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2014年10月26日

再び2冠馬の不思議 ~菊花賞

2年前の菊花賞の際にも、「2冠馬の不思議」と題するコラムの中で、いかにダービーと菊花賞の2冠馬になることが難しいかということに触れました。実際に昨年までで牡馬クラシックの3冠馬7頭、皐月賞とダービーの2冠馬15頭、皐月賞と菊花賞の2冠馬8頭に対して、ダービーと菊花賞の2冠馬は実質タケホープただ1頭(ダービー、菊花賞、オークスを勝った変則3冠のクリフジは除く)のみとなっています。

その理由として考えられることは、ダービーで目一杯の仕上げをしたことの反動による故障や、近年は距離適性等を考えて別路線に向かう馬が増えていることなどが考えられますが、実際に2001年のジャングルポケットを最後に、ダービー1冠馬の菊花賞への出走自体がなかったのです。その理由を見てみましょう。
2002年 タニノギムレット:神戸新聞杯前に屈腱炎で引退
2004年 キングカメハメハ:神戸新聞杯1着後に、天皇賞(秋)を予定していたが屈腱炎で引退 
2007年 ウオッカ:凱旋門賞出走を目指していたが故障により秋華賞に出走(3着)
2008年 ディープスカイ:神戸新聞杯1着から天皇賞(秋)に出走(3着)
2009年 ロジユニヴァース:JCを目指したが体調整わず秋は全休
2010年 エイシンフラッシュ:神戸新聞杯2着後菊花賞を目指すが病気で取りやめJCに出走(8着)
2012年 ディープブリランテ:夏にイギリス遠征後菊花賞を目指したが屈腱炎で引退
2013年 キズナ:ニエル賞1着から凱旋門賞に出走(4着)
(2003年ネオユニヴァース、2006年メイショウサムソンは皐月賞、ダービーの2冠馬でいずれも菊花賞に参戦するも、3着、4着に敗れた。2005年ディープインパクト、2011年オルフェーヴルは3冠馬)

こうしてみると、春の2冠馬が4頭とも順調なのに対して、ダービー1冠馬は8頭中6頭が何らかの故障を発症しており、やはりかなり無理して勝った反動が否めないのではないかと思います。

そして今年、13年ぶりにダービー1冠馬が無事菊花賞に、しかも神戸新聞杯を勝って1番人気で出走しました。神戸新聞杯は辛勝でやや不安を感じさせたものの、ダービーも神戸新聞杯も並んだら抜かせない勝負根性を見せており、ついに41年ぶりにジンクスを打ち破ることへの期待も、2.4倍という単勝人気に込められていたと思います。

レースはサングラスがやや早めの流れを作り、ワンアンドオンリーは外からの発走ということもあり前に壁を作れず、やや掛かったように中団の前を進みます。横山典騎手が懸命に抑えて最初の直線では落ち着いたように見えたものの、向こう正面ではまた掛かり気味に好位を追走。
4コーナー手前から追い出されるも、直線に入ってもいつもの伸びはなく馬群の中。神戸新聞杯で3,2着に下したトーホウジャッカル、サウンズオブアースが優勝争いを繰り広げる中、まったく見せ場なく1.2秒差の9着に終わりました。

これでまたもやジンクスの継続を許してしまったわけですが、ここまで来ると、もうこれを信じる方が馬券的には得だといえるでしょう。実際に過去には、スペシャルウィーク(菊花賞1番人気2着)やジャングルポケット(菊花賞1番人気4着)など古馬になってG1を勝つような名馬でも、このジンクスをくつがえすことはできなかったのです。
逆にこのジンクスに勝つような馬がいれば、真の名馬かもしれません。その登場は、ある意味楽しみでもあります。

2014年10月19日

ディープインパクト産駒の強さと相性の良さ ~秋華賞

今年の秋華賞は、単勝3番人気のショウナンパンドラが、ラチ沿いから力強く抜け出し、外から差してきた圧倒的1番人気のヌーヴォレコルトをクビ差抑えて優勝しました。

ショウナンパンドラは前走不良の紫苑Sで1番人気ながら2着に惜敗し、優先出走権を得て秋華賞に出てきました。しかし過去10年で紫苑Sからは3着以内に1頭も来たことがないということで、そのジンクスというか傾向を信じると、ちょっと手が出にくいという人も多かったのではないでしょうか。

しかしそれを覆すような記録もありました。それは、私も新聞で知ったのですが、ディープインパクト産駒が京都の重賞(1600~2400m)で17戦連続で3着以内に入っているというもの。実際に秋華賞でもディープインパクト産駒は2年連続で連対中で、2年前には1,2着を独占しています。
そして今年、秋華賞に出走してきたディープインパクト産駒は、ショウナンパンドラとセウアズールの2頭だけ。500万を勝っただけのセウアズールは手を出しにくいので、そうなると必然的にショウナンパンドラが浮上してきます。

逆にハーツクライ産駒は京都が不得意で、今年の秋華賞の前までにのべ39頭が京都芝の重賞に出走して、勝ったのはわずかに昨年の日経新春杯のカポーティスターのみ。たしかにウインバリアシオンも、菊花賞、天皇賞(春)と惜敗していました。これはヌーヴォレコルトには、いやなデータです。

そしてレースは、まさにその傾向そのままに決まってしまいました。
道中はショウナンパンドラとヌーヴォレコルトは中団の同じような位置にいましたが、4コーナーで内を突いたショウナンパンドラに対して、ヌーヴォレコルトは外に持ち出します。そこでややスムーズさを欠いた分、ヌーヴォレコルトはいったんスピードをゆるめてしまい、差が開いてしまいました。
直線は先に抜け出したショウナンパンドラに対して、外から猛然とヌーヴォレコルトが迫りますがクビ差及ばず。力量に差があるとは思えませんが、スムーズに運んだ分ショウナンパンドラが栄冠を手にすることになりました。

この結果、ディープインパクト産駒の秋華賞での成績は2・2・0・7で、初年度となる2011年を除いて3年連続の連対。これは来年も使えるデータと言えるでしょう。
ところで、同じようにハーツクライ産駒についても調べてみると、その成績は0・2・0・3。一見ディープインパクト産駒に比べると劣りますが、連対率を見てみるとディープインパクト産駒の36%に対してハーツクライ産駒は40%と勝ちはないものの遜色ない成績です。これは個人的には決して悲観するようなものではないと思うのですが・・・。

さてハーツクライ産駒といえば、来週の菊花賞でも1番人気が予想される、ダービー馬で前哨戦の神戸新聞杯を勝ったワンアンドオンリーが気になります。こちらも京都重賞が不得意と言われるほかに、ダービーと菊花賞の純粋な2冠馬は過去にタケホープ1頭しかいないという、さらに強烈なデータが立ちはだかります。
そんな逆風を跳ね返してワンアンドオンリーが2冠を達成するのか、はたまたデータどおりの結果に終わってしまうのか、来週も目が離せない戦いが続きます。

2014年10月05日

芝未勝利の先入観が邪魔して・・・ ~スプリンターズS、そして凱旋門賞

今年のスプリンターズSは、単勝13番人気のスノードラゴンが外から脚を伸ばして差し切り、2着のストレイトガールに1/2馬身差をつけて1着となりました。スノードラゴンにとってこれが重賞初勝利で、かつ芝での初勝利。さらに高木調教師も大野騎手も初G1制覇と、初物づくしの勝利となりました。

スノードラゴンは今年の高松宮記念で後方から素晴らしい末脚で追い込み2着に入るという実績はありましたが、それまでダートが主戦場だったこともあり、不良馬場が幸いしたフロックという見方が多かったと思います。さらに前走のキーンランドCが後方から見せ場なく8着。これがG1で2着の実績がありながら、13番人気という低評価になったおもな原因でしょう。
さらに、ダートでも芝でも重賞は2着までと勝ちきれないイメージで、そのうえ芝では未勝利。ダート馬で芝は重なら注意というのが、個人的なイメージでした。
しかし血統的を見ると、父が12年前の新潟で行われたスプリンターズSで2着に入り、後藤騎手の涙の安田記念が印象的なアドマイヤコジーンで、母父はダービー馬のタヤスツヨシ。タヤスツヨシ産駒にはダート得意な馬が多い印象もありますが、決してダート血統という感じではありません。
またオーシャンSではメンバー1位の上りで2着に入るなど、よく見てみれば芝で走っても不思議ではない成績ではあります。

そういう意味では、やはり思い込みや先入観というのは、競馬に限らずよくないと思うのですが、いつも気づくのはレースが終わった後というのは、毎度のことながら残念なことです。せめてこのような教訓を実生活で生かせれば、競馬をやっている意味もあるのでしょうが・・・。
意外と競馬の予想は人生に役立つ面もあるのではないかと、勝手にこじつけて金銭的損失を正当化することもあるのですが、いつかは教訓を生かしたいものです。

ところで、日本時間の今晩は、いよいよ第93回凱旋門賞の発走です。
初めてスピードシンボリが挑戦してから45年。さらに初めて世界一に手が届きかけたエルコンドルパサーの2着から15年。この4年間で日本馬は2着3回と、いつ勝ってもおかしくない成績でありながら、なぜか勝てないのも事実です。特に2年前のオルフェーヴルは勝ったと思ったんですけどねぇ。
今年は初めて日本馬が3頭出走し、その3頭がそれぞれの強みを持っているという意味では、とても興味深い顔ぶれです。オルフェーヴルほどの絶対的な強さは無いかもしれませんが、それぞれ未知な部分があり、また外国馬も混戦ムードで、今年こそ悲願を達成する可能性も十分あります。
よい結果を期待して、楽しみに待ちたいと思います。