今秋3人目のG1初制覇騎手の誕生 ~チャンピオンズC

この秋のG1シーズンは、フレッシュな顔ぶれの騎手による優勝から始まりました。
スプリンターズSが7年目の荻野極騎手、秋華賞が同じく7年目の坂井瑠星騎手。そして今日のチャンピオンズCでは、9年目の石川裕紀人騎手がG1ジョッキーの仲間入りとなりました。

石川騎手といえば関東の若手ですが、優勝馬ジュンライトボルトは栗東の友道厩舎の所属。その友道厩舎には、今年のドウデュースをはじめ、マカヒキ、ワグネリアンの3頭のダービー馬や、大阪杯を勝ったポタジェ、菊花賞、天皇賞(春)を勝ったワールドプレミア、ジャパンCを勝ったシュヴァルグランなど多くの名馬がいますが、その多くは関西の騎手がまたがっており、あまり関東の騎手のイメージはありません。
そのため、最初に馬柱を見た時に石川騎手が騎乗するということで、ちょっと意外な感じがありました。

ジュンライトボルトと石川騎手の最初の出会いは、3走前の福島ダート1700mのリステッド競走ジュライS。3場開催の福島ということで関東の騎手が多く、その中で石川騎手に白羽の矢が立ったのでしょう。
これがジュンライトボルトにとって初ダートのレースで、それまでは芝で頭打ちというレースを繰り返していたのですが、6番人気ながら先行して2着と好走します。この結果で友道師の信頼を得ることができたのだと思います。

その後、新潟のリステッド競走BSN賞でダート初勝利を飾ると、G3シリウスSを中団から差し切って重賞初制覇。ダートに代わってから別馬のように活躍を始めます。
そして勢いに乗ってG1チャンピオンズCまで勝ってしまったのです。

ジュンライトボルトは好スタートを切るも、先行馬を行かせて中団につけます。直線はなかなか前が開かなかったものの、すぐ外にいたテーオーケインズが上がっていって空いたところで外に出し、そこから一気に伸びると、前を行くテーオーケインズ、ハピ、クラウンプライドを差し切って、クビ差での戴冠となりました。

土曜日のTV番組でインタビューを受けて、G1勝ちの可能性がある馬に乗れるのはうれしいと語っていたのですが、勝ったあとのウイニングランも笑顔で冷静に行っており、その度胸の良さにちょっと驚かされました。
そのインタビューの中で、そろそろG1を勝ちたいと言っていたので、ようやく夢がかなったということでしょうか。しかし数少ないチャンスを生かすというのはなかなか大変なことであり、それも日ごろの精進の賜物と言えるでしょう。

そして意外だったのは、友道師にとってこれがダートG1初制覇だったこと。芝のG1は16勝しているのですが、ダートG1は地方も含めてこれが初めての勝利。そもそもJRAのダートG1でもこれが2頭目の出走だったのです。
厩舎によって得意不得意があるのは、なんとなく感じてはいましたが、芝とダートの成績の違いに、かなり驚かされました。しかしダートでもG1を勝ったということで、今後ますます活躍の場が広がっていくのでしょう。

石川騎手といい、友道師といい、ある意味フレッシュな顔ぶれと言えるわけで、今後に注目していきたいと思います。

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