第71回 オークス（2010年）

1. アパパネ（3.8倍）：阪神JF、桜花賞を制して実績No.1も、血統や気性から距離不安も
2. ショウリュウムーン（5.2倍）：桜花賞は脚を余して4着。重のチューリップ賞を差しきり1着も好材料
3. オウケンサクラ（6.6倍）：フラワーCは強い勝ち方で桜花賞も逃げて2着。距離伸びてよさそう
4. アプリコットフィズ（6.8倍）：クイーンCを強い勝ち方で東京は合う。桜花賞は2番人気5着
5. サンテミリオン（8.5倍）：フローラSをレースレコードで制して、成績も安定
   以下シンメイフジ（14.9倍）、エーシンリターンズ（18.5倍）、アグネスワルツ（18.7倍）までが20倍以下

アパパネ：落ちついていて堂々とした歩様。クビを使って元気に歩き、好調持続の印象
サンテミリオン：気合乗りよくトモの踏み込み深く、よく見せる
ショウリュウムーン：気合乗りよく元気。力強い歩様で好印象
ワイドサファイア：落ちついて堂々と歩き、踏み込み深くよく見せる
アプリコットフィズ：気合乗りよくトモも力強いが、やや馬体が細く迫力に欠けるか
オウケンサクラ：踏み込み深く馬体もよいが、ややテンションが高いか

きれいに揃ったスタートから、ニーマルオトメが押して先頭。アグネスワルツが2番手。そのあと少し離れてショウリュウムーンがいつもより前で、ギンザボナンザなどと先団形成。
少し離れてアプリコットフィズ、エーシンリターンズなど。その後ろの中団にオウケンサクラ、サンテミリオン。それをマークするように直後にアパパネ、アニメイトバイオ。後方集団にシンメイフジなど。

1000mが1.00.6と、やや重とはいえ普通の流れ。前2頭がやや離して、そのあとの集団は向こう正面でも6-7馬身離れて縦長の一団。
集団の先頭のショウリュウムーンはやや掛かり気味だが、アパパネ、サンテミリオンは中団で折りあって追走。

3コーナー過ぎから後方の馬が徐々に動き出し、4コーナーは大きく横に広がり集団に。直線に入ると、アグネスワルツが抜け出し先頭。後続を2馬身ほど突き放す。
ショウリュウムーンは伸びず、内からアプリコットフィズが懸命に伸びようとするところ、外からサンテミリオン、ついでアパパネが差してくる。

残り200mで内のアグネスワルツをサンテミリオン、アパパネが並んで捉えると、あとは2頭のマッチレース。
一旦外のアパパネがアタマほど出かかるが、内のサンテミリオンもすぐに差し返し、びっしりとたたき合いに。最後は馬体をあわせてゴール。
長い写真判定の結果、JRAのG1では初の1着同着となった。3着はアグネスワルツが粘り、最後にいっしょに追い込んできたアニメイトバイオ、オウケンサクラが4,5着。

アパパネは血統や掛かる気性から距離不安が言われたが、今日は落ちついて折り合い、直線は後方から外を差してきて2冠達成。またサンテミリオンもフラワーCの完敗などで疑問もあったが、鋭く伸びて、かつ差し返す根性も見せ、同じく同着で優勝。3着以下は離れて、重の適性および力があるところを見せた。
アグネスワルツは、やや重ではむしろ早めの流れを2番手で追いかけ、直線は抜け出してあわやの場面。キャリア少ないが底を見せておらず、力はある。
ショウリュウムーンは折り合いを欠いた感じで17着に大敗。オウケンサクラも桜花賞までの厳しいローテーションが応えたか、見せ場ない5着。アプリコットフィズは桜花賞より馬体減。内でつまったのも影響したか（6着）。

アパパネは落ちついていて気性の成長もあり、距離も融通が利く感じ。ただし瞬発力勝負は弱いか
サンテミリオンは勝負根性がすばらしい。ただしアパパネ同様に、瞬発力勝負は厳しいか
アグネスワルツは先行不利の流れの中、3着にとどまり力があることを証明した