第84回 菊花賞(2023年)
  10/22 京都 芝3000m 晴・良 17頭

状況

3歳牡馬クラシック最後で最長のレース。最も強い馬が勝つとされる
皐月賞、ダービーの勝ち馬が23年ぶりにそろい、1,2番人気。神戸新聞杯上位と夏の上り馬が続く
過去10年で1番人気が6勝と最も勝っているが、5番人気以下が2勝2着5回と人気通りに収まらないことが多い

人気

  1. ソールオリエンス(2.7倍):皐月賞を追いこんで勝ちダービーはクビ差2着。セントライト記念は2着
  2. タスティエーラ(4.7倍):皐月賞2着でダービーは先行してクビ差1着。それ以来の休み明け
  3. サトノグランツ(5.0倍):ダービーは11着も神戸新聞杯鋭く差してアタマ差1着
  4. ドゥレッツァ(7.3倍):未勝利から4連勝で前走新潟芝2200m3勝Cを快勝。重賞未出走
  5. ハーツコンチェルト(9.3倍):青葉賞2着、ダービー3着。神戸新聞杯5着も着差少ない
    以下ファントムシーフ(20.3倍)、サヴォーナ(22.3倍)、トップナイフ(23.5倍)までが30倍以下

パドック

  • サトノグランツ:気合乗りよくクビを使い伸びやかな歩様。トモの踏み込みも力強い
  • ドゥレッツァ:落ち着いており伸びやかで素軽い歩様。トモの踏み込み深く力強い
  • サヴォーナ:落ち着いているが適度な気合乗りで堂々とした歩様。トモの踏み込み力強い
  • タスティエーラ:気合乗りよくややテンション高め。クビを使ってトモの送り浅めも踏み込みは力強い
  • ソールオリエンス:気合乗りよくクビを使ってきびきびと歩く。トモの送りは浅めも力強い
  • ハーツコンチェルト:気合乗りよいが適度な落ち着きあり。トモの送りはやや硬めだが踏み込み力強い

レース

ややバラついたスタートでトップナイフが大きく出遅れ。パクスオトマニカが押してハナへ。リビアングラスが続くが、外からドゥレッツァが上がっていき、1周目3コーナーで先頭。好位にファントムシーフ、ハーツコンチェルト、ノッキングポイントなどが続く。中団にタスティエーラ、サトノグランツ。後方にソールオリエンス、サヴォーナ、マイネルラウレアなどがいて、最後方はトップナイフ。前の方はややバラけて、後方は固まった形で最初の4コーナーを回っていく。
最初の直線はドゥレッツァを先頭に前の3頭がやや離す縦長で、1000mは1.00.4と平均からやや速めのペース。しかし徐々にペースを落として進んでいき、1~2コーナーでは馬群が詰まってくる。向こう正面でパクスオトマニカがドゥレッツァを交わして先頭。さらにリビアングラスが2番手でドゥレッツァは3番手。
向こう正面中ほどから後方の各馬の手が動き始め、サヴォーナが外から上がっていくなど馬群が徐々に詰まってくる。3コーナーから馬群が一団となってきて横に広がり、一気にペースが上がる。ソールオリエンスが外、タスティエーラが内で中団まで上がり、4コーナー手前で馬群が大きく横に広がり直線へ。

直線に入るとリビアングラスが2馬身ほど離して先頭で、ドゥレッツァが続く。やや離れてサヴォーナ、ファントムシーフなどが続き、中団でタスティエーラは内をつき、ソールオリエンスは大外から前を追う。
先頭のリビアングラスが粘るが、ドゥレッツァが徐々に差を詰めて、残り250mぐらいで外から交わして先頭。その後方はやや離れてサヴォーナがいて、馬場中央からタスティエーラが差を詰めてくる。ソールオリエンスは外からじりじり伸びる。
残り200mでドゥレッツァが3馬身ほど抜けて先頭。2番手のリビアングラスを外からタスティエーラが交わしていく。さらに外の4番手サヴォーナを外からソールオリエンスが交わす。残り150mでタスティエーラが2番手に上り前を追うが、4馬身ほど差が開きセーフティリード。
そのままドゥレッツァは脚色衰えず、スムーズな走りで先頭ゴール。2着は3 1/2馬身差で最後は追わずにタスティエーラが入り、ゴール直前で内のリビアングラスを交わしたソールオリエンスが1 1/2差で3着。リビアングラスが3/4差4着に粘り、差を詰めてきたサヴォーナがハナ差5着で、ハーツコンチェルトがさらにクビ差6着。

ドゥレッツァは1周目3コーナーでハナに立つが、その後はペースを落とし向こう正面では3番手まで下げる。2周目3コーナーからは再び前を追い、4コーナー2番手から直線でかわすと危なげなく完勝。スタミナ、指示に従う自在性に加えて、鞍上の好判断が生きた。5連勝での戴冠で力ある。
タスティエーラは中団から直線は内を突きよく伸びたが離れた2着まで。ダービー以来の休み明けながら力のあるところは見せた。
ソールオリエンスはタスティエーラと同じ位置から外に出して追う。上りは上位2頭に劣り、力は見せたが距離適性の差が出たか。

次走へのヒント

  • ドゥレッツァは先行しながら1番の上りで完勝。スタミナあり鞍上の指示に素直で末脚も良く、中長距離での活躍が期待できる
  • タスティエーラはダービーからの直行で心配されたが力強い末脚で2着を確保し力を示した。堅実だが勝ちきれない面あるか
  • ソールオリエンスは外に出し距離損もあったが末脚の切れ今一つ。2000~2400mが合う印象で時計が掛かる馬場の方がいいか

来年へのヒント

神戸新聞杯組とセントライト記念組が中心で、皐月賞、ダービー上位馬を重視する必要あり。夏に2,3勝Cを勝った馬は、2000mを超える距離で速い時計を持たなければ疑うべき。夏の古馬重賞やトライアルで権利取り目的に仕上げると、本番で厳しくなることが多い。

着順

着順 枠番 馬番 馬名 性齢 騎手 重量 タイム
着差
厩舎 人気
1 8 17 ドゥレッツァ 牡3 ルメール 57 3.03.1 美・尾関 4
2 4 7 タスティエーラ 牡3 モレイラ 57 3 1/2 美・堀 2
3 7 14 ソールオリエンス 牡3 横山武 57 1 1/2 美・手塚 1
4 3 6 リビアングラス 牡3 坂井 57 3/4 栗・矢作 9
5 4 8 サヴォーナ 牡3 池添 57 ハナ 栗・中竹 7

払戻金

単勝 17 730円 4番人気 馬連 7-17 1,980円 7番人気
馬単 17-7 4,210円 16番人気 枠連 4-8 1,050円 6番人気
3連複 7-14-17 1,570円 2番人気 3連単 17-7-14 12,380円 29番人気
複勝 17 210円 4番人気 ワイド 7-17 660円 7番人気
7 160円 2番人気 14-17 400円 3番人気
14 120円 1番人気 7-14 260円 1番人気

(レース結果はJRA発行のものと照合し、確認して下さい)