第44回 スプリンターズステークス（2010年）

1. グリーンバーディー（3.2倍）：前走のセントウルSで鋭い末脚でクビ差2着に迫る。シンガポールでG1制覇
2. ワンカラット（4.9倍）：夏に函館スプリント、キーンランドCと短距離重賞2連勝し、勢いは一番
3. キンシャサノキセキ（5.6倍）：今年の高松宮記念を制し、2年前にはスリープレスナイトの2着と力はある
4. ビービーガルダン（6.9倍）：昨年のスプリンターズSと今年の高松宮記念ともにハナ差2着
5. ローレルゲレイロ（9.1倍）：昨年の覇者。先行有利の馬場で、うまく逃げられれば粘れるか
   以下ダッシャーゴーゴー（14.8倍）、サンカルロ（15.9倍）までが20倍以下

キンシャサノキセキ：気合乗りよく、踏み込み力強く、好印象
ワンカラット：落ちついた中に気合乗りよく、毛づやもよい
サンカルロ：気合乗りよく、踏み込みも深く、よく見せる
ローレルゲレイロ：落ちついているが、集中している感じで気合乗りよい。トモも力強い
ウルトラファンタジー：気合乗りよく、キビキビと元気な歩様で好印象
グリーンバーディー：気合乗りよく踏み込み深いが、前走のほうがよかったか
ビービーガルダン：悪くないが、ややおとなしいところが気になる
ダッシャーゴーゴー：毛づやの良さが目立つ。落ち着きもあり悪くない

ほぼ揃ったスタートから、まずウルトラファンタジーが押してハナへ。ローレルゲレイロ、ビービーガルダンも続いて前に行くと、抑えたウルトラファンタジーを交わして先頭に立つ。あわててウルトラファンタジーが3コーナー手前で、ハナを奪い返す。
ローレルゲレイロ等の先頭集団に、ジェイケイセラヴィも外から並びかける。その後ろにワンカラット。中団にやや掛かりながらキンシャサノキセキ。その後ろにグリーンバーディー、ダッシャーゴーゴー。後方にプレミアムボックス、サンカルロ。
600mは33.3と平均やや遅めのペース。

3コーナーから馬群が詰まり、4コーナーは一団で回る。

直線に入ると、先頭のウルトラファンタジーが持ったままで2馬身ほど突き放す。
中団やや内にいたダッシャーゴーゴーが最内に進路をとり、内で後方から追い出していたサンカルロの進路を妨害。大外からは、キンシャサノキセキがじりじりと伸びてくる。

残り200mを切っても、2馬身差でウルトラファンタジーが先頭。ジェイケイセラヴィ、アイルラヴァゲインが2,3番手で粘る中、内でダッシャーゴーゴーが抜けて、坂を上ってウルトラファンタジーを急追。最後は並んだところがゴール。外を伸びてきたキンシャサノキセキが3番手、内を伸びてきたサンカルロが4番手入線。

長い審議の結果、2位入線のダッシャーゴーゴーがサンカルロの進路を妨害したために、4着に降着となって確定した。

ウルトラファンタジーは香港でグリーンバーディーに何度か先着していたが、休み明けで同型も多く、人気にはならなかった。結果としてうまく逃げて、上がりも34.1にまとめて、ギリギリ逃げ切った。先行有利の馬場と、意外に流れが落ちついたのも勝因。
キンシャサノキセキは外からじりじり伸びたが、休み明けのせいか伸び一息で、やや離れた2着となった。
サンカルロは不利を受けながらも、2番目の上がりで3着。内を突いたのは正解も、不利が痛かった。ダッシャーゴーゴーは降着になったものの末脚は目立っており、スプリント界の新星となるか。
逃げ切り勝ちとなったが、2,3着（3,4位入線）は4コーナー10番手以下から差しており、力があるところを示した

キンシャサノキセキは前残りの中よく差してきており、休み明けながらも力は示した。
サンカルロは結果として不利に泣いたが、高松宮記念に続いてスプリント適性を見せた。末脚が生きる馬場、展開だと怖い
ダッシャーゴーゴーは、セントウルS勝ちがフロックではないことを示した。成績が安定すれば、スプリント界制覇も近いか