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2011年11月27日

牝馬と牡馬では勝負根性に差がある? ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、凱旋門賞を制した3歳牝馬のデインドリームの参戦が話題になり、その衝撃的な強さと早い馬場への適性が買われて、1番人気に支持されました。しかしレースは、国内レースで初めて1番人気をゆずったブエナビスタが、トーセンジョーダンとの叩き合いを制して、昨年2着に降着になった鬱憤を晴らすとともに、鮮やかな復活を遂げました。

ブエナビスタは前走の天皇賞(秋)で初めて馬券圏をはずれる4着に敗退し、もうダメなのではないかという見方をする人も多かったのではないでしょうか。それが単勝3.4倍の2番人気というオッズに現れていたと思います。
確かに過去には、1回の敗戦からそれまでの強さが嘘のように勝てなくなった馬もいました。

2000年の古馬中長距離G1をすべて制したテイエムオペラオーは、翌2001年の宝塚記念で、それまで常に2着に下していたメイショウドトウに初めて先着を許し、さらに勝ったと思った天皇賞(秋)でアグネスデジタルに差されて2着に破れ、その後はJC2着、有馬記念5着とついに復活することなく引退しました。
また2004年の天皇賞(秋)、JC、有馬記念を制したゼンノロブロイは、翌年の天皇賞(秋)でヘヴンリーロマンスに差されて2着に敗れた後、やはりJC3着、有馬記念8着とずるずると負け続けて引退。
どうもこういう成績を見ていると、どんなに強い馬でも、いったんケチがつくと、なかなか復活しにくいのかなと思ってしまいます。

しかし、もちろんオグリキャップのように復活した例もあります。そこまで劇的ではないにしても、特にG1を複数勝った強い馬の中では、牝馬にその傾向があるような気がします。
2歳から5歳(当時は3歳から6歳)まで毎年G1を勝ち、通算でG1を5勝したメジロドーベルは、2度も復活してエリザベス女王杯を2勝しましたし、G1最多勝タイの7勝をあげたウオッカも、何度も勝てない時期を過ごしながら、5歳の秋にJCを制しました。
単純に牡馬と牝馬の違いとはいえないとは思いますが、やはり牝馬のほうが根性があるのかなと思えてしまいます。

ブエナビスタはこれでG1は6勝となり、ウオッカやシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトなどそうそうたる馬たちが記録したJRAのG1 7勝という記録にあと1歩と迫っています。
順調に行けば有馬記念で7勝目を狙うことになりますが、ブエナビスタのすごいところは、どの競馬場でもしっかり走るということです。東京はもちろん、中山でも有馬記念2着2回の実績があります。この1年足踏みした分、有馬記念ではすっきり勝って、ぜひG1 7勝目を獲得して欲しいものです。

ブエナビスタ
【ブエナビスタ】いつものように落ち着いて周回。パドックではいつもおとなしいです。

2011年11月03日

スマートファルコンvsトランセンド、しびれました ~JBCクラシック

今日のJBCデーの注目は、なんといってもダートの現役最強馬2頭が激突するクラシック(ダート2000m)でした。
対戦は2回目ですが、前回(2010年日本テレビ盃)はどちらも本格化前で、その後スマートファルコンはG1(Jpn1)3勝を含む交流重賞6連勝、トランセンドはJRAのG1(南部杯含む)3勝+ドバイWC2着と、それぞれの路線で大活躍しています。

もっとも今回は、大井競馬場という、スマートファルコンが今年の帝王賞で9馬身差で勝った馬場で行われるため、スマートファルコンの有利はゆるがないと思われました。戦前から馬券的な興味はほぼなく、勝ち負けよりも、スマートファルコンがどう勝つか、またトランセンドはどこまで食い下がるかが焦点だったと思います。

スタートしてすぐにスマートファルコンが先頭に立ち、トランセンドは2番手。向こう正面では2頭が後続を大きく引き離し、かろうじて3番手をシビルウォーが追走するものの、4番手以降はすでに勝負あったという感じになってしまいます。
そして4コーナー。馬なりのスマートファルコンに対して、トランセンドは藤田騎手の手が激しく動き、ムチまで入れています。そして直線に入ると、2,3馬身離していき、またいつものようなスマートファルコンの圧勝かと思われました。
しかし一旦離れた差が、またじりじりと詰まり始めます。おおっ、もしかして南部杯のようにトランセンドが差し返すかとも思えるような展開になりましたが、結局スマートファルコンが貯金を守って1馬身差の勝利。
3着のシビルウォーはそれから3 1/2馬身離れ、さらに4着以下は大差となりました。

いつもなら離れる一方の2着馬が、ゴール前でどんどん詰め寄ってくるというのは、さすが伊達にG1を連勝してはいないと感心させられました。もちろんスマートファルコンの強さはすばらしいですが、トランセンドの強さと勝負根性もたたえられるべきだと思います。

しかしスマートファルコンとしては時計的にも厳しいわけではないのに、最後はやや脚が上がったように見えたのも不思議です。やはりピッタリと後ろにつかれたプレッシャーが、微妙に影響したのでしょうか。
またトランセンドは南部杯でもそうだったのですが、勝負どころで手ごたえが悪くなる感じがあります。最後は差を詰めてきているので、4コーナーすぎで一気に差を広げられたのが、最後に効いたのではないでしょうか。

今後どのレースを使うのかはわかりませんが、全盛の間にまた激突するのを見てみたいですね。今日の大井競馬場はすごい人でしたが、実力馬がぶつかるというだけで、お客さんをたくさん呼ぶことができるのですから。
やはり強い馬同士の真剣勝負が、最高のコンテンツといえるのではないでしょうか。