無敗の2冠牝馬誕生 ~オークス

今年のオークスの最大の焦点は、無敗の2冠牝馬が生まれるかということでした。
無敗の2冠牡馬は無敗の3冠馬2頭(シンボリルドルフ、ディープインパクト)を含めて6頭いますが、牝馬は1957年のミスオンワードただ1頭。なんと63年ぶりの快挙になるのです。

その主役となるデアリングタクトはマイルの新馬を勝った後、エルフィンS(L)を後方から4馬身突き抜けて快勝。2戦2勝で桜花賞に臨んだのですが、キャリア2戦で強い相手と当たっていないということもあり、4.2倍の2番人気。個人的にも半信半疑という感じで見ていました。
しかし重のレースで、勝ちパターンに持ち込んだ1番人気のレシステンシアを、後方から一気の脚で差し切って1 1/2差の快勝。そのレースぶりは、ある意味衝撃的なものでした。
しかしキャリア3戦でこの勝ち方ということは、かなり高い能力を秘めている可能性もあり、オークスはその真の力を知る意味でも注目のレースとなったのです。

レースでは4番枠から普通にスタートを切ったものの、徐々に下げていって1コーナーでは内に押し込まれるシーンもあり後方に位置します。1000m59.8という平均ペースを後方集団の前方内で追走し、4コーナーでは外目に出します。
前がふさがるシーンもあったのですが、残り400mを過ぎて前が開くと自慢の末脚を発揮して、先に抜け出したウインマリリンとウインマイティーを懸命に追います。
じりじりと距離を詰めていくと、ゴール直前で外から2頭を交わし、最後はウインマリリンに1/2馬身差をつけて、無敗の2冠馬となるゴールに飛び込みました

キャリア4戦目で初の関東輸送ながら、馬体重は桜花賞と変わらず。パドックでも入れ込むことはなく、すばらしい馬体で堂々と歩く姿は迫力あり、1頭だけ抜けてよく見えました。
新種牡馬エピファネイア産駒としては、自身の桜花賞に続くG1 2勝目。ただし他にOPや重賞を勝った馬はまだなく、1頭で引っ張って行っている感じです。
そしてちょっと早いですが、秋には史上初の無敗の3冠牝馬が誕生するかもしれません。今日の勝ち方を見ると、十分その可能性はあると思います。

これで今年のクラシックは、いずれも無敗馬が制したことになりました。そして来週のダービーでは無敗の皐月賞馬コントレイルが、無敗の2冠馬を目指すことになります。
残念ながらダービーまでは無観客での実施が決まっており、競馬場で生で見ることはできません。こんな年に限ってという思いはありますが、もしそれが実現すれば、まさに稀有な年ということになるでしょう。はたしてどんな結果になるのか。今からとても楽しみです。

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