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ゴールドシップ

性別 毛色 芦毛
生年月日 2009年3月6日 所属 栗東・須貝尚介厩舎
ステイゴールド ポイントフラッグ (母父:メジロマックイーン)
戦績 28戦13勝
(13・3・2・10)
生産者 北海道日高 出口牧場
馬主 小林英一ホールディングス 騎手 秋山真一郎、安藤勝己、内田博幸、R.ムーア、岩田康誠、C.ウィリアムズ、横山典弘
おもな
勝ち鞍
皐月賞(2012),菊花賞(2012),有馬記念(2012),宝塚記念(2013,2014),天皇賞(春)(2015),神戸新聞杯(2012),阪神大賞典(2013,2014,2015)、共同通信杯(2012)
21世紀の名馬VOL.1「ゴールドシップ」 (Gallop21世紀の名馬シリーズ)
 

私が競馬を見始めた1980年代終わりから1990年代にかけて、競走馬のトレンドカラーは芦毛だった。
1988年に地方競馬の笠松から中央に移籍してきた芦毛のオグリキャップの活躍は話題になり、当時の最強馬タマモクロスとの芦毛対決には注目が集まった。
また1989年には芦毛馬としては初めてウイナーズサークルがダービー馬になり、その後も親子3代で天皇賞(春)を制したメジロマックイーン、そのメジロマックイーンが1位入線で最下位降着となった1991年天皇賞(秋)で繰り上がって1着となったプレクラスニー、勝てなくても人気があったホワイトストーン、強さと安定感と顔の大きさで愛されたビワハヤヒデなど、芦毛人気を受け継ぐ馬たちが、次々と現れたのである。

しかしその後はあまり強さと人気を兼ね備えた芦毛馬の出現がなく、少々さみしい思いがある中で登場したのがゴールドシップだった。とはいえ個人的には2歳時はあまり大きな印象を受けてはいなかった。

ゴールドシップがデビューしたのは2011年7月9日の函館芝1800m新馬戦。後方からアタマ差で勝つと、続くOPコスモス賞も3/4馬身差で連勝。安藤勝騎手に乗り替わって2番人気で札幌2歳Sに出走するが、デビュー2戦で手綱をとった秋山騎手鞍上の1番人気グランデッツァに、1/2馬身差で2着に敗れてしまう。
続いてゴールドシップは、クラシックの登竜門である年末のラジオNIKKEI杯2歳Sに3番人気で出走する。後方から、札幌2歳Sで敗れたグランデッツァにはハナ差競り勝つものの、アダムスピークには1 1/2馬身突き放されてまたもや2着。
アダムスピークの強さが印象に残り、逆にゴールドシップは北海道シリーズでは活躍したものの、その後は勝ちきれずに消えていくパターンかなという印象だった。

そして年が明けて2012年の共同通信杯。新馬を5馬身差、東スポ杯2歳Sを3馬身差と圧勝してきたディープブリランテが出走するということで、どんなレースを見せるのか期待しながら見に行った。
当然期待はディープブリランテの走りで、内田騎手に乗り替わった2番人気のゴールドシップは、堅実ではあるが勝つまではどうかと見ていた。

ところが好スタートのディープブリランテは、気合をつけると折り合いを欠いてハナを切る。岩田騎手が懸命に抑えるが、アタマをあげて行きたがる様子。対するゴールドシップは3,4番手で折り合って前を追う。
直線に入りディープブリランテがいったん大きく突き放すも、ゴールドシップがじりじりと差を詰めてきて、残り100mでディープブリランテを交わして先頭。さらに豪快に伸びて、最後はディープブリランテに1 3/4馬身差の完勝。

ディープブリランテに期待していただけに、折り合いを欠くという負け方は、距離が伸びるクラシック戦線に向けてかなり不安を感じさせた。対するゴールドシップは、長く脚を使う勝ち方にプラスして、血統的に距離伸びて良いということで、自分の中では一気にクラシックの有力候補として意識することになった。

ゴールドシップ
ゴールドシップ 共同通信杯出走時 2012年2月12日 東京競馬場

ゴールドシップ
ゴールドシップ 共同通信杯出走時 2012年2月12日 東京競馬場

ゴールドシップ
ゴールドシップ 共同通信杯出走時 2012年2月12日 東京競馬場

ただしゴールドシップが直接皐月賞に向かうと聞いた時点で、陣営の目標は皐月賞ではなくダービーだと確信し、あくまで皐月賞はたたき台だと早合点してしまう。
今でこそ共同通信杯から皐月賞に直行するというローテーションは多くの馬が選択し、それで皐月賞を勝つ馬も多いが、当時は弥生賞やスプリングSから向かう馬が圧倒的で、共同通信杯からは異例のローテーションだったのである。
そのため皐月賞の予想では、若葉Sを圧勝したワールドエースと、スプリングSを勝ったグランデッツァが中心で、ゴールドシップは連下と見ていた。ゴールドシップが皐月賞で適度に負けてくれれば、ダービーでのオッズも上がるだろうとまで考えた。

7.1倍の4番人気で皐月賞を迎えたゴールドシップは、五分のスタートを切るも1コーナーでは最後方。2頭が大きく飛ばす縦長の展開だが向こう正面でも最後方からついていく感じで、これは休み明けが響いたかと見ていた。しかし3コーナー手前から内田騎手が激しいアクションで追い出すと、内を通って少しずつ上がっていく。
この年は開催日に雨が多かったため馬場の内側が悪く、4コーナーでは内が大きく空き、外を回る馬が多い中、内田騎手はただ1頭思い切って内を突くと、直線に入った時には逃げた2頭につぐ3番手に上がっていた。のちにワープしたとも言われたが、何のことはない、ほかの馬が外を回りすぎたのだ。
あとは前を交わすだけとなり、残り200mで先頭に立つと、どんどん後続を突き放していく。最後は外から追いこんできた2番人気ワールドエースに2 1/2馬身差をつける完勝で、見事に初G1制覇をクラシックレースで果たした。

それまでゴールドシップ自身はやや重までの経験しかなかったが、同じ血統のオルフェーヴルが重の鬼と言われたこともあり、荒れた馬場への不安は感じていなかったのだろう。内田騎手のファインプレーだった。

しかし個人的にはゴールドシップはダービーでこそと思っていたので、この結果には悩まされることになった。すばらしい上りで追いこんできたワールドエースともども、直線の長いダービーでは有力と思われるが、あきらかに人気になってしまう。
逆に皐月賞では先行しながら伸びあぐねて3着に敗れたディープブリランテは、共同通信杯での負けと合わせて、距離伸びるダービーではどうかという評価になった。

そして迎えたダービー。ワールドエース(2.5倍)、ゴールドシップ(3.1倍)が1,2番人気となり、ディープブリランテは8.5倍とやや離れた3番人気。あとは2桁のオッズとなり、3強の争いだが事実上2強という評価になった。

晴天の良馬場という絶好のコンディションで行われたレースで、ゴールドシップはスタートして懸命に押すもポジションを下げてしまい後方から進める。対するディープブリランテはうまく抑えて先行。ゴールドシップはワールドエースを追って徐々にポジションをあげるも、4コーナーでも中団後方。
直線は外に出してワールドエースと馬体を合わせて外から追いこんでくるが、先に抜け出したディープブリランテには1 1/4馬身及ばず、7戦目にして初めて連対を外す5着と敗れた。

ゴールドシップ
ゴールドシップ 日本ダービー出走時 2012年5月27日 東京競馬場

秋の復帰戦は神戸新聞杯。春の実績馬たちが不在の中、2.3倍の1番人気にこたえて2 1/2馬身差で快勝すると、勇躍菊花賞に向かう。
再戦が期待されたディープブリランテは直前に屈腱炎が判明して回避し、ダービー2〜4着馬も不在とあって、1.4倍の圧倒的な1番人気に支持される(2番人気マウントシャスタは13.1倍)。
レースでは最後方を追走してハラハラさせるが、2週目の向こう正面で進出開始すると3コーナーでは先団に取り付き、4コーナーでは2番手の外。直線に入って先頭に立つと、スカイディグニティにいったんは迫られるが、最後は突き放して1 3/4馬身差で1着。見事にクラシック2冠を制覇した。

続いて有馬記念に直行するが、古馬のG1馬がやや勝ちきれないルーラーシップやJCで完敗したエイシンフラッシュなど、決め手に欠けるメンバーが多いこともあり、2.7倍の1番人気に支持される。
中山は皐月賞を勝った舞台ではあるが、1頭だけ内を突くという特殊な展開での勝利であり、追い込みという一見中山では不利な脚質でやや心配された。

レースでは2番人気のルーラーシップがゲート内で立ち上がり大きく出遅れ、ゴールドシップも行き脚がつかず後方2番手と、大きなどよめきとともに始まる。最初の直線でルーラーシップはゴールドシップを交わし、1コーナーはゴールドシップが最後方で回っていく。
そして菊花賞同様に向こう正面で進出を開始するがカーブがきついこともあり、4コーナーでも大外の後方。しかしそこから短い直線を一気に追い込んでくると、残り50mで先に抜け出したエイシンフラッシュ、オーシャンブルーを交わして先頭。最後は1 1/2馬身突き放して見事にG1 3勝目を飾った。

普通であれば年度代表馬に選ばれるだろうが、この年は牝馬3冠にジャパンCを勝ったジェンティルドンナがいたため、残念ながら最優秀3歳牡馬だけに終わった。しかしダービー以外はすべて勝って重賞5勝(うちG1 3勝)という、すばらしい成績を残した。

2013年、4歳になったゴールドシップは、天皇賞(春)を目指して前哨戦の阪神大賞典に出走し、1.1倍の圧倒的人気に応えて2馬身差で快勝する。
そして本番でも1.3倍の1番人気。同い年の青葉賞馬で日経賞を勝って臨むフェノーメノが6.2倍の2番人気で続いたが、事実上の1強という評価だった。唯一の不安はそれまでの10年で、1番人気はディープインパクトが勝った1連対のみという事実だったが、それまでの強いパフォーマンスから、覆してくれるだろうという期待の方が大きかった。

レースではゴールドシップはいつものように最後方から進めるも、最初の直線では早めにポジションをあげていく。さらに向こう正面で追い出すと、3コーナー手前では早くもムチが入る。それでも4コーナーでは先団に取り付くが、いつもより手応えが悪い。さらに直線でジャガーメイルに前をカットされる不利もあり、結局勝ったフェノーメノに0.9秒離される5着に終わった。
しかし不利がなかったとしても明らかに脚色が悪く、また勝ち馬との着差もあり、敗因はよくわからなかった。このあたりから、それまでの安定感が影を潜め、勝つときは強いが負けるときはまったくゴールドシップらしさを見せずあっさり大敗するという、二面性を見せるようになっていく。

次走の宝塚記念は、残念ながらオルフェーヴルは病気で回避したものの、天皇賞馬フェノーメノと、ドバイで2着と好走してきた前年の牝馬3冠ジェンティルドンナとの3強対決が注目を集めた。前走負けの影響か1番人気はジェンティルドンナに譲り、ゴールドシップは2.9倍の2番人気。上位勢が強力と見たのか、11頭立てとさみしい頭数になった。

これまで内田騎手はスタート直後にゴールドシップに気合をつけるが、行かないと見るとあきらめて最後方から進めるというレースを行ってきた。ところがこの年の宝塚記念では、内田騎手は必死に追って、最初の直線ではジェンティルドンナを見る4番手につける。
シルポートが20馬身以上離す大逃げを打ち、離れた好位で折り合うジェンティルドンナやフェノーメノに対して、必死に手が動いて追い続けるゴールドシップの姿が対照的で、内田騎手の苦労がしのばれた。
それでも直線でジェンティルドンナとフェノーメノを置き去りにして力強く伸びたゴールドシップは、先行して粘るダノンバラードに3 1/2馬身をつけて快勝。見事に復活の勝利をあげ、天皇賞(春)で敗れたフェノーメノやトーセンラーに雪辱を果たした。
この日は良馬場だったが、1番の上り時計がゴールドシップの35.2を見てもわかるように力のいる馬場。こういう馬場では同じ血統のオルフェーヴル同様に強さを発揮することがあらためて証明された。

ところが秋になるとゴールドシップは不振に陥る。
休み明けの京都大賞典は1.2倍の1番人気を裏切り、好位から伸びずに0.3秒差5着。
続くジャパンCはジェンティルドンナに続く3.4倍の2番人気となるが、後方追走からいつもの伸びがなく1.5秒差15着と初めての2桁着順に沈んだ。
これで陣営は内田騎手からのスイッチを決断。2連覇を狙う有馬記念は、再度の復活を期して短期免許で来日したムーア騎手とのコンビで臨むこととなった。

ゴールドシップ
ゴールドシップ ジャパンC出走時 2013年11月24日 東京競馬場

引退レースのオルフェーヴルとは最初で最後の対決となったが、そのオルフェーヴルに次ぐ4.4倍の2番人気に支持される。
ゴールドシップは、いつものようにスタートは今一つも、ムーア騎手は必死に押して後方から4,5頭目のオルフェーヴルのすぐ前という位置を取る。しかし3コーナー過ぎに馬なりでオルフェーヴルにかわされると、直線必死に追うも差は広がるばかり。先に抜け出したウインバリアシオンにも1 1/2馬身届かず、オルフェーヴルには1.5秒も離される3着に終わった。
着順はともかく、大きく離された負け方からは、まだ本調子ではないことが伺えた。

2014年、5歳になったゴールドシップは新たに岩田騎手とのコンビで前年と同じ阪神大賞典から始動。1.7倍の圧倒的な人気に応え、先行して3 1/2馬身差で快勝。前年の雪辱を期してウイリアムズ騎手とのコンビで天皇賞(春)に臨む。
前年のダービー馬キズナに次ぐ4.3倍の2番人気となるが、ゲート内で大声で吠えて立ち上がるという気の悪いところを見せ、大きく出遅れて最後方から。3コーナーから進出して4コーナーは中団で大きく外を回すが末脚の伸びは今一つ。連覇を達成したフェノーメノから0.5秒差7着までが精一杯だった。

次走は連覇を目指して宝塚記念に出走。鞍上は新たに横山典騎手となった。
この時点でかなりのムラ駆けというイメージがついてきたが、阪神コースは5戦4勝で連対を外しておらず、時計のかかる馬場も得意ということで、ウインバリアシオンやジェンティルドンナを抑えて2.7倍の1番人気に支持される。
スタートは行き脚つかず最後方も、横山典騎手は無理なく促して上がっていき、1コーナーでは4番手につける。そのまま好位を進んで、直線に入るとじわじわと前との差を詰めて、残り200mを切って先頭。そのまま突き放すと、カレンミロティックに3馬身差をつける完勝で、見事に連覇でG1 5勝目を飾り、このコースでの強さを改めて見せつけた。

この後は、札幌記念をステップに凱旋門賞への挑戦が発表された。
札幌記念では、同じく凱旋門賞に向かうその年の桜花賞馬ハープスターに3/4馬身およばず2着だったが、前哨戦としては上々の結果を残して渡仏する。

この年の凱旋門賞は、日本からはゴールドシップに加えて、前年の天皇賞(秋)やその年の安田記念などを勝ったジャスタウェイ、ハープスターと3頭が出走した。その中でゴールドシップは凱旋門賞2着2回のオルフェーヴルと血統的に近く、時計が掛かる馬場が得意で距離も合うということで、個人的にはかなりやれるのではないかと、3頭の中では最も期待していた。

ゴールドシップは内枠から出たが、横山典騎手は下げて道中はハープスターを前に見る形で2馬身ほどの差で最後方を追走。最終コーナーの手前で外に出して追い上げを開始するが、いつもの伸び脚が見られない。
いったんはかわしたハープスターが素晴らしい末脚で前に迫っていく中、大外からじりじりと差してくるが、20頭中離れた14着という結果に終わった。ハープスター(6着)、ジャスタウェイ(8着)にも大きく離され、期待していただけに落胆も大きかった。

帰国後は得意の中山で行われる有馬記念を目指す。
この年の有馬記念はG1馬が10頭も顔をそろえるという豪華メンバーだったが、有馬記念で1,3着という堅実さも買われてゴールドシップは3.5倍の1番人気になる。
岩田騎手に乗り替わったゴールドシップは、スタート直後にやや行きたがるが、なだめて中団後方を追走。向こう正面でややポジションをあげると、3コーナー手前で一気に加速し、4コーナーでは先行集団に取り付く。先に抜け出したジェンティルドンナに外からじりじりと迫るが、3/4馬身差3着まで。
しかし大敗した凱旋門賞からは大きな変わり身を見せ、現役を継続する翌年に向けて明るい材料となった。

6歳となった2015年、初戦は得意の中山で行われるAJCCに出走する。58kgを背負うが唯一のG1馬でもあり、1.3倍の圧倒的1番人気に支持される。ところが中団から反応悪く0.5秒差の7着と大敗。
しかし次走得意の阪神大賞典に出ると、好位追走から1 1/4馬身差で勝って同一重賞3連覇を達成。悲願の天皇賞(春)に三度挑戦する。

その天皇賞(春)では、前年のダービー馬キズナに1番人気を譲って4.6倍の2番人気。これはゴールドシップ自身が阪神では強いものの、京都は菊花賞を勝っただけの4戦1勝で、天皇賞(春)は前2年5,7着と着外に敗れていたことが大きかったと思う

再び横山典騎手に手綱が戻ったこのレースで、ゴールドシップはゲート入りを嫌がり、スタート後も行く気を見せずに最後方から進むが、最初の直線で外から少しポジションをあげると、向こう正面ではムチを入れて一気に進出開始。3コーナーでは4番手まであがっていく。そのまま4番手で4コーナーを回ると、直線では先に抜け出したカレンミロティックとの差をじりじりと詰めていく。
ゴール直前でカレンミロティックを交わすと、後方から追いこんできたフェイムゲームをクビ差抑えて、3度目の挑戦で見事に天皇賞(春)制覇を飾った。

向こう正面から追い出すという、長距離レースではあまり見ることがないやや強引なレース運びだったが、横山典騎手はゴールドシップの特色であるバテない持続力と、闘争心を目覚めさせれば強いパフォーマンスを見せる気性を、最大限に利用したのだろう。あれだけのロングスパートはかなりの勇気がいるはずで、あそこから仕掛けてもバテない自信があるからこそできたのだと思う。

これでG1は6勝目となり、歴代最多タイとなる芝G1 7勝に向けて挑戦を続けることになる。
まずは同一G1 3連覇という偉業に向けて宝塚記念に出走。それまで重賞3連覇を達成した馬は4頭いたが、G1では例がなく、実現すれば空前絶後の記録になる。得意なコースということもあり、ファンは期待も込めて1.2倍という圧倒的な1番人気に支持した。
しかしその挑戦も、スタートの時点で事実上潰えてしまう。前走でごねた枠入りこそスムーズだったものの、ゲートが開く直前に立ちあがってしまい、2秒ほどの大きな出遅れ。離れた最後方から懸命に前を追うも、スローペースもありラブリーデイの1.2秒差15着と大敗してしまう。

秋はジャパンCから始動。3歳春以降は良績の無い東京だったが、4.7倍の2番人気となる。いつものように後方から進め、4コーナーでは大外を回って先行集団に取り付き見せ場は作るが、直線は伸び一息でショウナンパンドラの0.4秒差10着まで。

最後のレースとなった有馬記念では、ともにクラシックを戦い有馬記念も勝った内田騎手と2年ぶりのコンビ復活となり、4.1倍の1番人気に支持される。
最後方から進めたゴールドシップは、向こう正面で動き出し3コーナーでは4番手まで浮上。そのまま直線に向き、内田騎手の叱咤に応えて脚を伸ばすが、最後は脚色がいっしょになり、ゴールドアクターから0.3秒差8着と敗れた。

結果として天皇賞(春)のあとは、着順的にはやや燃え尽きたような形にも見えるが、ジャパンCも有馬記念も最後までしっかり脚を伸ばしていて着差もそれほどなく、最後まで闘志は衰えていなかったと思う。特に有馬記念の向こう正面でまくっていく脚色は迫力があり、最後までゴールドシップらしさを見せてくれた。

2016年からビッグレッドファームで種牡馬入りしたゴールドシップは、前年に亡くなった父ステイゴールドの後継種牡馬としても期待された。
初年度産駒は2019年にデビュー。その年の札幌2歳Sで産駒のブラックホールが勝ち、同じくサトノゴールドが2着といきなりワンツーフィニッシュを決め、好スタートを切る。
その直前にビッグレッドファームを訪れてゴールドシップに会っているが、産駒の活躍を予想してか、誇らしげに堂々とした様子だったことが印象的だった。

ゴールドシップ
ゴールドシップ 2019年8月22日 ビッグレッドファーム

ゴールドシップ
ゴールドシップ 2019年8月22日 ビッグレッドファーム

さらに2年目の産駒からユーバーレーベンがオークスを制してG1初制覇。コンスタントに大物を出す種牡馬ではないが、距離伸びて良く、古馬になってから活躍する馬もいて、成長力もある印象だ。

ゴールドシップ自身、気性の荒さが指摘されることが多いが、それは闘志の表れでもある。また体の柔らかさも大きな特徴で、一度も故障で長期休養することなく6歳まで走り続けたのは、素晴らしいことだと思う。
古馬になってからは、かなり成績にムラがある馬になってしまったが、勝つときの強さはほれぼれするものがあった。ぜひそれを引き継ぐような産駒生み出してほしい。


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