パドック重視の結果は。そして最優秀2歳牡馬の行方は。 ~ホープフルS

阪神JFと朝日杯FSでともにパドックでの印象を馬券に反映せずに大魚を取り逃がした経験から、ホープフルSではぜひパドック重視の姿勢で臨もうと思っていました。
しかし馬柱を見る限り、半分ぐらいの馬はハナから馬券の対象になりそうもなく、また人気の中心となった2頭を初め上位人気馬がかなり強そうで、あまり荒れる要素が感じられません。

とりあえずパドックをよく見てみることにしました。
そこで目についたのが、内から②コントレイル、③ブルーミングスカイ、⑤ヴェルトライゼンデの3頭。中でもコントレイルは落ち着いてしっかり集中して歩いており、トモの踏み込みも深くてよく見せます。東スポ杯レコードで5差圧勝という成績面も問題なく、コントレイル中心は動かないだろうと思えました。
問題は相手ですが、次によく見えたのがヴェルトライゼンデ。こちらも2戦2勝ですが前走萩Sの勝ち方はそれほどインパクトはなく、上位2頭とはやや離れた3番人気の評価。しかし覇気があって伸びやかな歩様は、コントレイルに勝るとも劣らない感じです。
そして3番手のブルーミングスカイ。前走は1勝Cで脚を余して4着に負けており、56.7倍の7番人気とそこそこの人気薄。やや気負いが感じられ、毛づやの悪さは気になるものの、良血馬らしくすっきりとした馬体でトモも力強く感じます。そこで穴馬としては、ブルーミングスカイを買うことにしました。

逆に2番人気のワーケアは時々小脚を使うなどややテンションが高く、トモの送りもやや浅めで、あまりよく見せません。成績的にはこちらも2戦2勝でアイビーSを圧勝とコントレイルに決して劣りませんが、休み明けということもあるのか、やや物足りない感じに見えました。

レースは12番人気パンサラッサが引っ張るミドルペースで、注目したブルーミングスカイはそれを追いかけてやや掛かりぎみに3番手。対して1番人気のコントレイルは好位で、やや行きたがる素振りも福永騎手ががっちり抑えます。それをマークするように2馬身後方をヴェルトライゼンデが追走し、そのさらに2馬身後方にワーケア。
コントレイルは3コーナー過ぎから外を回ってポジションを上げていき、直線に入るときは逃げるパンサラッサに1馬身差の2番手まで迫ります。そして少し促すと一気に先頭。そのまま追って、途中で1発ムチは入れたものの、最後は流す余裕で、懸命に追うヴェルトライゼンデに1 1/2馬身差の楽勝。外から伸びてきたワーケアはさらに2馬身差の3着まで。

結局終わってみれば、上位3番人気までの3頭で決まり、固い決着となりました。穴馬として注目したブルーミングスカイは3コーナーすぎで手ごたえが悪くなり、田辺騎手が懸命に押します。しかし直線は下がる一方で1.4秒差7着と残念な結果に。
ところがもう1頭よく見えたヴェルトライゼンデは、ワーケアを抑えて2着に入り、かろうじてパドックで得た情報を馬券に結びつけることができました。

そして今後注目されるのは、JRA賞の最優秀2歳牡馬の行方でしょう。
候補は、朝日杯FSを圧勝したサリオスと、今日ホープフルSをやはり快勝したコントレイルの2頭。
2頭とも3戦3勝で、2戦目に東京の重賞をレコード勝ちし、G1を1番人気(2.0倍)で圧勝というところまで共通しており、まさに甲乙つけがたい状況です。

昨年はおそらくアドマイヤマーズが朝日杯FSを勝つ前にG2デイリー杯を勝っていたことが、サートゥルナーリア(ホープフルSを勝つ前にはOP萩S勝ち)よりも評価されたのではと思うのですが、今年はともにG3勝ちということで、差がありません。

こうなると個々の記者が何を重視するかということだと思います。
レースの質を考えると、朝日杯FSは重賞勝ち馬が5頭出走していたのに比べて、ホープフルSは2頭。2歳重賞はマイル以下のレースが多いので、どうしてもこうなってしまうのですが、出走馬のレベルを考えると、朝日杯FSの方が上という判断は仕方ないかと思います。
一方来年のクラシックを考えると、皐月賞と同じ舞台で行われるホープフルSの方が明らかに直結しやすいので、こちらを上に取るという考え方もできます。

従来の傾向を考えると、2歳時の成績重視ということで、おそらく朝日杯FSを勝ったサリオスが選ばれる可能性が高いでしょう。しかしかなり僅差の勝負になると思います。
昨年もアドマイヤマーズ153票、サートゥルナーリア123票と30票差のかなりの接戦でしたが、今年はさらに差が少ないのではないでしょうか。いずれにしても、楽しみに結果を待ちたいと思います。

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