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アグネスデジタル

性別 毛色 栗毛
生年月日 1997年5月15日 所属 栗東・白井寿昭厩舎
クラフティプロスペクター チャンシースクウォ (母父:チーフズクラウン)
戦績 32戦12勝
(12・5・4・11)
生産者 アメリカ Catesby W. Clay & Peter J. Callahan
馬主 渡辺孝男 騎手 福永祐一、的場均、四位洋文
おもな
勝ち鞍
マイルCS(2000),南部杯(2001),天皇賞(秋)(2001),香港C(2001),フェブラリーS(2002),安田記念(2003),全日本3歳優駿(1999),名古屋優駿(2000),ユニコーンS(2000),日本テレビ盃(2001)
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中央競馬には芝とダートの競走があるが、G1の数や競馬場のつくりを見てもわかるように、芝が中心となっている。そのため、特に馬主は自分の馬は芝で走らせたいと思うだろう。
しかし厩舎サイドは馬に合わせて使っていくというのがあたりまえで、芝向きと思っても、デビューからしばらくは脚元が固まるまでダートを使うという話はよく聞く。
また頭打ちになった馬などは、気分を変えたり刺激を与えるために、芝からダートに変えてみたり、逆のパターンもある。

しかし両方で活躍する馬というのは、あまり多くない。それは求められる資質が異なるということが大きいだろう。一般的には、芝はスピードが、ダートはスタミナと飛んでくる砂に頓着しない我慢強さが求められる。その両方を高いレベルで持つということは、やはり限られた馬にしかできないということなのだと思う。

JRAの芝・ダートG1を両方勝ったいわゆる二刀流の馬は、2020年時点でアグネスデジタル、クロフネ、イーグルカフェ、アドマイヤドン、モズアスコットのわずか5頭。それを最初に達成したのがアグネスデジタルである。

アグネスデジタルの名前を初めて意識したのは、2000年のNHKマイルCだった。
この時点でアグネスデジタルはダートで3勝。川崎の全日本3歳優駿を2 1/2馬身差で快勝していた。一方芝でもクリスタルC、ニュージーランドトロフィーで連続3着と好走。4番人気での出走となった。
個人的には芝での勝ちがないことは気になったが、パドックでの馬体や踏み込みの良さもあり、中心視したイーグルカフェから少し厚めに買ってみた。しかし中団追走からいっぱいになって伸びず、残念ながら0.8秒差の7着に敗れてしまう。

その後は4戦連続してダート重賞に出走。ジャパンダートダービーこそ1番人気で14着と大敗するが、名古屋優駿、さらに秋になってユニコーンSを優勝。初の古馬相手となった武蔵野Sは先行して1馬身差2着と好成績を上げていた。

そして次走に選んだのが、なんと芝のマイルCS。この時点でダート重賞は3勝しており好調ではあるものの、芝は未勝利。4歳(現3歳)馬でもあり、さすがに古馬相手のG1では荷が重いだろうと、単勝55.7倍の12番人気。
個人的にも、さすがにここでは買えないと思ったが、パドックでの馬の良さは目についた。

レースは快速馬ヤマカツスズランが逃げ、最初の3ハロンが34.0の速い流れ。それをアグネスデジタルは後方から2,3番手を追走する。直線に向いて外に出すが、残り200mでも後方から4,5番手。しかしそこから大外を一気に伸びて、ゴール前で1番人気のダイタクリーヴァを交わし1/2馬身差で1着。初の芝での勝利をG1で達成するという衝撃的な優勝だった。しかも当時のコースレコードをマークし、スピードも一級品であることを証明した。

芝のG1馬となったこともあり、翌2001年は芝レースでスタート。
ここまで主戦騎手だった的場騎手が、2月に引退するため最後の騎乗となった京都金杯は、3着と好走するが、その後脚を痛めて予定していたフェブラリーSは回避する。
その影響か四位騎手に乗り替わった京王杯SCは9着、安田記念11着と凡走してしまう。

その後秋に復帰すると、初戦は船橋の日本テレビ盃を3番人気ながら3馬身差で快勝。さらに盛岡の南部杯もトーホウエンペラーやノボトゥルー、ウイングアローなどを破って連勝する。

そして次走は天皇賞(秋)に出走する。
ここはG1 8勝目を狙うテイエムオペラオーが2.1倍の1番人気で、メイショウドトウ、ステイゴールドが1桁人気で続く。アグネスデジタルは4番人気とはいえ20.0倍とかなり離れ、東京実績のなさやマイルに良績が偏っていることからの距離不安などが、その要因だったと思う。
個人的にも今一つアグネスデジタルを信じられず、調教やパドックはよかったものの、馬券の対象からは外してしまった。

レースは逃げると思われたサイレントハンターが出遅れ、メイショウドトウが逃げる。重とはいえ1000m62.2のスローな流れ。それをテイエムオペラオーは好位で追走し、アグネスデジタルは中団後方で追う。直線でテイエムオペラオーが抜け出し勝ったかと思われたが、離れた外をアグネスデジタルがじりじりと差を詰め、最後は1馬身交わして芝G1 2勝目を飾る。
ダート実績のあるアグネスデジタルには重馬場も有利だったが、芝の良い大外を、テイエムオペラオーとは馬体を離して追い込んだ四位騎手のファインプレイでもあった。

そして年末は香港カップに出走する。
好スタートから好位を追走し、4コーナー手前で進出すると、直線は3頭で壮絶なたたき合い。いったん1馬身ほど抜けるが、逃げた1番人気のデットーリ騎手騎乗トブーグもじりじりと差し返し、最後はアタマ差まで迫られるが、なんとか振り切って優勝。芝の国際G1も制してしまう。
ちなみにこの年の香港は、香港ヴァーズをステイゴールド、香港マイルをエイシンプレストンが勝っており、日本馬が大活躍する1日となった。

翌2002年、5歳になったアグネスデジタルは、初戦に前年出られなかったフェブラリーSを選択。ここまでの実績が評価されて、3.5倍の1番人気に支持される。
好スタートから好位を追走したアグネスデジタルは、直線外に出して猛然と追い込む。いったんトゥザヴィクトリーが内から抜け出すが、船橋から挑戦してきたトーシンブリザードを引き連れて外から差を詰めてくると、残り100mすぎで先頭に立ち、最後は抑える余裕。トーシンブリザードに1馬身差で勝って、初のJRA芝・ダート両G1勝利を達成した。
これで5連勝かつG1 4連勝を飾る。

続いて大きな期待を受けて3/23のドバイワールドカップに挑戦するが、飛行機のトラブルにより一時香港で足止めされ、その影響もあったのか熱発。さらに現地は大雨で調教もうまくできず、体調を立て直せずに出走して6着に大敗。
そのまま香港にわたり、クイーンエリザベス2世カップに出走する。約1か月でなんとか立て直し、エイシンプレストンの1/2馬身差2着と好走した。

夏からほぼ休みなく走り続けた影響もあったのか、その後1年以上休養する。
復帰したのは2003年5月。6歳初戦は名古屋のかきつばた記念となったが、長期休み明けもあり4着まで。

続いて再び芝の安田記念に挑戦する。1年の休み明けからたたき2戦目ということで9.4倍の4番人気という、やや微妙な評価となった。調教はあまり強調できるものではなく、パドックも悪くはないがややおとなしすぎる感じで、馬券的にはあくまで押さえ評価が妥当だと感じた。
中団の内を追走したアグネスデジタルは、4コーナーでやや外に出すもなかなか伸びない。残り200mでも5,6番手の外。ローエングリンが抜けだして勝負あったかと思われたが、アドマイヤマックス、さらにアグネスデジタルがじりじりと差を詰めてくる。ゴール直前で3頭が並ぶが、最後は外からアグネスデジタルがクビ差前に出て1着。G1 6勝目をあげて復活をアピールした。しかしこれが最後の勝利となる。

続いて宝塚記念に出走。2000mを超える距離は初めてだが、安田記念の強さが評価されて3番人気となる。ところが中団追走から伸びずに、ヒシミラクルから1.7秒差13着に大敗。

秋は2年前に勝った船橋の日本テレビ盃で復帰して2着も、その後、南部杯、天皇賞(秋)、有馬記念とすべて着外に敗れ、この年いっぱいで引退となった。

ビッグレッドファームで種牡馬入りしたアグネスデジタルは、ヤマニンキングリー(2009年 札幌記念)、サウンドバリアー(2010年 フィリーズレビュー)、アスカノロマン(2016年 東海S)とJRAで3頭のG2勝ち馬を生み出し、地方ではカゼノコが2014年のジャパンダートダービーを制して、産駒初のG1(Jpn1)馬となっている。
特にヤマニンキングリーは芝で中日新聞杯(2008年)、札幌記念と重賞2勝したほか、2011年にはダートのシリウスSも勝って、芝・ダート両方の重賞勝ち馬となり、父の面目躍如となる活躍をした。

しかし残念ながら、自身に匹敵するような馬は生み出すことができていない。2020年で種牡馬は引退したが、なんとか異能の二刀流の才能を引き継ぐ馬が現れてくれればと思う。

2007年と2019年にビッグレッドファームを訪れた際に、アグネスデジタルに会っている。
2007年は厩舎の中にいたので、あまりよい写真は撮れなかったが、2019年は放牧地にいたため、わりときれいな写真を撮ることができた。しかし放牧地では、基本的に草を食べているため、クビを下げた写真ばかりになってしまうのが残念ではある。

アグネスデジタル
アグネスデジタル 2007年9月19日 ビッグレッドファーム

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アグネスデジタル 2007年9月19日 ビッグレッドファーム

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アグネスデジタル 2019年8月22日 ビッグレッドファーム

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アグネスデジタル 2019年8月22日 ビッグレッドファーム



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