馬場状態と展開の読みが明暗を分ける ~高松宮記念

今日の高松宮記念は、展開がカギと思っていましたが、そこに馬場状態という要素が加わって、さらに難しくなったのではないかと思います。
今年のメンバーを見てまず感じたのは、有力馬に逃げ先行脚質の馬が多いということではなかったでしょうか。昨年3着でスプリンターズS2着と実績No.1のハクサンムーンをはじめ、もっとも重要なステップレースの阪急杯を勝ったコパノリチャード、シルクロードS2着で底を見せていないレディオブオペラの3頭がいずれも逃げ馬で、オーシャンSを勝ったスマートオリオンやそのオーシャンSで2番人気に押されたリアルインパクトも先行してこその馬です。

ここまで逃げ先行馬が揃うと、目が行くのは当然差し馬。しかも馬場改修後のここ3年はもちろん、それ以前を見ても過去10年で逃げ馬の連対はわずか1頭と、逃げ馬には厳しい中京芝1200mを考えれば、なおさらのことでしょう。
そこで1番人気に押されたのは、シルクロードSを好位から最速の上りで制したストレートガール。9戦連続連対中で、しかも常に上りはメンバー上位。中京コースも実績があり、私も最初はこの馬かなと思いました。

しかしここで気になったのが馬場状態です。日曜日は雨予報となっており、もし重馬場になれば切れで勝負の差し馬には不利になります。ストレートガールは時計がかかる洋芝の函館に実績があるとはいえ、重の経験はなく、33.0で差し切ったシルクロードSを見ると良でこそという気もします。
そこで予想はある程度馬場状態を見てからにしようと思いました。すると早くから雨が降っていたらしく、午前中ですでに馬場状態は不良になっています。この時点で、ストレートガールの本命はないかもと思いました。

ではどの馬を中心とするかですが、有力馬のなかで自信をもって重の中京をこなせると思える馬は見つかりません。重実績があるスマートオリオンは中山以外の馬場がどうかですし、4歳牝馬のレディオブオペラが不良馬場で歴戦の牡馬相手に勝つイメージもわかないのです。
そこで目をつけたのが、阪急杯でポテンシャルの高さを見せつけたコパノリチャードでした。重馬場は未経験でしたが、調教師は問題ないと言っており、ハナを切らなくてもいけるという見通しを語っています。さらに調教で見せた状態の良さも印象に残ったのです。

そしてレースではその期待に違わぬパフォーマンスを見せてくれました。
スプリント界では国内はもちろん香港でも圧勝して世界トップレベルとなったロードカナロアが引退し、その後をどの馬が引っ張るのかが焦点となっていました。しかし阪急杯に続いて高松宮記念で見せたコパノリチャードのパフォーマンスは、その継承者としてふさわしいと思わせるに十分だったと思います。

まだ4歳ということもあり、今後の活躍が楽しみです。とはいえ、個人的には2着のスノードラゴンを捉えられなかったのが残念ではあります。時計のかかる中山の馬場で、最速の上りを記録したということを、もう少し評価すればよかったのですが・・・。

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