第36回 ジャパンカップ（2016年）

1. キタサンブラック（3.8倍）：菊花賞、天皇賞（春）のG1 2勝も、宝塚記念3着で中距離では逃げて差される危険も
2. リアルスティール（4.2倍）：ドバイのG1を制し天皇賞（秋）2着。たたいて上昇
3. ゴールドアクター（4.5倍）：昨年の有馬記念1着。良績は中山も東京実績あり。先行脚質で展開向くか
4. ディーマジェスティ（7.5倍）：今年の皐月賞馬で菊花賞4着。レベルが高いと言われる3歳代表
5. サウンズオブアース（12.2倍）：菊花賞、有馬記念とG1での2着2回。勝ちきれないが力はある
   以下シュヴァルグラン（13.9倍）、ルージュバック（15.1倍）、レインボーライン（18.7倍）までが20倍以下

シュヴァルグラン：落ち着いていて気合乗りよく、トモの踏み込み深く堂々と歩く
サウンズオブアース：落ち着いていて気合乗りよくトモの踏み込みも力強い。外目を歩く
リアルスティール：気合乗りよくクビを使って素軽い歩様。トモは浅め
キタサンブラック：気合乗りよくクビを下げて堂々と歩く。トモも力強い
ゴールドアクター：テンション高く小脚を使う。トモは力強い
ディーマジェスティ：テンション高めで、トモの踏み込みも浅い

ほぼ揃ったスタートから好スタートのキタサンブラックがじわっとハナへ。外からワンアンドオンリー、さらにリアルスティール、内からゴールドアクターが続く。中団にルージュバック、サウンズオブアース、さらにシュヴァルグランなど。後方にレインボーライン、イキートス、ディーマジェスティなどがいて、最後方はナイトフラワー。
1000mは1.01.7と落ち着いた流れ。かなり縦長だが、行きたがるのを抑えている馬も多い。逃げたキタサンブラックは2馬身ほどの差を保って、淡々と向こう正面を進む。

3コーナーから後方の馬が徐々に差を詰め、4コーナーにかけては、少しずつ馬群が詰まってくる。
4コーナーではキタサンブラック以下馬場の悪い内を2〜3頭分あけて直線へ。残り500mで先頭のキタサンブラックのリードは1馬身に縮まり、2番手はずらっと横に広がり一斉に追うが、キタサンブラックは持ったまま。

残り400mを切ってキタサンブラックが追い始めると2馬身ほど抜け出す。2番手はゴールドアクターだが、並んで追っていたリアルスティールは大きく外によれて、立て直す際に少し遅れる。
残り200mでキタサンブラックは差を3馬身に広げ、ゴールドアクター、リアルスティール、さらに内のイキートスや馬場中央のワンアンドオンリーなども懸命に追う。そこに外からサウンズオブアースがじりじりと迫り、残り100mで内の各馬を交わして2番手に浮上。懸命に3馬身前のキタサンブラックを追う。
ところが差はじりじりとしか詰まらず、キタサンブラックの脚色も衰えない。残り50mぐらいで大外からシュヴァルグランが追い込んできて3番手に上り、さらにサウンズオブアースに迫る。
しかし先頭のキタサンブラックはそのまま2馬身以上の差を保ち、危なげなく先頭でゴール。2着はサウンズオブアースで、シュヴァルグランはクビ差まで追い込んだものの3着まで。

キタサンブラックは遅めのマイペースで逃げたが誰もからまず楽な展開。坂で追い出すと一気に差を広げ、後続の追い込みも抑えて完勝。展開の利もあったが、着実に力をつけ、完成の域に達した印象。東京芝2400mを逃げ切ったのは大きい。
サウンズオブアースは中団追走し、最後は外から伸びたが差のある2着。力はあるが勝ちきれない。
シュヴァルグランは中団後方から大外追い込み惜しい3着。力をつけてきている。

キタサンブラックは2400m以上では盤石の強さ。逃げて上りもしっかりで、番手でも競馬ができるのも強み
サウンズオブアースはスタミナも切れもあるが、勝ちきるまでは難しい。相手なりに合わせて走ってしまう
シュヴァルグランは力をつけてきており、末脚もよいので今後も2400m以上では要注意
ゴールドアクターは中山の方が向くイメージ。あまり長く脚を使うタイプではなさそう
リアルスティールは2400mは微妙に長い印象。2000m前後で切れを活かすタイプ