前残りの馬場を差しきったブエナビスタ ~ヴィクトリアM

昨日の京王杯SCが先行馬同士のレコードで決まったように、今週からBコースになった東京の芝コースは、極端な前残りの馬場になっていました。今日芝のレースは6レースあったのですが、ヴィクトリアM以外の各レースの1,2着馬の4コーナーの位置取りは下記のとおりでした(かっこ内は人気)。

4R(芝2000m) 1着:1(3) 2着:2(8)
6R(芝1600m) 1着:2(1) 2着:6(4)
8R(芝1600m) 1着:2(2) 2着:1(4)
9R(芝2000m) 1着:4(6) 2着:1(3)
12R(芝1800m) 1着:1(5) 2着:2(9)

すべてのレースで逃げ馬か2番手の馬が連対しており、4,8,12Rはいわゆる行った行ったで決まっています。しかも必ずしも人気同士の決着ではありません。
直線が長い東京コースは差し有利が常識なので、いかに特異な状況だったかがわかるのではないでしょうか。

そんななか、ヴィクトリアMでの1番の関心事は、ブエナビスタがどの位置でレースを運ぶかでした。実際に6,8Rを2番手から制し、9Rは1番人気ながら中団から進めて3着に敗れている横山典Jは、当然先行有利の馬場であることはわかっていたでしょう。

ブエナビスタはスタートは悪くなかったものの、向こう正面の直線ではじりじりと位置取りを下げて、3コーナーは後ろから5番手、4コーナーも後ろから7番手という位置になりました。
そこから外に出して、いつものように猛然と追い込んでくるものの、先行している内の各馬も伸びているので、なかなか差が詰まりません。坂の途中では、もうダメかという感じにも見えましたが、坂を上ってから最後の一伸びで、内から伸びてきたヒカルアマランサスをクビ差で差しきりました。
昨年のオークスもしびれましたが、それに勝るとも劣らない、すごいレースでした。

しかし意外と早い流れになったとはいえ、よくこの馬場で、後方から勝ったなというのが、率直な感想です。戦前は、海外遠征の疲れとか、久々の1600mなどいろいろな不安が上げられましたが、すばらしい走りで、すべて払拭してくれました。

最近の強い牝馬といえばウオッカが上げられますが、ウオッカはドバイ帰りのヴィクトリアMでまさかの2着に破れたり、東京以外では意外なもろさを見せたりと、強さと弱さが同居しているようなところがありました。しかしブエナビスタにはどんな状況でも克服する、どちらかといえばダイワスカーレットのような強さを感じます。
ただ、今日はメンバー的にウオッカのような圧勝まで期待されたものの、500万下と0.5秒しか違わない勝ちタイムでクビ差の辛勝と、遠征帰りの影響がうかがえました。横山典Jもいつもの反応ではなかったと認めています。それでも勝ってしまうのが、底力なのでしょう。

すでに京都記念で、昨年のグランプリホースのドリームジャーニーと、春の天皇賞馬のジャガーメイルを破っており、現役最強馬といっても過言ではないでしょう。今後はそれを証明するような、さらに強い走りを見せてくれることを期待したいと思います。ブエナビスタ

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