第41回 スプリンターズステークス（2007年）

1. サンアディユ（3.6倍）：アイビスSD、セントウルSを勝ちサマースプリントチャンピオン。重も実績あり。
2. スズカフェニックス（5.2倍）：高松宮記念の覇者。帰厩が遅れて調教不測気味。休み明けがどうか。
3. アストンマーチャン（5.6倍）：2歳時にウオッカと好勝負。休み明けの北九州記念6着でどうか。
4. キングストレイル（7.0倍）：前走の京成杯AH快勝で勢いあり。スプリント戦初めてでどうか。
5. アイルラヴァゲイン（11.1倍）：春のオーシャンSを勝ち中山得意。ただし重賞は9戦1勝。
   　　以下クーヴェルチュール（13.5倍）、プリサイスマシーン（15.1倍）までが20倍以下

サンアディユ 気合乗り適度で、馬体、踏み込みともよい
クーヴェルチュール やや気合乗りすぎの感もあるが、馬体はよい
プリサイスマシーン 雄大な馬体で、いつもどおり印象度は高い
アストンマーチャン いつもはチャカつくが、どっしり落ち着いていてトモの肉付きもよい
スズカフェニックス やや気負いが感じられるが、元気よく、悪くはない
キングストレイル、アグネスラズベリもまあまあ

一線のスタートからローエングリンが抜ける。そこへ内から押してアストンマーチャンが先頭。エムオーウイナー、サンアディユ、アイルラヴァゲイン、オレハマッテルゼが先団だが、先頭からは3馬身ぐらい。コイウタ、クーヴェルチュール、プリサイスマシーンなどが中団。キングストレイル、ペールギュント、スズカフェニックスなどが後方で、アグネスラズベリ、メイショウボーラーは騎手が押しており、ついていけない感じ。

600mが33.1と、アストンマーチャンのペースは不良にしては早い。3コーナーから各馬追い上げるが、先頭のアストンマーチャンは絶好の手ごたえ。

直線に入っても、2番手のアイルラヴァゲインに3馬身のリード。内からプリサイスマシーン、中央からサンアディユ、キングストレイルなどが懸命に追うが、馬場が悪いこともあり、なかなか差がつまらない。
坂を上ってようやくサンアディユ、キングストレイル、さらにその後ろからタマモホットプレイが差してくるが、おつりを残したアストンマーチャンがあざやかに逃げ切ってゴール。ゴール直前で、サンアディユが2着に上がる。

アストンマーチャンも最後の1ハロンは13.2とバテぎみだったが、鞍上の絶妙のペース判断、追い出しのタイミングと、不良馬場で追い込みが届かず、ギリギリ逃げ切る。
上位馬の上がりはすべて36秒前後で大差なく、思い切って前に行き、早めのマイペースに持ち込んだ作戦勝ち。

アストンマーチャンは短距離でのスピードを証明した。またパドックでも落ち着いており、精神面での成長も大きい。ただし馬場状態に助けられた面もあり、良馬場で同じ競馬ができるか？
サンアディユは安定感を示した。馬場状態に関係なく堅実に走っており、今後も芝スプリント戦線で期待が持てる。
アイルラヴァゲインは馬場状態、展開に助けられても3着までと、決め手に欠ける。キングストレイルは距離不足の感じ。