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ジャングルポケット

性別 毛色 鹿毛
生年月日 1998年5月7日 所属 栗東・渡辺栄厩舎
トニービン ダンスチャーマー (母父:ヌレイエフ)
戦績 13戦5勝
(5・3・2・3)
生産者 北海道早来 ノーザンファーム
馬主 齊藤四方司、吉田勝己 騎手 千田輝彦、角田晃一、O.ペリエ、小牧太、武豊、藤田伸二
おもな
勝ち鞍
日本ダービー(2001),ジャパンC(2001),札幌3歳S(2000),共同通信杯(2001)
ジャングルポケット 新世紀への咆哮 [DVD]
 

まだあまり知られていないときに目を付けた馬が出世すると、前から知っていたということを自慢したくなるのは、競馬ファンなら身に覚えがあるだろう。個人的にはジャングルポケットは、数少ないそんな1頭だ。

ジャングルポケットを初めて競馬場で見たのは、2000年9月23日の札幌3歳Sだった。馬産地巡りの途中に、せっかくだからと開催中の札幌競馬場を初めて訪れた。当時は旧スタンドだったが、かなり古いつくりで、建物を裏から見ると学校のような感じだったのが強く印象に残っている。
そのレースで千田騎手鞍上のジャングルポケットは、新馬を勝っただけということもあり5番人気。しかし力強く抜け出すと、1 1/2馬身差で勝って2戦目で重賞初制覇となった。

当時の札幌3歳Sは、それほどクラシックにつながるイメージはなかったものの、この中から翌年のクラシックの勝ち馬が出るといいなと思い、上位馬にはその後も注目していた。
そして結果的に、このレースの上位3頭は、すばらしい成績を収めることになったのである。

2着のタガノテイオーは次走の東スポ杯3歳Sを勝った後、朝日杯3歳Sで2着に入る。しかしそのレース中に骨折してしまい予後不良の診断。残念ながらクラシックには出られなかったが、鞍上を務めた藤田騎手の評価も高く、もし生きていれば大きなところを取れただろう。
3着のテイエムオーシャンは、その後阪神3歳牝馬S、チューリップ賞、桜花賞と3連勝。距離の長いオークスこそ3着に敗れたが、秋華賞も勝ってG1 3勝馬に。日本におけるダンシングブレーヴの代表産駒になった。

そして1着のジャングルポケット。札幌3歳Sの次走は、所属厩舎の主戦である角田騎手鞍上で暮れのラジオたんぱ杯に出走する。当時からクラシックへの登竜門とされていたレースで、新馬、500万と連勝してきた話題の外国産馬クロフネ、ダービー馬アグネスフライトの全弟で新馬を圧勝してきたアグネスタキオンに次ぐ3番人気となった。
今から思うとすごいメンバーのこのレースで、圧勝したのはアグネスタキオン。クラシックはこの馬で仕方ないかと思わせるレースぶりだったが、ジャングルポケットは休み明けながら2 1/2馬身差の2着に入ってクロフネには先着し、力のあるところを見せた。相手関係を考えれば、これでクラシックへの夢はつながったと思える走りだった。

2001年になり、初戦はダービーを意識して東京競馬場で行われる共同通信杯に出走。圧倒的な1番人気に応えて、直線でよれながらも2馬身差で快勝する。

そしてジャングルポケットは、直行で皐月賞へ。弥生賞を5馬身差で圧勝したアグネスタキオンに次ぐ2番人気に支持される。
ところがスタートで大きくつまずいてしまい、後方からレースを進めることに。3コーナー過ぎから、やや強引に外を回って追い上げるも、好位の内から抜けたアグネスタキオンの3着までと、悔しい敗戦を喫することになる。

ところがアグネスタキオンは、その後屈腱炎を発症してダービーを回避。東京得意のトニービン産駒ということもあり、皐月賞の末脚が評価されたジャングルポケットは、ダービーで1番人気に支持される。
最内の皐月賞とは反対に、大外18番からスタートしたジャングルポケットは、中団後方を追走。向こう正面ではどんどんポジションを落として大丈夫かと心配になる。
ところが直線大外に持ち出すと、持ち前の末脚を発揮してつぎつぎと前の馬たちを競り落とし、追いすがるダンツフレームに1 1/2馬身差をつけて1着。
初G1制覇を果たすとともに、渡辺調教師と角田騎手の師弟にダービートレーナーとダービージョッキーという称号をプレゼントした。

その後、札幌記念は3着、1番人気の菊花賞は折り合いを欠いてしまい、伸び一息でマンハッタンカフェの4着に敗れてしまう。そのためか、主戦騎手だった角田騎手は菊花賞を最後に、2度とジャングルポケットの手綱をレースでとることはなかった。

そしてジャングルポケットはペリエ騎手の騎乗で、得意の東京で行われるJCに出走する。
ここでの1番人気は、前年に古馬中長距離G1完全制覇を成し遂げ、JRA新記録となる芝G1 8勝目を目指すテイエムオペラオー。ジャングルポケットはやや離れた2番人気だった。
道中は好位を進むテイエムオペラオーに対して、ジャングルポケットは後方につける。そして直線、早めに追い出したテイエムオペラオーが大きく抜け出し、誰もが勝ったと思ったのもつかの間、大外からジャングルポケットが差を詰めてきて、あっという間にテイエムオペラオーを交わして優勝。その着差はクビ差だった。
この時は、もちろんジャングルポケットも応援していたものの、テイエムオペラオーの芝G1 8勝も期待していたので、複雑な感情を抱いたことを覚えている。

ダービーに続いて、古馬G1も制したということで、ジャングルポケットは2001年の年度代表馬に選ばれる。

翌2002年、4歳になったジャングルポケットは阪神大賞典で2着になり、続いて武豊騎手騎乗で天皇賞(春)に出走。マンハッタンカフェのクビ差2着に好走する。
しかしその後脚部不安を発症して休養に入る。秋は前年勝ったJCに直行で出るも5着に敗れ、その年の有馬記念7着の後に怪我をしたこともあり、引退が決まった。

種牡馬としては、トニービンの後継として、ジャガーメイル(2010年 天皇賞(春))、オウケンブルースリ(2008年 菊花賞)、トールポピー(2007年 阪神JF、2008年 オークス)、トーセンジョーダン(2011年 天皇賞(秋))、クィーンスプマンテ(2009年 エリザベス女王杯)、アヴェンチュラ(2011年 秋華賞)、アウォーディー(2016年 JBCクラシック)など、芝・ダート問わず多くのG1馬を生み出した。派手さはないものの、堅実という感じの馬が多かった印象だ。

ジャングルポケットといえば、レース後に雄叫びをあげるようにクビを大きく振り上げるシーンが印象的だったが、レースでは掛かることもほとんどなく、激しさと冷静さを併せ持った馬というイメージがある。
しかし実際に身近で見たジャングルポケットは、とぼけたような味のあるユニークさを合わせ持った馬だった。

2019年に馬産地巡りで訪れたブリーダーズスタリオンステーション(以下ブリーダーズSS)は、各馬がそれぞれの馬房にいて、ドアのU字型のフェンスから顔を出したタイミングで、見学者たちが写真を撮るという感じだったのだが、ジャングルポケットはなかなか顔を出してくれない。
そういう時は、スタッフの方がニンジンを持って来て誘い出してくれるのだが、なぜかジャングルポケットはフェンスの外には顔を出さないそう。その日も、結局ジャングルポケットはフェンスぎりぎりまでは来るものの、やはり顔を出さなかった。
そしてこれは、同じブリーダーズSSで繋養されている息子のトーセンジョーダンも同じだそうで、こんなことも遺伝するんですかねと、スタッフの方も笑っていたのが印象的だった。

そんなジャングルポケットも、2021年3月2日に繋養されていたブリーダーズSSで亡くなった。享年23歳。前年秋から体調を崩し、懸命に治療を行ったものの残念ながらおよばなかったとのこと。
その1年半前の夏に会った時は元気で、隣の馬房のシンボリクリスエスともども、まだまだ長生きするだろうと思っていたのに、2頭とも相次いで逝ってしまうとは・・・。冥福を祈りたい。

ジャングルポケット
札幌3歳S 2000年9月23日 札幌競馬場
1着ジャングルポケット(千田) 2着タガノテイオー(藤田) 3着テイエムオーシャン(本田)

ジャングルポケット
ジャングルポケット ブリーダーズSS 2019年8月25日
ニンジンで誘っても、ここまでしか顔を出してくれません

ジャングルポケット
ジャングルポケット ブリーダーズSS 2019年8月25日



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