今日のJBCデーの注目は、なんといってもダートの現役最強馬2頭が激突するクラシック(ダート2000m)でした。
対戦は2回目ですが、前回(2010年日本テレビ盃)はどちらも本格化前で、その後スマートファルコンはG1(Jpn1)3勝を含む交流重賞6連勝、トランセンドはJRAのG1(南部杯含む)3勝+ドバイWC2着と、それぞれの路線で大活躍しています。
もっとも今回は、大井競馬場という、スマートファルコンが今年の帝王賞で9馬身差で勝った馬場で行われるため、スマートファルコンの有利はゆるがないと思われました。戦前から馬券的な興味はほぼなく、勝ち負けよりも、スマートファルコンがどう勝つか、またトランセンドはどこまで食い下がるかが焦点だったと思います。
スタートしてすぐにスマートファルコンが先頭に立ち、トランセンドは2番手。向こう正面では2頭が後続を大きく引き離し、かろうじて3番手をシビルウォーが追走するものの、4番手以降はすでに勝負あったという感じになってしまいます。
そして4コーナー。馬なりのスマートファルコンに対して、トランセンドは藤田騎手の手が激しく動き、ムチまで入れています。そして直線に入ると、2,3馬身離していき、またいつものようなスマートファルコンの圧勝かと思われました。
しかし一旦離れた差が、またじりじりと詰まり始めます。おおっ、もしかして南部杯のようにトランセンドが差し返すかとも思えるような展開になりましたが、結局スマートファルコンが貯金を守って1馬身差の勝利。
3着のシビルウォーはそれから3 1/2馬身離れ、さらに4着以下は大差となりました。
いつもなら離れる一方の2着馬が、ゴール前でどんどん詰め寄ってくるというのは、さすが伊達にG1を連勝してはいないと感心させられました。もちろんスマートファルコンの強さはすばらしいですが、トランセンドの強さと勝負根性もたたえられるべきだと思います。
しかしスマートファルコンとしては時計的にも厳しいわけではないのに、最後はやや脚が上がったように見えたのも不思議です。やはりピッタリと後ろにつかれたプレッシャーが、微妙に影響したのでしょうか。
またトランセンドは南部杯でもそうだったのですが、勝負どころで手ごたえが悪くなる感じがあります。最後は差を詰めてきているので、4コーナーすぎで一気に差を広げられたのが、最後に効いたのではないでしょうか。
今後どのレースを使うのかはわかりませんが、全盛の間にまた激突するのを見てみたいですね。今日の大井競馬場はすごい人でしたが、実力馬がぶつかるというだけで、お客さんをたくさん呼ぶことができるのですから。
やはり強い馬同士の真剣勝負が、最高のコンテンツといえるのではないでしょうか。