重賞初騎乗初勝利の快挙

今年の新人ジョッキーの今村聖奈騎手が、CBC賞でグレード制導入後では5人目(菊沢隆仁、武幸四郎、池添謙一、宮崎北斗騎手に続く)となる、重賞初騎乗初勝利の快挙を達成しました。しかもJRA所属女性騎手としては藤田菜七子騎手に続く2人目となる重賞勝利。
さらに勝ち時計の1.05.8は芝1200mの日本レコードという、何重もの快挙を成し遂げたのですから、すばらしい勝利でした。おめでとうございます。

数週間前から、今村騎手がCBC賞で重賞初騎乗となるというニュースは流れていましたが、その時の騎乗予定馬は所属する寺島厩舎の5歳牝馬シホノレジーナでした。近走2桁着順が続いており、2走前は障害を走っていて、寺島師も将来のためのいい経験になればと言っていたので、勝ち負けになるとはあまり思われていませんでした。
ところがハンデが決まると、3歳牝馬のテイエムスパーダが48kgでは主戦の国分恭騎手が乗れないということで、五十嵐師の依頼で急遽今村騎手が乗ることになったのです。より勝利のチャンスがあるということで、おそらく寺島師も快諾したのでしょう。

テイエムスパーダはデビューから3戦小倉芝1200mを使われて、2勝2着1回。その2着も小倉2歳S、函館SSを勝つナムラクレアに1/2馬身差なので、力があることはうかがえます。
フィリーズR、葵Sと重賞では2桁着順に沈みましたが、前走2勝Cの特別戦を先行して2 1/2馬身差で快勝。上がり調子で得意の小倉芝1200m、しかもハンデ48kgならと最終的には5.0倍の2番人気に支持されました。

レースはファストフォースの落鉄により6分ほど遅れたものの、テイエムスパーダは5分のスタートを切ります。そこから今村騎手は押して前に行くと、200mで先頭。そのまま1馬身ほど差をつけて逃げます。無理なく行っているように見えましたが、600m通過は何と31.7。いくら開幕週で馬場が良いとはいえ、さすがに速すぎます。
これでは早々に捕まるかと見ていたのですが、4コーナーでムチを入れると、なんと後続を3馬身ほど突き放して先頭で直線に。そこからもどんどん後続を離していって、残り200mでは5馬身ほど離してほぼセーフティリード。最後は追いこんできた1番人気タイセイビジョンに3 1/2馬身差をつける圧勝でした。

今村騎手は、初勝利こそ17戦目と少し時間がかかったものの、デビュー2か月半後の5/22に女性騎手のデビュー年最多勝利9勝(牧原由貴子、西原玲奈の元騎手が記録)を抜く10勝を早くも達成。また6/19には女性騎手最多に並ぶ7週連続勝利をあげ、新記録の8週連続こそならなかったものの、女性騎手の記録を塗り替える活躍は、大いに注目を集めました。
それは次々に有力馬の騎乗を依頼されるという好循環につながり、今日の快挙になったといえるでしょう。

今村騎手を評して、安藤勝元騎手や大久保洋元調教師が、鞍はまりがいいと言っていましたが、個人的にも騎乗姿勢の安定、特に頭の位置が動かない乗り方に、新人騎手とは思えない感覚を感じていました。
競馬学校時代の教官からの、近年デビューした女性騎手は、はたしてプロとしてやっていけるか心配したが、今村騎手だけは安心して見ていられたというコメントを読んだことがあり、当初からその才能は評価されていたのでしょう。

今日の最終レースも1番人気に応えて快勝し、今年の19勝目をマーク。これは新人騎手の中では2位の角田大河騎手の12勝に大きく差をつけて1位の成績。新人賞も十分に狙える位置にいます。
さらにこのままのペースで勝ち続ければ、秋には30勝を超えて早くもG1騎乗が可能となるでしょうし、もしかしたらテイエムスパーダと組んでスプリンターズSに出走するということもあるかもしれません。

JRAのG1では、2019年のフェブラリーSで藤田騎手がコパノキッキングに乗って5着に入ったのが、女性騎手の最高着順。今村騎手がそれを塗り替える日も、それほど遠くないかもしれません。
ぜひ今後の活躍を期待したいと思います。

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