バルバロと最新治療

今年のアメリカ3冠レースの第2弾プリークネスSは、いきなりショッキングな幕開けとなりました。スタートして最初の直線で、ケンタッキーダービーを圧勝していた1番人気バルバロ(バーバロと書かれているものもありますが)が、後ろ脚を骨折して競走中止。なんでも球節の上を粉砕骨折していたということで、当然普通なら予後不良の診断となり、安楽死処分となるほどの重症でした。
しかし懸命の治療により、予断は許さないものの、なんとか命だけは助かる可能性が出てきたようです。骨にものすごい数のボルトを入れて固定し、馬体を吊り上げて水の中で運動させるなど、馬に対する最新医療もずいぶん進んできたようです。
馬の脚は、人間と違ってずいぶん心臓から遠いため、心臓の収縮だけで脚先まで血液をいきわたらせることができません。だから歩くことによってポンプのように血液を脚先まで送り出すようになっているのだそうです。そのため、骨折しても人間のように横になっているだけでは、血が脚先まで行かず、ひずめが腐ってくる蹄葉炎という恐ろしい病気になってしまいます。
テンポイントやサクラスターオーも、結局はこの病気により命を落としています。
バルバロの治療が成功し、命を永らえることができたら、すばらしい前例になるでしょう。費用がかかるので、すべての馬にというわけにはいかないでしょうが、事故により命を落とす悲劇が少しでも減ることを期待したいと思います。

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