先週に引き続き無観客で行われたG1の大阪杯。少なくとも皐月賞までは無観客で行われることが決定し、なんともさみしい春のG1シーズンです。個人的にはGWまでは厳しいのではとも思いますが、1日も早い通常開催を願っています。
その大阪杯ですが、1番人気は皐月賞3着、ダービー2着などG1では惜敗の多いダノンキングリー。個人的にも中心に考えたのですが、不安だったのはやはり距離でした。共同通信杯、毎日王冠、中山記念と芝1800mでは無類の強さを発揮するのですが、2000mは皐月賞3着のみと未勝利。ダービーでクビ差2着があるとはいえ、距離伸びるのは本質的には良くなさそう。
またG2時代を含めて関東馬は、1999年のサイレントハンターを最後に21連敗中(21世紀になってから勝っていない!)というデータも気になります。
同様に3番人気のブラストワンピースにも、関東馬が勝てないというデータは気になるところでした。特に昨年1番人気で6着に敗れているので、今年はそのリベンジにと陣営も気合が入っていたと思います。
こちらは有馬記念を勝っており、前走AJCCも完勝するなど距離に不安はないのですが、成績にムラが多いのが信頼を置けない大きな理由でしょうか。
そんなレースを制したのは、前走中山記念ではダノンキングリーに後れを取って2着だったものの、本番ではきっちりと巻き返した5歳牝馬のラッキーライラック。2番人気に推されたのはちょっと驚いたのですが、ファンの見る目をほめるべきでしょうか。
道中は前に逃げるダノンキングリーを見て、やや離れた好位の内を追走し、4コーナー手前で後ろの馬たちが外を上がって行っても慌てず、残り200mを過ぎてダノンキングリーと2番手を追走していたジナンボーの間をついて先頭に躍り出ると、外から伸びてきたクロノジェネシス(4番人気)をクビ差抑えて、G1 3勝目のゴールに飛び込みました。
前の2勝は阪神JFとエリザベス女王杯だったので、これが初の牡馬を抑えてのG1制覇です。しかし中山記念で2年連続2着だったり、香港ヴァーズでも2着に入るなど牡馬相手に善戦していたので、意外ではないでしょう。
そして2着の4歳牝馬クロノジェネシスも、すばらしい末脚を見せての惜敗でした。エリザベス女王杯では期待を裏切ったものの、前走京都記念ではカレンブーケドール以下を寄せ付けない完勝。今後の夢が膨らみます。
これで春のG1は先週の高松宮記念に続いて2週連続で牝馬のワンツー。しかも5歳が勝って4歳が2着というのも同じでした。
5歳牝馬といえばアーモンドアイが代表ですが、それに続く牝馬たちが出てきて頼もしい限りです。
しかしそれ以上に4歳牝馬勢の勢いはすばらしいものがあると思います。2着とはいえ高松宮記念のグランアレグリアの最後の末脚は見事でしたし、クロノジェネシスも負けたとはいえ勝ちに等しい内容でした。またカレンブーケドールやラヴズオンリーユーもすばらしい実績を残しており、今後の活躍も期待できます。
今年も牝馬だからといって軽く見ると、痛い目にあいそうです。