意外と順当(?)だった皐月賞

今年の皐月賞は上位5番人気内でトライアルを使った馬がドウデュース1頭だけで、2頭が2戦2勝馬と力関係の比較が難しいこともあり、1番人気が3.9倍で1桁人気が6頭とかなりの混戦模様でした。さらにこの春のG1が7,8番人気の馬が勝つなど荒れ模様なこともあり、はたしてどんな結果になるのか、予想に当たってはかなり頭を悩ませることになりました。

しかし結果としては、意外と順当だったと思います。5着以内は1~6番人気の馬が占め、人気薄の馬の激走はありませんでした。1番人気が馬券圏内に入るのも、今年のG1では初めてのことだったのです。
とはいえ、勝ったのは5番人気のジオグリフということで、決して一筋縄ではいかなかったのですが。ただ終わってみて気づいたのですが、18頭の中で前走1番人気だったのはわずか3頭のみ。その3頭が上位3着までを占めたので、単純に考えれば3連複4,190円を1点でとれたのです。

1着のジオグリフは、札幌2歳Sを出遅れながら向こう正面から追い上げて4コーナーでは先団に取り付き、直線では4馬身突き放すという派手な勝ち方を見せたものの、朝日杯FSでは脚を余して5着に負け、共同通信杯ではダノンベルーガに突き放されて1 1/2馬身差2着に敗れるというレースぶりで、上位4頭にはやや差のある5番人気という評価でした。
それは主戦のルメール騎手がイクイノックスを選び、福永騎手に乗り替わるという事情も影響したでしょう。

しかしジオグリフは無難なスタートを切ると、福永騎手は外から好位につけます。3コーナーから押していくと、4コーナーは先団につけ大外を回します。そして直線ではすぐ内を行くイクイノックスと併せ馬に。いったんは突き放されますが、再度差を詰めていくと、すばらしい脚でイクイノックスを一気に交わして、先頭で栄光のゴールに飛び込みました。

【ジオグリフ】パドックではややテンション高めでした
【ジオグリフ】先に抜け出したイクイノックスを一気にかわします
【ジオグリフ】口取りの写真撮影に向かいます

2着イクイノックス(3番人気)もジオグリフの少し前を進み、4コーナーもほぼ同じ位置からいったんは先頭に立ちますが、最後は追い比べでかわされてしまいました。しかし5か月の休み明けで、かつ3戦目のレースということを考えれば、決して悲観する内容ではなく、逆に力のあるところを示したと言えるでしょう。
3着のドウデュースは安定感を買われて1番人気になりますが、武豊騎手は意外にも後方につけます。3コーナーから追撃を始めるも4コーナーはかなり大きく外を回ることに。直線は1番の上りで鋭く追いこむものの、結果的に脚を余して3着。力は見せたものの残念な結果に終わりました。
4着のダノンベルーガは、キャリア2戦ながら共同通信杯の強い勝ち方が評価されて2番人気となります。好位から4コーナーは内ぴったりを回して、コーナーワークでいったんは2番手に上がるも、馬場の悪いところを通ったこともあり、伸びきれませんでした。とはいえ右のトモを怪我した関係で苦手と言われた初めての右回りで結果を出したことは、評価できると思います。

この結果を受けて、どうしても気になるのがダービーの行方です。
2戦2勝だったイクイノックス、ダノンベルーガはいずれも東京で強い勝ち方を見せており、中山でもそれなりの結果を残したことから、次は強さを見せる可能性が高まったとも考えられます。またそれぞれキタサンブラック、ハーツクライ産駒ということもあり、距離延長も問題なさそう。
またドウデュースも東京で勝っており、一番の上りで3着まで追いこんだことや、ハーツクライ産駒ということから東京への適性もありそうです。ただ朝日杯FSの勝ち馬はダービーで良績がなく、最後に勝ったのは1994年のナリタブライアンというのがネックでしょうか。
ジオグリフは共同通信杯のレースぶりが今一つで、父ドレフォンもダート短距離で活躍したことから、東京コースや距離延長に一抹の不安があります。

京都新聞杯や青葉賞からダービーを目指す馬たちもいますが、皐月賞出走馬からダービー馬が生まれる可能性が高いでしょう。その中でも今日の上位4頭がかなり有力だと思いますが、正直言ってどれも決め手に欠ける感じもあります。
これからの調整状況や、過去のレースをよく分析して、ぜひダービー馬を探し出したいと思います。

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