長距離戦はなぜか血統が気になります ~菊花賞

長距離戦を予想するときには、短い距離のレースよりも血統が気になるように思います。実際に予想の記事を見ても、長距離に強い種牡馬の仔を押すことが多いように思います。
予想をするときは、何か説得力のあるデータに頼りたくなるのが人情ではないかと思いますが、長距離血統はまさにその代表的なものではないでしょうか。実際に菊花賞で人気薄なのに上位に来たフローテーションやスリーロールス、フォゲッタブルなどは、血統の後押しがないと、なかなか買いにくい馬だったと思います。

その逆が、今年の菊花賞馬キタサンブラックではないでしょうか。父のブラックタイドはディープインパクトの全兄なのでまだよいのですが、問題は母父のサクラバクシンオーでしょう。サクラバクシンオーといえばスプリンターズSを連覇するなど短距離で活躍し、その産駒もショウナンカンプ、シーイズトウショウ、カノヤザクラ、グランプリボスなど短距離で活躍した馬が多いのが事実です。
そのため、血統論者ほど距離の不安を主張するように見受けられましたし、それがトライアルのセントライト記念を勝ちながら、単勝13.5倍の5番人気という低い評価になった原因の1つではないかと思います。

しかし実は、サクラバクシンオーの子孫=短距離馬というほど単純なものではないと、個人的には思います。ずいぶん前ですが、障害戦にサクラバクシンオー産駒が出ていて、長距離だから来ないだろうとバッサリと切って、圧勝されて驚いた記憶があります。
実際に2004年に中山大障害と中山グランドジャンプを勝ち、障害戦で通算6勝をあげたブランディスはサクラバクシンオー産駒ですし、先日の東京ハイジャンプで2着に好走したエイシンホワイティもサクラバクシンオーの仔です。
またサクラバクシンオーの母サクラハゴロモは、天皇賞(春)を勝つなど長距離で活躍したアンバーシャダイの全妹で、長距離をこなせる血統背景を持っているとも思えるのです。

血統は競馬予想をするうえで大事なファクターの1つですが、それだけでは当たらないのも事実です。またある血統の子孫はみな同じ傾向を示すというほど、単純なものでもありません。
何事も決めつけるのではなく、いろいろな可能性を考えないといけないということが、私が競馬から学んだ大切な教訓の1つです。

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