今年は見るべきレースだったでしょう ~きさらぎ賞

伝統の3歳重賞きさらぎ賞が、今年は京都競馬場改装のため中京芝2000m(例年は京都芝1800m)で行われました。

きさらぎ賞と言えば、かつてはスペシャルウイーク(1998年 1着)やネオユニヴァース(2003年 1着)、オルフェーヴル(2011年 3着)などが出走し、クラシックの大事な前哨戦の1つでした。
しかし近年は、有力馬はなるべくレースを使わないのがトレンドで、特に厳寒期の出走は避ける傾向にあり、また東京を経験させる意味で翌週の共同通信杯を使う有力馬も多く、やや価値が落ちてきている印象もあります。

しかし今年は、ホープフルSで2番人気に支持されながら、4コーナーで逸走して競争を中止するというショッキングな走りを見せたランドオブリバティが出走するということで、注目を集めました。

ランドオブリバティは、ホープフルSで個人的に本命にしていたこともあり、その走りには注目していました。4コーナー手前で、他馬の騎手の手が動くのに対して、馬なりで先頭を走る姿から、ちょっと期待したのもつかの間、一気に外ラチ沿いまで行ってしまい、大きな落胆を味わいました。
しかしその前走の芙蓉Sは3 1/2馬身差で楽勝しており、まだ見限れないのではと思ったのです。

今年のクラシック候補1番手は、昨年のホープフルSを無敗で制したダノンザキッドだと思いますが、その意味でホープフルS上位馬は注目する必要があります。そしてきさらぎ賞には、そのホープフルSでダノンザキッドと同じ1番の上り36.4で0.3秒差3着に追い込んできたヨーホーレイクも出走してきました。
そこでヨーホーレイクを物差しにすれば、ダノンザキッドとの力関係も占えるわけです。

そのきさらぎ賞のパドックを見たのですが、ランドオブリバティは2.7倍の1番人気に推されているものの、テンションが高めでトモの完歩も狭く、正直あまりよく見えません。ホープフルSで見せた気性の悪さがちょっと心配になります。
対して最も良く見えたのが3番人気(4.7倍)のオルフェーヴル産駒ラーゴム。雄大な馬体ながらきびきびとした素軽い歩様で、踏み込み深く、気合乗りも良く、いかにも調子が良さそうです。アイビーSでは、ホープフルS2着のオーソクレースに敗れたもののクビ差で、成績的には十分チャンスがありそう。
また2番人気(3.4倍)ヨーホーレイクも適度な気合乗りで、トモも力強く、こちらもなかなか良い感じです。

レースでは、ランドオブリバティがいきなりスタート直後に両側の馬に挟まれて不利を受けます。ホープフルSでは、それでカッとなって掛かってしまい折り合いを欠いたので心配しますが、三浦騎手がなんとか抑えます。しかし1コーナーは後方から2番手。
ヨーホーレイクも武騎手がゆっくりと出し、ランドオブリバティのすぐ前につけます。対するラーゴムは、やや掛かる素振りを見せるも、北村友騎手が懸命に抑えて好位の内を追走。

向こう正面では、ランドオブリバティはヨーホーレイクからも3~4馬身離れた後方2番手を追走。調教では単走や合わせ馬をさまざまなコースで試して、悪い癖が出ないよう訓練を重ねたそうですが、実際のレースは別。三浦騎手がかなり気を使っていることがわかりますが、ちょっと後ろ過ぎるのではと心配になります。
実際に1000mは1.01.2と遅めのペース。中京はずっと使っているので時計が掛かる傾向にあり、果たしてこの位置から届くのかと思いながら見守ります。

3コーナー過ぎからヨーホーレイクもランドオブリバティも前との差を詰めていき、4コーナーではヨーホーレイクが大外、ランドオブリバティもそのすぐ内を突きます。
直線に入ると、馬場中央からラーゴムがじりじりと脚を伸ばし、残り250mぐらいで先頭。大外からヨーホーレイクも差を詰めてきますが、ランドオブリバティは伸び一息。
最後は逃げ込みを図るラーゴムにヨーホーレイクがクビ差まで迫ったところでゴール。ランドオブリバティはそこから3 1/2馬身差の3着まで。

パドックでの見立て通りの結果に終わったのですが、ペースや上りを考えると、一番強い競馬をしたのは、2着のヨーホーレイクでしょう。スローを後方から進めて、最速の上り34.9は2番のランドオブリバティを0.4上回る優秀なもの。
ただし今回も勝ちきれず、またホープフルSでもダノンザキッドと並ぶ最速の上りもやや着差のある3着と、ジリ脚な感じが気になります。

また勝ったラーゴムも、3着に終わったランドオブリバティも、残念ながら今回のレースでは大きなインパクトは感じられませんでした。
しかしこの3頭は、3歳牡馬の中で実力上位であることは間違いなく、このきさらぎ賞のレースはクラシックを占う上で重要であると思います。

その意味では、見るべきレースであったと言えるでしょう。次の共同通信杯とあわせて、徐々にクラシックの構図が固まってくると思います。


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