも、再び活躍することはかなり難しいかもしれません。
それでも来年のクラシックに向けて、復活することを各馬に期待したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です