明暗を分けた2強 ~桜花賞

桜花賞の事前の感触は、個人的には特に2頭が実績的には抜けていると思えました。それが、デビュー2戦目でG1の阪神JFを鮮やかに差しきって優勝したジョワドヴィーヴルと、牡馬相手のシンザン記念で抜け出して優勝したジェンティルドンナです。

ところがこの2頭が、人気を分け合ったチューリップ賞で3,4着に敗れて、俄然混戦ムードとなります。しかもチューリップ賞で直線一気に2 1/2馬身差で優勝したハナズゴールのレースぶりは、かなりの強さを感じさせるものでした。
しかしハナズゴールは直前の怪我で回避となり、結局2強という形で本番を迎えることになったのです。

レースはアラフネがやや遅めの流れで引っ張り、ジェンティルドンナは中団で、ジョワドヴィーヴルは後方で折り合います。そして直線で、実績馬であるヴィルシーナとアイムユアーズが抜け出すと、そこに猛然と差してきたのがジェンティルドンナ。しかしジョワドヴィーヴルは外に持ち出して追い出しを図るも、伸びは今ひとつ。

坂を上って3頭のたたき合いになり、アイムユアーズがわずかに遅れて、内のヴィルシーナと外のジェンティルドンナの差し比べになるも、最後はジェンティルドンナが力強く抜けて、1冠を奪取しました。
対するジョワドヴィーヴルはジリジリと伸びるものの、阪神JFほどの鋭い差し脚を見せることはなく、0.6秒差の6着に終わりました。ジェンティルドンナがメンバー最速の34.3で上がったのに対して、ジョワドヴィーヴルは34.6。残念ながら、見せ場すら作れませんでした。

ジェンティルドンナはチューリップ賞では2週間前に熱発し、体調が整わない中でも最後にらしさを見せて4着。今回は調教を見ても明らかに体調アップが見込めました。
対するジョワドヴィーヴルは、特に問題なく臨んだチューリップ賞で、1.3倍の圧倒的な支持を裏切る不可解な負けで3着に破れました。今回陣営は上積みはあると言っていたものの、調教はなんとなく物足りなさを感じさせ、またただでさえ体がないのに、馬体重は-4kgの416kgとデビュー以来最低になってしまいました。

牝馬は格より調子と言いますが、今日の結果はやはり調子がものをいったように思えます。
この2頭の次の対決は、順調に行けばオークスとなるでしょう。ジョワドヴィーヴルも力はあるので、当然巻き返しは期待できます。ただ気になるのは、依然としてディープインパクト産駒がG1ではマイルでしか勝ち星を挙げていないことです。2頭を初め、距離が伸びて良さそうなヴィルシーナもディープインパクト産駒です。
この3頭がジンクスを破るのか、それとも左回りでは別馬のイチオクノホシや、安定感が不気味なメイショウスザンナなどが台頭してくるのか、早くも次が楽しみです。

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