やはり牝馬は格より調子 ~秋華賞,府中牝馬S

今日の秋華賞は、ジャングルポケット産駒の良血馬アヴェンチュラが、力強く抜け出して優勝しました。

2歳時には札幌2歳Sで2着の後、熱発明けの阪神JFは3番人気で4着に入り、さすがトールポピーの下と思わせましたが、骨折で半年の休養。期待された春のクラシックは出走できませんでした。
しかし7月に復帰すると、8ヶ月ぶりの古馬混合準オープンを圧勝し、続くクイーンSはハイペースを好位から抜け出し、好タイムで快勝。秋華賞に臨んだわけです。

片や春のクラシック上位組は、桜花賞2着、オークス3着のホエールキャプチャがローズSを勝って順調さをアピールし1番人気に押されたものの、桜花賞馬マルセリーナは2番人気のローズSで6着に敗退。オークス馬エリンコートも10着に惨敗し、今年は春とは勢力図が変わるかなと思わせる状況でした。

G1などの大きなレースで気になるのは、過去のG1で好成績をおさめた実績(いわゆる格)をとるか、それとも直近のレースで活躍している調子をとるかということではないでしょうか。特に秋のG1では、春までの実績馬対夏の上がり馬という構図になることが結構あります。
秋華賞でも、過去にはファビラスラフィンがNHKマイルC(1番人気で惨敗)以来の休み明けで快勝なんていうこともありました。
しかしこと牝馬については、やはり格よりも調子ということが、当てはまるのではないでしょうか。

過去10年の連対馬を見ても、2003年のスティルインラブ(ローズS5着から優勝)、2008年のブラックエンブレム(ローズS15着から優勝)以外は、すべて前走の重賞で3着以内に入っています。しかも20頭中17頭は、前走は8月以降に出走しています。例外の3頭はいずれもG1連対馬ですが、力が抜けており、かつ休み明けも苦にしないタイプだったと言えるでしょう。

今年もマルセリーナが3番人気、エリンコートが5番人気とそこそこの支持を受けましたが、残念ながら上位には来られませんでした。上位3頭はいずれも8月以降の重賞で3着以内に入っており、かつ重賞勝ちがなくても1000万下1着の実績はありました。
やはりそれなりの実力+最近の調子というのが、牝馬では重要なのかなと思います。

そして秋華賞の少し前に行われた、東京の府中牝馬S。圧倒的な1番人気に押されたアパパネが、14着に惨敗しました。もともと休み明けはよくなくて、なぜか重賞はG1しか勝ったことがないという珍しい馬ですが、それにしても負けすぎでしょう。
勝ったのはサマー2000シリーズを制したイタリアンレッド。2,3着も夏の重賞で活躍した馬たちでした。
今年は秋になっても気温が高く、今日はなんと観測史上最も遅い真夏日になったところもあったそうですが、そのせいか夏の実績馬が引き続いて活躍している印象があります。スプリンターズSのカレンチャンもそうですね。

秋のG1も、菊花賞、天皇賞(秋)と盛り上がっていきますが、この傾向が続くのか、興味を持って見て行きたいと思います。

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