2020年度JRA賞について

2020年の年度代表馬と競走馬各部門の受賞馬が、記者投票により決定して発表されました。まずはその結果から。

●年度代表馬、最優秀4歳以上牝馬
アーモンドアイ
●最優秀2歳牡馬
ダノンザキッド
●最優秀2歳牝馬
ソダシ
●最優秀3歳牡馬
コントレイル
●最優秀3歳牝馬
デアリングタクト
●最優秀4歳以上牡馬
フィエールマン
●最優秀短距離馬
グランアレグリア
●最優秀ダートホース
チュウワウィザード
●最優秀障害馬
メイショウダッサイ
●特別賞
クロノジェネシス

昨年末に予想したのですが、今回は珍しく全部門正解となりました。それだけある意味当然の結果だったともいえ、それぞれの部門で強い馬が存在したということだと思います。

最優秀2歳牡馬は候補が2頭いたとはいえ、実績には大きな差があったので、圧倒的な差でダノンザキッドが選ばれたのは当然ですし、最優秀2歳牝馬も満票でソダシが選ばれました。

3歳も牡馬、牝馬ともに事前の予想通り満票での選出となりました。どちらも無敗の3冠馬である以上、文句のつけようがないでしょうし、交流G1も含めて3歳馬で他に複数のG1を勝った馬がいないので、ここも当然の結果でしょう。

そして最優秀4歳以上牡馬も、芝G1を勝ったのはフィエールマンだけなので、やはり選ばれましたが、予想した通り「該当馬なし」の票が唯一2桁となる18票ありました。
天皇賞(秋)や有馬記念で好走したとはいえ、G1優勝が天皇賞(春)のみで、他は牝馬に先着を許すという成績は、最優秀という意味では物足りないと感じさせます。しかも残念ながら有馬記念で脚をいためて引退となってしまいました。
今年はぜひ、競馬界を盛り上げる牡馬の出現を期待したいと思います。

最優秀4歳以上牝馬については、レベルが高すぎて迷ったのですが、意外とあっさりとアーモンドアイに決まりました。やはり最優秀短距離馬のグランアレグリアとすみ分けができたのが大きかったのでしょう。
そしてグランプリ2連勝と、国内では昨年のリスグラシューに続く偉業を達成したクロノジェネシスですが、特別賞を受賞しました。やはり牡馬相手のG1 2勝はなかなかできないことで、その偉業が評価されたのは、とてもうれしく思います。

最優秀ダートホースは、最も意見が分かれた部門となり、6頭も名前が上がりました。実際はチュウワウィザードとクリソベリルの2頭の争いでしたが、直接対決のチャンピオンズCでチュウワウィザードが完勝したことが大きかったと思います。
チュウワウィザードの得票は全部門で最も少なかったとはいえ、クリソベリルには100票差の圧勝でした。

そして年度代表馬のアーモンドアイ。自身は2018年に続く2度目で、牝馬の受賞は3年連続と、まさに牝馬の時代を象徴する結果となりました。
もう少し混戦になるかと思ったのですが、ふたを開けてみると236票を獲得し、2位のコントレイル44票に圧勝でした。やはり芝G1 9勝と、3冠馬3頭の対決を制したのが大きかったのでしょう。
しかし裏返すと、無敗の3冠馬ですら年度代表馬を取れなかったわけで、とんでもなくレベルが高い年だったということが言えます。コントレイルには、生まれた年が悪かったということでしょう。2021年は、今度こそ年度代表馬を取れるような活躍を期待したいと思います。

もう一つ感じたのは、短距離系の馬の評価の低さです。短距離G1を3連勝で、今年唯一アーモンドアイに圧勝したグランアレグリアが、年度代表馬の投票でわずか2票しかとれなかったのです。
今のJRA賞となった1987年以降、おもにマイル以下で活躍した年度代表馬は、タイキシャトル(1998年)、ロードカナロア(2013年)、モーリス(2015年)のわずか3頭。近年評価が上がってきたとはいえ、まだまだ中距離以上が中心だと感じます。
今年グランアレグリアは距離を伸ばす方針とのこと。どんなレースを見せてくれるのか、コントレイル、デアリングタクト、クロノジェネシスなどと、どんな戦いをするのか、興味は尽きません。

最後に、過去のアーモンドアイの写真をあげて、偉業をたたえたいと思います。

2018年5月21日 オークス 東京競馬場
2018年11月25日 ジャパンカップ 東京競馬場
2019年6月2日 安田記念 東京競馬場
2019年10月27日 天皇賞(秋) 東京競馬場

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です