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2017年06月25日

一筋縄ではいかない春のグランプリ ~宝塚記念

宝塚記念は、グランプリレース有馬記念に対して春のグランプリとも呼ばれ、上半期のNo.1を決める締めくくりのレースに位置付けられています。そして有馬記念もそうですが、シーズン終わりということもあり、なかなか一筋縄ではいかない印象があります。
過去10年を見てみると、1番人気は6連対とそこそこですが、勝ったのはわずかに2頭。あまり荒れる印象はなく、実際に馬連万馬券も過去10年で1回だけですが、1,2番人気で決まったのはわずかに1回だけと固いとも言えません。

そんな宝塚記念ですが、昨年の年度代表馬にして今年すでにG1を2勝と、自他ともに認める現役最強馬キタサンブラックの1強という構図になりました。昨年の有馬記念でキタサンブラックを下し、今年の天皇賞(春)で人気を分け合ったサトノダイヤモンドは、凱旋門賞を目指すということで早々に回避を表明。また他にも回避が相次ぎ、最終的にわずか11頭の出走と、1990年、91年の10頭に次ぎ、1985年、1993年、2000年と並ぶ少頭数のレースになってしまいました。
実はこの5回と共通するのは、圧倒的に強い馬が登録してきたということ。1985年は最終的には回避したものの当時G1を5勝していたシンボリルドルフが、1990年には安田記念で復活したオグリキャップが、1991年、1993年には天皇賞(春)を連覇したメジロマックイーンが、2000年には天皇賞(春)を含む3連勝中のテイエムオペラオーが登録したため、あきらめた他の陣営が回避した面もあるでしょう。逆に混戦の年は登録数が多くなるように思えます。

最終的に1.4倍の1番人気になったキタサンブラックは、昨年までにG1を3勝。そして今年は新たにG1になった大阪杯と、天皇賞(春)を連勝してG1を5勝。特に前走の天皇賞(春)は、破るのは難しいと思われていたディープインパクトのレコードを0.9秒更新する3.12.5の驚異的なタイムで優勝し、このまま順調ならJRAの芝G1最多勝記録である7勝を、あっさり更新するのではないかと思われました。
対する10頭でG1を勝っているのは、2年前の有馬記念を勝っているゴールドアクター、牝馬戦ながらオークス、秋華賞と2勝しているミッキークイーン、国内のG1勝ちはないものの昨年末に香港ヴァーズを勝ったサトノクラウンの3頭だけ。しかも3頭とも前走では掲示板を外しており、デビュー以来16戦で4着以下はダービー14着のわずか1回だけというキタサンブラックの安定感とは、比ぶべくもありません。

しかし実際のレースでは、道中内外からからまれながらも、比較的スムーズに先行しているように見えたキタサンブラックは、直線でいったん先頭に立つも、そこから今まで見たことがないような失速ぶりで、みるみる馬群に飲み込まれていきます。そのシーンは、ある意味ショッキングでもありました。
最終的には逃げたシュヴァルグランにも差し返されて9着と大敗。これで秋に予定されていた凱旋門賞参戦も、白紙になるようです。先行してしっかりした末脚を使える脚質は凱旋門賞に合うのではと思っていたので、とても残念です。
そして上位を占めたのは、先ほどあげたG1勝ちのある3頭(1着サトノクラウン 2着ゴールドアクター 3着ミッキークイーン)。終わってみれば、とても簡単な馬券でもありました。

また今年から大阪杯のG1昇格に伴い、上半期の古馬中長距離G1を3勝すると2億円のボーナスが出ることになったのですが、それも夢と散りました。そもそも3戦すべてに参戦したのはキタサンブラックだけと、実は秋の3戦よりもかなりハードルが高いのではないかと思います。その大きな原因は、やはり天皇賞(春)の3200mではないでしょうか。
キタサンブラックの敗因はわかりませんが、個人的にはレコードで勝った天皇賞(春)の反動が一番大きいのではないかと思います。過去10年、天皇賞(春)の勝ち馬の宝塚記念での成績は、0・1・1・4とかなり悪く、連勝したのは2006年のディープインパクトまでさかのぼってしまいます。これは天皇賞(春)好走の影響が大きいことを、示しているのではないでしょうか。

名馬の条件として、大敗しないということがよくあげられます。ディープインパクトやシンボリルドルフ、シンザンなどはまさに大敗しない名馬でしたが、オルフェーヴルのように謎の大敗をする名馬もいます。今回の敗戦には驚きましたが、これでキタサンブラックの今まで見せた強さがすべて否定されるわけではありません。
キタサンブラックの次走がどこになるかはわかりませんが、ぜひ万全の体調で、また見事な勝利を見せてもらいたいと思います。

2017年06月04日

リピーターの多いG1 ~安田記念

安田記念が、いわゆるリピーター(上位に入って翌年や翌々年にも上位にくる馬)が多いG1であることは、過去の成績を見ているとすぐに気づきます。
たとえば過去10年の5着以内のリピーターを見てみると、こんな感じです。
・ウオッカ:2008年1着→2009年1着
・スマイルジャック:2010年3着→2011年3着
・ストロングリターン:2011年2着→2012年1着
・グランプリボス:2012年2着→2014年2着
・ショウナンマイティ:2013年2着→2014年3着
・ダノンシャーク:2013年3着→2014年4着
・モーリス:2015年1着→2016年2着
・フィエロ:2015年4着→2016年3着
なんと10年間で8頭がリピートしています。

この理由としては、コース適性やこの季節が合うなど個別にはいろいろあると思いますが、やはりコースが大きく影響しているのではないでしょうか。よく東京のマイルは、スピードだけでなく2000mぐらいもこなすスタミナも必要と言われてきました。ということは、他の競馬場のマイルとはちょっと違う特性が求められるのかもしれません。
そこで同じ舞台で行われる古馬のG1であるヴィクトリアマイルの、過去10年のリピーターについても見てみました。
・ウオッカ:2008年2着→2009年1着
・ブエナビスタ:2010年1着→2011年2着
・アパパネ:2011年1着→2012年5着
・ホエールキャプチャ:2012年1着→2013年2着→2014年4着
・ドナウブルー:2012年2着→2013年5着
・ヴィルシーナ:2013年1着→2014年1着
・ストレイトガール:2014年3着→2015年1着→2016年1着
競走生活が短く消長が激しい牝馬においても、10年で7頭(うち2頭は3回)のリピーターとなっていたのです。他のG1を調べたわけではないので、東京マイルに特徴的なことなのかはわかりませんが、少なくてもこの2レースを予想するうえで、リピーターの存在を意識することは必要でしょう。

このことを調べたのは、今年の安田記念においても、リピーターをどう評価するかが予想に大きく影響することになったからです。
1着になったのは昨年3番人気で4着に敗れたサトノアラジンでした。昨年はロゴタイプが600m35.0のスローで逃げ、サトノアラジンは中団から33.6の上りで追い込んだものの、1 1/2差の4着に終わりました。それを今年は後方から大外を一気に追い込み、ロゴタイプをクビ差交わして、昨年の雪辱を果たしました。
そして2着に逃げ粘った昨年の覇者ロゴタイプ。直線で後続を突き放したときは、まさに昨年のレースのリプレイを見ているようでしたが、最後に差されてクビ差の2着。しかしタイムは昨年を1.5秒上回る優秀なもので、改めてこの条件での強さを感じさせました。

結局今年の上位2頭は昨年のリピーターだったということで、またもやリピーターが多いG1であるという説を裏付ける形になったのです。
しかしもちろん例外もあります。今年1番人気に支持されて8着に終わったイスラボニータは、昨年は5着に好走していました。また9着のクラレントは2年前に3着に入っていますが、4年連続の出走となったものの、その着順は10,3,8,9着と好走は1回だけ。

つまり安田記念の予想に当たっては、リピーターを重視する必要があるものの、まずはその中でどの馬が来るかを見極めることが必要だということ。そしてもちろん前年は出ていなくて好走する馬(今年で言えばレッドファルクス、グレーターロンドン、エアスピネル)もいるので、それをしっかり取り上げること。これが的中するための基本的なスタンスになるのです。
しかし昨年上位の馬同士を買うだけで、馬連万馬券になるなんて、終わってみれば簡単なんですけどね。来年の教訓にしたいと思います。

2017年05月07日

G1を勝つ馬は過去に強いパフォーマンスを見せている ~NHKマイルC

G1を勝つ馬は、それ以前に強いパフォーマンスを見せているというのが、個人的な仮説です。特にキャリアの浅い3歳馬のレースの場合、前哨戦をよく見ておくことが大切だと、よく思い知らされます。もちろんそれに引っ張られて、失敗することもよくあるのですが・・・。

今年の牝馬クラシックにおいては、まずソウルスターリングのレースぶりが印象的でした。昨年の阪神JFに続いて、チューリップ賞でも速い上りで2馬身差の圧勝。そのため桜花賞では1.4倍の断然の1番人気に支持されました。その桜花賞で5.1倍の2番人気になったのがアドマイヤミヤビですが、その評価の根拠となったのが、チューリップ賞と同じ1.33.2で勝ったクイーンCでした。
このクイーンCでのアドマイヤミヤビのレースぶりはすばらしいと思ったのですが、実はそこで気になったのが、2着に食い下がった馬でした。

クイーンCでアドマイヤミヤビは後方からレースを進め、3コーナー過ぎから外を通って徐々に進出し、直線に入って追い出すと一気に加速し馬群を引き離していくのですが、その時に内で先行していた馬がアドマイヤミヤビに体を寄せてくると、伸びるアドマイヤミヤビにあわせて懸命に追いすがります。後続はどんどん離れていくのですが(最内で脱落していくのは後の桜花賞馬レーヌミノル)、この2頭は1/2馬身差のまま馬体を合わせてゴールします。
その2着馬が、アエロリットでした。このパフォーマンスが印象に残って、桜花賞でも注目していたのですが、馬場が重かったこともあり5着に敗れました。しかし関西まで輸送をして、初めての競馬場のG1で堂々の5着。しかもアドマイヤミヤビに雪辱したのは、とても立派だと思いました。

そして今日のNHKマイルC。アエロリットにとって、コースはクイーンCと同じ実績のある東京の芝1600m。遠距離輸送もなく、桜花賞からはすべての条件が好転します。持ちタイムは抜けて速く、牡馬勢にもこれといった強力馬の姿はありません。今年の3歳は牝馬の方がタレントが揃っているという前評判もあり、アエロリットを中心視するのは当然のことに思えました。

レースではアエロリットは好スタートから外目をやや掛かりぎみに先行し、3コーナーから4コーナーにかけては先頭に近づき、4コーナーは1頭だけ大きく外を回って先頭に並びかけます。
さすがに先頭に立つのは早すぎて、ここまでかとも思ったのですが、しばらく内のボンセルヴィーソと離れて先頭をキープしたあと、残り200mからボンセルヴィーソを一気に突き放します。馬群から唯一リエノテソーロが迫るものの、1 1/2馬身差をキープして先頭でゴール。1.32.2の好タイムで、結果としてとても強い勝ち方でG1を制覇しました。
やはり強いパフォーマンスを見せた馬は、追い続けることが大切だと痛感したのです。

そして2着に入ったリエノテソーロ。2走前にダートとはいえ1600mのG1で3馬身差の圧勝。休み明けの前走アネモネSで4着に負けていたこともあり、馬券の対象からは外してしまったのですが、やはり強いパフォーマンスを見せていたのです。
先入観なく考えることが大切だと、改めて思い知らされました。

2017年04月30日

2強は並び立たなかったが ~天皇賞(春)

両雄並び立たずはかなり信頼性の高い競馬の格言だと個人的には思っています。実際にどちらか一方、時には両方が飛ぶ確率が、割と高いのではないでしょうか。
今年の天皇賞(春)は、その2強対決になりました。そして今回の2強はかなり強力で、正直どちらが勝つのかわかりませんでしたし、どちらも着外に沈むシーンは想像もできませんでした。今回こそは2強が並んでゴールするようなシーンがあり得るのではとも思えたのです。

その2強のうちの1頭は、昨年に続く連覇を狙うキタサンブラック。ダービーで大敗した以外は3着をはずしたことがなく、昨年も逃げていったん交わされるも差し返すという強い勝ち方。3000m以上は2戦2勝で、前走大阪杯もG1でありながら、着差以上の余裕と実力差を感じさせる勝ち方で、まさに現役最強と言える走りを見せてくれました。

そしてもう1頭が、昨年の有馬記念でそのキタサンブラックをクビ差交わして優勝したサトノダイヤモンド。ダービーでハナ差2着に敗れた後は、菊花賞を2 1/2差で完勝し、有馬記念1着に続いて今年初戦の阪神大賞典は1 1/2差の強い勝ち方で4連勝。こちらも3000m以上は2戦2勝でともに完勝し、同じく負けるシーンが想像できません。

この2頭の評価も微妙で、金曜販売ではキタサンブラックが1.4倍の1番人気に対して、サトノダイヤモンドが3.7倍の2番人気とずいぶん離れていたのですが、前日の土曜日締め切り時点では、サトノダイヤモンドが2.1倍の1番人気と逆転し、キタサンブラックが2.7倍の2番人気。最終的にはキタサンブラックが2.2倍の1番人気で、サトノダイヤモンドが2.5倍の2番人気となりました。

実は天皇賞(春)は近年はかなり荒れるG1として定着しており、1番人気は2006年のディープインパクト1着を最後に10年間連対できず、しかも2008年3着のアサクサキングス以外は3着以内もないという体たらく。
その中には、3冠レースと有馬記念を含む6連勝から逸走しながら2着になった阪神大賞典を経て、1.3倍の圧倒的な1番人気に支持された2012年のオルフェーヴル(11着)や、菊花賞から有馬記念、さらには阪神大賞典と圧勝を続けてきて同じく1.3倍の1番人気になった2013年のゴールドシップ(5着)と、およそ負けるシーンが想像できなかった馬も含まれるのです。
そのことがジンクスのようになっていて、今年の2強も意外にあっさり沈むシーンがあるのかもと、個人的には一抹の不安を抱かされたのも事実でした。

レースは予想通りヤマカツライデンが逃げてキタサンブラックは2番手、サトノダイヤモンドは中団を進みます。途中からヤマカツライデンが大きく引き離すものの、天皇賞(春)7勝の武騎手はあわてず離れた2番手をキープ。3コーナーでばてて下がってきたヤマカツライデンを4コーナー手前で交わすと、直線は早くも先頭。
対するサトノダイヤモンドは4コーナー手前から外を通って進出すると、直線ではキタサンブラックとの距離をどんどん詰めていきます。残り200mで内のシュヴァルグラン、アドマイヤデウスをとらえるものの、そこからは伸びず、いったん並んだシュヴァルグラン、アドマイヤデウスにも前に出られて4番手に。
その間にも先頭のキタサンブラックは力強い末脚で後続を寄せ付けず、危なげないレースぶりで連覇を達成。シュヴァルグランが2着をキープし、最後に再び伸びたサトノダイヤモンドは、アドマイヤデウスは交わしたものの3着まで。

やはり2強は並び立たなかったものの、サトノダイヤモンドは最低限の3着はなんとかキープし、3連単は3,780円とディープインパクトが勝った2006年(3連単4,320円)以来久しぶりに万馬券にならない、固い決着となりました。

今日の結果を見ると、やはりステイヤーの資質がキタサンブラック、シュヴァルグランの方が、サトノダイヤモンドよりも上だったということだと思いますが、逆に言えば距離が短くなれば十分逆転の可能性はあると思います。
キタサンブラックは来年も現役続行と、大阪杯のあとにオーナーの北島三郎さんが言っていましたが、ということはまだ何回も2頭が対戦する機会はあるでしょう。互いに切磋琢磨して、またわくわくするようなおもしろいレースを見せてもらいたいと思います。

2017年04月09日

3年連続で圧倒的1番人気が負けました ~桜花賞

今年の桜花賞は、デビュー以来阪神JF、チューリップ賞を含む4連勝中のソウルスターリングが、1.4倍の圧倒的な1番人気に支持されました。しかも阪神JFは2番の上りで1 1/4馬身差、チューリップ賞も2番の上りで2馬身差と、同世代の強い馬が集まるレースをともに圧勝しており、その評価は妥当でしょう。
ただし少しだけイヤな予感がしたのは、この2年、桜花賞で圧倒的な1番人気に支持された馬が、ともに4着以下に敗れていることでした。

まずは2015年のルージュバック。デビューから3連勝で、牡馬相手にきさらぎ賞を快勝し、そこから桜花賞を狙ってきました。3戦とも上りは最速で、新馬戦は32.8。しかも3戦は1800mと2000mでスタミナ的に問題なく、先行もできて安定感もあります。
そのため1.6倍の圧倒的な1番人気に支持されました。しかし初の多頭数にとまどったのか、道中は中団からどんどんポジションを下げてしまい、スローで逃げ切ったレッツゴードンキから1.0秒差の9着に終わりました。

2016年はメジャーエンブレムがデビューから5戦4勝2着1回で、阪神JFとクイーンCを圧勝して臨みました。しかもクイーンCは、1.32.5の好タイムで5馬身差をつけて逃げ切り楽勝。そのスピードは3歳牝馬とは思えないものでした。
そのため1.5倍のまたもや圧倒的な1番人気に支持されたのです。しかし今まで先頭か2番手から競馬を進めていたのが、抑えてポジションを下げて中団。さらに直線は馬群に押し込められそうになってバランスを崩し、最後は外から差してきた馬に交わされて0.4秒差4着まで。

当然この2頭のことは予想に際して意識しました。しかもソウルスターリングも含めて3頭とも関東馬。過去10年で桜花賞馬を制した関東馬は、2010年のアパパネと2013年のアユサンの2頭しかおらず、西高東低の中では苦戦してもおかしくないのです。
しかしソウルスターリングがルージュバックやメジャーエンブレムと違うのは、勝ち馬を最も多く輩出しているトライアルのチューリップ賞を勝っているということでした。今年こそは大丈夫と、多くの人が思ったことでしょう。

ところが「2度あることは3度ある」の格言が当たってしまいました。
ソウルスターリングはいつもよりやや後方の6,7番手の外を進むと、直線は外から脚を伸ばし、先に抜け出したレーヌミノルにじりじりと迫ります。しかしいつものような伸び脚はなく、レーヌミノルを交わせないどころか、ゴール前では後ろから差してきたリスグラシューに交わされて3着に終わりました。

レーヌミノルもリスグラシューも阪神JFでは3,2着に下しており、さらにリスグラシューにはチューリップ賞では2 1/2馬身差をつけて、勝負付けは済んだ印象を与えていました。
敗因としては、ルメール騎手も言っているように、やや重という馬場状態が影響したことはあるでしょう。いつものような伸び脚が見られませんでした。しかし個人的に気になったのは、今までゴール前の追い比べを経験していなかったことでした。チューリップ賞も並ぶ間もなく早めに抜け出して突き放していました。しかし桜花賞では、前を行くレーヌミノルとの追い比べとなり、最後はあきらめてしまったようにも見えました。

キャリアの少ない3歳春では、どんなことが災いするか、あるいは幸いするかわかりません。古馬と違って、ちょっとしたことで結果が違ってしまうことは、よくあるのでしょう。
そのあたりも考えて予想をする必要があると、改めて感じました。

2017年04月02日

年度代表馬にふさわしい勝ち方でした ~大阪杯

昨年までのG2産経大阪杯が、今年からG1に昇格し、新たに大阪杯と名前を変えて行われました。

産経大阪杯というと、天皇賞(春)のトライアルでありながら距離が1000m以上短いこともあり、天皇賞(春)を目指さない中距離馬の出走も多くて、個人的にはやや中途半端なイメージがありました。やはり王道としては、阪神大賞典あるいは日経賞から天皇賞(春)というのが、ふさわしいと思えるのです。
実際に過去10年の天皇賞(春)の勝ち馬を見ると、産経大阪杯から臨んだのは、2007年メイショウサムソン、2011年ヒルノダムール、2016年キタサンブラックの3頭。決して多いとは言えないでしょう。

G2からG1に昇格するためには、過去の出走馬のレーティングがある基準を満たさないといけないそうですが、春シーズンに古馬の中距離に適当なレースがないこともあり、毎年G1馬の出走があり、その意味ではレベルの高いG2ではあったと思います。
今年の大阪杯ですが、残念ながらフルゲートには満たなかったものの、昨年の1,2着馬アンビシャス、キタサンブラックを初め、昨年のダービー馬マカヒキ、昨年末の香港ヴァーズを制したサトノクラウンと、なかなかのメンバーが集まりました。

その中で1番人気に支持されたのが、昨年の年度代表馬キタサンブラック。昨年は天皇賞(春)、ジャパンカップのG1 2勝を初め、有馬記念僅差の2着など6戦3勝2着1回3着1回と、負けてもクビ差の安定した成績でした。
ただし負けた3戦がいずれも鋭い末脚の馬に差されたもので、そのうち2戦が2000mの産経大阪杯と2200mの宝塚記念。3歳時は距離不安がささやかれたのですが、今は逆に2000mでは距離不足ではということが、唯一の不安とされたのは皮肉なことです。

レースはマルターズアポジーとロードヴァンドールの2頭の逃げ馬が引っ張り、さらにキタサンブラックやサトノクラウンがつつくことで速めのペースになるのではと思われたのですが、マルターズアポジーが離して逃げたものの、1000m59.6と意外に遅めの流れ。特にやや離れた3番手を追走したキタサンブラックには楽なペースとなりました。
そのため4コーナーを回ってすぐに追い出したキタサンブラックは、早めに先頭に立ったものの、最後まで脚色は衰えず、2着ステファノスに3/4馬身差とはいえ、着差以上の強さを見せつけて優勝しました。さすが昨年の年度代表馬という、堂々とした勝ち方だったと思います。
末脚に賭けたアンビシャスやマカヒキは、いずれも33秒台の末脚を見せたものの、さすがに楽なペースで行ったキタサンブラックを捉えることはできませんでした。

今年からG1レースが2つ増えて、G1完全制覇まであと1つとしていた武豊騎手は、一気に残り3となってしまったのですが、早速1つを取って、残り2つとしました。まあ産経大阪杯を過去に6勝と得意にしていたので、時間の問題ではあったと思いますが。
残り2はいずれも年末の2歳G1。今年一気にというのは難しいと思いますが、どうなるのか楽しみです。

2017年03月26日

かなり強い馬だと思います ~高松宮記念

今年の高松宮記念は、ミッキーアイルの引退やビッグアーサー、ダンスディレクターの怪我による回避など実績馬の不在もあり、混戦模様でした。さらに昨年のスプリンターズSを制したレッドファルクスが年末の香港で大敗し、それ以来の休み明けということも、中心馬不在という状況に拍車をかけたと思います。

そんな混戦の高松宮記念を制したのは、5番人気の関東の4歳馬セイウンコウセイでした。1200mは3・2・0・0と安定感あり、前走のシルクロードSはダンスディレクターにクビ差差されたものの、先行して抜け出し、3着には1 1/2馬身差をつける見どころある競馬だったのです。
しかし重賞未勝利で、前走より2kg斤量も増えることなども不安視された結果が、5番人気という評価だったのでしょう。

ところが今日のレースでは、ラインスピリット、シュウジ、トウショウピストが競り合う、やや速めの流れを直後の4番手で追走し、直線に入ると馬場中央で早めに抜け出して先頭に立ち、そのまま伸びて2着に1 1/4差をつける強い勝ち方でした。
先行した3頭がいずれも13着以下に大敗したことや、2着のレッツゴードンキが後方から差してきたことを見ても、セイウンコウセイがかなりの力の持ち主だということがわかります。

そのセイウンコウセイの父がアドマイヤムーン。自身はドバイデューティフリー、宝塚記念、ジャパンカップと中長距離G1を3勝し、父はミスプロ系のエンドスウィープで母父はサンデーサイレンスと万能なイメージ。しかしその産駒は意外に短距離が得意な馬が多い印象があります。

代表産駒は、2011年の京王杯2歳Sなどマイル以下の重賞2勝のレオアクティブ、2013年にアイビスSD、セントウルSと連勝し、スプリンターズSと高松宮記念で2着になったハクサンムーンなどがいて、産駒の芝平均勝利距離が1400~1500mと、スプリンターからマイラーが多いことがわかります。
今日の高松宮記念にも、前走京都牝Sで2着だったワンスインナムーンがもう1頭のアドマイヤムーン産駒として出走していました。残念ながら16着に敗れましたが、1400m以下では安定感があり、もっと力をつければ活躍も期待できると思います。

ロードカナロアが引退した後、なかなかスプリント界の中心となる馬が出てきていませんが、今までの成績や今日のレースを見ると、セイウンコウセイにはその可能性があると思います。関係者には、大事に育てていってもらいたいですね。

2017年02月19日

フェブラリーS勝ち馬の評価は低い?

今年初のJRA G1であるフェブラリーSが行われました。個人的に予想は、ゴールドドリームを中心にするなどまあまあだったのですが、人気が割れたせいか意外とオッズが低かった印象でした。

そのゴールドドリームですが、パドックではテンションが高めで、掛かった昨年のチャンピオンズCの惨敗を思い出して、ちょっと不安を覚えました。さらに、サウンドトゥルーやベストウォーリアの落ち着いて堂々とした歩様が良く見え、カフジテイクも気合乗りよく馬体もよく見せて、迷ってしまったのは事実です。
しかしレースでのゴールドドリームは中団につけると、直線は横一線の追い比べから堂々と抜け出し、最後は2着のベストウォーリアにやや迫られたものの、危なげない勝ち方で初のG1制覇を果たしました。

フェブラリーSの勝馬ですが、印象として評価がやや低いような気がします。特にJCダート(現在はチャンピオンズC)が秋に創設されてからは、ますます影が薄くなっているように感じるのです。イギリス競馬に範をとったJRAはもともと芝のレースがメインで、ダートは低く見られているのは、ある意味仕方ないとも思うのですが、そのJRAのダート部門でもフェブラリーSの勝ち馬は印象が薄いと思います。

実際にJCダートが創設された2000年以降のJRA賞最優秀ダートホースの受賞馬、のべ17頭の両レースでの成績を見てみます。
 フェブラリーS1着 3頭
 チャンピオンズC(JCダート)1着 11頭
 両レース1着 2頭
 両レース未勝利 1頭

こうしてみると、最優秀ダートホースに選ばれのはチャンピオンズC(JCダート)を勝った馬が圧倒的に多いことがわかります。
その理由としては、まずフェブラリーSが1年の初めの方に行われるので、JRA賞を選定する翌年初めには、どうしても印象が薄くなることがあげられます。さらに、フェブラリーS勝ち馬が最優秀ダートホースに選ばれるためには、その年を通じて交流G1等で活躍することが求められますが、例えば年初は条件馬でも、その後だんだん強くなって年末にチャンピオンズCを勝てば、強く印象に残りやすいということもあるでしょう。

そういう意味では、フェブラリーSを勝った馬が高い評価を得るには、1年を通しての活躍という高いハードルが設けられているといえます。では、今年のゴールドドリームはどうでしょう。全9戦で着外は昨年のチャンピオンCのみで、1800mでの勝ちもあり距離の融通も効きそうです。少なくとも、さらに活躍できる可能性は十分にあるでしょう。

過去17年で、その年のフェブラリーSとチャンピオンズC(JCダート)の両方を勝ったのは、2000年のウイングアローと2011年のトランセンドのわずかに2頭だけ。3頭目の快挙なるか。さらに交流G1や海外など、可能性は広がります。期待を込めて応援したいと思います。

2017年02月12日

共同通信杯の結果を受けて

共同通信杯は近年クラシックに向けたステップレースとして重要性が上がっており、過去5年の連対馬10頭の中から、皐月賞馬4頭、ダービー馬2頭(2冠馬ドゥラメンテはそれぞれカウント)とのべ6頭(頭数は5頭)のクラシックホースを生み出しています。
そこで今年も、期待を込めて生で観戦しました。

まず当然事前に予想をするのですが、中心馬を選ぶのにとても悩みました。というのも、人気馬4頭の前走を見て、同じ感想を抱いたからです。それは、「そこまでいって勝てないか」というもの。
1,2番人気のムーヴザワールド、スワーヴリチャードはそれぞれ前走東スポ杯で3,2着でしたが、いい脚で伸びてきたものの、プレスジャーニーにまとめて交わされて惜敗。3番人気エアウィンザーは前走福寿草特別で1.6倍の1番人気に押され、後方からいい脚で伸びてきたものの先に抜け出した勝ち馬を交わせず2着。4番人気タイセイスターリーはシンザン記念で後方からやはりいい脚で伸びたものの、さらに後ろから来た勝ち馬に交わされ2着。
いずれも勝っておかしくない脚を見せながら、詰めが甘い印象でした。これはつらくなった最後の伸びが勝負を決めるクラシックでは、ある意味致命的だと思うのです。

結局、パドックで1番よく見えたスワーヴリチャードを中心に買ったのですが、結果として見どころがあったのは、そのスワーヴリチャード1頭だったというのが、個人的な見方です。そのスワーヴリチャードは、中団内を折り合って進むと、直線で内からうまく抜け出し、最後は2着争いをする4頭に2 1/2馬身差をつける完勝でした。
前走の詰めの甘い印象を覆す見事な勝ち方で、勝ちタイムも昨年のディーマジェスティとほぼ同じでゴールドシップやイスラボニータよりも早く、その意味ではクラシックで活躍できる可能性は十分にあると思います。

それに対して今回1番人気のムーヴザワールドは、スワーヴリチャードマークで進むも、先に抜け出した2着のエトルディーニュをアタマ差交わせず3着。途中から逃げる形になった4番人気タイセイスターリーはムーヴザワールドにハナ差交わされ4着。後方から進めた3番人気エアウィンザーは伸び一息で、やや離れた6着まで。
この結果からは、2着以下の馬はいずれもクラシックは厳しいかなというのが個人的な見方です。

近年はここから直接皐月賞に臨む馬が好成績を残していますが、果たして今年はどうなるでしょうか。

2016年12月25日

順当ですが意外な結果でした ~有馬記念

今年の秋は、阪神JFが1~3番人気で順当に決まるという意外な結果で終わりましたが、荒れることが当たり前の有馬記念でも、1~3番人気が人気順に入るという順当な結果に終わりました。それ自体がとても意外なことだと思うのですが、どれぐらい珍しいことなのか、ちょっと調べてみました。

今年で61回を迎える有馬記念ですが、昨年までに行われた60回で、1~3番人気が人気順に関係なく1~3着に入ったのが5回。そして人気通りに1~3着に入ったのは、わずかに1回でした。
その貴重な有馬記念が、1977年に行われた第22回。この年は、いわゆるTTG3強と言われるテンポイント、トウショウボーイ、グリーングラスが1~3番人気に支持され、その人気通りに収まった伝説的なレースでした。私もレース映像で見たことがありますが、最初から最後までテンポイントとトウショウボーイがお互いだけを意識したマッチレースを繰り広げ、第三の男と呼ばれたグリーングラスが最後に3番手に差してくるという、まさに鳥肌が立つような緊張感にあふれた競馬だったのです。これは本当にすごいレースなので、機会があればぜひ見てみてください。
ちなみにこの3頭は、3頭すべてが出場したレースは3回で、それぞれが1勝ずつをあげ、かつ3回とも3着までを3頭で占めるという、完璧な3強でもありました。

その他の4回も、順に勝ち馬をあげると、74年タニノチカラ(2番人気)、81年アンバーシャダイ(3番人気)、84年シンボリルドルフ(1番人気)、88年オグリキャップ(2番人気)と、それぞれの年代を代表するような名馬の名前が並びます。
これに従うと、サトノダイヤモンドも今の年代を代表するような馬になっていくはずですが、今日のレースぶりは、まさにそれにふさわしいすばらしいものでした。

個人的には今年の3歳世代のレベルにやや疑問があり、充実しているキタサンブラックには及ばないのではと思っていましたが、パドックで見たサトノダイヤモンドの馬体や雰囲気のすばらしさに、認識を変えざるを得ませんでした。キタサンブラックの大きく迫力のある馬体はすばらしく、周囲を圧倒するような迫力も感じたのですが、サトノダイヤモンドはしなやかで柔らかみがあり、適度な気合乗りと深い踏み込みで、まさに理想的なサラブレッドの姿に思えたのです。

レースもルメール騎手の積極的な騎乗が印象的でした。スローでキタサンブラック有利の流れとみると、サトノダイヤモンドを早めに前に行かせて、向こう正面では外からつつくように並びかけます。3コーナーから少し下げると、直線はキタサンブラックとゴールドアクターを前に見る3番手。キタサンブラックはいったんゴールドアクターに並びかけられるも、天皇賞(春)のように差し返して突き放し勝負あったかと思われたところに、坂を上って一気に伸びてきたサトノダイヤモンドが、ゴール直前で差して1着。並ぶとしぶといキタサンブラックに勝つには、これしかないという戦いかただったと思います。
逆にキタサンブラックから見ると、産経大阪杯や宝塚記念のような、負けるときはこんな展開という形になってしまいました。もちろんJCで完璧に仕上げて、もうお釣りがないというような状況もあったと思います。

そしてもう一つ意外だったのは、昨日時点でキタサンブラック2.5倍、サトノダイヤモンド3.1倍と差のあった単勝人気が、直前でサトノダイヤモンド2.6倍、キタサンブラック2.7倍と逆転したことです。1番枠を引くという奇跡もありキタサンブラックの1番人気は固いと思っていたのですが、ファンの予想の正しさに驚かされました。
もっともパドックを見ると、それも納得ではあるのですが。

そしてこれで年度代表馬争いも混とんとしてきました。JCが終わった時点ではキタサンブラックでほぼ確定と思っていたのですが、今日の結果でわからなくなりました。あとのレースの方が印象に残ることもあり、サトノダイヤモンドの逆転も十分あるでしょう。
そして来年の古馬戦線もかなり興味深いものとなると思います。サトノダイヤモンドとキタサンブラックの再戦はもちろん、マカヒキも巻き返してくるでしょうし、まずはG1に昇格する大阪杯と天皇賞(春)、宝塚記念を目指して頑張ってくれることを期待しています。

2016年11月27日

キタサンブラックの強さを分析してみます ~ジャパンカップ

ジャパンカップ(JC)でのキタサンブラックの強さには、まさに脱帽でした。
長距離での強さは、今年の天皇賞(春)で差し返して勝ったことからも、誰もがわかっていたと思います。しかし中距離では、一抹の不安(というか、つけ入る隙)があると思っていた人もいるのではないでしょうか。

例えば春の産経大阪杯では、1000m1.01.1とマイペースで逃げて33.6で上りながら、2番手にいたアンビシャスに差されて2着に敗れました。また宝塚記念では、59.1とやや速めのペースで逃げたこともありますが、マリアライト、ドゥラメンテに差されて3着に敗れています。
JCの2400mが中距離かは微妙ですが、宝塚記念の2200mを考えると、同じような展開になる可能性も考えられます。特に東京は最後の直線が長く逃げ馬には厳しいことは周知の事実なので、そのあたりがキタサンブラックの単勝3.8倍という評価につながったのではないでしょうか。

レースでは、キタサンブラックは好スタートを切ると予想通りハナに立ちます。並びかけてきたのはワンアンドオンリーと、意外なことにリアルスティール。しかしリアルスティールはやや行きたがり、ムーア騎手がうまくなだめて下げます。さらにワンアンドオンリーも控えたことで、向こう正面では2馬身ほど離してマイペース。この時点で、ほぼ勝ちは約束されたと言えるでしょう。

キタサンブラックの強さの要素その1は、折り合いだと思います。よく先行馬でスタートから出そうとして、折り合いを欠くシーンを見ることがありますが、キタサンブラックに関してはそれがまったくありません。騎手の指示に淡々と従い、まったく行きたがる素振りを見せないのです。
今日のレースでも、先行各馬は多かれ少なかれ騎手が抑えていましたが、武豊騎手だけは全く自然な騎乗フォームを維持していました。

そのままレースはキタサンブラックのペースで進み、1000mは1.01.7とスロー。特に競りかける馬もいないまま、直線に向きます。
少し内をあけて、馬場のいいところを行くのですが、馬なりのキタサンブラックに対して、後続の馬たちは騎手の手が激しく動きます。残り400mを過ぎて武豊騎手が追い出すと、一気に後続との差が開き、残り300mを過ぎると2馬身以上離して独走状態に。追っていたゴールドアクター、ワンアンドオンリー、リアルスティールなどの脚色が逆に衰え、代わってサウンズオブアース、イキートスなどの差し馬が伸びてきます。

キタサンブラックの強さの要素その2は、スタミナでしょう。長距離G1を制するのだからスタミナがあるのは当然ですが、一時は母父サクラバクシンオーから距離が持たないと盛んに言われたのがウソのようです。
そしてその3は、やはり勝負根性ではないでしょうか。そもそも並ばせない、並んでも抜かせない、抜かれても差し返す、これは負けたくないという強い気持ちが馬になければ、できないことです。

レースは、そのままキタサンブラックが危なげなく逃げ切り、2着サウンズオブアースに2 1/2馬身差の圧勝。これまで重賞ではセントライト記念の3/4馬身差が勝った時の最大着差だったのですが、それを大幅に更新しました。
上りは逃げたにもかかわらず、メンバー5番の34.7。これは最速のレインボーラインの34.3にわずかに0.4秒劣るだけ。まさにテンよし、ナカよし、シマイよしの、競走馬の理想の姿に近いと言えるでしょう。

これでキタサンブラックは、今年唯一のJRA G1 2勝馬となり、まだ有馬記念を残すものの、年度代表馬の称号はほぼ間違いないでしょう。そして今日の勝ち方は、その称号にふさわしいものでした。
もし有馬記念をマリアライトかサトノダイヤモンドが強い勝ち方で制した場合は、年度代表馬の行方は少し揺れるかもしれませんが、キタサンブラックが無事に有馬記念に出走してくれば、その可能性は限りなく低いように思えます。

2016年11月20日

審議になって考えたこと ~マイルCS

マイルCSは、3番人気ミッキーアイルが1.33.1で逃げ切って優勝し、NHKマイルCに続くG1 2勝目を手にしました。600mが34.4と平均ペースで進んだものの、上り最速が34.6と良発表にもかかわらずかかっており、時計のかかる馬場だったことも幸いしたように思います。
2着は好位を進んだイスラボニータ、3着は2番手から粘ったネオリアリズムで、後方からの馬は出番なしでした。展開の予想はだいたいあっていたのですが・・・

そのミッキーアイルですが、ゴール前で大きく外によれて、2着ネオリアリズム、5着サトノアラジン、10着ディサイファ、4着ダノンシャークが大きな不利を受けました。そのために審議になり、久々にドキドキ感を味わいました。

JRAの降着制度が2013年に変更になり、「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合」しか降着にならないことになり、大幅に降着になるケースは減ったと思うのですが、それでもいったん当たったと思った馬券が、最終的に外れになるショックは、なかなか大きいものです。もちろん逆に外れが当たりになることもあり、それはラッキーですが、個人的な記憶としては、悔しさの方が強いです。

調べてみるとJRAで降着制度が始まったのは、1991年と意外と新しいのです。それまでは進路妨害は一律失格としていたのですが、馬券購入者への影響が大きいと積極的に適用しない傾向にあり、ラフプレイを助長するということで、降着制度が導入されました。
その初年度に起こったのが、天皇賞(秋)でのメジロマックイーンの1位入線18着降着でした。このレースは、私は馬券を買っていなかったのですが、JRAや武豊騎手へのブーイングがすさまじかったのを覚えています。

その後も何度か大きなレースでの降着は起きていますが、個人的に強く印象に残っているのが、2010年のジャパンカップでのブエナビスタの降着です。とても好きな馬で、その年のJCでも馬券の中心にして応援していたのですが、2馬身近い差をつけて1位入線したにも関わらず、2着に降着となりました。ブエナビスタ自身2度目(1回目は2009年秋華賞で2位入線も3着降着)ということもあり、最後の勝負所で一所懸命になるあまり、よれてしまうのかなと好意的に解釈していました。
進路妨害をすると騎手に制裁がいくように、その責任のかなりの部分は騎手が負っていると思われるのですが、安藤勝騎手やスミヨン騎手という名手をしても避けられなかったということは、やはり馬の癖によるものだったのでしょう。
ただ個人的に馬連を買うので、馬券的には被害がなかったということで、冷静に見られるという面はあるかもしれません。

他に馬券的には救われたのが、1996年のエリザベス女王杯でのヒシアマゾンの2位入線7着降着です。ヒシアマゾンとは個人的にとても馬券の相性が悪かったのですが、この時は長期休養明けで、しかも休養前も大敗していたので、思い切って馬券の対象からは外していたのです。
ヒシアマゾンといえば、後方から追い込むイメージが強いのですが、このレースでは先行して粘り、ダンスパートナーには差されたものの2位で入線します。しかし久々が響いたのか斜行して進路妨害を取られてしまいました。馬券的にはそれで当たりになったのですが、久々のレースで、よれるほど頑張ったヒシアマゾンに対して、申し訳ないような複雑な気持ちになったことを覚えています。

公正を確保し、ラフプレーなどを防ぐ意味で、降着・失格のルールがあることはわかります。しかしその一方で馬券を買う側には落ち度はないわけですが、当たり馬券が外れ馬券になることで、その責任の一端を負わされるように思えて、なんとなく納得いかない思いを個人的には持っていました。
その意味では、新しい降着・失格のルールは、以前よりはよいと思います。

勝負所で苦しくなってよれてしまうのは仕方ないことなのでしょうが、できれば騎手の皆さんにはそれを防ぐような努力をしてもらって、誰もが納得いくようなレースを見せてもらいたいと思います。

2016年11月13日

荒れた時の理由探し:外国人騎手・マンハッタンカフェ産駒 ~エリザベス女王杯

今年のエリザベス女王杯は、宝塚記念を制したマリアライトと、昨年の牝馬2冠馬ミッキークイーンの2強に、府中牝Sを勝ったクイーンズリングや昨年3着のタッチングスピーチ以下が挑むという図式でした。
とはいえ、マリアライトはG1 2勝がともにやや重で良の時計勝負に、またミッキークイーンはねん挫で予定していた京都大賞典を使えずヴィクトリアMからの半年の休み明けにと、それぞれ不安を抱えての出走となりました。それが、ともに単勝3倍台という微妙な評価になったのでしょう。

その結果、ミッキークイーンは外から鋭く迫ったものの3着、マリアライトは不利もあって伸びきれず6着と、ともに連対を外すことになりました。
勝ったのは3番人気のクイーンズリング。中団から内を突いて、1番の上り33.2で差し切りました。そして2着が12番人気のシングウィズジョイ。スローを先行して直線で抜け出し、ゴール直前まで粘りましたが、最後はクイーンズリングの切れに屈しました。

個人的にクイーンズリングはかなりの力の持ち主という印象があったので注目していたのですが、シングウィズジョイはまったくのノーマークでした。3歳時にフローラSを先行抜け出しで制したものの、その後はオークス17着、秋華賞10着など重賞で2桁着順を繰り返し、昨年末にマイルのターコイズSを勝ったものの、良績はそれだけという存在でした。ルメール騎手に乗り替わったことが、唯一気になったものの、それだけでは買えませんでした。

騎手が決まる過程というのは、一般人からはなかなか伺えないものですが、少なくともリーディング上位の騎手に頼む際は、まったく勝負にならない馬は頼みにくいと聞いたことがあります。ルメール騎手といえば、先週1日8勝して、リーディングトップの戸崎騎手に一気に追いつき、今年もリーディングを伺うトップジョッキー。いかに有力馬を多く抱える友道厩舎とはいえ、望みのない馬は頼まないでしょう。そういう意味では、厩舎サイドでは変わり身を感じて、スローが予想されるメンバー構成から、十分勝負になると踏んでいたのかもしれません。
終わってみれば、全国リーディング3位のM.デムーロ騎手と、2位のルメール騎手の組み合わせで馬連万馬券。騎手だけ(!)で選べば、実に簡単な馬券だったわけです。

そして上位2頭の共通点は、ともにマンハッタンカフェ産駒ということ。サンデーサイレンスを父に持つ種牡馬として、そこそこの活躍馬を出している印象はありますが、ディープインパクトやステイゴールド、ネオユニヴァース、ハーツクライなどに比べると、少し地味な感じがします。

特によく聞かれるのが、G1勝ちの産駒が少ないということ。JRAのG1では、ジョーカプチーノ(2009年 NHKマイルC)、レッドディザイア(2009年 秋華賞)、ヒルノダムール(2011年 天皇賞(春))、グレープブランデー(2013年 フェブラリーS)、そして今日のクイーンズリングのわずか5頭しかいません。しかもクラシック勝ちはなく、旧8大競争では 天皇賞(春)の1勝のみ。

またマンハッタンカフェ自身は菊花賞を勝っているにもかかわらず、産駒は意外と距離が伸びてよくないイメージもあります。
天皇賞(春)を勝ったヒルノダムールはいますが、短距離からマイルで活躍したジョーカプチーノ、ガルボや、1800mで強いけど距離伸びて今一つのルージュバックなどの印象が強いせいかもしれません。
実際に産駒の芝での平均勝ち距離は1700m台と、万能のディープインパクトとは同じぐらいですが、ステイゴールドやハーツクライに比べると、少し短いのは事実です。

3コーナーの坂超えがある外回りの京都芝2200mは、ある程度のスタミナも要求されるので、芝1800mまでしか勝ちのないクイーンズリングは距離不安もささやかれました。しかし終わってみれば、まったく距離の不安を感じさせない鮮やかな勝ち方。しかもシングウィズジョイも2着に粘ったことで、マンハッタンカフェ産駒の個人的な評価を、少し変える必要があるでしょう。

しかしこればかりは、レースが終わって初めてわかること。今後の予想に生かすようにしたいものです。

2016年10月16日

トライアルの評価 ~秋華賞

今年の秋華賞の予想で、人気を見て一番違和感を覚えたのが、紫苑S組が上位に支持されていることでした。上位では、1番人気ビッシュ、3番人気ヴィブロス、4番人気パールコードが紫苑S組。対するローズS組は2番人気ジュエラー、5番人気レッドアヴァンセと、明らかに紫苑S組の方が人気があったのです。

その紫苑Sは、秋華賞の関東におけるトライアルのオープン特別として2000年に創設。当初は中山芝1800m(2002年は新潟芝1800m)で行われていましたが、2007年から中山芝2000m(2014年は新潟芝2000m)となり、今年からG3に格付けされ、同時にそれまで2着までだった秋華賞への優先出走権が、3着までに拡大されました。

しかしトライアルとはいっても、紫苑Sで優先出走権を得た馬たちの秋華賞での成績は、まさに惨憺たるものでした。2015年までの紫苑S1,2着馬の秋華賞での成績は下記のとおり。
1着馬:0・0・1・12
2着馬:1・0・1・13
1着馬は特にひどく、最高は2001年のオークス馬レディパステルの3着で、それ以外は5着以内もなし。2着馬は2014年のショウナンパンドラが優勝して、初めてにして唯一紫苑Sから連対。あとは2002年のシアリアスバイオが3着に入っただけでした。

その理由として考えられるのが、以下の2点でしょう。
1.西高東低の中、力の劣る関東馬中心のトライアルである
2.力の劣る関西馬は、実力馬の集まるローズSを避けて可能性が上がる紫苑Sを選択
つまり同じトライアルとはいえ、ローズSより出走馬のレベルがどうしても下がるのです。

今年から紫苑SはG3となったものの、桜花賞馬ジュエラー、オークス馬シンハライトはいずれもトライアルとしてローズSを選択。もちろん力のある関西馬にとって、本番も関西で行われる秋華賞のトライアルに、わざわざ輸送が必要な紫苑Sを選択するメリットはなく、今年も傾向は変わらないのではと思えたのです。

ところがローズSを快勝し、本番でも1番人気確実だったシンハライトは故障で秋華賞を回避。代わって紫苑Sを力強く差し切って勝ったビッシュが、オークス3着の実績もあり1番人気に支持されました。
しかし個人的には関東でしか強いパフォーマンスを見せておらず、関西への輸送が初めてというところに不安を感じたのです。しかも春は410kgを切る軽量で、紫苑Sでも420kgしかなく、そのためか軽い追切りで馬体維持を優先しているように見え、不安は増しました。
そしてその不安は的中。ビッシュは見せ場もなく10着に終わりました。

しかし秋華賞のゴール前、先頭で粘るパールコード(前走紫苑S5着)を鋭い末脚で差し切ったのは、紫苑S2着から臨んだヴィブロスでした。なんと紫苑S組の1,2着となったのです。
いきなり紫苑S組が爆発した原因は、重賞昇格によるレベルアップなのか、今のところ原因はよくわかりませんが、もしかして大きく傾向が変わったのかもしれません。しかし紫苑S組は1着馬より2着馬という傾向が変わっていないのは、興味深いところです。

これで来年からは紫苑S組だからと色眼鏡で見ることなく、公平に判断する必要がありますね。

2016年10月02日

最内枠ゆえの難しさ ~スプリンターズS

スプリンターズSは3番人気レッドファルクスが鮮やかに差し切ってG1初制覇となりました。ダートと芝の両方に実績があり、右回りには良績がないという異色の馬でしたが、その勝ちっぷりは見事で、納得の戴冠だったと思います。
それに対して、単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持されたビッグアーサーは、直線前がふさがって行き場がなく、12着に終わりました。

枠順が決まった時に、好枠とはいえ逆に乗り方が難しいなと、少し嫌な予感がしたのは事実です。前走のセントウルSは同じく1番を引いて、その時は逃げて完勝したのですが、今回は先行馬が揃ってペースが上がることが予想されたので、陣営としても逃げずに好位から進めることを選択したのでしょう。

うまくスタートを出て、3コーナーまでは内の4,5番手を進み、そこまでは想定通りだったと思います。そこから少しずつ外に出し、4コーナー手前では外目の5番手という絶好の位置取りでした。
しかし後続が外から進出し、内に押し込められるような形になると、なんとか抜け出せるところを探すも前が壁になって出られません。外から内と進路を変える中で前の馬に触れてつまずき、そこで減速したのが万事休す。結局馬群の中で流れ込むようにして12着でレースを終えました。
結果論ではありますが、4コーナー手前で外に出せていれば、脚は残っていたのでもっと上位に来ることは可能だったでしょう。

今の中山は差しが決まりやすい馬場なので、逃げたくない気持ちはわかりますが、内枠で小回りとなると、逃げないと内で包まれる危険も大きくなります。究極の選択だったと思いますが、イチかバチか前が開く可能性に賭けたのでしょう。これは内枠を引いてしまったが故の、悩みだったとも言えます。

馬券を買う立場からすると、失敗した場合にその選択を責めたくなるものですが、まあそれも含めて競馬だとあきらめるしかないのでしょう。逆にうまくいけば、賞賛されたでしょうから。それこそ、まさにギャンブルですね。

さて今晩はいよいよ、国内で初めて馬券が買える(実際の紙は買えませんが)凱旋門賞です。参加できるというだけで、ちょっと入れ込み方が違うのは、現金なものだとも思いますが・・・。
マカヒキには、日本の悲願というようなプレッシャーは気にせず、力を出し切ってもらえればと思います。

2016年06月26日

マリアライトの勝因、有力馬の敗因を考える ~宝塚記念

2016年の宝塚記念は、8番人気の5歳牝馬マリアライトが優勝しました。関東馬の優勝は2010年のナカヤマフェスタ以来で、牝馬の優勝は2005年のスイープトウショウ以来11年ぶり。さらに過去10年以上連対馬を出していない目黒記念経由ということで、8番人気という評価も仕方ないでしょう。

個人的にも牡馬混合G1で上位に来る力はあるけれども、ここで勝つまではどうかという評価でした。その大きな要因の1つは、あまり速い上りが使えないというのが大きいと思います。
条件戦はメンバー上位の上りで勝ってきましたが、重賞ではその末脚は見劣り、勝った昨年のエリザベス女王杯も1番の上りを使ったスマートレイアーの34.0に対してマリアライトは34.7。位置取りの差でなんとか抑えたという印象でした。
それでも有馬記念1馬身差4着や目黒記念クビ差2着は、力がないとできないパフォーマンスで、蛯名騎手としても上位に来る可能性はあるものの、どう乗るべきかは悩んだのではと思います。

そしてとった戦法が、3コーナー過ぎから早めにあがっていくという方法でした。
キタサンブラックが引っ張る流れは、やや重としては少し早い1000m59.1。それを向こう正面までは後方集団で追走し、3コーナー過ぎから外を回して進出して、4コーナーでは先行集団のすぐ後ろまで来ます。直線では前を行くキタサンブラック、ラブリーデイに懸命に追いすがり、ゴール寸前でキタサンブラックを交わすと、追い込んできたドゥラメンテにクビ差まで迫られたところでゴール。

末脚比べではドゥラメンテ以下の上りが速い馬にはかなわず、早く前に行き過ぎるとスタミナがありしぶといキタサンブラックを交わせない危険があり、まさに勝つにはこれしかないというタイミングでした。
これは馬の脚質を熟知した蛯名騎手のファインプレイと言えるのではないでしょうか。

追い切りもきびきびとした動きで、パドックも気合乗りよくしっかり歩き、体調が良かったのも、もちろん勝因のひとつでしょうし、暑くなってきたのも牝馬にはよかったのかもしれません。

では逆に単勝1.9倍の圧倒的人気に支持されたドゥラメンテの敗因はどんなことが考えられるでしょう。
レース後にM.デムーロ騎手が下馬して心配されましたが、現状は左前脚跛行とのことで骨折などの重症ではなさそうですが、その影響はもちろんあったと思います。しかしその中でも2着と連対を確保したのは、さすがです。
また結果論ではありますが、すこし後ろから行き過ぎたということもあるでしょう。上り最速はドゥラメンテでしたが、そのタイムは36.1。やや重とはいえかなり時計が掛かる馬場だったことを考えると、もう少し前にいた方がよかったのではと思います。

そして2番人気のキタサンブラック。時計の掛かる馬場で1000m59.1は速いペースだったと思います。現に先行した馬は、キタサンブラック以外はすべて2桁着順に沈みました。そんな中、ゴール直前まで先頭で、クビ+ハナの3着に粘ったのはさすがです。
しかし産経大阪杯もそうですが、中距離だとどうしても切れる馬にゴール前で交わされるパターンになりやすく、長距離に比べると勝ちきれない傾向があるようです。

このように終わってから分析してみると、結果にも納得いくのですが、それが事前にはなかなかわからないのが予想の難しさでもあり、おもしろさでもあると思います。

2016年06月05日

一筋縄ではいかないけど、モーリスの強さも再認識 ~安田記念

安田記念と言えば昔から荒れるレースとして名高いのですが、今年はモーリスという強い中心馬がいて、そのせいか12頭立てと頭数も少なく、いよいよ平穏に終わるかと思いましたが、やはりそうはいきませんでした。

勝ったのは単勝8番人気(36.9倍)のロゴタイプ。
その成績を振り返ってみます。まず2歳の朝日杯FSは7番人気ながら先行して人気のコディーノを抑えて1着。3歳になって、そのままスプリングSも勝つと、皐月賞は1番人気に応えてエピファネイアを1/2馬身抑えて優勝し、G1 2勝目を飾りました。
しかし2番人気の日本ダービーはキズナの5着に敗れ、そこから長い低迷が始まります。
3歳夏に札幌記念に出走して5着となると、その年は全休。4歳時は初戦の中山記念こそ3着と好走するも、その後ドバイ遠征も含めて4戦して6着が最高。5歳時は中山金杯、中山記念ともに2着、富士S3着と好走するも未勝利。
そして今年、中山記念はドゥラメンテの7着に敗れたものの、ダービー卿CTは58kgを背負って勝ちに等しい2着。ところがダービー卿CTから安田記念好走したのは、昨年のモーリスだけということもあり、安田記念では伏兵扱いでした。

その勝因はいろいろあるでしょうが、まずは体調がよかったということがあるのでしょう。これは厩舎関係者の方が言っていますが、レースを見ていても坂を上がってからモーリス以下を突き放しており、並みの逃げ馬にできる芸当ではありません。
そしてやはり、うまくマイペースで逃げることができたのが大きいと思います。逃げた馬に33.9で上がられては、後続の馬に出番はありません。
そしてなんといっても、その逃げを演出した田辺騎手のペースの読みがあったと思います。田辺騎手と言えば、2014年のフェブラリーSで16番人気のコパノリッキーを絶妙のペース配分で2番手から先頭に立たせ、ホッコータルマエ、ベルシャザールの追撃を抑えて初G1制覇を飾ったことが印象に残っていますが、まさに今年の安田記念もその面目躍如という感じでした。

そのロゴタイプのパフォーマンスに負けず劣らず印象的だったのは、やはりモーリスの強さでしょう。
モーリスはスタート直後は中団にいたものの、すぐに行きたがり、懸命にT.ベリー騎手が抑えるものの掛かってしまい、逃げるロゴタイプの直後まで行ってしまいます。その後も、うまく折り合ってスムーズに進むロゴタイプに対して、懸命に抑え込むベリー騎手の体が激しく上下するモーリス。その状況は4コーナーまで続きます。
さすがにここまで掛かると体力を消耗するし、気力もそがれるでしょうから、もしかしてモーリスの大敗もあるのではと思いました。

直線に入ってモーリスは馬場中央に持ち出し、内ラチ沿いで逃げ込みを図るロゴタイプを懸命に追いますが、その差は詰まらず、逆に坂を上って広げられます。モーリスもここまでかと思いましたが、直後で追っていたディサイファやリアルスティールの手ごたえが先に悪くなり後退。代わってフィエロやサトノアラジンが迫ってくるも追いつくまでは至らず。結局ロゴタイプは交わせなかったものの、2着は死守しました。

強い馬の条件として大敗しないこと、最低でも連対は守るというのはあると思います。単勝1.7倍の支持に対する責任として、2着は最低条件といえるでしょう。その意味で、あの状況で2着を守ったのはすごいと思います。もちろん世界レベルのマイラーとしては、ここで負けてほしくはなかったですが・・・。
悪条件の中でここまで走ったことはすばらしいですが、弱点というか問題点も明らかになりました。モーリスがこれから何を目標にするのかはわかりませんが、世界に誇れるマイラーとなれるよう、さらなる高みを目指して欲しいと思います。

2016年05月29日

オーナーの運もあるような・・・ ~日本ダービー

今年の牡馬クラシックはレベルが高いと言われ、皐月賞まではサトノダイヤモンド、リオンディーズ、マカヒキの3強、その後ダービーに向けては皐月賞馬ディーマジェスティを加えた4強という状況でした。ダービーに向けて皐月賞の分析が重要でしたが、かなりのハイペースだったこともあり、その解釈はさまざまな可能性が考えられ、とても難しいというのが個人的な感想でした。逆に言えば、どの馬がダービー馬に輝くのか、とても楽しみな1戦でもあったのです。

予想をするうえで大きな要素になるのが、展開だったと思います。皐月賞で途中から逃げてハイペースを演出し5着に敗れたリオンディーズ。中団から差したものの休み明けもあって3着にとどまったサトノダイヤモンド。
それに対してハイペースを利して後方から差して優勝したディーマジェスティと、同じく1番の上りで追い込んで2着のマカヒキ。
東京の馬場は前日の土曜日からCコースとなり、前が止まらず外が伸びない馬場になったことで、特に末脚勝負のディーマジェスティとマカヒキの戦法が注目されました。

スタートすると、内のマカヒキは中団につけ、最内のディーマジェスティはいったん下げるものの、すぐに外からマカヒキをマークするように後ろにつけます。その2頭の前にサトノダイヤモンドがいて、リオンディーズは予想に反して抑えて後ろから3,4番手。そのままサトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティは固まって中団を進みます。
直線に入ると馬場中央をサトノダイヤモンドがじりじりと伸び、その内のマカヒキは前のエアスピネルの後ろに押し込まれて、進路がふさがった状況。出られるのかと思うと、サトノダイヤモンドがやや外によれて前が空き、そのすきをついてマカヒキが一気に進出します。
しかし立て直したサトノダイヤモンドが再度外から馬体を合わせ、そこからは2頭が並んで壮絶な叩き合い。最後は鼻づらをあわせて並んでゴール。1/2馬身差でディーマジェスティが3着。

写真判定になりましたが、結局ハナ差でマカヒキがサトノダイヤモンドを下して戴冠となりました。
この2頭、マカヒキは金子真人オーナー(名義は金子真人HD)、サトノダイヤモンドは里見治オーナーの持ち馬。ともにG1では常連の大オーナーですが、その成績はかなりの差があります。

金子オーナーは牡牝の3冠馬ディープインパクト、アパパネをはじめ、砂のディープインパクトと言われたカネヒキリなど多数のG1馬を所有。ダービーもキングカメハメハ、ディープインパクト、マカヒキと3勝目。JRAのG1はこれで26勝目。個人馬主としては、まさに驚異的な成績です。ちなみにまだ勝っていないJRAのG1は、高松宮記念、マイルCS、朝日杯FSの3戦のみ。

片や里見オーナーはサトノの冠名でおなじみですが、意外なことにJRAのG1は未勝利。しかも2着は2013年菊花賞(サトノノブレス)、2015年日本ダービー(サトノラーゼン)、2016年日本ダービー(サトノダイヤモンド)の3回。3着も2回あります。

昔からダービーは運がよい馬が勝つと言われますが、今年のダービーはオーナーの運が優ったように思えます。しかもサトノダイヤモンドは落鉄もしていたとか。競馬にタラレバは禁物ですが、無事ならとつい思ってしまうでしょう。
ただしよく見ると、サトノダイヤモンドは1回よれてマカヒキに前に出られながらも再度差を詰め、ゴール前のクビの上げ下げでは一瞬前に出る場面もありました。その勝負根性が、いつかG1の舞台で発揮されて、オーナー悲願のG1制覇をかなえることを祈りたいと思います。

2016年05月23日

着差以上の差? ~オークス

よくレース回顧の中で、「着差以上の差を感じさせる~」という表現があります。これは、1着馬と2着馬の着差はさほど開いていないけど、それ以上の力の差を感じさせるほど1着馬が強い印象を与えたときに、よく使われます。もちろんこれは書いている人の主観なので、必ずしもそうとは限りませんが。
オークスを見ていて、月並みではありますが、こんな表現がぴったりだなと思ったのです。

今年の3歳牝馬クラシック戦線は、桜花賞の時点では3強と言われていました。クイーンCを圧勝した昨年の最優秀2歳牝馬メジャーエンブレムと、チューリップ賞でハナ差の接戦を演じたシンハライトとジュエラーの3頭です。しかしオッズはメジャーエンブレム1.5倍に対して、シンハライト4.9倍、ジュエラー5.0倍と1強+2という感じ。

ところが1強のメジャーエンブレムが桜花賞で4着に敗れて、矛先をオークスではなく得意なマイルのNHKマイルCに変えて見事に優勝。さらに桜花賞馬ジュエラーが怪我でリタイヤし、桜花賞をハナ差で敗れたシンハライトが1強とガラッと勢力図が変わってしまいました。
ただしそう簡単に終わるわけもなく、フローラSをレコードタイムで3馬身差圧勝のチェッキーノが新たに名乗りを上げて、オークスでは1番人気シンハライト(2.0倍)、2番人気チェッキーノ(4.0倍)、3番人気以下は10倍以上と、新たな2強状態となったのです。

レースは最低人気のダンツペンダントが果敢に逃げ、フラワーCを逃げ切り1着の3番人気エンジェルフェイスや、忘れな草賞を逃げて1着の7番人気ロッテンマイヤーが続き、1000mが59.8と速めの厳しい流れ。これは逃げ先行馬が軒並み2桁着順に終わったことからもわかります。

そんな中、シンハライトとチェッキーノは後方から4,5番手とかなり後ろの同じような位置で追走。ところが4コーナーでチェッキーノは馬群の外へ、シンハライトは馬場中央の馬群の中へと進路が大きく分かれます。
チェッキーノは直線入り口で外にはじかれるものの、その後はスムーズに外から追い込んできます。しかしシンハライトはなかなか前が開かず、進路を見つけられない状況。残り200mで無理やり外に出そうとして、横にいたデンコウアンジュの進路を妨害してしまいます(池添騎手はこれで2日間の騎乗停止)。

しかし前が開いたシンハライトは、そこから見事な末脚を発揮して、先に内から抜け出していたビッシュ、外からじりじり伸びているチェッキーノを並ぶ間もなく交わすと、2着チェッキーノにはクビ差、3着ビッシュには1馬身差で、桜花賞では2cm差で逃したG1タイトルをついに手に入れました。

そのシンハライトの、進路が開いてからの伸び脚は見事でした。レース評論の中には、馬群をついた池添騎手の勇気をたたえるものもありましたが、あのまま前が開かなければ脚を余す危険も大いにあったわけで、個人的にはシンハライトの馬群を割る勝負根性と、一瞬の見事な瞬発力を賞賛したいと思います。
シンハライトの上り3ハロンは、チェッキーノと同じ33.5でメンバー1位タイなのですが、ゴール前100mの伸び脚は明らかに違っていて、まさに着差以上の差を感じさせました。

これでディープインパクト産駒のオークス制覇はジェンティルドンナ、ミッキークイーンに続く3頭目で、5年連続連対を継続中。この条件でのディープインパクト産駒の強さを改めて感じさせられるとともに、来週の日本ダービーの有力なヒントになるかもしれません。

2016年05月15日

昨年の悔しさをバネにG1連覇 ~ヴィクトリアM

ヴィクトリアMは、7歳馬ストレイトガールが昨年を上回る鮮やかな末脚で一気に抜け出し、レースレコードで連覇を達成しました。7歳牝馬のG1制覇は初とのことですが、それをスピードが必要なマイル戦で、しかもレースレコードで制するとは・・・。その強さに唖然とするしかありませんでした。

ストレイトガールは、昨年ヴィクトリアMとスプリンターズSとG1を2勝したのですが、JRA賞の部門賞に選ばれないという不運に泣かされました。
最優秀4歳以上牝馬か最優秀短距離馬のどちらかを受賞する権利は十分にあったのですが、前者はジャパンカップを勝ったショウナンパンドラ、そして後者は安田記念、マイルCS、香港マイルを勝って年度代表馬にもなったモーリスが獲得。中央のG1(J・G1含む)を複数勝った馬はストレイトガールを含めて6頭いましたが、その中で唯一無冠に終わったのです。その無念たるや相当なものだったでしょう。

そして今日のレースでは、昨年の最優秀3歳牝馬ミッキークイーンと最優秀4歳以上牝馬ショウナンパンドラを2馬身半という差をつけて破り、無念を晴らしました。

しかし、昨年の優勝馬にもかかわらず単勝17.7倍の7番人気という低評価は、終わってみれば不思議な気もします。とはいえ、7歳という年齢と、香港遠征と帰国初戦でともに9着に敗れたことを見れば、仕方ないでしょう。
でも思い返してみると、実は同じような復活劇を、何回か経験したような気がします。

その1頭は2012年の勝ち馬ホエールキャプチャ。
その年は4番人気で比較的順当でしたが、そこから調子を落として2桁着順が続きます。2013年の初戦阪神牝Sも14着に終わり、もう終わったと思われヴィクトリアMでは12番人気。しかし中団から脚を伸ばし、勝ったヴィルシーナにハナ差の2着と鮮やかに復活しました。

そしてもう1頭はその2013年の勝ち馬ヴィルシーナ。
その年は1番人気に応えて、ジェンティルドンナの前に涙をのみ続けたG1をようやく勝ったのですが、そこから長いトンネルに入ります。翌2014年も東京新聞杯、阪神牝Sともに11着の惨敗。さすがにないだろうと思われた11番人気の2014年ヴィクトリアMで、見事に復活のV。

こうやって振り返ってみると、ストレイトガールの連覇も十分に考えられるのですが・・・。
まあこれを糧に、次こそは復活Vをぜひとも捉えたいと思います。

2016年05月09日

自分の型にはまった時の強さ ~NHKマイルC

今年のNHKマイルCの大きな焦点は展開、それもメジャーエンブレムがマイペースで逃げられるかということだったと思います。それは単勝1.5倍と圧倒的な支持を受けた桜花賞で、なぜか得意な逃げという戦法をとらずに中団からレースをして、結果として4着と期待を裏切ってしまったことが、大きく影響しているとも言えるでしょう。

クイーンCで34.4と速めのペースで逃げながら、上りを34.7でまとめて、3歳春の時点で1.32.5で5馬身差の圧勝は衝撃的ともいえる内容でした。それが桜花賞での圧倒的な人気につながったのは仕方のないことでしょう。
しかしその桜花賞でメジャーエンブレムに乗ったルメール騎手は、それほど悪くないスタートを切りながらも抑えて、デビュー以来初めて4コーナーまで中団で進めるというレースをします。そのためペースは落ち着き、瞬発力勝負となって切れで勝る馬の後塵を拝してしまったのです。
その結果に対するルメール騎手への風当たりは相当なものだったでしょう。私などは、とても耐えられる自信はありません。そしてその汚名を返上するためには、次のレースで勝つしかなかったのです。

桜花賞を勝てなかったことで2冠を狙う必要はなくなったこともあり、陣営は次のターゲットを2400mのオークスではなく、NHKマイルCに定めてきました。もちろん強い勝ち方をしたクイーンCと同じ東京マイルが舞台ということもあったと思いますが、逆に言うと言い訳が効かない舞台とも言え、また重賞実績のある牡馬たちを相手にすることになり、そのプレッシャーは桜花賞以上だったかもしれません。そのせいか、レース前のルメール騎手の表情は、今まで見たことがないほど鬼気迫る感じに見えました。

レースは、好スタートを切ったメジャーエンブレムをルメール騎手が無理なく先頭に立たせ、競うかとも思われたシゲルノコギリザメは2番手に控えます。先行が予想されたシュウジは3番手で抑えて折り合いに専念し、ティソーナは出遅れて後方から。それほど速くは見えないものの、3ハロンは34.3とクイーンCを0.1上回るペースで進みます。
直線に入ると余裕たっぷりに後続各馬を突き放し、逆に先行した馬たちはどんどん後退。外から後方の馬たちがじりじりと迫ってきます。しかし内ピッタリを走るメジャーエンブレムはルメール騎手の叱咤激励に応えて懸命に伸び、馬群を抜け出してきたロードクエスト、レインボーラインが迫るも、それぞれ3/4馬身とそこからクビ差をつけて逃げ切り、G1 2勝目を飾りました。

勝ちタイムは1.32.8とクイーンCを0.3下回るも、近年同じ逃げ切り勝ちをおさめたカレンブラックヒルやミッキーアイルのタイムを上回る堂々とした時計。
しかも先行したシゲルノコギリザメ、シュウジ、アーバンキッドなどはすべて2桁着順に沈み、2,3着馬は4コーナー10番手以降から追い込んできた馬と、明らかに前崩れの追い込み有利の展開。それを逃げ切ったのだから、相当な力の持ち主と言えるでしょう。

そしてルメール騎手は、これが今年のG1初勝利。今年のG1 6戦でなんとルメール騎手は4回目の1番人気だったのですが、これまでは2,4,3着と期待を裏切り続け、ようやく4戦目にして応えることができました。
対する池添騎手は、これが今年3回目のG1 2着。前の2回が2cm、4cm差だったことを思えば、まだ救われるものの、悔しいことに変わりはないでしょう。

マイルを速い流れで逃げたときはかなり強いという、ユニークな特徴を見せたメジャーエンブレムですが、これからどのレースで、どんなパフォーマンスを見せてくれるでしょう。大きな勉強になったと思われるルメール騎手ともども、今後がとても楽しみです。

2016年05月01日

最も固いG1から最も荒れるG1へ ~天皇賞(春)

今年の天皇賞(春)は、直線で2番人気のキタサンブラックと13番人気のカレンミロティックの叩き合いとなり、いったんカレンミロティックがアタマ差ほど前に出ましたが、最後にもう一度キタサンブラックが内から差し返し、数cm差での戴冠となりました。
これで菊花賞に続くG1 2勝目となったわけですが、3000mを超えるG1を両方制したことで、ようやく母父サクラバクシンオーからくる距離不安説も影を潜めることでしょう。馬主の北島三郎さんも再び「まつり」を歌って喜ばれたとのことで、おめでとうございます。

それに対して、1番人気のゴールドアクターは道中掛かったことが影響したのか、4コーナー2番手から後退して0.8秒差の12着大敗となりました。掲示板を外したのは新馬戦7着以来2回目ということで、堅実な成績からここまでの大敗は、正直驚かされました。
そしてこれにより、天皇賞(春)では10回連続で1番人気が連対できなかったことになり、まさに最も荒れるG1と言えると思います。しかも3着に入ったのも、2008年のアサクサキングスが最後。つまり過去8回連続で1番人気が着外に敗れているのです。

しかし私が競馬初心者だったころは、確か最も固いG1と言われていたはずです。いつからこんなに荒れるようになってしまったのでしょうか。
ちょっと調べてみると、2003年の第127回から傾向が変わったようです。それまでももちろんたまに荒れることもあったのですが、例えば1999年から2002年まで4回連続で1~3番人気の馬が3着以内を占めていますし、1990年代で1,2番人気が揃って連対を外したのは、1995年の1回だけ。その年の馬連が4,090円で、他に1998年に2番人気-10番人気で決まって4,770円というのがありますが、その2回を除けば平穏に収まっていたのです。
しかし2003年に1着ヒシミラクル(7番人気) 2着サンライズジェガー(8番人気)で馬連16,490円と荒れると、2004年は1着イングランディーレ(10番人気) 2着ゼンノロブロイ(4番人気)で馬連36,680円。そしてついに2005年には1着スズカマンボ(13番人気) 2着ビッグゴールド(12番人気)で馬連169,320円の大荒れに。今から思えば、これで今の傾向が決まったような気がします。

その後、2006年こそディープインパクト-リンカーンの1,2番人気で決まって馬連380円で収まったものの、2007年からの10回で馬連3桁は1度もなく、5桁(万馬券)は3回。さらに3連単は10万円超えが10回中9回で、まさに荒れるG1という感じです。

その理由は、いろいろあるのでしょうが、個人的には長距離レースの価値の低下があるのではという気がします。昨年の2冠馬ドゥラメンテはダービー後に怪我が発覚して秋は全休しましたが、無事なら菊花賞で3冠は狙わず凱旋門賞に挑戦するつもりだったといいます。他にもダービー3着馬サトノクラウンは菊花賞ではなく天皇賞(秋)を選択しました。
このように競馬サークル全体として、配合の段階から調教まで長距離レースを意識しない傾向が強くなっているのではないでしょうか。そのため。中距離では強いのに意外と距離がもたなかったり、距離に自信がない馬ばかりで全体にペースが遅くなってしまい、スローペースの経験が少ない有力馬が掛かって末を失ったり、逆に直線の瞬発力勝負になって短い距離に適性があるはずの馬が上位に来たりと、さまざまな要因で荒れることが多くなっているのかもしれません。

しかし一方、昔、天皇賞(春)で強い勝ち方をした、メジロマックイーン、サクラローレル、マヤノトップガン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、そしてディープインパクトなどは、中距離でも活躍しました。ところが最近天皇賞(春)を勝った馬は、他ではあまり活躍できず、このレース限定のような傾向も見えます。そういう意味では、天皇賞(春)を勝つのは新たなステイヤーと言えるのかもしれません。

今年優勝したキタサンブラックは、現状ではG1勝ちは菊花賞と天皇賞(春)の長距離G1のみとなっています。しかし2000mの産経大阪杯で好勝負するなど中距離でも実績を残しており、逆に母父サクラバクシンオーのスピードがうまく生かされているのかもしれません。まだ底を見せていない感もあり、中長距離でまんべんなく活躍できるようなスターホースへの道を歩んでいくことを期待したいと思います。

2016年04月17日

ディープインパクト産駒勝てずのジンクス破られる ~皐月賞

今年の皐月賞は、レベルの高い混戦と言われました。特に3強と称される3頭が高いレベルで前哨戦を好走したのに加えて、その他にも安定して好成績の馬が多い印象がありました。その証拠に着外のない馬(デビュー以来4着以下がない馬)が18頭中8頭いて、その内の7頭が重賞を勝ち、かつ3歳重賞で3着以内の実績がありました。
これは過去5年では、着外のない馬の数は2014年と同じですが、その年はそのうち重賞勝ちは4頭しかいなかったので、レベル的には今年が圧倒的ともいえるでしょう。
(ちなみに着外のない馬の数は以下の通り 2012年:5頭[うち重賞勝ち4頭] 2013年:4頭[4頭] 2014年:8頭[4頭] 2015年:5頭[4頭])

中でも3強と言われたサトノダイヤモンド、リオンディーズ、マカヒキはそれぞれの前哨戦で見せたパフォーマンスがすばらしく、どの馬が勝つのかわくわくさせられました。
サトノダイヤモンドはデビュー2連勝で臨んだきさらぎ賞で、中団で折り合って進み、直線で抜け出すとあとは後続を離す一方。1番の上り34.2で、3 1/2差の圧勝を飾り、3戦負けなしの成績で皐月賞に臨みます。唯一の不安は、間隔があいていることで、近年はきさらぎ賞からの直行で良績を残した馬はいません。
リオンディーズは新馬勝ちから臨んだ朝日杯FSを後方から差し切って勝ち、弥生賞は掛かって早めに抜け出します。それでも2番の上り34.4でクビ差2着に粘り、3戦2勝2着1回の成績。掛かったのは不安ですが、1回たたいて良化が見込めます。
そしてそのリオンディーズを、弥生賞で後方からクビ差で差し切り3戦3勝としたマカヒキ。上りは1番の33.6で3戦とも上りはメンバーで1番。フルゲート未経験や追い込み脚質は中山のG1では不安要素ですが、弥生賞で初めて2分を切る時計で勝っている事実は、不安を打ち消すのに十分とも言えます。

その他にも、スプリングSを好位から差し切り5戦3勝2着2回のマウントロブソン、新潟2歳Sを後方から4馬身差で圧勝しスプリングS追い込んで3着で4戦2勝2着1回3着1回のロードクエスト、デイリー杯を圧勝し朝日杯FS2着弥生賞3着で4戦2勝2着1回3着1回のエアスピネル、共同通信杯を後方から1番の上り34.9で1 1/4馬身差で勝って4戦2勝2着2回のディーマジェスティと、例年なら主役を張れそうな成績の馬たちも、控えています。

こんな混戦でどの馬から入ればいいのかわからない時には、ついジンクスに頼りたくなります。今年思い浮かんだジンクスは、「3強並び立たず」と「ディープインパクト産駒は皐月賞では2着まで」でした。
前者はもちろんTTGのように例外もありますが、私の経験ではかなりの確率で当たります。ちなみにこれが2強となると、まず間違いなくどちらかが(時には両方が)崩れます。
後者は一見不思議ですが、開催最後の馬場が荒れた中山は時計がかかって力がいる状態になることが多く、切れで勝負する馬が多いディープインパクト産駒には合わないということもあるのでしょう。とはいえ、初めて産駒が3歳になった2011年からの5年間で、ワールドエース、リアルスティールと2着馬を2頭出しており、その勢いを見る限り、時間の問題という気もしました。

レースは逃げたリスペクトアースが1000m58.4というハイペースで飛ばし、3コーナー過ぎには早くもばてて、先行していた3強の1頭リオンディーズが先頭で4コーナーを回ります。リオンディーズはそのまま押し切ろうとしますが、エアスピネル、サトノダイヤモンドなどが迫り叩き合いに。
それを外から差してきたディーマジェスティが一気に交わして先頭。さらに後方から追い込んできたマカヒキも伸びてきて、この2頭のワンツー。3着争いは最後にサトノダイヤモンドがリオンディーズを交わしました。

これでついにディープインパクトの仔は皐月賞を勝てないというジンクスは破られたのです。しかも1~3着がディープインパクト産駒となり、今までのうっぷんを晴らすような形となりました。
しかし3強は2,3,4着で1~3着を占めることはできず、3強並び立たずはその通りになりました。先週の桜花賞も3強と呼ばれた3頭は1,2,4着となり、かなり強力なジンクスだと思います。

皐月賞が終わって、次はいよいよダービーですが、さらに混戦という印象です。
1着のディーマジェスティは東京実績もあり、今日の末脚を見れば引き続き有力ですし、これでデビュー以来4戦連続上りNo.1の2着マカヒキも東京ならという感じ。3着サトノダイヤモンドもたたいて上昇するでしょうし、折り合いに不安がないのも有利と思われます。降着で5着のリオンディーズはハイペースに巻き込まれ末を失いましたが、後ろから行ければ距離も持つでしょう。
他にも、皐月賞をパスしたスマートオーディンやハートレーも出てくれば気になりますし、青葉賞や京都新聞杯から有力馬が出てくる可能性もあります。
例年以上に難しいダービーになりそうです。

2016年04月10日

メジャーエンブレムはテスコガビーにはなれなかった ~桜花賞

今年の桜花賞の個人的な関心は、「メジャーエンブレムはテスコガビーになれるか?」でした。

テスコガビーとは今や半ば伝説と化している、1975年の牝馬2冠を制した馬。6戦5勝2着1回という成績で桜花賞に臨んだテスコガビーは、前哨戦の阪神4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)をレコードタイムで逃げ切って優勝したこともあり、1.1倍の圧倒的な人気に支持されました。
レースは好スタートから逃げ、4コーナーを回って直線に入ると、後続をどんどん引き離します。そこで中継していた杉本アナの発した「先頭はテスコガビー。後ろからはなんにも来ない。」という言葉が名言として残るほど、どんどんと後続を引き離し、2着とは1.7秒差の大差での圧勝。その時の桜花賞レコード1分34秒9は、13年間破られませんでした
41年前のレースなので、さすがに実際に見てはいないのですが、YouTubeで見ると、その強さに圧倒されます。

そのテスコガビーを引き合いに出すほどの衝撃を与えたのが、今年のクイーンCでのメジャーエンブレムのパフォーマンスでした。さすがに1.7秒もの差はつかなかったものの、3ハロン34.4で逃げての0.8秒(5馬身)差の圧勝は、かなり印象的でした(勝ちタイム:1分32秒5)。
また他馬とのスピードの違いで先頭を走っているだけで、決して逃げようと意図しているわけではないことや、牡馬と見まがうばかりの迫力ある大きな馬体など、伝説的に語られるテスコガビーの特徴と、かなり共通点があることも、より期待を抱かせる要因となりました。

トライアルのチューリップ賞でシンハライトとジュエラーが叩き合い、1分32秒8の好タイムでハナ差の好勝負を演じても、メジャーエンブレムへの高い評価は変わらず、最終的に1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されたのです。

レースは、メジャーエンブレムがスタート今一つということもあり控えたため、3ハロンが34.8と平均ペースで流れます。メジャーエンブレムはデビュー以来初めて中団でレースを進め、徐々に進出して直線ではいったん先頭に立つものの、後方から鋭く追い込んできたシンハライト、アットザシーサイド、ジュエラーに抵抗する間もなく交わされると4着に破れました。
最後はチューリップ賞同様にシンハライトとジュエラーのクビの上げ下げになり、今回は後方から1番の上り33.0で追い込んだジュエラーに軍配が上がりました。

パドックで見たメジャーエンブレムは見事な馬体で落ち着いてゆったりと歩いており、トモも力強くて踏み込みも深く、ひいき目に見てもほかの馬とは大人と子供ほどの違いを感じました。これはもしかして、本当にテスコガビー並みのパフォーマンスが見られるかと期待もしたのですが・・・。

敗因はいろいろあるのでしょうが、個人的には逃げなかったことに疑問を感じました。スタートが今一つで他の馬が押していたので、無理にいかない方がいいという判断をルメール騎手がしたのかもしれません。しかしためて切れるタイプではなく、また初めて馬群の中でレースをすることで馬にとまどいが生まれる危険もあります。加えてスタミナに不安があるわけでもないので、結果論ではありますが思い切って行った方がよかったのではないかと思うのです。その方が、同じ負けでも納得できたでしょう。
もちろん勝ったジュエラーもハナ差2着のシンハライトも、力を出し切った素晴らしいパフォーマンスで、レースの結果自体は納得のいくものでした。

さて今日の結果を受けてのオークスですが、おそらく父ダイワメジャーのイメージもありメジャーエンブレムの人気はかなり落ちるでしょう。逆に上位のジュエラー、シンハライト、アットザシーサイドは血統的に距離にはあまり不安がなく、この3頭が人気の中心になると思います。

テスコガビーはオークストライアルで負けたこともあり、オークスはやや人気を下げて2.3倍の1番人気でしたが、うまくスローに落として逃げて8馬身差で2冠を達成しました。
はたしてメジャーエンブレムの巻き返しはあるのか。クイーンCと同じ東京での強いパフォーマンスを、個人的には期待したいと思います。

2016年03月27日

騎手のペース判断はキャリアの長さによる? ~高松宮記念

今年の高松宮記念は、昨年の勝ち馬香港のエアロヴェロシティと、阪神C2着からシルクロードSを差し切ったダンスディレクターの有力馬2頭が回避し、かなりの混戦となりました。戦前からどの馬が勝ってもおかしくないと言われ、1番人気の単勝が最終的に3.9倍と、とても人気通りでは収まらない雰囲気でした。
こんな時にカギになるのが展開ですが、逃げ馬が多く、ペースが速くなることが予想されていました。近走逃げることが多いのはアクティブミノル、ローレルベローチェ、ハクサンムーンと3頭いて、さらに前走阪急杯を逃げ切ったミッキーアイルも、音無調教師が行かないと包まれるとハナを主張。この中で個人的に注目したのは、若い騎手が乗るローレルベローチェとミッキーアイルの出方でした。

ローレルベローチェは昨秋から逃げて3連勝のあと、前走シルクロードSもうまく逃げて1 1/2差2着に粘りました。その鞍上は5年目の中井騎手。重賞勝ちはありませんが80勝をあげており、特にローレルベローチェとは昨年初めからコンビを組んで11戦4勝。自らの手で人馬ともに初めてのG1出走に導いたこともあり、かなり気合が入っていることが想像できます。

ミッキーアイルは浜中騎手が乗ってNHKマイルCを逃げ切り、昨年の高松宮記念も好位から3着に入りましたが、主戦の浜中騎手が落馬負傷で乗り替わったのが8年目の松山騎手。前走の阪急杯はその松山騎手が絶妙の逃げで1年4か月ぶりの勝利をミッキーアイルにもたらし、晴れてコンビ続行で高松宮記念に臨んできました。前日発売で1番人気に支持されており、自身初のG1勝利に向けて気持ちが高ぶっていたことでしょう。

2頭の逃げが予想される馬に若手が騎乗することで、もしかしてかなりのハイペースになるのではと危惧したのですが、その心配は現実のものとなりました。
好スタートを切ったのはミッキーアイルでしたが、その外から激しく押してローレルベローチェがかなり強引にハナを奪いに行きます。さらに逃げてこその酒井騎手のハクサンムーンがからんでいって、ミッキーアイルは3番手。やや離れた4番手に、直前で1番人気に上がった福永騎手のビッグアーサーがいて、もう1頭の逃げ馬藤岡康騎手のアクティブミノルは中団を進みます。

前の3頭はこうなったら行くしかないのですが、特に若手騎手は経験が少ない分、冷静なペース判断ができないことが危惧されます。それもあってか600mの通過が32.7と、過去10年で唯一の32秒台と断トツの速さ。
ビッグアーサーの福永騎手とすれば、当面の敵のミッキーアイルがハイペースに巻き込まれて、かつ自身がそれを見る位置で進むという絶好の展開と思われ、さすがベテランの冷静な判断と思って見ていました。

そして直線に入ると懸命に粘るローレルベローチェ、ハクサンムーンを差して残り200mでミッキーアイルが先頭に立ちます。マイルG1を制した底力が生きるかと思ったところ、ビッグアーサーがじりじりと迫ってきてゴール直前でミッキーアイルを交わし、最後は3/4馬身差をつけて、1.06.7のレコードで初重賞制覇がG1という偉業を達成しました。

ハイペースを逃げ馬の直後につけ、いったんは先頭に立ち3/4差2着のミッキーアイルは地力のあるところを示しましたが、前半にあそこまで前に行かなければ勝てた可能性もあったのではとも思います。しかし自身初のG1制覇の可能性が十分にあり、かつ調教師に逃げを指示されていては、逃げ馬を追いかけた松山騎手を責めることはできません。
また思い切って逃げた中井騎手のローレルベローチェは1.2秒差16着に沈みましたが、こちらも自分の持ち味と力を存分に発揮したといえるでしょう。

これを見ていて、距離も展開も異なりますが、1999年のダービーを思い出しました。4コーナーを回ってこらえきれずに早めに追い出したテイエムオペラオーの和田騎手。それを見て慌てて追い出したナリタトップロードの渡辺騎手。その若手騎手の乗った人気の2頭を最後に差し切ったのが、冷静に展開を見ていたアドマイヤベガの武豊騎手でした。

今日の結果は、松山騎手、中井騎手にとってはとても悔しいものだったと思いますが、これを糧にいつの日か大きなレースを制してほしいと思います。和田騎手も渡辺騎手も、その後G1を勝つことができたのは、あのダービーの経験も大きかったのではと個人的には思っています。

2016年02月22日

G1を勝つための資質 ~フェブラリーS

個人的に思うG1を勝つ馬の条件というか資質ですが、まずどこかで印象に残るパフォーマンスを見せたことがあるというものがあります。G1馬には王道を歩んだ馬や、伏兵による番狂わせなどさまざまありますが、伏兵であってもどこかでその片鱗となるようなパフォーマンスを見せたことがあるというのが、個人的な仮説であるのです。

今回のメンバーでそれを1番感じたのは、1番人気の4歳馬ノンコノユメの、昨年の武蔵野Sでした。
このレースでは、それまで4戦負けなしのモーニンが1番人気だったのですが、ハイペースから好位を進んだタガノトネール、モーニンなどが抜け出し、タガノトネールが勝ったかと思ったところを、ありえない位置から追い込んできたノンコノユメがゴール前で並びかけ、結局ハナ差で勝ちました。
やや重とはいえ、芝のような一気の末脚を、しかも3歳で58kgを背負って見せたのですから、とても驚きました。次のチャンピオンズCでも狭い最内を伸びて1 1/2差2着と、そのポテンシャルの高さはとても印象的でした。

そして個人的に思うG1馬のもう一つの資質が、大敗が少ないということです。もちろんオルフェーヴルやゴールドシップのように、すごく強くても謎の大敗を喫する馬もいますが、安定感というのもとても大事な要素だと思います。

今回のメンバーでそれを感じたのは、同じ4歳のモーニンでした。ノンコノユメの10戦して着外1というのも素晴らしいのですが、モーニンの6戦5勝3着1回という安定感というか勝率の高さは、とても魅力的に感じました。また前走根岸Sも好位抜け出しの安定したレースぶりでレコードに0.1秒差と、派手さはありませんがすばらしいパフォーマンスでした。

この2頭はノンコノユメが単勝2.4倍の1番人気、モーニンが5.1倍の2番人気とやや開きましたが、その原因の1つは、直接対決した昨年の武蔵野Sの結果でしょう。58kgを背負って鮮やかに差し切ったノンコノユメに対して、55kgで上位2頭に2馬身差の3着に終わったモーニン。
またモーニンは1400mの根岸Sを鮮やかに勝ったことと、父ヘニーヒューズがヘニーハウンドやアジアエクスプレスの成績から距離に限界があるイメージがあったことも、2番人気にとどまった理由の1つではないかと思います。

レースはモーニンが外から好位につけ、ノンコノユメはいつもの後方。直線に入りじっくりと追い出したモーニンが残り200mで先頭に立つものの、ノンコノユメは押してもまったく反応せず、その時点でまだ馬群の後方。今日は末脚不発かと思ったところ、そこから一気に火が付いたノンコノユメは、外を猛然と追い込んできます。
しかし時はすでに遅く、壮絶な2着争いは外からアタマ差制したものの、先に抜け出したモーニンは1 1/4差をつけて1.34.0のレコードで1着。ダート界の新星登場となりました。

2頭ともまだ若いので、これからも覇権争いは続いていくことでしょう。しかし今回のレースで見せた安定感の差は、意外と大きいような気がします。一気の追い込みは印象には残るのですが、届かないリスクも大きくなります。しかもノンコノユメは、ゴーサインを出してからその気になるまで意外と時間がかかるという欠点を、今回見せてしまいました。
今後陣営も対策を考えていくと思いますが、同世代のライバル同士のおもしろい戦いを期待したいと思います。

2015年12月27日

混戦の有馬記念好走の条件とは

今年の有馬記念は、1番人気のゴールドシップの単勝が4.1倍と混戦でした。秋のG1を3勝した2000年のテイエムオペラオーや2004年のゼンノロブロイのような抜けた力の持ち主がいる場合と違って、混戦のときは近走の実績よりも、いかに疲れのないフレッシュな状態で臨めるかの方が大事なような気がします。そこで少し調べてみました。

過去10年の連対馬20頭について有馬記念が9月以降で何走目かを見てみると、2走目が2頭、3走目が13頭、4走目が5頭、1走目と5走目以上は無しという状況でした。そして4走目の5頭をさらに見てみると、そのうちG1を3走が3頭、2走が1頭、1走が1頭。よくある天皇賞(秋)-JC-有馬記念というG1を3走して連対したのは、なんと2008年2着のアドマイヤモナークただ1頭でした。(ちなみにG1を3走したほかの2頭は、秋華賞-エリザベス女王杯から来た2007年2着のダイワスカーレットと、凱旋門賞-JCから来た2010年1着のヴィクトワールピサ)
そしてご存知のようにアドマイヤモナークは、天皇賞(秋)12着、JC12着と2走とも大敗しており、その意味ではあまり負担が重くなかったともいえます。もっともこの成績でなぜ2着にきたのか、今もって不思議ですが。

こうして見てみると、有馬記念で連対するためには、秋3走目が理想であり、4走目の場合は負担が重くないローテーション(もっとも何が重くないかは馬によって違いますが)であることが必須であることがわかります。これを当てはめると、ラブリーデイは買ってはいけない馬だったわけです(私は本命にしてしまいましたが・・・)。同様に、回避しましたがショウナンパンドラも、出ていれば危険な人気馬になっていたと思われます。

そして今年連対したゴールドアクターとサウンズオブアースは、いずれも理想的な有馬記念が秋3走目で、あまり負担は重くなく、かつ2走内にG2連対があって実績と勢いもあるという状況でした。
もちろん他にも秋3走目の馬はいますが、G1で好走していたり、逆にG1で大敗続きだったり、よい加減だったのは実はこの2頭だけだったりします。

来年もこれがそのまま通用するかはもちろんわかりませんが、覚えておいて損はしないかもしれません。

2015年12月20日

データによる分析の正しさと限界 ~朝日杯FS

今年の朝日杯FSの大きな注目ポイントは、何といっても武豊騎手のJRA平地G1完全制覇がなるかだったでしょう。3年前にマイルCSを制して残り1つとなってから、初の圧倒的1番人気への騎乗で、いやがうえにも期待が高まりました。本人も朝日杯が下手な鞍上だけが不安とネタにしていましたが、内心かなり期待が大きかったと思います。
実際デイリー杯2歳Sのエアスピネルの勝ちっぷりは、見事なものでした。デビューから重賞を含む3連勝で1番人気のシュウジを、直線では引き離す一方で3馬身差の楽勝。ついにG1完全制覇の偉業が達成される日が来るなと思いました。

有力ではと思われる相手も、来年のクラシックを見据えてホープフルSなどより距離の長いレースに向かう馬が多く、登録メンバーを見ると正直小粒な印象をぬぐえませんでした。唯一未知の魅力という意味で、2000mの新馬を楽勝したリオンディーズがいますが、さすがに1戦1勝の馬は過去に2着が1回あるだけとのことで、データ的には狙いにくいのが実情です。

レースは先行馬が何頭か競り合うもののペースはあまり速くならず、エアスピネルは中団の外を折り合って進みます。それに対して驚いたのはリオンディーズの落ち着きでした。新馬戦ではずっと折り合いを欠いて岩田騎手が懸命になだめていたのですが、M・デムーロ騎手に乗り替わった今回は最後方でまったく掛かる素振りもなく、落ち着いて進みます。
直線に入り、外から差してきたエアスピネルが直線半ばで先頭に立ち後続を引き離したときは、勝負あったかと思いましたが、大外を追い込んできたリオンディーズがみるみる迫ってきて、エアスピネルを並ぶ間もなく交わすと、3/4差で優勝。2着エアスピネルと3着シャドウアプローチは4馬身離れ、実質的に2頭の一騎打ちという形になりました。

これによって、朝日杯では1戦1勝の馬は勝ったことがないというデータはあっさりとくつがえされました。
それに対して当たったのは、過去10年の2歳G1で単勝1倍台の馬の成績は1・3・0・1と2着が多いというデータ。こちらは説得力のある理由が思いつかないので、ジンクスと言った方がいいのかもしれませんが、不思議なことにその通りになってしまいました。

これで武豊騎手は4回目の朝日杯2着。さらにエアスピネルの母エアメサイアは自らが手綱をとった2005年のオークスで、今日勝ったリオンディーズの母シーザリオにクビ差の2着。エアスピネルもリオンディーズもともにキングカメハメハ産駒ということもあり、2重の意味で悔しさを味わったのではないでしょうか。
G1完全制覇の絶好のチャンスを逃した武豊騎手の悔しさは、我々の理解を超えるレベルだとは思いますが、いつか実現できる日が来ることを信じて、また明日からがんばってほしいと思います。

2015年11月29日

なぜか牝馬が強いG1 ~ジャパンカップ

G1がある日の競馬場では、「G1データマスター」というさまざまなデータを紹介する短い番組が時々ターフビジョンで流れるのですが、今日その中の一つに牝馬の成績がよいというのがありました。実際に秋に行われる中長距離G1で見ても、天皇賞(秋)や有馬記念に比べて、牝馬の勝利数や勝率、連対率が高いのです。

ジャパンカップといえば現在は国内最高賞金を誇る、いわば最高峰のG1ともいえるのですが、その歴史を見てみると、意外と牝馬にかかわるトピックスが多いことに気が付きます。

まず記念すべき第1回(1981年)の勝ち馬は、アメリカの6歳(現5歳)牝馬メアジードーツでした。競馬の国際化をにらんで創設されたジャパンカップですが、競馬後進国日本で開催されるということで、当然トップクラスの出走はなく、盛りを過ぎた馬や実績に欠ける馬をなんとか集めたというのが実態だったそうです。
そのレースで、当時G2までの勝ちしかなくパドックでは牛のようだと笑った牝馬に、レコードを1秒も更新されたのは、関係者には相当なショックだったでしょう。

さらに、ひどいコズミで来日以来1度も時計を出さず、その代わりに日夜厩舎周りをひたすら歩かせて筋肉をほぐし、それだけで勝ってしまった第3回(1983年)のスタネーラ(アイルランド 6歳[現5歳])。
早めのペースを先行し、最後の直線はオグリキャップと壮絶な叩き合いの末に、当時の芝2400m世界レコードで勝った第9回(1989年)のホーリックス(ニュージーランド 7歳[現6歳])。

ところが日本の牝馬は第7回(1987年)にダイナアクトレス(5歳[現4歳])が3着、ヒシアマゾンが第15回(1995年)、ファビラスラフィンが第16回(1996年)、エアグルーヴが第17回(1997年)、第18回(1998年)と4年連続2着に入ったものの、勝利は遠いものでした。

その長い未勝利の歴史にピリオドを打ったのが、第29回(2009年)のウオッカでした。ダービーや天皇賞(秋)、安田記念で牡馬を打ち破ってG1を勝ったものの、JCは3歳は4着、4歳は3着と勝てず。しかしついに5歳でルメール騎手を背に1番人気に応えたのです。

それからは堰を切ったように日本の牝馬の活躍が続きます。翌2010年の第30回はブエナビスタが抜け出して1位入線したものの2着に降着。しかし第31回(2011年)は見事に雪辱を果たします。さらに第32回(2012年)はジェンティルドンナがオルフェーヴルとの叩き合いを制して勝つと、第33回(2013年)は連覇に成功。
そして今年、記念すべき35回はショウナンパンドラが後方から鋭い末脚を発揮して差し切り勝ち。過去10年で5頭目(実質6頭目)の日本牝馬の優勝となりました。

その活躍の理由はいろいろあるのでしょうが、個人的には牝馬の切れが生きる舞台というのが、大きいような気がします。ディープインパクト産駒の活躍が目立つのも、そういう理由からではないでしょうか。
ジャパンカップは鋭い末脚の牝馬を狙えというのが、しばらく続くような気がします。

2015年11月23日

驚くべき強さでした ~マイルCS

モーリスが出走メンバーで一番力があるのはわかっていましたが、やはり半年ぶりが大きな不安でした。これで勝ったら怪物だと思っていたのですが、まさに怪物並みのパフォーマンスを見せてくれたのではないでしょうか。

モーリスに驚かされたのは、今春のダービー卿CTでした。後方から一気に抜け出すと、あとは差が開く一方でメンバー一番の上り33.0で3 1/2馬身差の圧勝。新馬戦ならともかく、実力馬が集まった重賞であれだけの力差を見せる勝ち方は、ほとんど見たことがありません。かなりショッキングな情景だったのですが、逆に鮮やかすぎて、ハンデ戦で斤量差があったこともあり、さすがにG1で同じことは難しいだろうと安田記念では狙いを下げてしまいました。
しかしそんな浅はかな考えをあざ笑うような鮮やかな優勝。着差こそクビ差でしたが、やや掛かりながらも後方から追い込んできたヴァンセンヌに交わさせず、着差以上の強さを感じさせました。

これでマイルの頂点を極めたと思ったのですが、秋はやや順調さを欠き、初戦に予定していた毎日王冠を回避。体調が整わないような厩舎コメントもあり、不安をかきたてられました。そして32回のマイルCSの歴史の中で、一度も優勝馬が出ていない安田記念以来の半年ぶりというローテーション。
最終的に5.7倍の4番人気という評価になったのですが、それも致し方ないでしょう。

レースではモーリスは好スタートを切るも中団の外に下げ、折り合って進みます。4コーナー手前から追い出されると、直線は外から差を詰めて一気に先頭に立つと、後続を寄せ付けず、メンバー2位タイの上り33.1で1 1/4馬身差の圧勝。春秋のマイルG1を制して、マイル王に輝きました。

実は堀厩舎のG1での長期休み明けというと、天皇賞(秋)にダービー以来で出走したサトノクラウンが思い出されるのですが、この時は好位を進みながら直線は失速して17着大敗。春の面影はまったく感じられない負け方でした。
これがややトラウマになってもいたのですが、モーリスは見事に立て直しました。これは調教師および厩舎の名声をさらに高めるでしょう。11/15終了時点で44勝と東西を通した調教師成績1位で、G1もドゥラメンテとモーリスで4勝。これは池江厩舎の43勝と4勝とほぼ同じです。
G1ではラブリーデイとミッキークイーンを抱える池江厩舎がかなり有利ではありますが、西高東低の中央競馬において、関東を盛り上げるためにも堀厩舎にはがんばってもらいたいものです。
モーリスの次走は香港らしいですが、世界にもその力をぜひ見せて欲しいと思います。

2015年11月15日

血統の勢い? ~エリザベス女王杯

エリザベス女王杯は、6番人気のマリアライトが中団外から早めに抜け出すと、ヌーヴォレコルト、タッチングスピーチなどを抑えて、初重賞制覇をG1の舞台で飾りました。いろいろ気になることはあるのですが、その一つは血の勢いでしょうか。
マリアライトは父ディープインパクト、母クリソプレーズ、母父エルコンドルパサーという血統で、父ディープインパクトは最も勢いのある種牡馬であるのは間違いないのですが、注目は同じ母を持つ兄弟です。

1つ上の兄クリソライトは父ゴールドアリュールということでダートで走っているのですが、デビューから9戦連続連対でその9戦目にG1ジャパンダートダービーを制覇。G2ダイオライト記念などの交流重賞を勝ち、今年の帝王賞でも2着に入るなど、ダートの第一線で活躍しています。
1つ下の弟リアファルは父ゼンノロブロイで、最初はダートで活躍しG2兵庫チャンピオンシップ2着にも入ったのですが、芝に転向すると準OPをいきなり勝ちます。そして神戸新聞杯を逃げ切って連勝すると、菊花賞は1番人気で見せ場たっぷりの3着。

2頭の兄弟のG1での活躍を横目に、ディープインパクト産駒のマリアライトはさぞ肩身の狭い思いをしていたのではないかと思います。まあ馬自身というよりも、厩舎スタッフのプレッシャーが想像以上だったでしょう。
兄弟はいずれも栗東の音無厩舎に所属していますが、マリアライトは美浦の久保田厩舎。兄弟に比べると父ディープインパクトということで期待も大きかったでしょうし、このまま活躍できなければ厩舎の力を問われる事態になりかねません。その意味では、この1勝は喜びはもちろんですが、安堵も大きかったのではないでしょうか。

これで3兄弟そろい踏みとなり、あらためて血の勢いを感じたのですが、逆のことが2着に敗れたヌーヴォレコルトに言えると思います。
去年の秋華賞の時にも書いたのですが、ハーツクライ産駒の京都重賞での勝負弱さです。昨年の京都2歳Sをベルラップが勝って、ようやくハーツクライ産駒の京都芝重賞2勝目をあげたのですが、東京10勝、阪神5勝などと比べるとあきらかに差があります。
そのため個人的にはヌーヴォレコルト中心に予想していたのですが、2着の可能性が大きいと思っていたところ、案の定の結果となりました。

血統は競馬予想の大きなファクターの一つですが、個人的にはあくまで参考程度のレベルと思っています。しかし時には今回のように逃れられない血の宿命というかジンクスのようなものもあり、それは意外と当たることが多いような気がします。

2015年10月25日

長距離戦はなぜか血統が気になります ~菊花賞

長距離戦を予想するときには、短い距離のレースよりも血統が気になるように思います。実際に予想の記事を見ても、長距離に強い種牡馬の仔を押すことが多いように思います。
予想をするときは、何か説得力のあるデータに頼りたくなるのが人情ではないかと思いますが、長距離血統はまさにその代表的なものではないでしょうか。実際に菊花賞で人気薄なのに上位に来たフローテーションやスリーロールス、フォゲッタブルなどは、血統の後押しがないと、なかなか買いにくい馬だったと思います。

その逆が、今年の菊花賞馬キタサンブラックではないでしょうか。父のブラックタイドはディープインパクトの全兄なのでまだよいのですが、問題は母父のサクラバクシンオーでしょう。サクラバクシンオーといえばスプリンターズSを連覇するなど短距離で活躍し、その産駒もショウナンカンプ、シーイズトウショウ、カノヤザクラ、グランプリボスなど短距離で活躍した馬が多いのが事実です。
そのため、血統論者ほど距離の不安を主張するように見受けられましたし、それがトライアルのセントライト記念を勝ちながら、単勝13.5倍の5番人気という低い評価になった原因の1つではないかと思います。

しかし実は、サクラバクシンオーの子孫=短距離馬というほど単純なものではないと、個人的には思います。ずいぶん前ですが、障害戦にサクラバクシンオー産駒が出ていて、長距離だから来ないだろうとバッサリと切って、圧勝されて驚いた記憶があります。
実際に2004年に中山大障害と中山グランドジャンプを勝ち、障害戦で通算6勝をあげたブランディスはサクラバクシンオー産駒ですし、先日の東京ハイジャンプで2着に好走したエイシンホワイティもサクラバクシンオーの仔です。
またサクラバクシンオーの母サクラハゴロモは、天皇賞(春)を勝つなど長距離で活躍したアンバーシャダイの全妹で、長距離をこなせる血統背景を持っているとも思えるのです。

血統は競馬予想をするうえで大事なファクターの1つですが、それだけでは当たらないのも事実です。またある血統の子孫はみな同じ傾向を示すというほど、単純なものでもありません。
何事も決めつけるのではなく、いろいろな可能性を考えないといけないということが、私が競馬から学んだ大切な教訓の1つです。

2015年10月18日

騎手の勢いはどれだけ影響するか ~秋華賞

今年の秋華賞を予想するにあたって、個人的に1番迷ったのはクイーンズリングの取捨でした。
検討を始めたときは、1400mのフィリーズRを勝っただけで桜花賞以降はぱっとせず、また意外と短距離に適性のある産駒が多いマンハッタンカフェの仔ということで、2000mは距離が長く早熟なのではと思い、上位候補からははずしていました。

しかしまず気になったのは、M.デムーロ騎手が騎乗するということ。
今年の3月からJRAの騎手となったM.デムーロ騎手は、勝ち数こそ10/12時点で88勝と全国4位ですが、連対率は3割1分6厘とJRA上位騎手の中ではルメール騎手に次ぐ2位。そもそも3割を超えているのが上位騎手では3人しかいないので、かなりの高率です。
そのM.デムーロ騎手が連敗しているにも関わらず乗り続けているということは、何か可能性があることを感じているのではないかと考えられます。

またクイーンズリングの成績をよく見てみると、桜花賞はスローを追い込んで、勝ち馬には離されたものの2着馬とは0.1秒差の4着。オークスはさすがに距離が長かったか、よく差してきたが1秒差9着。休み明けのローズSは追込みから一変、5番手追走から、逃げて4着のレッツゴードンキより上りが0.2秒早く、0.2秒差の5着。
こう見てみると、着順のイメージほど負けていないようにも思えます。
ここまで考えて、クイーンズリングを再度検討対象に加えることにしました。

さらに今日のM.デムーロ騎手は、とんでもなく好調な1日でした。
1Rで早くも1勝をあげると、2R4着、4R2着と勝てないまでも上位に入り、そこから5R、6R、7R、8Rとなんと4連勝。さらに9Rは2着に入り、秋華賞の前までに5・2・0・1と驚異的な成績をあげていたのです。

こうなると、穴馬として考えざるを得ません。そう考える人が多かったのか、最終的にクイーンズリングは単勝14.9倍の5番人気に支持されました。
そしてレースでは後方からメンバー1の上り34.1で追い込んで、1着のミッキークイーンのクビ差2着。残念ながらG1制覇はなりませんでしたが、近走の今一つの成績からは想像もできないような鮮やかなレースぶりでした。

M.デムーロ騎手の調子がどこまで影響したのかはもちろんわかりませんが、少なくとも今日の驚くべき好調さがクイーンズリングの後押しをしたと言えるでしょう。どんなスポーツにも目に見えない勝負の流れがありますが、競馬にもあることは間違いないと思います。
検討にあたって過去の成績を見るのは当然ですが、当日の騎手の成績もしっかりチェックすることが大事だと、改めて感じました。

2015年10月04日

血統の不思議 ~スプリンターズS

競馬の予想をするのに血統は一つの大きな要素だと思いますが、必ずしもそれだけで語れるものではないと個人的には思います。もちろん傾向をとらえる役には立つと思いますが、他にも重要なファクターがあり、血統だけで結論を出せるものではないと思うのです。

しかし数あるG1の中で、スプリンターズSは血統という観点で見ると、かなり特殊なレースではないかと思うのです。今の日本の競馬界で、サンデーサイレンスの系統は無視できないですが、スプリンターズSでは意外に活躍していないのです。
過去10年で見てみると、SS直子のデュランダルは1勝2着2回と活躍したものの、その後はわずかにフジキセキ産駒のキンシャサノキセキの2着2回があるだけで、他の父系がサンデーサイレンスの馬は連対できていません。

父サンデーサイレンスの種牡馬と一口に言っても、その産駒はかなりバリエーションに富むイメージです。例えばディープインパクト産駒はマイルから2400mで鋭い末脚を活かして良馬場で差し切るイメージに対して、ステイゴールド産駒は2000m以上でしぶとく伸びて、時計のかかる馬場でもがんばって勝つイメージ。
ただしディープインパクト産駒はオールマイティな種牡馬になりつつあり、そろそろスプリント戦でも活躍馬が出てもおかしくないのではないかと感じていました。

そんな中、今回のスプリンターズSにはディープインパクト産駒が3頭と種牡馬別では最多の出走。しかもG1馬で高松宮記念3着のミッキーアイル、前哨戦のセントウルSで最速の上りでハナ差2着のウリウリ、昨年のスプリンターズS3着のレッドオーヴァルと、実績的にはいずれも上位に来てもおかしくない面々です。

しかし結果は、最先着のミッキーアイルが先行して粘ったものの4着。ウリウリは伸びきれず5着。レッドオーヴァルも好位から伸びず7着と、いずれも好走したものの、今年も連対はできませんでした。
ところが1着はフジキセキ産駒のストレイトガール、2着はSS産駒サクラプレジデントの仔であるサクラゴスペル、さらに3着もSS産駒でディープインパクトの全弟オンファイアの仔ウキヨノカゼと、今年は父SS系の上位独占となりました。

ついでに・・・・、芝短距離といえばサクラバクシンオー産駒が活躍していますが、ことスプリンターズSに関しては3着が最高と、不思議と連対できていません。今年もベルカント、スギノエンデバーと2頭が挑戦しましたが、2頭とも着外に敗れました。

このようにスプリンターズSは血統的にやや特異な傾向を示してきたのですが、今年は一気に父SS系が掲示板を独占したように、やはり単純に血統で予想をするのは難しいと、改めて感じた次第です。

2015年06月07日

荒れるG1の今年の荒れ方 ~安田記念

安田記念といえばもっとも荒れるG1というイメージですが、今年は1番人気のモーリスがこの10年来たことがない前走G3勝ちで、2番人気のフィエロはやはり連対例のない重賞未勝利。3番人気のヴァンセンヌは東京新聞杯勝ちで京王杯SC2着とそこそこですが強調材料に欠ける面もあります。
ということで、人気馬が皆飛ぶパターンを想定人も多かったのではないでしょうか。

そもそもモーリスのダービー卿CTの3 1/2差の勝ちは鮮やかだったものの、3連勝はすべて中山で東京実績はなく、またダービー卿CT組は毎年安田記念では苦戦していることからみて、同じパフォーマンスは難しいのではないかとも考えられたのです。またあの中山で上り33.0というのも、ちょっと速すぎる感じです。

しかしそんな懸念も吹き飛ばすようなすばらしいパフォーマンスで、モーリスは見事に安田記念を制しました。最後はヴァンセンヌにクビ差まで迫られましたが、抜かせなかった勝負根性もすごいと思います。
ということで終わってみれば1番人気、3番人気の組み合わせで、意外と固い決着となりました。ところがさすが安田記念で、3着は12番人気のクラレント。この馬は驚異的な左回り巧者で、右回りを走ったここ4戦は2桁着順3回を含むすべて着外だったのですが、その前の2戦は左回りの新潟で重賞を連勝しており、久しぶりの左回りで激走して穴をあけました。
この1番人気-3番人気-12番人気の組み合わせは、くしくも2年前とまったく同じ人気順の決着。さすが荒れる安田記念の面目躍如という感じです。

これでモーリスは堀厩舎に転厩してから無敗の4連勝でG1ホースになるという、まさにシンデレラストーリーを演じました。スクリーンヒーロー×カーネギーという一見地味な血統ではありますが、その母系はメジロモントレーからメジロボサツにさかのぼる由緒正しいメジロ牧場の血を受け継いでおり、オールドファンにはうれしい勝利だったのではないでしょうか。
そして堀厩舎は先週のダービーに続いての2週連続のG1制覇で、安田記念はリアルインパクト、スクリーンヒーローに続く3勝目。この春のG1も皐月賞、ダービーに続く3勝目と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。連対率も先週時点で驚異の3割超えで、これは東西の全厩舎を通して唯一の数字です。

これで春のG1は宝塚記念を残してひと段落ですが、これからのモーリスやドゥラメンテをはじめとする堀厩舎の活躍からは、しばらく目が離せそうにありません。

2015年05月31日

何気ない会話からの当たり馬券 ~日本ダービー

何気なく友人と交わした会話が、当たり馬券につながるという経験を、意外としたことがあります。今日の昼頃にも、こんな会話をしました。

Gallop誌の「データで斬る(傾向と対策)」というコーナーを見ていた時のこと。
「過去10年の人気別の連対率を見ると、奇数人気の馬の連対率が高いんだね」
「本当だ。1番人気が60%、3番人気が40%、5番人気が30%なのに、2番人気は20%、4番人気は10%かあ。しかも4番人気は2着1回のみ。じゃあ、レーヴミストラルは買わなくてもいいか」
「まあ、こんなデータで馬券が当たったら苦労しないね(笑)」
「とはいえ、こんな話が後で当たってたという経験は何度もしてるから、一応買っておくか」

ということで、友人はドゥラメンテ、サトノクラウン、サトノラーゼンの3連複を100円、ドゥラメンテ1着固定で2,3着にサトノクラウン、サトノラーゼンを置く3連単2点を各100円買ったのです。
結果はご存知の通り、1着ドゥラメンテ、2着サトノラーゼン、3着サトノクラウンで、3連複3,950円,3連単15,760円となり、合計19,710円をわずか300円の投資で仕留めました。

もちろんすべてのこういう会話が当たり馬券につながるわけではないのですが、印象としては意外とあるような気がします。こうなると、一所懸命予想をするのが馬鹿らしくなりますが、まあこれも競馬ということでしょうか。

個人的には、強い馬が強い競馬をして勝つというダービーが理想なので、今年のダービーはとても満足できる結果でした。事前の予想の段階では、ドゥラメンテとリアルスティールのどちらかが勝つというところまではほぼ確信していたものの、はたしてどちらなのかまでは、なかなか絞り切れませんでした。

皐月賞はあきらかにドゥラメンテの方が強かったし、共同通信杯もドゥラメンテは掛かってちぐはぐな競馬をしながら、スムーズな競馬をしたリアルスティールに1/2馬身差ということで、力的にはドゥラメンテだとは思うのですが、もし掛かると伸びない危険もあります。
しかしパドックではカリカリしてこじんまり見えるリアルスティールに対して、ドゥラメンテはテンションは高めながら落ち着きが感じられ、のびのびした歩様は調子の良さを感じさせます。この時点で、ドゥラメンテ中心を決めました。

レースはあらためて紹介する必要がないほどの、ドゥラメンテの完勝でした。2着との着差こそ1 3/4馬身でしたが、まさに着差以上の強さだったと思います。
こういうダービーを見ると、ちょっと大げさですが個人的にはとても幸せを感じます。また来年のダービーを楽しみに、来週から始まる2歳戦を見ていきたいと思います。

2015年05月24日

牝馬の調子と馬体重の関係とは ~オークス

今年のオークスは、桜花賞を除外になって出走した忘れな草賞を勝ってことで、オークスに出ることができたミッキークイーンが、1番人気のルージュバックに競り勝ち優勝しました。

ミッキークイーンはクイーンCで最後方から1番の上り33.8でクビ差2着になり、忘れな草賞でも後方から差して3/4差1着になるなど、距離も問題なく末脚も鋭いということで、有力な1頭と評価した人が多かったと思います。だから、重賞未勝利にもかかわらず、3番人気に支持されたのでしょう。
個人的にも上位の評価をしていましたが、唯一気になったのが馬体重でした。

ミッキークイーンは阪神の新馬、未勝利にそれぞれ440kg、444kgで出走しましたが、次のクイーンCは輸送もあり一気に-20kgの424kgでの出走となりました。そこで2着に激走し、2か月後の忘れな草賞は馬体の回復が期待されたものの、わずか+2kgの426kgで出走。しかしその影響を感じさせず、堂々と1着になり賞金面でオークスへの出走を確実にしました。

精神的に繊細な牝馬は、輸送で馬体重を大幅に減らすことがあります。特に2~3歳と若い時期は、そのようなことがよく見受けられ、直前輸送で飼葉食いが減って体重を大幅に減らすなど体調を崩し、力を出し切れないまま敗れるシーンを何度も見てきました。
ミッキークイーンもその心配があり、正直かなり迷う部分もありました。

しかし調教の映像を見て、その心配がかなり解消されたのです。もし馬体維持に心配があれば、最終追切も軽めになると思われたのですが、霧ではっきりとは見えないものの、いっぱいに追っており、その動きはすばらしいものでした。
そして今日の馬体重は、強い追切を行ってさらに長距離輸送を行ったにもかかわらず、前走から+4kgの430kg。しかし未勝利戦を勝った時の444kgからは-14kgでした。

レースでは中団から最速の上り34.0で、1番人気のルージュバックをとらえて3/4差で1着。2,3着馬とは着差以上の力差を感じさせる完勝でした。このようにきちんと結果を出しており、パドックで見た限りでも細すぎるなどの問題は感じられず、おそらく現時点ではベスト体重なのでしょう。
大幅に馬体重に変動があると、かなり気になるものですが、海外ではそもそも馬体重を計測して発表する習慣がない国も多く、あまりそこに神経質になる必要もないのかなと、今日改めて感じました。

最近のオークス馬は以前と違ってその後も活躍する傾向が強く、ここ10年でもシーザリオ、カワカミプリンセス、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、ヌーヴォレコルトなど多くの名牝が生まれています。ミッキークイーンも、それらの馬に負けず劣らずすばらしいパフォーマンスを見せてくれたので、このまま順調に力をつけて、ぜひ世界に羽ばたいてほしいと思います。

2015年05月17日

あっけなく終わったジンクスと新たなジンクス ~ヴィクトリアM

昨年のヴィクトリアMのあとに、「ジンクスが多いG1?」というコラムを書きました。そこであげたジンクスは下記の4つでした。
1.6歳以上の連対なし
2.前走1着馬の連対は稀
3.「牝馬は格でなく調子」は通じない
4.前走は3月以降に出走が必須

今回なんとこのすべてが覆されるという、驚くべき結果に終わりました。1着のストレイトガールは6歳馬ですし、2着のケイアイエレガントは前走1着でかつ4か月ぶり。またG1馬は海外で勝ったハナズゴールも含めて5頭出走しましたが、4着のレッドリヴェールが最先着とすべて着外におわりました。
あっけなく終わるかもしれないと最後に書きましたが、全部が終わってはジンクスとは呼べませんね。

それを象徴するように、3連単は2,000万円超えと歴代2位の高額配当となったわけですが、さすがにこうなるとすべてリセットという感じです。
そんな中で気になったのは、先週のNHKマイルCもそうですが、逃げ馬が意外と粘るということ。今回穴をあけたケイアイエレガントとミナレットは、ともに逃げ馬で2番手,1番手を進み、それぞれ12番人気と18番人気といずれも人気薄。しかも最初の3ハロンは34.3と、決してスローペースだったわけではありません。その証拠に、ストレイトガールのタイムはアパパネのレースレコードと並ぶ1.31.9で、逃げたミナレットも1.32.2と優秀な時計で走っています。

そして過去の成績を見てみると、4年前の2011年こそ連対した2頭はともに後方からの差し馬でしたが、それ以外2009年から毎年先行馬が必ず連対しています。しかもここ3年は、2番手以内を進んだ馬が必ず連対。今年も2番手から進んだケイアイエレガントが2着だったので、4年連続となりました。

スローペースではないのに人気薄の逃げ先行馬が連対するのはなぜでしょう。はっきりしたことはわかりませんが、個人的には走りやすい高速馬場のせいではないかと思っています。決してスローではなくても、逃げ馬はマイペースでいければ簡単にはバテません。しかも18頭中12頭が上り3ハロンで34秒を切っており、上りの速い競馬でもあったことがわかります。

来年以降もこの傾向は続くかもしれませんし、来週以降のオークス、ダービーでもこのような馬場を考慮した予想が必要になります。
まずは桜花賞がスローの前残りで終わった3歳牝馬クラシックの、第2弾オークス。スローになることはほぼ間違いないでしょうが、距離が延びる分単純に先行馬が残るとも限りません。さてどうなるでしょうか。

2015年05月03日

かなり強引な勝利ではありました ~天皇賞(春)

今年の天皇賞(春)は、単勝1番人気のキズナが3.3倍で、単勝倍率1桁の馬が4頭と、やや混戦模様となりました。その理由の一つは、前哨戦の阪神大賞典を3連覇したゴールドシップが、前の2年は5,7着と見せ場なく敗れていたこともあるでしょう。実際に阪神は宝塚記念連覇など7戦6勝なのに対して、京都は菊花賞の1勝のみで4戦1勝。陣営も当初は天皇賞(春)の出走を迷うなど、京都への適性に疑問符をつけざるを得ない要素は多分にありました。

過去2年の天皇賞(春)でのゴールドシップは、いずれもスタートしてから行き脚がつかずに後方を進み、2周目の3コーナーから進出するも4コーナーは大外を回ることになり、直線は懸命に前と差を詰めようとするもジリジリとしか伸びず、着外に破れるという似たようなレースぶりでした。

今年はまずゲート入りをいやがり、スタート直後は鞍上の横山典騎手が懸命に押すもやはり行き脚がつかず、結局最後方から行くことになりました。こうなると開き直ってずっと最後方をついていくイメージが多い横山典騎手ですが、今回は最初の直線でも行く気を見せるなど、少しずつポジションを上げていきます。
そして向こう正面で早くも進出開始し、3コーナーでは3番手まで一気に上がっていったのです。これは岩田騎手が乗った今年の阪神大賞典と同様の戦法です。あの時はずいぶん強引なレースをするなと思ったのですが、今回はさらに200m伸びるのに果たして最後までもつのかと、かなり心配になりました。

しかし4コーナーを4,5番手で回ると、直線も懸命に脚を伸ばし、先に抜け出したカレンミロティックを残り100mを切って交わすと、大外を追い込んできたフェイムゲームをクビ差抑えての戴冠となりました。

レースを見ていて感じたのは、横山典騎手はゴールドシップの特色であるバテない持続力と、闘争心を目覚めさせれば強いパフォーマンスを見せる気性を、最大限に利用したのではないかということです。あれだけのロングスパートはかなりの勇気がいることですし、あそこから仕掛けてもバテない自信があるからこそ、できたのでしょう。
ウイニングランから戻ってきた時に横山典騎手は喜びを隠せずに両腕でガッツポーズを繰り返していましたが、あの勝ち方はまさに騎手冥利に尽きるのではないでしょうか。

2015年03月29日

香港馬の短距離での強さ ~高松宮記念

今年の高松宮記念は12年ぶりの外国馬の出走となりましたが、その香港馬エアロヴェロシティが先行して抜け出し、粘るハクサンムーンに1/2差をつけて優勝しました。

香港馬といえば特に短距離での強さは印象的で、過去にはスプリンターズS(サイレントウィットネス:2005年、ウルトラファンタジー:2010年)や安田記念(フェアリーキングプローン:2000年、ブリッシュラック:2006年)で複数の馬が優勝しています。当時はその強さにかなりの衝撃を受け、香港馬が来日すれば必ず重視していたのですが、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、最近はあまり活躍していない印象があり、少し狙いを下げてしまいました。
エアロヴェロシティはG1こそ1勝ですが、芝1200mの成績は7・2・1・1と香港でもトップクラスで、もしかしてあっさり勝つこともあるかもとは思っていたのですが・・・。

それにしても、その強さの秘密はどこにあるのでしょう。もちろん確かなことはわかりませんが、一つ大きく印象に残ったのは、その馬体の迫力でした。馬体重は-16kgとはいえ524kgと、今日の18頭の中では最重量だったのですが、そのがっしりとした体と、太目なのではと思わせるほどゆったりとした腹回り、さらに落ち着き払った態度は、ある意味印象深いものでした。

重い馬と言えば、個人的にはヒシアケボノが記憶に残っていますが、そのヒシアケボノがスプリンターズSを制したときの馬体重は560kg。今日のエアロヴェロシティはそれよりも36kgも少ないのですが、印象としては決して負けていないように思います。
重いから短距離レースに強いというわけではありませんが、ガッシリした体は短距離に向いているイメージがあります。そういうノウハウがもしかしたら香港には豊富にあるのかもしれません。あくまで想像ですが。

しかし今後も短距離戦では香港馬に注意が必要ですね。忘れないように肝に銘じておかなければ。

2014年12月28日

牝馬の引退レースですが見事でした ~有馬記念

今年の有馬記念はG1馬が10頭という豪華メンバーで、1番人気が3.5倍、単勝倍率1桁が4頭とかなりの混戦となりました。
その混戦を制したのは、単勝4番人気の牝馬ジェンティルドンナでした。中山競馬場のG1レースではディープインパクト産駒の勝利はなく、かつジェンティルドンナ自身も中山は初という状況。しかもこの秋はG1で2着、4着と2戦続けて敗れており、正直言って苦戦するのではと個人的にも思っていました。

レースはヴィルシーナが逃げてJCを圧勝したエピファネイアが2番手。ジェンティルドンナは前2頭とはやや離れた4番手を追走します。ペースはかなり遅く、エピファネイアなど懸命に抑える馬が多い中、ジェンティルドンナは折り合って進みます。
3コーナーでゴールドシップが後方から進出を開始し、つれてペースが上がる中、エピファネイアが早め先頭から直線は突き放します。しかしJCのような伸び脚は見られず、外から並びかけたジェンティルドンナとの叩き合いに。坂を上ってジェンティルドンナが抜け出すと、差してきたトゥザワールド、ゴールドシップ、ジャスタウェイなどを抑えて先頭でゴール。見事に引退レースで勝利で飾りました。

競馬の格言の一つに、「牝馬の引退レースは消し」というものがあります。実際にそれに従ってジェンティルドンナの狙いを下げた人もいるのではないでしょうか。牝馬の場合、引退後の繁殖を考えて、最後はあまり無理をさせないこといが多いために、そういう格言ができたのではないかと思います。
そこで何頭か強かった牝馬について調べてみました。実際は故障や調子落ちなどで、仕方なく引退する場合が多く、今回のジェンティルドンナのようにあらかじめ引退レースと決めて終わることはあまり多くないのですが、その数少ないケースは下記のような結果でした。

エアグルーヴ(5歳) 有馬記念(1998年) 2番人気 5着
メジロドーベル(5歳) エリザベス女王杯(1999年) 2番人気 1着
アドマイヤグルーヴ(5歳) 阪神牝馬S(2005年) 2番人気 1着
ブエナビスタ(5歳) 有馬記念(2011年) 2番人気 7着
ジェンティルドンナ(5歳) 有馬記念(2014年) 4番人気 1着

これを見ると、意外と勝っている馬が多い印象です。ただしジェンティルドンナ以外の勝ち馬2頭は牝馬限定戦で、有馬記念を引退レースにしたエアグルーヴ、ブエナビスタは人気を裏切って着外に負けています。これからも、いかにジェンティルドンナの今回の勝利がすばらしいことかがわかるのではないでしょうか。
しかも今回の優勝で、ジェンティルドンナのG1勝利数は7。これはシンボリルドルフやディープインパクトなどと並ぶ芝のG1勝利数1位のタイ記録。牝馬ではウオッカに続く偉業となります。その中身も、JC連覇やドバイでの勝利など、まさに男勝り。今回の有馬記念制覇で、最強牝馬と言っても過言ではない戦績となりました。

今後の楽しみは、その産駒でしょう。サンデーサイレンス系の種牡馬が多いので配合は難しいかもしれませんが、ぜひ自身を超えるような産駒を生み出してくれることを期待したいと思います。

2014年12月21日

またもや終わってみれば・・・ ~朝日杯FS

今年から朝日杯FSは、施行場所を中山競馬場から阪神競馬場に移し実施されました。従来の中山芝1600mは外枠が不利で、先行有利とかなり評価が定まっていましたが、阪神芝1600mに舞台をかえることでかなり傾向が変わるのではないかと予想されていました。
そしてレースは、上りの速い上位2頭が後方から進出して決まるという、中山時代とはちょっと違う形となりました。おそらく中山ならこの2頭では決まらなかったでしょうし、その意味では力通りの決着ではなかったかと思います。もっとも、2着のアルマワイオリの力は見抜けず、馬券はダメでしたが・・・。

阪神に移って阪神JFと同じ舞台で行われるということで、傾向も阪神JFと同じようになるのではということは、容易に想像がつきました。そしてその通り、勝ち馬は先週のショウナンアデラととても共通点の多いダノンプラチナでした。その共通点とは下記のとおりです。
・もちろんディープインパクト産駒であること
・蛯名騎手が騎乗していること
・関東馬であること(ショウナンアデラ:二ノ宮厩舎、ダノンプラチナ:国枝厩舎)
・臨戦過程が新馬2着の後、未勝利,500万特別と連勝中
・上りがメンバー1位で後方から差し切ったこと

先週の記事でも、「終わってみればディープインパクト産駒 ~阪神JF」というタイトルで書いたのですが、今回も同じような結果となりました。
その記事で、阪神芝1600mの重賞では、ディープインパクト産駒が4連勝中ということを紹介しましたが、今日はそれが5連勝に伸びました。京都がマイルCSの記事で紹介したように5連勝だったので、それに並んだことになります。京都の場合、2頭以上ディープインパクト産駒が出走していると、必ず3着以内に2頭以上入るという驚異的な成績で、さすがにそれには劣るものの、素晴らしいものがあります。
特に今日は前日の雨の影響でやや重馬場となり、末脚の切れが鈍るのではという心配もありましたが、全く問題ありませんでした。もっとも上りは35.4が最速と、かなり切れ味が鈍ったのは事実ですが。

そしていよいよ来週は、年の納めの有馬記念です。21頭の登録があり、その上位16頭のうちディープインパクト産駒は7頭と最多を誇ります。ただし有馬記念と言えば切れというよりも、器用さや時計のかかる馬場でもこなす根性が必要なイメージがあり、ステイゴールド産駒やハーツクライ産駒が向く気がします。
さてどうなるか、この1週間は楽しみながら悩みたいと思います。

2014年12月14日

終わってみればディープインパクト産駒 ~阪神JF

今日の阪神JFは、単勝倍率1桁の馬が5頭いて、1番人気は1戦1勝馬のロカが押されるという、かなりの混戦模様でした。そしてレースを制したのは、5番人気のショウナンアデラ。
やや出遅れ気味に出て道中は後方を追走し、直線に入るといったん内に進路をとりますが、前があかないと見ると外に持ち出します。そこから1頭だけ次元が違う脚で伸びてきて、勝ちパターンだったレッツゴードンキをゴール直前で差し切り、見事に2歳女王に輝きました。

ショウナンアデラは出走馬中唯一のディープインパクト産駒でしたが、ようやく500万を勝ったばかりの関東馬ということもあり、5番人気という扱いでした。
京都の芝1600mの重賞は、ディープインパクト産駒が6連勝中という記事をマイルCSの時に書きましたが、では阪神の芝マイル重賞はどうなのでしょうか。ちょっと調べてみました。
その結果、京都ほどではないにしても、やはりディープインパクト産駒の芝マイルでの強さが際立つ結果ということがわかりました。

昨年の阪神JFは人気のディープインパクト産駒ハープスターが、ステイゴールド産駒のレッドリヴェールをハナ差だけ差し切れずに2着に終わったのですが、その次のアーリントンCからディープインパクト産駒の連勝が始まり、今日の阪神JFのショウナンアデラで4連勝となったのです。

2014.3.1 アーリントンC 1着 ミッキーアイル (1,3,9着にディープインパクト産駒)
2014.3.8 チューリップ賞 1着 ハープスター (1,8,9着にディープインパクト産駒)
2014.4.13 桜花賞 1着 ハープスター (1着にディープインパクト産駒)
2014.12.14 阪神JF 1着 ショウナンアデラ (1着にディープインパクト産駒)

京都のように上位を占めるまではいきませんが、4連勝は立派なものです。競馬場を問わず芝マイルでここまで顕著な結果を示す種牡馬は、今までいなかったのではないでしょうか。
こうなると、どこの競馬場であれ芝マイル重賞でディープインパクト産駒を外すのは、賢い方法とは言えないでしょう。逆に目をつぶってディープインパクト産駒から勝負するのが、鉄則といえるのかもしれません。
それにしても、すごい種牡馬ですね。

2014年12月07日

ホッコータルマエがやっと中央のダートG1を勝てたことについて ~チャンピオンズC

昨年までのジャパンカップダート(JCダート)が、名前も開催競馬場も変わって、新たにチャンピオンズカップとして生まれ変わりました。しかしレースは継承しているということで、回数は第15回とのこと。なんとなく違和感がありますが・・・。

JCダートが生まれたのは2000年。芝のジャパンカップ(JC)と同様の国際招待競走をダートでも実施しようと、東京競馬場のダート2100mで行われることになりました。第1回は2000年11月25日(土)。日曜日に行われるJCの前日ということで、なんとなく前座のような感じがしたことを覚えています。
その後、東京競馬場が改装中の2002年に中山競馬場のダート1800mで行われたのを除いて、2007年まで東京で行われました。2004年にはJRA設立50周年を記念してJCの前のレースとして行われ、JRAでは初めて1日にG1レースを2つ行うという貴重な日にもなりました。表彰式もそこそこにJCのパドックを見に行くというあわただしさを覚えていますが、ただ前座的なイメージはぬぐえませんでした。

そして2008年からは阪神競馬場のダート1800mに舞台を移し、日程的にもJCの翌週の日曜日ということで、ようやく1人前のG1競争になったという印象でした。しかし当初こそアメリカを中心に海外の馬も参加していましたが、右回りのコースは左回りしかないアメリカ馬には不利ということで徐々に参加馬も減り、2010年から2012年の3年間は外国馬の参戦が0と、国際招待競走とは名ばかりになってしまいました。
それもあって、再度開催場を左回りの中京競馬場に変更して招待もやめ、新たにチャンピオンズCとして再出発することにしたのでしょう。

その新生チャンピオンズCを勝ったのは、昨年1番人気で3着に敗退し、今年は2番人気で雪辱を果たしたホッコータルマエ。ホッコータルマエと言えば、地方のG1は昨年のJBCクラシックや今年の川崎記念など5勝もしているのに、中央のG1は2012年JCダート 3着、2013年JCダート 3着、2014年フェブラリーS 2着と、好走するのに勝てないという、不思議というか不運な存在でした。力があるのは間違いないのですが、なぜかゴール前で失速して負けてしまうのです。

よく、中央の馬場は軽く時計が早く、地方の馬場は深く時計がかかるともいわれますが、実は砂質や深さなどは、あまり差がないそうです。それよりもコーナーの数や半径、直線の長さや坂の有無などが走破タイムに影響しているようです。
実際に同じ馬のタイムや上りを中央と地方の馬場で比べてみても、必ずしもどちらが早いとかいうことはなく、単に馬場状態や展開、馬の状態などに左右されたのではないかと思われます。ホッコータルマエが中央のG1を勝てなかったのも、運や展開という要素が大きかったのでしょう。

ただし関係者としては、それでは負けても納得できるわけがなく、今日の幸騎手はレース後とてもうれしそうでした。これまで惜敗続きでかなり悔しい思いもしたでしょうし、自分のせいで負けたという気持ちもあったでしょう。
コーナーを回ってすぐに先頭に立った時は早いのではないかと思ったのですが、すぐ後ろから迫るローマンレジェンドやナムラビクターに、最後まで抜かさせなかったのは、幸騎手の意地もあったように思います。

幸騎手といえば、スティルインラブやブルーコンコルドでの活躍が印象的ですが、最近は中央のG1勝ちからは離れていて、調べてみると2008年のファイングレインによる高松宮記念以来の勝利でした。
一見勝負事には似合わないような端正な顔立ちですが、年間最多騎乗回数を更新するなど、熱い想いを隠しているのでしょう。これからもホッコータルマエとのコンビで、ダート競馬を盛り上げていってほしいと思います。

2014年11月30日

やはりG1 3連覇は難しかった・・・ ~ジャパンカップ

今年のJCは、G1馬が国内外あわせて12頭出走するということで話題になりました。実際に東京競馬場の来場者も10万人を超えたということで、かなり関心は高かったようです。
国内の中長距離路線の一線級では、ゴールドシップ以外はほとんどが集結したといえるメンバーでした。話題の焦点はいくつかあったと思いますが、その中で最大のものは、やはりジェンティルドンナの3連覇なるかということではなかったでしょうか。

過去にG1の連覇はいくつかあり、今年も天皇賞(春)をフェノーメノが、宝塚記念をゴールドシップが連覇しましたが、3連覇というのはちょっと記憶にありません。調べてみると、JRAのG1では無いようですが、地方競馬では3頭(ただしすべてJRA所属馬)が達成していました。
・アドマイヤドン JBCクラシック(2002年~2004年)
・ブルーコンコルド マイルCS南部杯(2006年~2008年)
・ヴァーミリアン JBCクラシック(2007年~2009年)
ダートは結構高齢まで活躍する馬が多いこともあり、3連覇の可能性も高くなると思うのですが、芝は消耗が激しいためか、ピークの期間がダートより短い印象で、3年間も一線級で力を維持し続けるというのは、至難の業なのでしょう。

G1以外では、エリモハリアーの函館記念3連覇(2005年~2007年)やタップダンスシチーの金鯱賞3連覇(2003年~2005年)が話題になりましたが、これらは本当に稀有な例といえ、ある意味G1を1勝するよりも難しい偉業だと思います。
それをG1で達成しようというのですから、まさに空前絶後のチャレンジと言えるでしょう。

今年のジェンティルドンナは、初戦の京都記念で彼女らしくない競馬で6着と初めて掲示板を外し、ドバイシーマクラシックは快勝して昨年の雪辱を果たしたものの、宝塚記念は9着惨敗。その後天皇賞(秋)で2着と復活の兆しをつかみ、それもあって今日のJCでは3.6倍の1番人気に支持されました。

レースは中団前方の内につけて、直線はやや外目に出して懸命に前を追うものの、先に抜け出したエピファネイアにはどんどん差を広げられ、いつもの伸びは見られず、結局0.9秒差の4着でレースを終えました。

レース前の石坂調教師のインタビューでは、このレースがジェンティルドンナの最後のレースになるかもしれないとお話されていましたが、この結果を受けて個人的にもその可能性が高いと思います。ちょっとさみしいですが・・・。次の大事な役割もありますし。

そして勝ったエピファネイアには驚かされました。決してスローではないペースを先行して抜け出すと、後ろとの差をどんどん広げて4馬身差の圧勝。スタミナがあることはわかっていましたが、ここまで強かったとは。
調教が前走時よりもかなり良かったので、もしかしたらと重目の印は打ったのですが、この強さは想像できませんでした。去年の菊花賞も強い勝ち方だったのですが、その後が今一つだったので、すっかり忘れていました。
ただ、真価を問われるのはこれからでしょう。次走がどこになるのかはわかりませんが、有馬記念でも同じようなパフォーマンスが見せられれば、来年がとても楽しみになります。

2014年11月23日

ディープインパクト産駒の強さを改めて思い知りました ~マイルCS

今年のマイルCSは絶対的な存在がいないこともあって人気が割れ、とても難解なレースとなりました。結果として勝ったのは、単勝8番人気のダノンシャーク。昨年1番人気3着の雪辱を果たしました。実績の割に意外と評価が低いという気もするのですが、前走の富士Sで1番人気を裏切って7着になったのが影響したのでしょう。
そして2着は3番人気のフィエロ。前走のスワンSはすごい脚で追い込んできたものの、ミッキーアイルに1/2馬身及ばず3着でしたが、今回も惜敗となりました。重賞未勝利馬ということで、人気が集まった面もあったかもしれません。
最後はこの2頭の叩き合いになりましたが、ゴール前のクビの上げ下げでダノンシャークが少しだけ前に出ていたことで明暗が分かれてしまいました。

これで、この秋になって続いていた、重賞未勝利馬がG1を勝つという流れに、6戦目にして終止符がうたれたわけですが、それに代わる(?)新たな連勝記録は継続されることになりました。それは京都の芝マイル重賞でのディープインパクト産駒の連勝(ただし出走している場合)という記録です。
昨年のデイリー杯2歳Sでアトムが2着に敗れた後、マイルCSでトーセンラーが勝って、その連勝記録が始まり、今回で5連勝となりました。

2013.11.17 マイルCS 1着 トーセンラー (1,3,5,10着にディープインパクト産駒)
2014.1.5  京都金杯 1着 エキストラエンド (1,2,8着にディープインパクト産駒)
2014.1.12 シンザン記念 1着 ミッキーアイル (1着にディープインパクト産駒)
2014.1.25 京都牝馬S  1着 ウリウリ (1,2着にディープインパクト産駒)
2014.4.27 マイラーズC 1着 ワールドエース (1,2,3,5着にディープインパクト産駒)
2014.11.23 マイルCS 1着 ダノンシャーク (1,2,4,5,8,13着にディープインパクト産駒)

ちなみに今年のデイリー杯2歳Sはディープインパクト産駒は出走しなかったのですが、勝ったタガノエスプレッソはディープインパクトの全兄であるブラックタイド産駒ということで、この血統での連勝は続いているともいえます。

しかし、こうやって見ると京都芝1600mでのディープインパクト産駒の成績の良さは、異常といえるかもしれません。上記の5戦で2頭以上出走しているレースでは3着以内に必ず2頭を送り込んでおり、マイラーズCでは1~3着独占を果たしています。またそのマイラーズCと今日のマイルCSでは、5着以内の4頭がディープインパクト産駒となっており、この条件ではディープインパクト産駒を外した予想は、無謀だといえるでしょう。

この連勝記録はいずれ止まると思いますが、この傾向は、たぶんしばらく続くでしょう。来年のマイルCSを含む京都の芝マイル重賞は、かなり予想が楽になると思います。

2014年10月26日

再び2冠馬の不思議 ~菊花賞

2年前の菊花賞の際にも、「2冠馬の不思議」と題するコラムの中で、いかにダービーと菊花賞の2冠馬になることが難しいかということに触れました。実際に昨年までで牡馬クラシックの3冠馬7頭、皐月賞とダービーの2冠馬15頭、皐月賞と菊花賞の2冠馬8頭に対して、ダービーと菊花賞の2冠馬は実質タケホープただ1頭(ダービー、菊花賞、オークスを勝った変則3冠のクリフジは除く)のみとなっています。

その理由として考えられることは、ダービーで目一杯の仕上げをしたことの反動による故障や、近年は距離適性等を考えて別路線に向かう馬が増えていることなどが考えられますが、実際に2001年のジャングルポケットを最後に、ダービー1冠馬の菊花賞への出走自体がなかったのです。その理由を見てみましょう。
2002年 タニノギムレット:神戸新聞杯前に屈腱炎で引退
2004年 キングカメハメハ:神戸新聞杯1着後に、天皇賞(秋)を予定していたが屈腱炎で引退 
2007年 ウオッカ:凱旋門賞出走を目指していたが故障により秋華賞に出走(3着)
2008年 ディープスカイ:神戸新聞杯1着から天皇賞(秋)に出走(3着)
2009年 ロジユニヴァース:JCを目指したが体調整わず秋は全休
2010年 エイシンフラッシュ:神戸新聞杯2着後菊花賞を目指すが病気で取りやめJCに出走(8着)
2012年 ディープブリランテ:夏にイギリス遠征後菊花賞を目指したが屈腱炎で引退
2013年 キズナ:ニエル賞1着から凱旋門賞に出走(4着)
(2003年ネオユニヴァース、2006年メイショウサムソンは皐月賞、ダービーの2冠馬でいずれも菊花賞に参戦するも、3着、4着に敗れた。2005年ディープインパクト、2011年オルフェーヴルは3冠馬)

こうしてみると、春の2冠馬が4頭とも順調なのに対して、ダービー1冠馬は8頭中6頭が何らかの故障を発症しており、やはりかなり無理して勝った反動が否めないのではないかと思います。

そして今年、13年ぶりにダービー1冠馬が無事菊花賞に、しかも神戸新聞杯を勝って1番人気で出走しました。神戸新聞杯は辛勝でやや不安を感じさせたものの、ダービーも神戸新聞杯も並んだら抜かせない勝負根性を見せており、ついに41年ぶりにジンクスを打ち破ることへの期待も、2.4倍という単勝人気に込められていたと思います。

レースはサングラスがやや早めの流れを作り、ワンアンドオンリーは外からの発走ということもあり前に壁を作れず、やや掛かったように中団の前を進みます。横山典騎手が懸命に抑えて最初の直線では落ち着いたように見えたものの、向こう正面ではまた掛かり気味に好位を追走。
4コーナー手前から追い出されるも、直線に入ってもいつもの伸びはなく馬群の中。神戸新聞杯で3,2着に下したトーホウジャッカル、サウンズオブアースが優勝争いを繰り広げる中、まったく見せ場なく1.2秒差の9着に終わりました。

これでまたもやジンクスの継続を許してしまったわけですが、ここまで来ると、もうこれを信じる方が馬券的には得だといえるでしょう。実際に過去には、スペシャルウィーク(菊花賞1番人気2着)やジャングルポケット(菊花賞1番人気4着)など古馬になってG1を勝つような名馬でも、このジンクスをくつがえすことはできなかったのです。
逆にこのジンクスに勝つような馬がいれば、真の名馬かもしれません。その登場は、ある意味楽しみでもあります。

2014年10月19日

ディープインパクト産駒の強さと相性の良さ ~秋華賞

今年の秋華賞は、単勝3番人気のショウナンパンドラが、ラチ沿いから力強く抜け出し、外から差してきた圧倒的1番人気のヌーヴォレコルトをクビ差抑えて優勝しました。

ショウナンパンドラは前走不良の紫苑Sで1番人気ながら2着に惜敗し、優先出走権を得て秋華賞に出てきました。しかし過去10年で紫苑Sからは3着以内に1頭も来たことがないということで、そのジンクスというか傾向を信じると、ちょっと手が出にくいという人も多かったのではないでしょうか。

しかしそれを覆すような記録もありました。それは、私も新聞で知ったのですが、ディープインパクト産駒が京都の重賞(1600~2400m)で17戦連続で3着以内に入っているというもの。実際に秋華賞でもディープインパクト産駒は2年連続で連対中で、2年前には1,2着を独占しています。
そして今年、秋華賞に出走してきたディープインパクト産駒は、ショウナンパンドラとセウアズールの2頭だけ。500万を勝っただけのセウアズールは手を出しにくいので、そうなると必然的にショウナンパンドラが浮上してきます。

逆にハーツクライ産駒は京都が不得意で、今年の秋華賞の前までにのべ39頭が京都芝の重賞に出走して、勝ったのはわずかに昨年の日経新春杯のカポーティスターのみ。たしかにウインバリアシオンも、菊花賞、天皇賞(春)と惜敗していました。これはヌーヴォレコルトには、いやなデータです。

そしてレースは、まさにその傾向そのままに決まってしまいました。
道中はショウナンパンドラとヌーヴォレコルトは中団の同じような位置にいましたが、4コーナーで内を突いたショウナンパンドラに対して、ヌーヴォレコルトは外に持ち出します。そこでややスムーズさを欠いた分、ヌーヴォレコルトはいったんスピードをゆるめてしまい、差が開いてしまいました。
直線は先に抜け出したショウナンパンドラに対して、外から猛然とヌーヴォレコルトが迫りますがクビ差及ばず。力量に差があるとは思えませんが、スムーズに運んだ分ショウナンパンドラが栄冠を手にすることになりました。

この結果、ディープインパクト産駒の秋華賞での成績は2・2・0・7で、初年度となる2011年を除いて3年連続の連対。これは来年も使えるデータと言えるでしょう。
ところで、同じようにハーツクライ産駒についても調べてみると、その成績は0・2・0・3。一見ディープインパクト産駒に比べると劣りますが、連対率を見てみるとディープインパクト産駒の36%に対してハーツクライ産駒は40%と勝ちはないものの遜色ない成績です。これは個人的には決して悲観するようなものではないと思うのですが・・・。

さてハーツクライ産駒といえば、来週の菊花賞でも1番人気が予想される、ダービー馬で前哨戦の神戸新聞杯を勝ったワンアンドオンリーが気になります。こちらも京都重賞が不得意と言われるほかに、ダービーと菊花賞の純粋な2冠馬は過去にタケホープ1頭しかいないという、さらに強烈なデータが立ちはだかります。
そんな逆風を跳ね返してワンアンドオンリーが2冠を達成するのか、はたまたデータどおりの結果に終わってしまうのか、来週も目が離せない戦いが続きます。

2014年10月05日

芝未勝利の先入観が邪魔して・・・ ~スプリンターズS、そして凱旋門賞

今年のスプリンターズSは、単勝13番人気のスノードラゴンが外から脚を伸ばして差し切り、2着のストレイトガールに1/2馬身差をつけて1着となりました。スノードラゴンにとってこれが重賞初勝利で、かつ芝での初勝利。さらに高木調教師も大野騎手も初G1制覇と、初物づくしの勝利となりました。

スノードラゴンは今年の高松宮記念で後方から素晴らしい末脚で追い込み2着に入るという実績はありましたが、それまでダートが主戦場だったこともあり、不良馬場が幸いしたフロックという見方が多かったと思います。さらに前走のキーンランドCが後方から見せ場なく8着。これがG1で2着の実績がありながら、13番人気という低評価になったおもな原因でしょう。
さらに、ダートでも芝でも重賞は2着までと勝ちきれないイメージで、そのうえ芝では未勝利。ダート馬で芝は重なら注意というのが、個人的なイメージでした。
しかし血統的を見ると、父が12年前の新潟で行われたスプリンターズSで2着に入り、後藤騎手の涙の安田記念が印象的なアドマイヤコジーンで、母父はダービー馬のタヤスツヨシ。タヤスツヨシ産駒にはダート得意な馬が多い印象もありますが、決してダート血統という感じではありません。
またオーシャンSではメンバー1位の上りで2着に入るなど、よく見てみれば芝で走っても不思議ではない成績ではあります。

そういう意味では、やはり思い込みや先入観というのは、競馬に限らずよくないと思うのですが、いつも気づくのはレースが終わった後というのは、毎度のことながら残念なことです。せめてこのような教訓を実生活で生かせれば、競馬をやっている意味もあるのでしょうが・・・。
意外と競馬の予想は人生に役立つ面もあるのではないかと、勝手にこじつけて金銭的損失を正当化することもあるのですが、いつかは教訓を生かしたいものです。

ところで、日本時間の今晩は、いよいよ第93回凱旋門賞の発走です。
初めてスピードシンボリが挑戦してから45年。さらに初めて世界一に手が届きかけたエルコンドルパサーの2着から15年。この4年間で日本馬は2着3回と、いつ勝ってもおかしくない成績でありながら、なぜか勝てないのも事実です。特に2年前のオルフェーヴルは勝ったと思ったんですけどねぇ。
今年は初めて日本馬が3頭出走し、その3頭がそれぞれの強みを持っているという意味では、とても興味深い顔ぶれです。オルフェーヴルほどの絶対的な強さは無いかもしれませんが、それぞれ未知な部分があり、また外国馬も混戦ムードで、今年こそ悲願を達成する可能性も十分あります。
よい結果を期待して、楽しみに待ちたいと思います。

2014年06月29日

ジンクス?法則?傾向? ~宝塚記念

今年の宝塚記念は、1番人気のゴールドシップが連覇がないというジンクスをひっくり返して、見事に連覇を飾りました。しかしそれ以上に、宝塚記念のジンクスというか、法則というか、傾向が明らかになってきたと言えるのではないでしょうか。
そこで、気づいたものをいくつかあげてみたいと思います。

1.ステイゴールド産駒が強い
これはいろいろなところで取り上げられているし、誰でもすぐに気づくでしょう。
それにしても、今年を入れてこの6年で5頭の勝ち馬がステイゴールド産駒というのは、ちょっと異常な感じもします。ステイゴールド産駒が初めて古馬になったのが2007年なので、参加可能(3歳馬の参加は稀なので2006年は除く)になった8年で5勝ということで、とんでもない高確率といえるでしょう。
しかも連覇は今回が初で、4頭で5勝と1,2頭の超強い馬だけが稼いだわけでもありません。こうなるとステイゴールド産駒は、やはり間違いなく宝塚記念に強い血統と言えると思います。来年以降もステイゴールド産駒には注目が必要です。

2.前年の上位馬が強い
これは連覇がないという今年で終わったジンクスと一見矛盾するような気もしますが、勝てないまでも連続して好走する傾向にあるとはいえると思います。たとえば過去10年で見てみましょう。
メイショウサムソン 2007年 2着 → 2008年 2着
アーネストリー 2010年 3着 → 2011年 1着
ブエナビスタ 2010年 2着 → 2011年 2着
ゴールドシップ 2013年 1着 → 2014年 1着
もちろん今年のジェンティルドンナのようにこれに反する例も多いのは事実ですが、馬券検討の参考になるぐらいの傾向としては使えるのではないでしょうか。

3.直近の中距離重賞の上位馬が馬券対象に来る
実はこれが顕著な傾向としてあげられると思います。
2011年までは金鯱賞組がこれにあたるのですが、2008年から2011年は必ず3着以内に1頭は入っていました。しかも2008年3着のインティライミ(11番人気)、2011年1着のアーネストリー(6番人気)など人気薄も含まれています。
そして2012年以降はそれが鳴尾記念になりました。中京芝2000mのG2から、阪神芝2000mのG3と条件は変わりましたが、その傾向はどうやら引き継がれていることが、この3年を見るとわかってきました。しかも2012年3着ショウナンマイティ(6番人気)、2013年2着ダノンバラード(5番人気)、2014年2着カレンミロティック(9番人気)と、その爆発力は大きくなっています。
もちろん検討の時にこの傾向は気にはなったのですが、さすがにこのメンバーで上位は無理だろうと軽視してしまいました。

特に最後のジンクスというか傾向は、来年以降も気になります。そのもっともらしい理由として考えられるのは、G1を好走してきた実力馬がシーズン末期で疲労が溜まっているのに対して、G1には出ていないが調子の上がってきた馬が、好走してしまうということかもしれません。
それにしても実力馬があっさり負けてしまうのはかなりショッキングなシーンではあり、一方その方が馬券的においしいのも事実で、なかなか悩ましいところです。しかし推理ゲームとしては、間違いなくおもしろく、他のG1とはかなり色合いが異なるレースと言えるのではないでしょうか。

2014年06月01日

戦法を変える勇気 ~日本ダービー

今年の日本ダービーは、3番人気のワンアンドオンリーが早めに抜け出して、食い下がる1番人気イスラボニータを3/4馬身差で抑えて優勝しました。
騎乗した横山典騎手は2009年に続く2勝目で、管理する橋口調教師は出走20頭目でついに悲願のダービー制覇となりました。特に橋口師は過去4回の2着があり、まさに悲願という言葉がぴったりだと思います。
その中には、勝ったと思ったダンスインザダークがフサイチコンコルドにゴール直前で差された1996年や、横山典騎手が騎乗したワンアンドオンリーの父ハーツクライが、後方から追い込んだもののキングカメハメハに届かなかった2004年の各ダービーもありました。定年まで今年を含めてあと2回しかチャンスがない中で、その喜びたるや、どれだけのものだったでしょう。

そのワンアンドオンリーですが、戦績を見ると必ずしも順調にダービーに至ったわけではありません。
OP2着から初めて重賞に挑戦した東スポ杯では、中団から伸びずにイスラボニータに2 1/2馬身差の6着。7番人気のラジオNIKKEI杯を中団から差して制し、一躍クラシック有力候補の1頭になったものの、弥生賞はハナ差届かず2着。
皐月賞は後方から目の覚めるような追い込みを見せたものの1 3/4馬身差の4着まで。
直線が長い東京ではその末脚が生きると思われましたが、逃げると思われたウインフルブルームの取り消しによりスロー必至となり、そのためか3番人気という微妙な評価になりました。

個人的にも、横山典騎手がどう乗るのか、とても興味がありました。横山典騎手といえば、よく最後方から決め打ちするような乗り方をするイメージがあり、特に枠順が内の2番に決まって、外に出すためには最後方に下げることも考えられました。
今開催の東京は、NHKマイルCとヴィクトリアマイルがともに逃げ切りで決まったように、先行有利の印象があります。開催が進んで差しも決まるようになってきましたが、先週のオークスであのハープスターも追い込み届かなかったように、ワンアンドオンリーも脚を余す危険があると思われました。

しかしレースでは、予想に反して横山典騎手はワンアンドオンリーをイスラボニータの直後の5番手につけて進めます。これまでもワンアンドオンリーは追い込み一手ではありませんでしたが、ほぼすべてのレースで真ん中よりも後ろから進めてきました。
そういう意味では、大一番で脚質を変えるという賭けに出たわけです。

脚質について理論的には、遅い流れなら前につけて行き、早い流れなら後ろから行くのが得ですが、馬の特質や慣れもあり、もちろんそう簡単に変えることはできません。特に追い込み脚質の場合、無理に前に行くと馬の気分を損ねたり、前半に脚を使って末を失ったりと、良さを出せない危険もあります。
そのため、スローとわかっていても、あえて後ろから行く場面を見る方が多い印象があります。その方が、失敗したときの言い訳もしやすいでしょう。逆に脚質を変えて失敗したら、その批判は騎手が一手に受けることになり、どうしても躊躇してしまうのは、ある意味仕方ないでしょう。

脚質転換といって個人的にまず思い浮かぶのは、ワンアンドオンリーの父ハーツクライが勝った2005年の有馬記念です。
それまで追い込みで戦ってきたハーツクライの主戦がルメール騎手になったのは、2005年の天皇賞(秋)でした。そのレースは休み明けもあり中団から6着。続くJCは後方から追い込んだものの届かず2着。そして臨んだ有馬記念は、無敗で3冠を制したディープインパクトが圧倒的な1番人気に支持されていました。
そのレースで好スタートをきったハーツクライに、ルメール騎手は新馬戦以来の先行という戦法をとらせます。その意外性にも驚かされたのですが、真の驚きはそのままディープインパクトに初の黒星をつけることでもたらされました。
あの時はルメール騎手の機転をたたえる声が多かったのを覚えていますが、もしあれで負けていたら批判はルメール騎手に集まっていたでしょうから、その勇気こそたたえられるべきだったでしょう。

今回の横山典騎手の戦法も大いにたたえられるべきと思いますが、個人的には長くよい脚を使うというワンアンドオンリーの新たな面を見せたということに驚きを感じました。もしかしてわかってやっていたのでしょうか。
しかし冷静に振り返ってみると、ちょっと前によく似たシーンを見たことを思い出しました。そう、先週のオークスでのヌーヴォレコルトとそっくりなレースぶりだったのです。この2頭の共通点と言えば、父ハーツクライ。もしそれを見越してやっていたとしたら、本当にすごいことですね。

2014年05月25日

届くか届かないかは天地ほどの違い ~オークス

今日のオークスは、桜花賞3着で単勝2番人気に支持されたヌーヴォレコルトが、中団から抜け出してハープスターの追撃をクビ差抑えて、初重賞制覇をクラシックの舞台で実現しました。

2着に敗れたハープスターは、桜花賞までで5戦4勝。唯一の敗戦は阪神JFで道中やや詰まり、レッドリヴェールをハナ差とらえなかっただけで、そのレッドリヴェールがダービー参戦で不在となったため、事実上の1強と見なされ、単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に支持されていました。
ただしその脚質は最後方からの追い込みという極端なもの。桜花賞も4コーナー最後方から極限の上り32.9で追い込み、レッドリヴェールにクビ差の辛勝でした。

ここ2週のG1(NHKマイルC、ヴィクトリアマイル)がいずれも逃げ切り勝ちで終わったように、今の東京芝は先行有利の状況と言われており、それはハープスターの川田騎手もよくわかっていたと思います。そこで、はたしてハープスターはどんな戦法をとるのかが焦点でした。
ハープスターの良さを発揮するためには、今まで通り最後方から追い込むのがよいのですが、それでは届かない危険があります。とはいえ中途半端に前に行くと、馬がとまどったり気分を損ねたりして、末脚が不発に終わる危険もあります。

レースでは、ハープスターはスタートしてすぐに抑えたものの、最後方までは下げずに後ろから4番手ぐらいで向こう正面に入ります。しかし3コーナーで他馬が動き出しても反応せず、4コーナーは後ろから2番手で回り、すぐに外に出して追撃を開始。
ところが、前を行くニシノアカツキが外にはじかれると、それに驚いたように一瞬外によれ、そこから1頭だけ離れた外を猛然と追い込みます。

対するヌーヴォレコルトは桜花賞でハープスターに1馬身差の3着。チューリップ賞では2 1/2馬身差の完敗でしたから、ずいぶん差を詰めました。とはいえ、上りは約1秒も遅く、それもあって今日は2番人気とはいえ9.8倍とかなり離れた評価でした。
ヌーヴォレコルトの岩田騎手とすれば、ハープスターよりも早めにスパートして、ゴールまで抜かせないという戦法しかなく、実際にそのような形となりました。中団でレースを進めると、馬場の真ん中をじりじりと進出し、残り200mで満を持して抜け出すと、猛然とゴールを目指します。

先に抜け出したヌーヴォレコルトに外から猛然とハープスターが襲いかかりますが、その末脚の差は桜花賞ほどはありません。ハープスターはじりじり伸びるものの、結局ゴールまで交わすことはできませんでした。

追い込みで勝った騎手のインタビューでは、ここで追い出せば勝てると確信を持っているわけではなく、結果として交わすことができたという話をよく聞きます。どんな優れた騎手でも、ゴールからの距離を逆算して追い出すのではなく、あくまでも感覚で追い出すのでしょう。
その結果としてハナ差でも交わせば賞賛され、交わせなければ非難を受けるということなのだと思います。

たとえば2009年のオークスで、ブエナビスタはハナ差とはいえ勝ったので、安藤勝騎手は賞賛を一身に受けましたが、あれが負けていたら後ろから行き過ぎたとか、いろいろ批判を受けたと思います。
おそらく今回の川田騎手も、いろいろ言われるでしょう。もう少し前に行った方がよかったとか、最初から不利を受けないような大外に出した方がよかったとか、あるいは思い切って最後方から行った方がよかったのではとか・・・。
ただし、正解は誰にもわかりませんし、結果として交わせなかったために、いろいろ言われてしまうのだと思います。そういう意味では、届くか届かないかはある意味運ですが、その結果は天と地ほども違い、つくづく騎手とは因果な商売だなとも思います。

ハープスターの今後のローテーションはまだわかりませんが、決定的な負けというわけではなく、悲観するような内容でもないと思いますので、秋には元気にまた大きなところを目指してほしいと思います。

2014年05月18日

ジンクスが多いG1? ~ヴィクトリアマイル

今年のヴィクトリアMは、大方の予想を裏切って、11番人気のヴィルシーナが逃げ切って連覇を達成するという結果になりました。

このヴィクトリアMは今年で9回目と歴史の浅いG1ですが、その中でいろいろなジンクスがささやかれるようになりました。その中の1つ「連覇がない」というのがあったのですが、今回あっさりと覆されました。これはウオッカ、ブエナビスタ、アパパネなどの名牝でさえ成し遂げられなかったので、結構続くのではないかと思っていたのですが、意外な形で終わりました。
しかし、新たなジンクスが生まれたようにも思います。では、気づいたものをいくつかあげてみましょう。

1.6歳以上の連対なし
9回目の今年を含めて、のべ31頭の6歳以上の馬が挑戦しましたが、6歳馬2頭の3着が最高で、いまだに連対した馬はいません。ほとんどは人気薄だったのは事実ですが、1桁人気に支持された馬は、今年のホエールキャプチャを含めて9頭います。
そのうち特に人気が高かったのは、2007年のスイープトウショウ(6歳、2番人気)、ジョリーダンス(6歳、5番人気)、2009年のカワカミプリンセス(6歳、2番人気)、2012年のフミノイマージン(6歳、5番人気)、そして今年のホエールキャプチャ(6歳、2番人気)です。しかしこの中で最高着順は、今年のホエールキャプチャの4着。
このメンバーを見ると、やはり偶然ではなくジンクスと言えるのではないでしょうか。

2.前走1着馬の連対は稀
今年も含めて9回の連対馬のべ18頭の前走着順を見ると、1着だった馬は2008年の1着馬エイジアンウインズ(阪神牝S 1着)と2009年の2着馬ブラボーデイジー(福島牝S 1着)のわずか2頭。他のG1レースを調べてはいませんが、これは極端に少ないのではないかと思います。

3.「牝馬は格でなく調子」は通じない
これは2.と相通じるものですが、昨年のホエールキャプチャ、今年のヴィルシーナと、前年勝ったのを最後にずっと不調が続いていた馬が、このレースで劇的に復活するシーンを見ると、このレースに限っては「牝馬は調子よりも格」と言いたくなります。それは今年2着のメイショウマンボにも言えるかもしれません。

4.前走は3月以降に出走が必須
これは3着までに広げても過去9回の全馬にあてはまり、前走が2月以前の馬は1頭も3着以内にきたことがありません。
今年のホエールキャプチャは、1,2に続いてこのジンクスにも当てはまってしまい、いわば三重苦という感じでした。その中で4着にきたのは、立派だったと言えるかもしれません。

これらのジンクスについて、それなりに理由をつけることは可能かもしれません。しかし実績のある強い馬も逆らえなかった事実を見ると、理由はともかく信じるしかないのかもしれません。
とりあえず馬券検討に大いに参考になるジンクスでもあるので、来年はこれを全面的に援用すると、意外と高額配当にありつける可能性もあります。
とはいえ、連覇がないというジンクスのように、あっけなく終わるものもあるかもしれませんが。

2014年05月11日

なぜこんなに荒れる? ~NHKマイルC

今年のNHKマイルCは、1着こそ圧倒的な1番人気のミッキーアイルが逃げ切ったものの、2着はブービー17番人気のタガノブルグ、3着は12番人気のキングズオブザサンが入り、馬連・馬単は万馬券、3連単は60万円超えと昨年ほどではないにしても、荒れた結果となりました。
NHKマイルCは、昨年までの10年で馬連万馬券は4回、3連単は4桁が1回あるものの、10万円超えは6回(うち100万円超えは3回)とかなりの荒れ模様。10番人気が2勝、2着1回に、17番人気が1勝と、数あるG1の中でも、かなり荒れるレースといえるのではないでしょうか。

では、なぜこんなに荒れるのでしょう。ちょっと思いつく理由をあげてみました。
(1)さまざまな過程を経て出走してくるので力関係が把握しづらい
(2)脚質が確定していなかったり掛かる馬もいて展開が読みづらい
(3)安田記念を見てもわかるように、そもそも東京の芝1600mは荒れやすい

(1)さまざまな過程を経て出走してくるので力関係が把握しづらい
これがもっとも大きな理由のような気がします。短距離から距離を伸ばしてきた馬や、クラシックを目指していながら距離に限界を感じて路線を変えてきた馬、それも牡馬だけでなく牝馬も混じると、さらに力関係がわかりにくくなります。
さらに3歳の春ぐらいだと、距離適性よりも絶対能力の差の方が、結果に与える影響が大きいのではないかと思います。そのため、短距離が得意な馬や、逆に2000m以上に適性がある馬でも、マイルをこなしてしまうことはよくあります。これらも予想を外す大きな要因となるのではないでしょうか。

(2)脚質が確定していなかったり掛かる馬もいて展開が読みづらい
今年は人気のミッキーアイルが逃げ馬ということで展開のカギを握っていましたが、同じ逃げ脚質のダンツキャンサーがからめばペースが上がる可能性がありました。しかし結果としてミッキーアイルのマイペースの一人旅になったことで、ギリギリ逃げ切ることができたと言えるのではないでしょうか。
またその影響か、サトノルパンなどは掛かってしまい、4番人気ながら9着と期待に応えられませんでした。

(3)安田記念を見てもわかるように、そもそも東京の芝1600mは荒れやすい
よく言われるのが、東京のマイルは最後の直線が長く坂もあるので、普通のマイル以上のスタミナが要求されるということです。そのため、短距離しか実績のない馬には厳しく、1800m以上に実績のある馬が有利とされています。
実際にその傾向があるのは確かですが、それにこだわりすぎると、短距離実績しかない馬を買い逃したり、スタミナはあるがスピードのない馬に乗ってしまって外すということになります。こんなはずじゃないのにと思う経験をしたことは、よくあるのではないでしょうか。
よく東京は実力が出やすいコースといわれますが、マイルは上記のようなことから、難しいイメージがあります。

とはいえ、NHKマイルCでは過去10年で1番人気が5勝しており、キングカメハメハやディープスカイのように、その後にダービーを勝つような力のある馬は、ちゃんと人気に応えて快勝しています。他にもグランプリボスやカレンブラックヒルなど、その後も活躍するような強い馬も人気で勝っており、力が抜けている馬がいれば、固く収まるわけです。
そういう意味では、1番人気に応えて一見辛勝とはいえきちんと勝ちきったミッキーアイルは、今後の活躍が大いに期待できるのではないでしょうか。

2014年05月04日

なぜ1番人気が勝てないのか ~天皇賞(春)

今年の天皇賞(春)は、4番人気のフェノーメノが中団から抜け出し、クビ差で連覇を飾りました。鞍上の蛯名騎手は連覇だけでなく、皐月賞に続いてG1連勝。しかも関東馬による連勝ということで、さぞかし喜ばれていることでしょう。おめでとうございます。

フェノーメノは昨年の天皇賞(春)を勝った後、宝塚記念は4着となり、そのあとは怪我で約9か月の休養。
休み明けの日経賞は先行したものの伸びきれずに5着に敗退。昨年の出来にはないのではということで、単勝11.5倍の4番人気という評価になっていました。3強あるいは4強対決と言われながら、1頭だけ単勝2桁となり、不安が大きいと思われたのでしょう。
レースではフェノーメノは中団の内を追走し、向う正面から徐々に順位を上げ、直線に入ると馬場中央から抜け出し、後方からレースを進めたウインバリアシオンやホッコーブレーヴ、キズナの追い込みをクビ~1馬身差で封じました。昨年ほどの強さは感じさせなかったものの、距離や馬場適性を感じさせるレースぶりで、この条件での強さを印象付けました。

そしてもう一つ大きく関心を引いたのは、今年こそ1番人気が勝てるかということだったのではないでしょうか。
かつては固いG1と言われた天皇賞(春)ですが、2003年に7番人気のヒシミラクルが勝ったころから荒れるG1となり、過去10年で1番人気は2006年のディープインパクトが勝っただけの1・0・1・8。特にここ2年は1.3倍の圧倒的1番人気に押されたオルフェーヴル、ゴールドシップが11着、5着に敗れ、ジンクスになってきた感があります。
そして今年も1.7倍と圧倒的な1番人気に支持されたキズナが4着に敗れ、1番人気8連敗。そしてなんと1倍台の馬が3年連続3着にも入れないという事態になってしまいました。

その理由をいろいろ考えてみたのですが、毎年それぞれ原因は異なるようで、これというものは思い浮かびません。しかし1つ言えるのは、この時期の京都は馬場が良く前が止まりにくいので、追い込み脚質の馬は届かないことが多いということです。
過去10年の連対馬の4コーナーでの位置取りを見てみると、もっとも後ろの馬でも8番手で、少なくとも真ん中より前にいないと連対できないという傾向がうかがえます。
ただしそれを意識しすぎると、昨年のゴールドシップのように早めに進出したものの直線では伸び切れずということになる危険もあります。

今年1番人気になったキズナは、鞍上が天皇賞(春)6勝の武豊騎手なので、そのあたりは百も承知でしょうから、どう乗るのか非常に興味を持って見ました。もしかして少し前目につけるかと思ったのですが、始まってみると後ろから2番手という定位置でレースを進め、3コーナーでも動きません。
3コーナー過ぎから先に動いたウインバリアシオンについて上がっていきますが、4コーナーでも中団やや後ろの外。そこからメンバー1位タイの上り34.0で追い込んできますが、結局1馬身ほど届かず4着。

調教師も騎手も明確な敗因は計りかねているようですが、上りが1位とはいえ伸びきれなかったのは、適距離ではないという解釈もできるでしょう。また位置取りが後ろ過ぎたということも言えると思います。ただし着差はかなり詰めており、やはり能力があることは示したと思います。
キズナの次走は宝塚記念になるようですが、そこには今日の上位馬に加えて、ドバイで勝ったジェンティルドンナやジャスタウェイも出走する予定だとか。
もし全馬が揃えば、まさにドリームレースにふさわしい顔ぶれとなります。今からとても楽しみです。

2014年04月20日

混戦の皐月賞は決着。そしてダービーへ。

今年の皐月賞は1強の桜花賞から一転、レベルの高い混戦といわれてきました。その原因としては、前哨戦となる重賞やトライアルの勝ち馬がすべて違うことと、それぞれが比較的人気通りに決着してきたということがあるでしょう。また人気馬がみな弱点も抱えていて、全幅の信頼はおけないということも、人気が分かれる原因になったと思われます。

単勝倍率が1桁の馬が5頭で、どの馬が1番人気になるのかさえわからない中、最終的にはトゥザワールドが3.5倍の一番人気となりました。トライアルの中では最もレベルが高いと思われる弥生賞の勝ち馬ですが、ゴール前でワンアンドオンリーにハナ差まで詰められたシーンは、ペースが上がる可能性が高い本番に不安を抱かせるには十分だったでしょう。
2番人気は前日まで1番人気だったイスラボニータが5.1倍で続きます。共同通信杯は追い出しを待つ余裕で完勝したものの、中山はおろか右回りも未経験で、クラシックで勝ったことがないフジキセキ産駒、1頭だけ内を突く特殊な勝ち方をしたゴールドシップ以外勝ち馬がいない共同通信杯からの直行など、こちらも多くの不安を抱えています。
さらに5.4倍の3番人気のトーセンスターダムは無敗の3連勝も、京都しか経験なくそのいずれも辛勝で、休み明けかつ皐月賞を勝ったことがないディープインパクト産駒。
6.7倍の4番人気ワンアンドオンリーは追い込み脚質にも関わらず最内の1枠で、最終週でますます追い込みの効きにくい中山の馬場をどうこなすか。
7.5倍の5番人気アジアエクスプレスは底は見せていないものの、血統的に短距離馬で陣営もダービーは難しいという感触を表明していました。

レースはウインフルブルームが絶妙のペースで逃げ、ゴール直前まで逃げ粘る中、力強く抜け出したのは2番人気のイスラボニータでした。中団追走から4コーナーでは好位の外に持ち出し、直線はウインフルブルームやトゥザワールドと叩き合いになるも、最後は1馬身1/4差をつけて予想以上の完勝でした。

そして皐月賞はクラシック1冠目であるとともに、日本ダービーのもっとも重要な前哨戦でもあります。ではこの結果から、ダービーへの見通しはどうなるでしょう。
まず勝ったイスラボニータですが、力があるのは間違いなく東京も得意なので、2冠達成の可能性は十分あると思います。ただしフジキセキ×コジーンという血統は、どうしてもマイルから2000mが得意というイメージ。昨年のロゴタイプ以上に距離への対応が焦点になるような気がします。
続いてトゥザワールドですが、今回は最後に競り負け、末の甘さという弱点をさらしてしまったようです。直線が長く坂がある東京への対応がどうか、ということになるでしょう。
ウインフルブルームは先行してこそ持ち味がでるので、狙いとしては皐月賞だったのではないでしょうか。ダービーはちょっと厳しいかなという印象です。
逆にダービーでこそと思わせたのが、4着のワンアンドオンリーと5着のステファノスではないでしょうか。とはいえステファノスは出走権という大きな壁があるので、可能性という意味ではワンアンドオンリーに期待が持てると思います。最後方追走から早めに進出し、最後はメンバー最速の脚で追い込んだものの、完全に脚を余してしまいました。東スポ杯では結果が出ませんでしたが、今なら長い直線を味方にできるかもしれません。
とはいえ、青葉賞や京都新聞杯で出走権を得る馬や、皐月賞を回避した馬もいるので、まだまだいろいろ見ていく必要があります。

なお、個人的には馬場の傾向やパドックの重要性を改めて感じました。当初は若葉S組としてアドマイヤデウスを馬券の対象と考えていたのですが、9Rで柴田大騎手が同じ芝2000mのレースを鮮やかに逃げ切ったのを見たのと、またパドックでの印象の良さから、急きょウインフルブルームと入れ替えることにしたのです。
結果として、ウインフルブルームはぎりぎり3着に逃げ粘ってくれました。やはり直前までいろいろな情報を集めて検討することは大事ですね。

2014年04月13日

ハープスターはどれぐらい強いのか ~桜花賞

今年の桜花賞は、ハープスターが単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応えて優勝しました。その強さは戦前から予測されており、どのような勝ち方を見せるのかだけが焦点だったと言っても過言ではないかもしれません。
ハープスターは阪神JFこそレッドリヴェールの驚異的な粘りにハナ差屈しましたが、チューリップ賞は次元が違うレースぶりで圧勝。阪神JFで上位だったレッドリヴェール、フォーエバーモア以外とは勝負付けがついたイメージでした。

レースではハープスターはスタート直後に後ろに下げ、4コーナー手前までは最後方を進みます。いくら馬を信じているとはいえ、単勝1.2倍の圧倒的な人気を背負っていると、騎手としては最後方を進むのは、かなり勇気がいることでしょう。実際に川田騎手もインタビューではかなり緊張したと語っています。
近年は落ち着いたペースが多い桜花賞ですが、逃げたフクノドリームは600mが33.8と早いペースで大逃げを打ちます。直線に入っても2番手以降とは6馬身以上離れており、本当に届くのかと心配になりました。しかし残り200mぐらいから後続が一気に迫り、残り100mを切ってレッドリヴェールが先頭に躍り出ますが、最後はハープスターが粘るレッドリヴェールを、測ったように差し切りました。

その着差はクビ差。さらに差してきたヌーヴォレコルトは2着から3/4差の3着。残念ながらハープスターは勝ったとはいえ、チューリップ賞のような圧勝という感じではありませんでした。では、その強さはどれぐらいのものなのでしょう。

まず勝ちタイムですが、過去10年ではアパパネが勝った2010年と並んで最速となる1.33.3。ただしアパパネは好位からレースを進めていて上りは34.1と平凡です。この年は逃げたオウケンサクラが2着に粘っておりペースはスロー。淀みのない流れと時計の早い馬場が要因といえるかもしれません。
次に上りタイムですが、ハープスターの32.9は過去10年でもっとも早かった2009年のブエナビスタの33.3を破る最速記録。ちなみに勝ち馬で34秒を切る上りを記録したのは、ダイワスカーレットとブエナビスタの2頭だけです。

こうしてみて見ると、タイム的には3冠牝馬のアパパネや、有馬記念勝ちのダイワスカーレット、天皇賞(秋)やJCを制したブエナビスタという過去の偉大なる牝馬を、3歳春の時点では上回る成績を上げたと言えるでしょう。
もちろん競馬はタイムだけで決まるわけではないですが、少なくとも名牝となるだけのポテンシャルを持っているのは間違いないわけです。

今後はオークスから、秋には凱旋門賞挑戦のプランもあるそうで、夢は大きく広がります。まずは無事にいって、秋にはさらなる大輪の花を咲かせることをぜひ期待したいと思います。

2014年03月30日

馬場状態と展開の読みが明暗を分ける ~高松宮記念

今日の高松宮記念は、展開がカギと思っていましたが、そこに馬場状態という要素が加わって、さらに難しくなったのではないかと思います。
今年のメンバーを見てまず感じたのは、有力馬に逃げ先行脚質の馬が多いということではなかったでしょうか。昨年3着でスプリンターズS2着と実績No.1のハクサンムーンをはじめ、もっとも重要なステップレースの阪急杯を勝ったコパノリチャード、シルクロードS2着で底を見せていないレディオブオペラの3頭がいずれも逃げ馬で、オーシャンSを勝ったスマートオリオンやそのオーシャンSで2番人気に押されたリアルインパクトも先行してこその馬です。

ここまで逃げ先行馬が揃うと、目が行くのは当然差し馬。しかも馬場改修後のここ3年はもちろん、それ以前を見ても過去10年で逃げ馬の連対はわずか1頭と、逃げ馬には厳しい中京芝1200mを考えれば、なおさらのことでしょう。
そこで1番人気に押されたのは、シルクロードSを好位から最速の上りで制したストレートガール。9戦連続連対中で、しかも常に上りはメンバー上位。中京コースも実績があり、私も最初はこの馬かなと思いました。

しかしここで気になったのが馬場状態です。日曜日は雨予報となっており、もし重馬場になれば切れで勝負の差し馬には不利になります。ストレートガールは時計がかかる洋芝の函館に実績があるとはいえ、重の経験はなく、33.0で差し切ったシルクロードSを見ると良でこそという気もします。
そこで予想はある程度馬場状態を見てからにしようと思いました。すると早くから雨が降っていたらしく、午前中ですでに馬場状態は不良になっています。この時点で、ストレートガールの本命はないかもと思いました。

ではどの馬を中心とするかですが、有力馬のなかで自信をもって重の中京をこなせると思える馬は見つかりません。重実績があるスマートオリオンは中山以外の馬場がどうかですし、4歳牝馬のレディオブオペラが不良馬場で歴戦の牡馬相手に勝つイメージもわかないのです。
そこで目をつけたのが、阪急杯でポテンシャルの高さを見せつけたコパノリチャードでした。重馬場は未経験でしたが、調教師は問題ないと言っており、ハナを切らなくてもいけるという見通しを語っています。さらに調教で見せた状態の良さも印象に残ったのです。

そしてレースではその期待に違わぬパフォーマンスを見せてくれました。
スプリント界では国内はもちろん香港でも圧勝して世界トップレベルとなったロードカナロアが引退し、その後をどの馬が引っ張るのかが焦点となっていました。しかし阪急杯に続いて高松宮記念で見せたコパノリチャードのパフォーマンスは、その継承者としてふさわしいと思わせるに十分だったと思います。

まだ4歳ということもあり、今後の活躍が楽しみです。とはいえ、個人的には2着のスノードラゴンを捉えられなかったのが残念ではあります。時計のかかる中山の馬場で、最速の上りを記録したということを、もう少し評価すればよかったのですが・・・。

2014年02月23日

いきなり大荒れとなった原因は ~フェブラリーS

今年初めてのG1レースであるフェブラリーSは、最低人気のコパノリッキーが先行抜け出しで1着となり、単勝27,210円、2番人気のホッコータルマエとの馬連が84,380円という大荒れの結果となりました。
これでフェブラリーSは3年連続の馬連万馬券の決着となり、最近はすっかり荒れるG1となっていますが、中でも今年は極端な結果となりました。

1着となったコパノリッキーは、登録時の賞金順では16位タイでケイアイレオーネとの抽選になり、それをくぐり抜けてギリギリで出走してきました。
3歳時には交流重賞の兵庫CSを逃げ切って重賞勝ち馬になっているとはいえ、近2走はOPで10,9着といずれも1秒以上の差で負けており、調教もぱっとせず、16番人気でも仕方ないかという状況でした。

では、今日のコパノリッキーの勝因は何なのでしょう。
まずはレースがかなりのスローで流れ、それを2番手でスムーズに走れたことでしょう。逃げたエーシントップのペースは600mが35.5と、最近ではトランセンドが逃げ切った2011年に続く遅いもの。
続いて、先行脚質の有力馬が意外と抑えてしまったという事情もあげられると思います。ホッコータルマエがいつもより後ろの6番手につけたほか、ニホンピロアワーズも中団につけ、ワンダーアキュートやベルシャザールも、いつもより後ろのポジションから進めました。
それもあってか、直線に入ってコパノリッキーが早めに抜け出したときに、ほぼ並んでいたホッコータルマエの追い出しが、ワンテンポ遅くなりました。この田辺騎手の絶妙の追い出しは、当然人気がなかったためにできたという面もあると思います。
逆にホッコータルマエの幸騎手としては、後ろからくるベルシャザールやニホンピロアワーズ、ワンダーアキュート、さらには末脚のよいベストウォーリアなどのことを考えると、追い出しを我慢するというのは、当然の選択だったでしょう。

しかし結果としては、これが明暗を分けました。1馬身ほど抜け出したコパノリッキーをホッコータルマエは懸命に追いますが、スローで進んだこともあって、なかなか差が詰まりません。坂を上って、ようやく少しずつ迫りますが、最後まで交わすことはできず、1/2馬身差の惜敗。
ホッコータルマエと3着のベルシャザールは35.1の上りで追いましたが、35.3で上がったコパノリッキーには勝てませんでした。

ただし、長い直線で現在ダートでは実力No.1といえるホッコータルマエに交わされなかったのは、力がないとできる技ではありません。実際に3歳時の兵庫CSでは、今日3番人気に押されたベストウォーリアを相手に、6馬身差をつけて逃げ切っているわけで、決して力的に大きく劣っていたわけではないと思います。
体調が戻れば、これぐらいの好走ができる下地はあったのでしょう。

しかしこの結果を事前に予想することは、至難の業です。つくづく競馬は奥が深いなと思います。

2013年12月22日

「強い」という言葉しかない引退レース ~有馬記念

オルフェーヴルの引退レースとなった今年の有馬記念ですが、まさに唖然とするような強さを見せる圧勝で、劇的な最後を飾りました。ここまでオルフェーヴルは、3歳3冠をはじめG1 5勝を積み重ねてきましたが、最後にもっとも強い姿を見せて、改めて現役最強を印象付けました。

その強さへの期待は、1.6倍という単勝倍率にあらわれていたと思います。これは過去の有馬記念では、85年のシンボリルドルフ、94年のナリタブライアン、06年のディープインパクトの1.2倍に次ぐもので、ある意味勝って当たり前という評価でしたが、その3頭よりもインパクトのある勝ち方といえるのではないでしょうか。

レースでは、オルフェーヴルはいつものように馬群の後ろの方につけ、当面の敵といえるゴールドシップをマークするように進みます。動き始めたのは3コーナーの手前。外をぐんぐんと上がっていくと、4コーナーでは馬なりのまま先団につけ、そのまま直線では先頭にたって、あとは離す一方。
ダービーや菊花賞で常に2着に退けていたウインバリアシオンに、なんと8馬身差をつける圧勝でした。

現役最強を決める有馬記念では、中長距離が得意な多くの実力馬が集まるので、そんなに差がつくことは少ないのですが、今年の8馬身は2003年のシンボリクリスエスの9馬身に次ぐ大差で、シンボリルドルフの4馬身やナリタブライアンやディープインパクトの3馬身差をはるかにしのぎます。

まだまだ最強馬として現役を続けられる力をもっていながら、オルフェーヴルの競走生活はこれで終わります。これからはどの馬が強い馬として日本の競馬界を引っ張っていくのでしょうか。
また新しい楽しみが始まります。

2013年12月08日

ジンクスは破られるために・・・ ~阪神ジュベナイルフィリーズ

今年の2歳牝馬は、例年になくレベルが高いと言われています。その根拠の一つが、牡馬混合の2歳重賞の多くを牝馬が制していること。
今年の2歳重賞を初めて牡馬が制したのは、11/9の京王杯2歳Sのカラダレジェンドで、2勝目が翌週の東スポ杯のイスラボニータ。この2頭がともに朝日杯を回避したので、なんと今年は牡馬の重賞勝ち馬が1頭もいない朝日杯になります(ファンタジーSを制した牝馬のベルカントは登録したので、重賞勝ち馬が1頭もいない事態は回避できそう)。

そのベルカントを除く2歳重賞勝ち馬がすべて顔をそろえた阪神JFですが、上位2頭はいずれも無敗の2戦2勝で重賞を制した、レッドリヴェールとハープスターがハナ差の接戦を演じました。ちなみに3着も2戦2勝のフォーエバーモア(ちょっと応援していたので残念!)でしたが、3戦3勝のホウライアキコは7着に敗れました。

さてこの阪神JFの有力なジンクスの1つが、「休み明けはこない」でした。過去10年の連対馬20頭で、10月以降に出走していなかったのは、2004年に2着にきたアンブロワーズ(函館2歳S1着以来)ただ1頭です。それもあって、新潟2歳S以来のハープスターも、札幌2歳S以来のレッドリヴェールも、ちょっと心配していたのですが、まさかその2頭で決まるとは・・・。
これで、来年からは絞り込むための条件としての「休み明け」は、使えないことになります。ただし、休み前が重賞1着ということにすれば使えますが。

こうやって毎年消せる条件(ジンクス)をいろいろ探して、少しでも馬券攻略に役立てようと思うのですが、数年は通用しても、必ず破られることになります。やはり、競馬に必勝法というのは、ないということなのでしょう。

2013年12月01日

ベルシャザールはなぜ人気になったのか ~JCダート

今年のJCダートは、前走のJBCクラシックを勝ったホッコータルマエが、1.9倍という圧倒的な1番人気に支持されました。今年はJBCクラシックの他にも、かしわ記念、帝王賞とG1を3勝しており、1番人気にふさわしい成績をおさめているといえるでしょう。

しかし、よく成績を見てみると、好成績を残しているのは地方の交流重賞で、JRAの重賞は昨年のレパードSと今年のシリウスSのG3を2勝しているだけなのです。昨年のJCダート3着はともかく、年明けの東海Sも1番人気で3着に敗れ、その後は中央ではシリウスSしか走っていません。
地方のダートは比較的砂が深く時計が掛かるのに対して、中央のダートは軽く時計が早いのが特徴です。ホッコータルマエはあえて地方のレースを選んで使っている感もあり、スピード勝負に一抹の不安もあると感じたので、さすがに1.9倍は見込まれすぎかなと思いました。

対してベルシャザールはデビュー以来クラシック路線に乗ったこともあり、ずっと芝のレースを使われてきました。芝の重賞は勝てなかったものの、スプリングS2着、日本ダービー3着と良績を残してその後を期待されます。しかし菊花賞は17着に敗れ、その後は骨折もあり長期休養に入ったのです。
そして1年2か月ぶりとなる今年の5月に復帰。足元を気遣ってダートを使ったのですが、その準OPのレースでいきなり3着に好走します。

実はこのレース、80回の日本ダービーを記念して実施されたダービーメモリーズの1つ「ナリタブライアンカップ」でした。
個人的に記念馬券を残そうと各レースで1点ずつ複勝馬券を買っていたのですが、名前を憶えているというだけで選んだのが、ベルシャザールでした。長期休養明けだし、そもそも記念に買ってとっておこうと思っていたので、当たらない方がいいと思ったのです。
ところが思いもよらない好走で770円もついて、そこから個人的に注目するようになりました。

ダートという新天地で活躍を始めたベルシャザールは、OPブラジルCからG3の武蔵野Sも制して、菊花賞以来のG1となるJCダートに出走してきました。
ダート転向後3・1・1・0と底を見せていないのは事実ですが、最近はJCダートとはつながりの薄くなった武蔵野Sを勝っただけで、ホッコータルマエをはじめ、ローマンレジェンド、ワンダーアキュート、エスポワールシチー、ニホンピロアワーズなどの錚々たるメンバーに比べると、ちょっと格落ちの印象です。

しかし最終的に、8.4倍の3番人気に支持されたのには驚きました。連勝中の勢いや、鞍上のルメール騎手など、さまざまな要因はあると思いますが、個人的には血統も大きな要素ではないかと思っています。
父キングカメハメハは、ローズキングダムやアパパネ、ロードカナロアなど、芝で短距離から長距離までオールマイティに産駒を出していますが、ダートでもタイセイレジェンド、ハタノヴァンクール、ホッコータルマエなど距離を問わず大物を出しています。
現に今日のJCダートでも5頭の産駒が出走しており、種牡馬別ではもちろんぶっちぎりの1位です。
母父はサンデーサイレンスで、こちらも芝はもちろんダートも得意。その両方のよいところを受け継いで、芝・ダート兼用の大物になったということでしょう。

クラシックではオルフェーヴルという強い馬が同い年にいたこともあり、ベルシャザールはG1には手が届きませんでしたが、ダートに転向して念願のG1を制することができました。まだ底を見せていないわけで、どこまで強くなるのか夢が広がります。
ちょっと回り道をした感じもありますが、今後の活躍を期待したいと思います。

2013年11月24日

初の連覇は牝馬によって達成 ~ジャパンカップ

今年のJCは、ジェンティルドンナが単勝2.1倍の1番人気に見事にこたえて、連覇を飾りました。33回の歴史の中で、連覇は初とのことですが、それを牝馬が達成するのですから、すごい時代になったものです。
しかもこれでJCでは5年連続牝馬が1位入線(2010年はブエナビスタが2着に降着。これがなければブエナビスタが初の連覇を達成していたわけですが・・・)。さらに今年はディープインパクト産駒の牝馬のワンツーフィニッシュと、牝馬&ディープインパクト産駒の勢いは止まらないという感じです。

今年のジェンティルドンナは、牝馬3冠+JCを制した昨年とは一変して、JCの前までは3戦して2,3,2着と、惜しいながらも勝てないレースが続いていました。しかも前走の天皇賞(秋)は、差してきたジャスタウェイに4馬身という決定的な差をつけられて、2着に敗れています。
牝馬は一度崩れると、なかなか戻らないイメージもあり、また前走はやや掛かって末脚が甘くなったために、距離伸びてどうかという不安もありました。
今日のパドックでも、周回を重ねるごとにテンションが上がり、途中からは小脚を使ってチャカつく素振りも見せます。いつもテンションは高めなのですが、これで2400mは大丈夫なのかと、ちょっと心配になりました。

レースでは、ジェンティルドンナは好スタートから3,4番手につけ、スローペースにやや掛かる素振りを見せながら、なんとかなだめて追走します。
そして直線に入ると、残り400mを切って早くも先頭に。スローのために先行勢が粘る中、いったん1馬身ほど抜け出しますが、ゴール直前では脚色が鈍り、最後は追い込んできた3歳牝馬のデニムアンドルビーと鼻づらを合わせてゴール。写真判定の結果、2年連続ハナ差での優勝となりました。

昨年はオルフェーヴルとびっしりと叩き合った末のハナ差でしたが、今年は末脚が鈍ってギリギリのハナ差と、まったく異なるレースぶりでした。どんなレース展開でも勝てるのが強い馬の条件だとすれば、まさにジェンティルドンナは今を代表する馬といえると思います。
そしてディープインパクト産駒は、これでJRAのG1で出走機会7戦連続連対を達成。来週のJCダートは産駒の登録がないので、記録の継続は2歳G1での産駒の走りにゆだねられることになります。

JCが終わると、いよいよ有馬記念に向けての各馬の動向が気になります。昨年は回避したジェンティルドンナは参戦するのか。ただし、中山は初参戦で、今までのレースぶりを見ると、正直あまり合う気がしません。
はたまた今日は惨敗を喫したゴールドシップの復活はあるのか。そして凱旋門賞以来のレースとなるオルフェーヴルやキズナがどんな走りを見せるのかなど、興味が尽きません。
豪華メンバーが予想される有馬記念まで、まだまだ今年の競馬は続いていきます。

2013年11月17日

G1連敗を6で止めながら連続連対は6に伸ばしたディープインパクト産駒 ~マイルCS

マイルCSは、2番人気のトーセンラーが、今までの惜敗続きのうっぷんを晴らすような見事な末脚で、一気に差し切ってG1初制覇を飾りました。騎乗した武豊騎手は、昨年21回目の参戦でようやくマイルCSを勝ったと思ったらあっさりと連覇し、しかも自身のG1 100勝という前代未聞の記録も達成したのです。

そのトーセンラーですが、マイル戦は今回が初参戦ということで、この距離でどのようなパフォーマンスを見せるのか未知数であり、それが4.7倍の2番人気という微妙な人気になったのでしょう。しかし個人的には、2番人気に支持した多くのファンの勘の良さに驚いていますが・・・。
ただし、そもそもディープインパクトの初年度産駒はG1勝利がマイルのみだったように、実はマイルに強いのではないかという推測も成り立つのです。その初年度産駒の1頭であるトーセンラーがマイルG1を制しても、驚くに値しないのかもしれません。
ただし常識的に考えて、3200mの天皇賞(春)で2着して、マイルで鮮やかに勝つとはなかなか想像できませんが。そういえば、かつて天皇賞(春)と安田記念で連続して2着したカミノクレッセという馬がいたことを思い出しました。それを超える快挙ですね。

ところで、タイトルのことですが、調べてみるとディープインパクト産駒は、日本ダービーでキズナが1着になったあと、出走機会のあったG1(産駒のいなかったスプリンターズSを除く)では6連敗中でした。しかもダノンシャークが3着に終わった安田記念のあとは、宝塚記念(ジェンティルドンナ)、秋華賞(スマートレイアー)、菊花賞(サトノノブレス)、天皇賞 秋(ジェンティルドンナ)、エリザベス女王杯(ラキシス)とすべて2着。つまり連続連対は5戦続けていたのです。
そして今日のトーセンラーの勝利で、G1出走機会の連敗を6で止めると同時に、連続連対は6に伸ばしたのです。

来週のJCにも、大将格のジェンティルドンナをはじめ、ヴィルシーナ、デニムアンドルビー、ラキシスと、牝馬ばかりとはいえ少なくとも4頭が出走を予定しています(他にスピルバーグも登録)。まだまだ連続連対は伸びる可能性が高いといえるでしょう。
どこまで伸びるか、また楽しみができました。

2013年11月10日

メイショウマンボ、そして名牝へ ~エリザベス女王杯

初めての古馬相手も、ローズSでの印象がよくない重馬場も、難なくこなして、メイショウマンボが秋華賞に続いてエリザベス女王杯を圧勝し、今年3勝目となるG1勝ちをおさめました。
秋華賞とエリザベス女王杯を連勝したのは、ファインモーション、ダイワスカーレットに続く3頭目ですが、春のクラシックも勝ったのはダイワスカーレットだけなので、戦績的にはあの名牝に肩を並べたことになります。

しかし、エリザベス女王杯で1.9倍の1番人気に支持されたダイワスカーレットに対して、G1を2勝していながら1勝しかしていないヴィルシーナに次ぐ3.9倍の2番人気とは、ずいぶんと信頼されていないものです。
たしかにエリザベス女王杯まで1度も連対を外していなかったダイワスカーレットに対して、メイショウマンボは阪神JFと桜花賞で10着に大敗し、秋初戦のローズSでも4着に敗れています。また調教もパドックの様子も、秋華賞よりは元気がない感じで、武幸騎手もインタビューで前走の反動を気にしていたように、秋華賞がピークだったのは間違いないでしょう。
それが、微妙なオッズに現れていたような気がします。

しかしそんな中で、重馬場をものともせずに力強く伸びて快勝したのは、実力はもちろん、気力がなければなしえなかった快挙ではないかと思います。
名馬の条件の1つに、大敗しないことというのがあると思います。生涯連対を外さなかったダイワスカーレットは別格としても、それに少しでも近づけるよう、さらに強いレースを見せてくれることを期待したいと思います。

2013年10月27日

そんなに強かったっけ?ジャスタウェイ ~天皇賞(秋)

今日の天皇賞(秋)は、単勝5番人気のジャスタウェイが、2着の1番人気ジェンティルドンナに4馬身差をつける圧勝で終わりました。で、最初に出てきた感想が、タイトルの言葉・・・。
ジャスタウェイといえば、東京の芝1800mに強いんだけど勝ちきれないとか、勝たないのになぜか人気になるというイメージが強く、前走の毎日王冠の末脚はすばらしかったのですが、2勝馬だし2000m以上には実績がないということもあり、さすがに重い印は打てませんでした。
調教も、パドックの様子も、なかなかよかったので、連下としては押さえましたが。

そんなこともあり、レース中はおもにジェンティルドンナの動向を気にしていました。
スタートを決めたジェンティルドンナは、トウケイヘイローを行かせて2,3番手につけますが、休み明けもあってか、最初はかなり行きたがるそぶりを見せて、ちょっとひやっとさせられました。しかも1000mが58.4という速めの流れを、先団につけていきます。
そして4コーナーを回ると、早くも追い出したトウケイヘイローに離されまいと、ジェンティルドンナの岩田騎手も猛然と追い出しにかかり、逃げるトウケイヘイローに並びかけます。そこに1頭だけまったく違う脚で迫ってきたのがジャスタウェイでした。
残り200mでジェンティルドンナを交わして先頭に立つと、一気に引き離して、その時点で勝負ありという感じ。1頭だけ34秒台(34.6)の上がりで、4馬身差の完勝でした。

しかし、いつこんな強さを身につけたのでしょう。
昨年の天皇賞(秋)は6着に好走したものの、そのあと年内は休養し、復帰したのは今年の正月の中山金杯。そこで1番人気3着に破れると、京都記念1番人気5着、中日新聞杯2番人気8着と人気を裏切り続けます。
いったん3ヶ月休養して、復帰したのが得意の東京芝1800mで6月に行われるエプソムC。ここで後方から最速の32.7で追い込んで2着に入ると、8月の新潟芝1600mの関屋記念、10月の東京芝1800mの毎日王冠と、いずれも最速の上がりで2着。特に毎日王冠は上がりの早いレースに対応して、中団から差すという器用な面も見せます。

エプソムC、毎日王冠でともに見せた究極の上がり32.7が、今から思えば今日の天皇賞(秋)の圧勝を暗示していたのかもしれません。2000m以上に実績がないとはいえ、父は有馬記念や芝2400mのドバイシーマCを制したハーツクライですし、母父は2000mの第1回BCクラシックを勝ったワイルドアゲインと、血統的には何の問題もないのです。
知らないうちに成長していたのに、気づかなかったということなのでしょう。

兆候に気づくというのは、なかなか難しいのですが、大レースに勝つ馬は、どこかで必ずその片鱗を見せているはずです。それに気づける観察眼と洞察力を磨きたいものです。

2013年10月20日

やはり強い馬が勝った? ~菊花賞

今年の菊花賞は、単勝1.6倍と圧倒的な1番人気に支持されたエピファネイアが、その期待にそぐわぬ力を見せて圧勝しました。
エピファネイアは春の2冠はロゴタイプ、キズナのそれぞれ2着でしたが、今回その負けた2頭も、弥生賞で破れた上位3頭も出走せず、かつ2冠レースで上位に入った馬さえいない。また神戸新聞杯も圧勝と、力的には負けるはずがない状況だったといえるでしょう。
その数少ない不安要素は、春に見せた折り合いを欠くこと。特に3000mの長丁場では、掛かって体力を消耗することは致命的です。また降り続いた雨により不良にまで悪化した馬場も、未経験という意味では不安要素でした。

スタートして最初に押して飛び出たネコタイショウ、さらにそれを交わしてバンデが先頭に立つのは、大方の想定どおりでした。しかしそれに続く、やや折り合いを欠いたエピファネイアがターフビジョンに映ると、大きなどよめきが起こりました。1週目の3コーナーの坂の下りで、必死に抑える福永騎手の姿を見たとき、エピファネイアの馬券を買っている人は、かなりの不安を抱かされたでしょう。
しかし直線に入るとなんとか落ち着きを取り戻したようで、前の2頭とは少しはなれて、リズミカルな走りでリラックスしているように見えます。それは2週目の坂の下りでも変わらず、よい手ごたえのまま、直線を向きます。

直線に入ると、必死に追う先頭のバンデに馬なりで並びかけ、追い出されると一気に伸びて後続を引き離します。
不良馬場もものともせず、あっというまに差を広げると、2着のサトノノブレスに5馬身差をつける圧勝でゴール。見事に圧倒的な1番人気に応えました。

強い馬が勝つといわれる菊花賞ですが、意外にも過去10年で1番人気で勝ったのはわずかに4頭。しかし、そのうち単勝1倍台で勝った3頭は、その後古馬になってもG1を制しています。
それは2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴル、2012年のゴールドシップの3頭。いずれもその世代を代表する最強馬と言われ、G1に出れば必ず人気を集めました。

今年のエピファネイアも、ディープインパクトの100円や、オルフェーヴル、ゴールドシップの140円にはおよびませんが、単勝160円とかなりの支持を集めました。ただし、もしキズナが凱旋門賞ではなく菊花賞に出ていたら、あるいはロゴタイプが順調でかつ菊路線を選択していたら、ここまでの支持は集められなかったでしょう。
そういう意味では、今後の活躍はエピファネイアと関係者のがんばりにかかっているともいえます。

春の2冠がいずれも2着で、そのあと菊花賞を制したのは20年ぶりだそうです。20年前の菊花賞馬といえばビワハヤヒデ。個人的には、初めて菊花賞を生で見た、思い出のレースでもあります。
その後のビワハヤヒデは、怪物と言われるほどの活躍を見せました。エピファネイアにもぜひ活躍してもらって、キズナやゴールドシップ、ジェンティルドンナ、そしてオルフェーヴルなどとの手に汗握る対決を見せてもらいたいと思います。

2013年09月29日

負けられないレースをきっちり勝つすごさ ~スプリンターズS

今年のスプリンターズSは、ロードカナロアにとって、まさに負けられないレースでした。
前走で連勝は止まったものの、G1は香港スプリントや1600mの安田記念と、得意ではない舞台も含めて4連勝中。特に香港スプリントの2 1/2差での勝ちは、そのレベルの高さから驚異的とも言われます。

今回のメンバーを見ると、G1馬はマイルG1を2勝しているグランプリボスのみで、G1連対のあるサンカルロ、ドリームバレンチノ、パドトロワとは、すでに勝負付けが終わっている印象。
唯一の脅威は、前走のセントウルSでクビ差逃げ切りを許したハクサンムーンですが、そのときはロードカナロアが休み明けかつ斤量が2kg重いという状況で、すべての状況が好転する今回は、クビ差は逆転できて当たり前と思われて当然でしょう。

レースは、ダッシュを効かせて先頭に立ったハクサンムーンに、フォーエバーマーク、パドトロワ、サクラゴスペルがからんで4頭の先行争いとなり、600mが32.9のハイペースというハクサンムーンにとってはつらい展開。それをロードカナロアは中団外で悠々と追走し、直線に入ると外に出して前を追います。
坂ののぼりでハクサンムーンを射程圏にとらえると、一気に追い込んでゴール前で交わし、最後は離して1着でゴール。危なげない横綱相撲で、あっさりとスプリンターズSの連覇と、G1 5連勝を達成しました。
力差があるとはいえ、競馬は何があるかわかりません。勝って当然のレースを、あっさり勝つのは、すごいことだと思います。

しかしスプリンターズSの連覇といえば、G1昇格後はわずかにサクラバクシンオーが1993,1994年に成し遂げただけで、意外と壁が高いのは事実です。現にタイキシャトル、ビリーヴ、デュランダル、カレンチャンなどの名馬たちが、期待されて挑戦したものの、いずれも敗れ去っています。
またG1(G1級を含む)連勝は、シンザン、テイエムオペラオーの6連勝に続くものですが、海外を含んでいることを考えると、その価値の高さはこの2頭を上回るといっても過言ではないでしょう。

こう見てみると、さすが「世界のロードカナロア」と呼ばれるだけのことはありますが、今日のレースを見ていて、やや気になることがありました。それは最後の反応が少し鈍く感じられたことです。
ロードカナロアといえば、中団からすばらしい末脚で鮮やかに差しきるイメージですが、今日はややもたついた場面が見られました。上がりの33.8は、メンバー5位タイと、らしくないものですし、逆にハイペースを逃げて粘ったハクサンムーンの強さの方が、印象に残った人も多かったかもしれません。

ロードカナロアは年内での引退が決まっていて、あと走るとすれば、香港スプリントで連覇を狙うのが濃厚のようです。ぜひ香港でも連覇を達成して、強いロードカナロアのままで引退することを期待したいと思います。

2013年06月24日

いわゆる”3強”の序列は決まったのか ~宝塚記念

宝塚記念は、天皇賞(春)で圧倒的な1番人気を裏切って5着に破れたゴールドシップが、去年のオルフェーヴル同様に雪辱を果たして、見事に復活の優勝となりました。

そもそも今回の宝塚記念は、昨年G1を3勝して最優秀3歳牡馬となったゴールドシップと、昨年G1を4勝して3歳牝馬として初の年度代表馬に選ばれたジェンティルドンナ、現役最強馬の呼び声高いG1 5勝馬のオルフェーヴル、そして天皇賞(春)でG1初制覇ながらダービーや天皇賞(秋)では惜しい2着に入ったフェノーメノの、4強対決と言われていました。
1週前追い切りでオルフェーヴルが肺出血で出走を回避し、4歳馬3強対決となったものの、勝ち目がないと回避を決めた馬が多かったのか、わずか11頭立てというさみしいメンバーになってしまいました。
しかし逆に3頭のどの馬が勝つのかというのは、かなりの関心を呼んだと思います。

個人的には、時計のかかる馬場ということから、良馬場の切れで勝負するジェンティルドンナよりも、荒れ馬場に強いステイゴールド産駒の、ゴールドシップ、フェノーメノに注目していました。宝塚記念は過去4年でステイゴールド産駒が3勝していることからも、ここでの強みは明らかだと思います。
特に、ゴールドシップは天皇賞(春)で圧倒的な1番人気を裏切って5着に破れたこともあり、内田騎手が馬の気持ちを盛り上げるためにも、栗東に2週間も滞在して調教をつけていました。もちろんその効果は未知数ですが、最終追い切りでは、いつになくまじめに坂路を上がってきており、これなら力を出せるのではないかと思ったのです。

レースでは、好スタートを切って難なく3番手につけたジェンティルドンナに対して、いつものようにスタートから追いっぱなしのゴールドシップでしたが、今回は内田騎手もあきらめずに追って、ジェンティルドンナのすぐ外の4番手まで進出します。それを見た観衆からは、いつもの最後方とは違う位置のゴールドシップに、思わず驚きの声が上がりました。その直後につけたフェノーメノとともに、3強は好位でレースを進めます。

予想通り大逃げをうったシルポートには惑わされないものの、向こう正面ではやや力んで走るジェンティルドンナは岩田騎手の手綱が動かず、対するゴールドシップの内田騎手は追いっぱなしと対照的な姿。そして3頭は4コーナー手前から追い出されると、3番手で並んで直線へ。

しかし直線に入ると、フェノーメノがやや置かれる形になり、ジェンティルドンナもいつもの伸びが見られないなか、ゴールドシップが徐々に伸びて前のダノンバラードをかわし、坂上からはいつものように一気に後ろを突き放して、ふたたび強い勝ち方で復活のゴールとなりました。

では、これで3強対決に決着がついたと言えるのでしょうか。
残念ながら、それは言えないと思います。まず今回の舞台である6月の阪神芝2200mは、開催終わりで雨もあってかなり荒れており、上がりは34秒台がせいぜいと時計の掛かる馬場。これは雨の皐月賞を内をついて勝ったゴールドシップに、もっともあっている馬場といえます。
逆にJCで上がり32.8でオルフェーヴルに競り勝ったジェンティルドンナにとっては、高速馬場があっているのでしょう。また、強い勝ち方をしたオークスもJCも東京芝2400mであり、阪神はチューリップ賞4着、桜花賞1/2馬身差1着など、東京ほどの強さは見せていない感じです。
それは、高速馬場だったダービー、天皇賞(春)でいずれもゴールドシップに先着しているフェノーメノにも、言えることだと思います。

この3頭にオルフェーヴルを加えた4頭は、順調ならまた秋に対戦する機会もあるでしょう。それが天皇賞(秋)やJCであれば、重にならない限りジェンティルドンナやフェノーメノ有利だと思いますし、有馬記念であればゴールドシップやオルフェーヴルが有利のような気がします。

いずれにしても、馬場や距離、ローテーションで簡単に着順が変わってしまうぐらい、力は接近しているのではないかと感じました。
今回負けてしまった馬たちも、夏の間に英気を養って、また元気にターフに戻ってきて、今回のような好勝負を見せてもらいたいと思います。

2013年06月02日

距離適性を越えた2頭の「異能」の戦い ~安田記念

今年の安田記念は、例年以上にさまざまな路線から有力馬が参戦したイメージがあり、かなりの混戦模様になりました。特に高松宮記念を圧勝したロードカナロアの取捨は、迷った人も多かったのではないでしょうか。

実際に高松宮記念が芝1200mのG1に昇格(当初は高松宮杯)してから、その勝ち馬が安田記念を制したことはありません。この10年を見ても、5頭が高松宮記念を勝って参戦し、そのうち2頭は1番人気に支持されたものの、最高着順は2007年スズカフェニックスの7着と、すべて着外に沈んでいます。
しかもロードカナロアは、1600mへの出走は3歳1月の1戦のみで、その後はほとんど1200m戦を使われています。
東京のマイルは1800m以上に実績がある馬が有利といわれるように、中距離戦でも戦えるスタミナが必要とされており、スプリンターにはつらい舞台と言えるのです。

しかし、ロードカナロアは追い切り後の岩田騎手の強気の発言や、2走前に1400mの阪急杯を58kgで圧勝した実績などから、単勝4.0倍という微妙な評価ながら、1番人気に支持されました。
レースはシルポートが早めのペースで逃げ、ヴィルシーナやカレンブラックヒルというG1馬が先行する厳しい流れを、ロードカナロアは中団外で追走。直線は外に出すと、じりじりと伸びて、残り100mで先頭に立つと、追い込んできたショウナンマイティをクビ差抑えて、4つ目でかつ初のマイルでのG1勝利をつかみました。

勝因はいろいろあげられるとは思いますが、高松宮記念の時にも書いたようにロードカナロアは世界トップクラスのスプリンターであるということが、やはり一番大きいのではないでしょうか。
日本馬が一度も勝ったことがない香港スプリントを2 1/2馬身という決定的な着差で制し、さらに58kgで帰国初戦の阪急杯を勝つと、高松宮記念もコースレコードで圧勝。過去のスプリントG1の覇者たちとは、ちょっとレベルが違う実力の持ち主だといえます。
それが2ハロン(400m)の距離延長を、難なくこなせた要因ではないでしょうか。

そして異なる路線といえば、2着のショウナンマイティも2000m前後を主戦場として戦ってきた馬で、こちらは2ハロンの距離短縮がどうかというのがテーマでした。
しかも追い込み脚質ということで、前半はスピードについていけず、最後は脚を余すのではないかという不安があったと思います。

しかし個人的には、実はあまり心配していませんでした。それは、ショウナンマイティの栗東坂路における調教時計を見たからです。1週前に一杯に追って出したのが、4ハロン50.0。最終追いきりも51.8という優秀なものでした。
中長距離に出走する馬は、G1を勝つ馬でも栗東坂路では53~54秒台が一般的です。それに対してスプリントG1に出走する馬は、速いと50秒を切ってくる馬もいます。
それを考えると、ショウナンマイティのスピードは十分にマイル戦に対応できるものだと思われたのです。

レースではショウナンマイティは出遅れ気味に出ると後方を追走。直線は外に出されると究極の上がり32.8で追い込んできて、あわや差しきるかというクビ差2着に入りました。
産経大阪杯でオルフェーヴルの1/2差まで追い込んだ脚も見事でしたが、それ以上のすばらしい追い込みをマイル戦で見せた、その柔軟性には、やはり驚かされました。

こうして本職のマイラーを抑えて、2頭の異能によるワンツーとなったわけですが、実はこれこそマイル戦の醍醐味といえるのかもしれません。短距離馬も中距離馬も参戦できるという意味では、出走馬のバリエーションが豊富になるわけで、予想は大変ですが、その分楽しみでもあります。
今後も、こんなおもしろさを味わわせてくれるような、高いレベルのマイル戦を期待したいものです。

2013年05月26日

勝ち方を知っていることの差か ~日本ダービー

今年のダービーは4強の争いと言われてきました。

まず2歳で大きく注目を集めたのがコディーノでした。札幌2歳Sに続いて東スポ杯を持ったままで抜け出して圧勝。その時点で、クラシックは決まったかとまで思わせるほどの勝ち方でした。
しかしそのコディーノに、朝日杯で待ったをかけたのがロゴタイプ。直線で先に抜け出したロゴタイプにコディーノが迫ってきたときは、あっさり交わすかと思われたものの、結局抜かせずにゴール。ロゴタイプのM.デムーロ騎手の差しだした手を、首を振って断ったコディーノの横山典騎手の姿が、そのショックの大きさを表していました。
片やラジオNIKKEI杯では評判の良血エピファネイアがあっさりと抜け出して3連勝。このときキズナは先行しながらエピファネイアに交わされ3着。やや差がある印象を残してしまいます。

年が明けて、ロゴタイプ以外の3頭は弥生賞で顔を合わせます。エピファネイア、コディーノ、キズナの順に1~3番人気に支持されますが、コディーノの3着が最高で3頭とも連対できず。ロゴタイプはスプリングSを勝ったものの、にわかにクラシック戦線は混戦模様のイメージとなりました。
そして弥生賞で5着にやぶれたキズナは皐月賞をあきらめ、毎日杯、京都新聞杯からダービーを目指す路線を選択します。
皐月賞はロゴタイプ、エピファネイア、コディーノの3頭が人気どおりに1~3着を占め、毎日杯、京都新聞杯を後方一気で連勝して、ようやく脚質が定まったキズナと、4強という体勢が整ったわけです。

この4頭は実力的には甲乙つけがたいと思いますが、鞍上の選択は大きく分かれました。
主戦の佐藤騎手が負傷して乗り変わってからは4戦連続武豊騎手が手綱をとるキズナと、デビュー以来弥生賞以外の4戦で福永騎手が手綱を取るエピファネイア。対してロゴタイプは皐月賞を勝ったM.デムーロ騎手が帰国してかわりに弟のC.デムーロ騎手に乗り代わりになり、コディーノは横山典騎手からウィリアムズ騎手に代わりました。

ダービーでは過去10年を振り返っても、騎手が乗り代わって勝った馬は1頭もいません。これは、レースで乗った経験がなければ、どれぐらいの脚を使うのかわからないということもあるでしょうが、やはり思い入れや信頼関係という面での違いが大きいのではないでしょうか。
もちろんC.デムーロ騎手もウィリアムズ騎手も、技術的にはすばらしいものを持っていますが、勝ちたいという気持ちで、どうしても数多く一緒に戦ってきた騎手には、少しだけ及ばない部分が出るのではないかと思います。

そして武豊騎手と福永騎手は、勝ちたいという気持ちの強さは、おそらく遜色ないと思いますが、違いはやはりダービーを勝った経験の有無ではないでしょうか。

武豊騎手も96年のダービーでは、ダンスインザダークでやっと勝ったと思った瞬間、フサイチコンコルドに差しきられて2着に破れて悔しい思いをしました。それが、98年のスペシャルウィークで、大きく抜け出しても最後まで追うことをやめなかった騎乗に現れていると思います。
さらに99年は、早めに抜け出した若手騎手2人の乗る人気のナリタトップロード、テイエムオペラオーを、後方からワンテンポ遅く追い出したアドマイヤベガで差しきるという、見事な騎乗で連覇を飾っています。

今年も、福永騎手は掛かり気味のエピファネイアをうまくなだめて中団を追走し、追い出すタイミングもすばらしかったと思いますが、最後にキズナが使う脚を熟知している武豊騎手に、ゴール寸前で鮮やかに差し切られてしまいました。

武豊騎手も全盛期に比べればかなり勝ち鞍も減っており、2年前はG1を勝てなかったり、衰えたかのような声も聞きますが、やはり勝ち方を知っており、落ち着いて対処できるのは、長年の経験の賜物だと思います。
ダービー5勝というのは、おそらく空前絶後の記録だと思いますが、まだまだ伸ばしていって欲しいと思うと同時に、やはりそれを上回るような騎手も、ぜひ現れて欲しいものだと思います。

キズナ
【キズナ】武豊騎手、5度目のダービー勝利でも、とてもうれしそうでした。
キズナ
【キズナ】先週の武幸騎手に続くクラシック兄弟制覇。今年の春のクラシックはデムーロ兄弟と武兄弟の手に。

2013年05月19日

まさに人気の落ちた実力馬でした ~オークス

オークスは9番人気のメイショウマンボが、見事な末脚を見せて1冠を奪取しました。
個人的には、桜花賞ではかなり中心視をして、メイショウマンボから少し流したりしたのですが、今回は完全な抜けとなってしまいました。

桜花賞では4番人気に支持されていたのですが、それもそのはず、OP紅梅Sではレッドオーヴァルの2着に入り、マイルの500万特別を勝って、フィリーズRでは後方一気で見事に優勝。フィリーズR勝ちでありながら、マイルにも実績があるということで、人気になっていたのです。
ところが桜花賞では中団から伸びずに、5 3/4馬身差の10着大敗。これで一気に人気を落としてしまいました。

個人的にも、これは距離適性がないのかと決め付けてしまったのですが、桜花賞後にスクミ(筋肉痛)が出たということで、何かそのあたりが影響して、走らなかったのかもしれません。しっかり調教をして、かつ輸送があっても+10kgと、充実していたにもかかわらず、それを見落としたのは痛恨でもありました。

今年は桜花賞もフローラSも勝ちタイムが遅く、その上位馬を信じられるのか気になっていたのですが、桜花賞を人気で大敗した馬+フローラS1,2着で決まるという、微妙な結果となりました。ただし桜花賞馬も4着には入っており、大きな傾向としては、今までの流れを外していないと思います。
しかし、毎年思うのですが距離適性みたいなものには、悩まされます。気にしすぎてもいけないし、逆に気にしなさ過ぎても、当たりません。アユサンは明らかに距離が長すぎたようですし、逆にメイショウマンボは1400mで実績があっても、長い距離にもちゃんと対応できました。

3歳牝馬G1では、今年の桜花賞まで4戦連続ディープインパクト産駒が優勝しており、今回のオークスもディープ産駒の優勝が有力視されて、連勝記録が続くかと思われていたのですが、それを破ったのがスズカマンボ産駒でした。これも距離適性の差なのかもしれませんが、ディープ産駒はしっかり2~4着を独占しています。
これからも3歳クラシックは、ディープ産駒が中心に展開されていくのでしょうけれども、意外な種牡馬の産駒の活躍と、個人的にはそれを見抜くことを、ぜひ期待したいと思います。

メイショウマンボ
【メイショウマンボ】勝って戻ってきたところ。武幸騎手は7年ぶりのG1制覇でした

2013年05月12日

牝馬は格より調子・・・ではなかった ~ヴィクトリアM

ヴィクトリアマイルは、G1で4度の2着と悔しい思いをしてきたヴィルシーナが、ついにG1 5戦目にして念願のG1ホースとなりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。

メンバーを見れば、ヴィルシーナのG1で連対4回という実績は、G1連対3回のホエールキャプチャを除けばかなりのものであり、しかもそのホエールキャプチャが絶不調であるので、圧倒的な1番人気となってもおかしくない状況でした。しかし、休み明けの産経大阪杯で、牡馬相手ではあるものの6着という微妙な着順に破れたこともあり、1番人気とはいえ3.1倍という、信頼感今ひとつという評価になってしまいました。
たしかに昨年のクイーンC以来、1年3ヶ月も勝ち星から見放されているので、不安に思うのも仕方ないでしょう。

片や昨年の覇者のホエールキャプチャは、昨年勝ってから5戦連続2桁着順と沈んだままで、大方の見方としては、もう終わったのではないかという評価が定着していたと思います。
実績を見れば圧倒的な2頭であるにもかかわらず、その組み合わせで馬連8,030円もついたのは、それだけ2頭の調子に疑問を持った人が多かった証拠でしょう。

競馬の格言のひとつに、「牝馬は格より調子」というのがあります。これは、牝馬戦の場合は、しばしば格上の馬が上り調子の格下馬にあっさり負けることが多いことから言われるのですが、このヴィクトリアMに限っては、どうもこの格言があてはまらないようです。
過去の成績を見ると、3歳クラシックで上位に入った馬が圧倒的に強いことがわかりますし、またウオッカ、アパパネ、昨年のホエールキャプチャは、前走で連対を外しながら、ヴィクトリアMでは優勝しています。
今年のヴィルシーナ、ホエールキャプチャも、ともに前走で掲示板を外しながらも、きっちりと巻き返しました。
特にホエールキャプチャは、まったく復活の兆しも見えないようなレースぶりを続けていたので、今回の復活は本当に驚きました。

レースは、当然毎年出るメンバーも、またそれぞれの状況も違うのですが、毎年見続けていくと特有の傾向が出てくるのが興味深いところです。来年もこういう傾向が引き継がれていくのか、忘れないように注意して見続けていきたいと思います。

2013年05月06日

久々の大荒れも実は必然? ~NHKマイルC

ここ3年は1番人気が買って、比較的順当な結果に終わっていたNHKマイルCですが、4年ぶりに馬連万馬券および3連単100万超えの大波乱で終わりました。
勝ったマイネルホウオウは、4年前のジョーカプチーノと同じく10番人気で、2着のインパルスヒーローは6番人気(4年前は5番人気のレッドスパーダ)。3着は8番人気のフラムドグロワール(4年前は13番人気のグランプリエンゼル)で、3連単は123万円超えと、NHKマイルC史上では4年前の238万円超に続く記録となりました。

そもそも人気どころ(1~4番人気)が、みな先行脚質というのは気になっていたのですが、昨年のカレンブラックヒルが逃げ切ったのが記憶に鮮やかで、それまで逃げ馬がまったく連対していないという事実を忘れさせてしまった面もあると思います。
安田記念でさえ、逃げ馬はニッポーテイオーのような抜けた存在でなければ、まず歯がたたないわけで、そういう東京競馬場のマイルの特徴をよく理解していれば、先行馬は危ないということは、大きな前提として考えられたと、終わってみて改めて思います。

また、前走は1600mよりも長い距離のレースを使って上位に来て、そこから距離短縮で臨んでくる馬の成績がよいことも、よく知られています。特に前走あるいは前々走に毎日杯やスプリングSで好走した馬が上位に来ることも、過去の成績から明らかです。

こう考えると、マイネルホウオウは決して買えない馬ではありません。また調教もとてもよく、前走のニュージーランドT7着に目をつぶれば、ここまで人気が落ちる必然性はないと思います。
インパルスヒーローも、マイル実績がないのは不安でしたが、3連勝で重賞を制するという、昨年のカレンブラックヒルと似たような(カレンブラックヒルはマイル実績がありましたが)戦績は、考慮する必要があったといえるでしょう。

レースは有力な先行馬が淀みのない流れを作ったこともあり、ゴール前で一気に後続が押し寄せて、結果として後方にいて早い上がりの脚を使った2頭が、上位に来ることになりました。
ただし、今年はオッズが割れたことからもわかるように、力は拮抗しており、流れ次第ではガラッと結果が変わってもおかしくないと思います。そういう意味では、上位馬にとってはうまくはまったとも言えるでしょう。

上位3頭はいずれも関東馬で、これで桜花賞からG1では関東馬の4連勝となりました。しかも3歳戦はすべて関東馬が勝つという、近年には珍しい結果となっています。
来週のヴィクトリアMも、有力馬には関東馬が多く、この傾向は継続するかもしれません。これがいつまで続くのか、また関西馬の逆襲はいつあるのか、なかなか興味深い戦いが、これからも続きます。

2013年04月28日

またもやジンクスを破れませんでした ~天皇賞(春)

今年の天皇賞(春)は、単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に支持されたゴールドシップが5着に敗れました。
これで、天皇賞(春)では、2006年のディープインパクトを最後に、1番人気が7連敗ということになります。これもジンクスといえば言えるのでしょうが、Wikipediaによると、もっと長く続くジンクスがありました。

それは、フルゲートが18頭になった(つまり馬連が導入された)1992年以降、18頭立ての天皇賞(春)では、1番人気が連対できないというもの。1995年のエアダブリン以降のべ9頭の馬がこのジンクスに挑んだのですが、すべて3着以下に敗れています。
実はこのうち、のべ7頭はG1を1勝、あるいは勝っていない馬なのですが、昨年のオルフェーヴル、今年のゴールドシップと、G1を複数勝っている馬の大敗は、ある意味衝撃的でもありました。

天皇賞(春)というと、90年代から2000年代初頭は比較的固いイメージがあり、実際にビワハヤヒデ、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーが、1番人気に応えて勝っています。しかもいずれも2着は2,3番人気と固い決着。しかし、これらのレースはフルゲートにはならなかったのです。

18頭以上が出走して1番人気が最後に勝ったのは、馬連導入前年の1991年。メジロマックイーンが好位から差しきって1着になりました。ちなみにこのレースは、私が初めて馬券を買った思い出のレースでもあります。
それ以来22年。メジロマックイーンの孫であるゴールドシップが、またもやジンクスの前に涙をのみました。

しかし昨年大敗したオルフェーヴルも、続く宝塚記念では復活して優勝しています。宝塚記念では、そのオルフェーヴルやジェンティルドンナも出走を予定しているそうなので、強いゴールドシップとの頂上決戦を、ぜひ見せてもらいたいと思います。

2013年04月14日

1~4番人気どおりの決着も実は1強? ~皐月賞

今年の牡馬クラシック戦線は、2歳戦の終了時点では、デビュー3連勝でラジオNIKKEI杯を制したエピファネイアと、東スポ杯を完勝し朝日杯はクビ差2着のコディーノの2強という構図でした。
しかしこの2頭が、当然1,2着を占めるかと思われた弥生賞で掛かってしまい、僅差とはいえ3,4着に破れて、にわかに混戦模様となりました。
スプリングSを完勝したロゴタイプも、19年間クラシック勝ち馬を出していない朝日杯の優勝馬で、かつ1800mが得意だったローエングリン産駒ということで、今ひとつ信頼できない感じもあったと思います。

結局ロゴタイプが3.7倍の1番人気に支持され、エピファネイア、コディーノ、そして弥生賞を勝ったカミノタサハラまでの4頭が、単勝1桁の人気で、4強ということになりました。

レースは、アーリントンCを勝ったコパノリチャードが1000mを58.0というハイペースで飛ばします。しかしコディーノは好位の内に入れるも掛かり気味で、前に壁が作れなかったエピファネイアもやや行きたがって、向こう正面ではコディーノをかわす勢い。
それに対してロゴタイプはこの2頭をマークするような位置で、ぴったり折り合って進みます。
直線に入ると、早めに追い出したエピファネイアが先頭に立つも、すぐに外からロゴタイプがかわし、あとは後ろから3頭が懸命に追いますが差はつまらず、結局1~4番人気どおりの順位で、しかもレコードで決着しました。

1着のロゴタイプと2着のエピファネイアの差は1/2馬身で、さらにコディーノ、カミノタサハラは1馬身1/4ずつの差となりました。しかし、2,3着馬と違ってロゴタイプは道中はしっかりと折り合い、しかも上がりは4頭の中では最速の35.3で、着差以上の強さを感じさせました。これは、まさに1強と言ってもよい結果ではないでしょうか。

次の舞台は東京の芝2400mに移ります。ロゴタイプは、さらに距離不安がささやかれるでしょう。しかし、今日の2,3着馬は折り合いに難があるのも確かです。また4着のカミノタサハラは、距離伸びて良さそうでありますが、瞬発力はやや疑問でもあります。

過去に距離不安と言われながら、ダービーを勝った馬も多く、3歳のこの時点では距離適性云々よりも、調子や勢いの方が大事ともいわれます。
ロゴタイプが、そして今日は負けた3頭を含む各馬が、はたしてどんなレースを見せてくれるか、今から楽しみです。

2013年04月07日

兄弟対決はデムーロでした ~桜花賞

今年の桜花賞は、戦前からいろいろな話題がありましたが、やはり武兄弟対決が多くの注目を集めていました。
トライアルのチューリップ賞を兄の武豊騎手が乗るクロフネサプライズが勝ち、もうひとつのトライアルであるフィリーズレビューを弟の武幸四郎騎手が乗るメイショウマンボ(フィリーズレビューでは武幸騎手が騎乗停止中のため川田騎手が代打騎乗)が勝ったためです。
これまでもG1で兄弟揃って乗ることはありましたが、ここまでの有力馬にお互いが乗ることはなく、兄弟ワンツーもあるのではと、盛り上がっていました。

これに対して、デムーロ兄弟は揃って短期免許を取得したものの、兄のミルコ・デムーロ騎手はレッドオーヴァル(チューリップ賞では弟が騎乗)に乗ることが決まっていましたが、弟のクリスチャン・デムーロ騎手は騎乗馬がいませんでした。
しかし4/6の福島競馬でアユサンに騎乗予定だった丸山騎手が落馬負傷したため、C・デムーロ騎手に急遽騎乗のチャンスが回ってきたのです。

これでダブル兄弟対決となったわけですが、人気は武豊騎手のクロフネサプライズが1番人気、武幸騎手のメイショウマンボが4番人気なのに対して、M・デムーロ騎手のレッドオーヴァルが2番人気、C・デムーロ騎手のアユサンはやや離れた7番人気と、若干とはいえ武兄弟に分がある状況でした。

レースは逃げるかとも思われたクロフネサプライズが、好位から徐々にポジションをあげて、4コーナー手前で先頭に立ちます。メイショウマンボは中団につけて、同じような位置にアユサン、そしてレッドオーヴァルはやや離れた後方から追い込みにかけます。
直線で逃げ込みを図る武豊騎手のクロフネサプライズに猛然と並びかけたのが、外を差してきたC・デムーロ騎手のアユサンでした。さらに外から追い込んできたM・デムーロ騎手のレッドオーヴァルが一気にかわしたかと思うと、内のアユサンが差し返し、ゴール前はデムーロ兄弟の激しいたたきあいに。
最後はクビ差出たC・デムーロ騎手のアユサンに凱歌が上がりました。

C・デムーロ騎手はまだ20歳の若さですが、これで日本のG1、しかもクラシックを初制覇。それが代打騎乗というのですから、恐れ入ります。すでに兄はいくつも日本のG1を勝っていて、すっかりおなじみですが、これで弟も広く名前を知らしめたでしょう。

他にも、ディープインパクト産駒の3連覇(同一種牡馬の産駒の桜花賞3連覇は初)とか、過去10年で4頭目の関東馬の制覇で意外と勝っているとか、話題には事欠かない桜花賞でした。
しかも2頭しか出ていないディープインパクト産駒のワンツーということで、来年の桜花賞も、まずはディープインパクト産駒に注目する必要がありそうです。

2013年03月24日

世界トップのスプリンターになったか ~高松宮記念

高松宮記念は、単勝1.3倍と圧倒的な人気に支持されたロードカナロアが、すばらしい末脚を見せてコースレコードで優勝しました。

ロードカナロアは、昨年のスプリンターズSでカレンチャンに競り勝って初G1制覇を達成すると、12月には香港に遠征して、層の厚い香港勢を2 1/2馬身という決定的な差で下して、日本馬として初めて、念願のG1香港スプリントを快勝。
さらに帰国初戦の阪急杯では、実績のない1400mでかつ58kgを背負いながら3/4差で1着。一時はドバイ遠征の噂もありましたが、結局高松宮記念に参戦してきました。

戦前は、これだけの実績があるのだから負けるわけはないと思いながらも、いざ予想をする段になると、昨年3着に敗れた事実や、万一の出遅れなど、いろいろ考えて一抹の不安を覚えたりもしました。
しかし力を出し切れば、国内では敵はいないということを、今日のレースでは鮮やかに証明してくれたと思います。

世界最強のスプリンターはどの馬か。もちろん馬場などの条件が異なるので、一概に言うことはできません。しかし話題性という意味では、先日なんとデビュー以来の連勝記録を24に伸ばした、オーストラリアのブラックキャビアでしょう。
報道によると、ブラックキャビアはオーストラリア国内であと3戦して引退の予定だそうです。ロードカナロアが遠征して対戦すれば、かなり盛り上がると思うのですが・・・。しかも相手のホームでもし勝てれば、かなり株もあがるでしょう。
そんな夢のような世界一決定戦を、見てみたいと思わせる、今日の勝ちっぷりでした。

2013年02月18日

初ダートの馬が話題の中心になるとは。 ~ファブラリーS

フェブラリーSは、毎年のように芝で活躍している(た)馬の参戦が話題になりますが、今年ほどそれがメインになった年は、なかったのではないでしょうか。

最近でも、2012年のグランプリボス、2010年のリーチザクラウン、ローレルゲレイロ、2008年のヴィクトリー、2007年のオレハマッテルゼなどの参戦がありましたが、どちらかというと芝では不振だったり、すでにピークを過ぎている馬が、もしやダートならという感じで出てきた印象が強いのが実感でした。
しかし今年のカレンブラックヒルは、芝で6戦5勝。しかもNHKマイルCから毎日王冠と無敗で制し、天皇賞(秋)で初めて惜敗しただけと、バリバリの芝のG1ホースです。
しかも先行脚質で1600mはもっとも得意な距離。ダイワメジャー産駒にはダートの大物はいませんが、ダイワメジャー自身はダート1800mの未勝利戦を2着に1.5秒差で圧勝するなど、適性は十分あったと思われます。
そのためか、なんと初ダートにもかかわらず単勝3.3倍の1番人気に支持されました。

しかし初ダートがG1だった馬の最高成績は、トゥザヴィクトリーの3着で、他には掲示板にのった馬さえ1頭もいないという惨敗続き。常識的に考えれば即消しなのですが、なぜか今回は人気の中心になったのです。
その要因としては、トランセンドやスマートファルコンが引退し、かつローマンレジェンドもニホンピロアワーズも回避するという、今回のメンバーの薄さが大きかったでしょう。

注目のレースでは、カレンブラックヒルはスタートでやや後手をふんで、それでも3コーナーまでには先行する体制になったものの、ハナに立つシーンは1度もなし。4コーナー手前では鞍上の手が動き始めて、直線に入るとずるずると後退。勝ったグレープブランデーからは2.8秒も離された、ブービーの15着に大敗しました。

結局いままでの初ダートの馬たちと同様の結果になってしまったのですが、いくら調教でダートコースを走っていても、やはりレースでダートを走るのは、今まで芝を走ってきた馬たちにとって、かなりの違和感を感じさせられることなのではないでしょうか。
よく砂をかぶるとやる気をなくすという話を聞きますが、懸命に脚を動かしても、なかなか前に進んでいかないような感触は、単純にやる気をそいでいるのではと、素人目線で考えてしまいます。
実際にカレンブラックヒルはパドックではそんなに悪く見えませんでしたが、レースでの走りはいつもとは違う感じでした。

やはり繊細な馬にとって、真剣勝負の場がいつもと違うというのは、かなり精神的なダメージもあるのではと、考えてしまいました。もちろん、真相は馬に聞いてみないとわかりませんが。
ただ、今後も初ダートの芝の実績馬は、かなり割り引かないといけないというのは、大きな教訓として残ったと思います。

2012年12月16日

マイル経験の差が明暗を分けたか ~朝日杯FS

今年の朝日杯FSは、札幌2歳S、東スポ杯と早いタイムで完勝してきたコディーノが、1.3倍の圧倒的な1番人気に支持されました。横山典騎手が瞬間移動と称するように、スピードと器用さを兼ね備えているイメージから、小回りの中山のマイルでも問題ないと判断されたのでしょう。

レースは、予想通り多くの先行馬がひしめいて各馬掛かり気味になり、600mは33.9とハイペースで進みます。ロゴタイプも最初こそ掛かったものの、向こう正面では落ち着いて少し下げます。
対するコディーノは、最初こそ馬込みの中で落ち着いていたものの、3コーナー手前で外に出すと掛かって一気に先団へ。あわてて横山典騎手が抑えて、4コーナーでは5,6番手の外からいつでも抜け出せるような手ごたえで直線に向きます。

直線に入ると、一歩先にロゴタイプが抜け出すものの、コディーノも手ごたえよくロゴタイプに並びかけ、あとは交わすだけかと思われました。
しかし、坂に入ってもロゴタイプの脚色は衰えず、逆にコディーノはじりじりとしか伸びません。少しずつ差は詰まるものの、最後まで順位は変わらずにゴール。コディーノは圧倒的な単勝支持に、応えることができませんでした。

コディーノはここまで3戦がすべて芝1800m。札幌の小回りコースで2勝しているものの、いずれもスローを好位から差したもので、東スポ杯を含めて小回りのハイペースは未経験。そのあたりの器用さが、唯一の懸念とされていました。
対するロゴタイプは、函館の芝1200mの新馬を勝ち、ハイペースの函館2歳Sも経験(4着)。前走の東京芝1600mベゴニア賞はレコードで制するなど、速い流れもマイルも経験していました。

他にもいろいろ勝因、敗因はあるかもしれませんが、コディーノは未経験の流れにとまどったということは、途中で掛かったことも含めて十分考えられますし、キャリアの浅い2歳戦では、より影響が大きかったのかもしれません。

ただし距離が伸びるクラシック戦線を考えると、逆に長い距離に実績のあるコディーノのほうが優位とも考えられますし、今日のクビ差が決定的とも思えません。
最近は朝日杯FSの上位馬からクラシックの活躍馬が出ていませんが、来年はどうなるのか、今から楽しみです。

2012年12月09日

2歳牝馬の戦いは難しい ~阪神JF

阪神の馬場改修以降の6年間は、馬連万馬券も出ず、比較的堅めに終わっていた阪神JFですが、久々にどかんと荒れました。勝った5番人気のローブディサージュはともかく、2着は15番人気のクロフネサプライズで、3着は10番人気のレッドセシリア。馬連は35,990円で3連単は3,047,070円の大波乱でした。
昔は、スエヒロジョウオーとマイネピクシーで馬連12万超えなんていうこともありましたが、さすがに最近はおとなしかったので、ちょっと驚きました。

個人的には、当初の予想ではコレクターアイテムを本命でローブディサージュは対抗にしていたのですが、強めに追うコレクターアイテムに馬なりで抜かせなかった調教や、1800mの新馬を圧勝し、休み明けで距離が短すぎるファンタジーSで2着に好走したローテーションから、直前で本命と対抗を逆転させたのです。
そこまではよかったのですが、さすがにクロフネサプライズとレッドセシリアは買えませんでした。
ただ、この2頭がちょっと気にはなっていました。

まずクロフネサプライズは、調教の動きが目立ってよかったのです。また、クロフネ×トニービンという血統はスプリンターとは思えません。
しかし、4戦中3戦で1200mを使っており、しかも前走は1400m戦でしたがスローで逃げ切りと、展開的にも手が出ませんでした。

またレッドセシリアは、芝1600mの新馬を1番人気で圧勝し、そこから中6週と条件的にはOKでした。また鹿戸雄厩舎の牝馬というと、2桁人気で桜花賞とオークスで2着に入ったエフティマイアがいて、穴をあけるイメージがあるのも気になった1つの理由でした。
しかしその勝ちタイムがあまりに遅く、やはり買えませんでした。

上位3頭はほとんど差がなく、負けた2頭も最後に差し返そうとしていたように、力的には甲乙つけがたいと思います。また4,5着のコレクターアイテム、カラフルブラッサムも位置取りしだいでは、もっときわどかったでしょう。
そういう意味では、来年の牝馬クラシック戦線は、かなりの混戦だと思います。まだ出てきていない馬も含めて、今後ガラっと力関係が変わる可能性もありますので、注意して見ていく必要があるでしょう。

2012年11月25日

3歳牝馬とは思えない勝負根性でした ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、ジェンティルドンナが史上初めて3歳牝馬で制しました。これまでは、1996年のファビラスラフインの2着が最高で、ウオッカでさえ4着に敗れていたので、いかにすばらしい偉業であるかがわかります。

発表された馬体重は前走に比べて-14kgと大幅減。パドックでは落ち着いていた秋華賞とは違って、かなりうるさく小脚を使ってちゃかついていました。3歳でキャリア8戦ということを考えると、かなり不安な状況でもあったのです。

ジェンティルドンナの岩田騎手は、馬場の内がよいので初めから狙っていたということで、意表をついて先行策に出ます。3番手で向こう正面に入ると、3コーナーからはやや抑えて、内で我慢します。
対するオルフェーヴルの池添騎手は向こう正面までは後方につけて、3コーナーすぎから外を通って上がっていき、4コーナーでは3番手の外。直線を向いたときは、オルフェーヴルの方がいつのまにか前に出ていました。

直線に入ると内のジェンティルドンナも猛然と追い出し、途中からは馬体をあわせてマッチレースの様相です。
そして逃げたビートブラックの後ろにジェンティルドンナを閉じ込めようと、オルフェーヴルが馬体をあわせに行ったとき、ジェンティルドンナの岩田騎手はオルフェーヴルをはじきとばして、進路を確保。3歳牝馬としてはひるんでしまうような場面ですが、躊躇することなく外に出ます。
そしてそこからは馬体をぶつけながらの壮絶な追い比べが100mぐらい続き、最後はジェンティルドンナがハナ差で制しました。
牡馬相手にたたきあいを制する精神力もすごいですが、相手をはじき飛ばす勝負根性にも驚かされました。
ただし、この進路のとり方が強引だということで、岩田騎手は2日間の騎乗停止となりましたが。

この勝利で、スティルインラブやアパパネといった3冠牝馬はもちろん、エアグルーヴ、ウオッカ、ダイワスカーレット、ブエナビスタといった、近年を代表する牝馬たちを、3歳秋の時点では越えたといえます。
そして有馬記念しだいですが、史上初の3歳牝馬の年度代表馬も見えてきたのではないでしょうか。現時点で有力なのは、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ゴールドシップの3頭ですが、オルフェーヴル、ゴールドシップが有馬記念で圧勝しないと、ジェンティルドンナが受賞する可能性はかなり高いと思います。

ジェンティルドンナは今年はこれで休養に入り、来年は海外も視野に入れるとのことですが、ぜひ海外のビッグレースでも、今日のような勝負根性を見せて、好成績をおさめることを期待しています。

2012年11月18日

武豊騎手、ようやく勝てました ~マイルCS

武豊騎手といえば、数々の記録を塗り替えてきたJRAを代表する騎手ですし、しかも関西所属なので京都競馬場はまさにホームグラウンドでもあります。そのため、そこで行われるG1 マイルチャンピオンシップ(マイルCS)を勝てないのは、本人でさえも不思議だと言っていたほど、まさに信じられない事実でした。

そしてついに、その不思議な現実に終止符が打たれる日が来ました。今日の29回目を数えるマイルCSで、4番人気のサダムパテックに騎乗し、好位から抜け出して、クビ差で勝利を飾ったのです。
実に21回目の騎乗での制覇だったとか。この間には、1989年のバンブーメモリーに乗って、いったん抜け出したものの、内からオグリキャップに差された2着をはじめ、4回の2着がありました。この10年でも、2003年のファインモーション、2006年のダンスインザムードと2回もあり、半ばジンクスのようにもなっていたように思います。

また、武豊騎手自身、2010年のジャパンカップでローズキングダムに乗って繰り上がり1着になって以来、約2年間もJRAのG1勝ちがないという事態に。つい4年前までは、当たり前のように毎年リーディングをとっていたのに、昨年はついに年間100勝に届かず、今年も関西リーディングで10位前後と、低迷しています。
G1でも気づけば人気馬に乗る機会も少なくなり、このまま終わってしまうのかと、個人的には危惧していました。

そんな中で、いろいろな声もあったでしょうが、久しぶりのJRA G1制覇で吹っ切れた部分もあるのではないでしょうか。
私は東京競馬場で観戦していたのですが、久々の武豊騎手のG1勝利に対して、あちこちから暖かい拍手がわいていました。

これで、JRA G1全制覇に向けて、残るは朝日杯フューチュリティステークスのみとなりました。このレースでも、武豊騎手はスキーキャプテンなどで2着3回と未勝利。
まだまだ老け込む年でもないと思いますので、前代未聞の偉業に向かって、がんばってもらいたいものです。

2012年11月11日

またもやG1 2着のヴィルシーナ ~エリザベス女王杯

エリザベス女王杯は、3歳牝馬3冠すべてで2着だったヴィルシーナが、ジェンティルドンナがいないここでは勝つだろうと、1.9倍の1番人気に支持されました。
16頭中G1馬は2頭いるものの、いずれも本調子ではなく前走は2桁着順。そのほかに重賞勝ち馬はヴィルシーナを入れても4頭で、条件馬が5頭もいるメンバーでは、当然の人気といえるでしょう。

しかし折からの激しい雨で、馬場はヴィルシーナにとっては初となる重馬場となりました。
レースはレジェンドブルーが逃げて、1000m1.02.4のスローペース。その中でヴィルシーナは先団の5~6番手につけます。3コーナー手前で、後方にいたエリンコートが動いて一気に先団にとりついたことで、各馬が動き出しペースアップ。ヴィルシーナの内田騎手も懸命に押しますが、重のせいか反応は今ひとつ。

直線に向いたときは、一足先に抜け出したオールザットジャズに3馬身ほどの差をつけられます。それでもじりじりと伸びて、オールザットジャズを交わそうとしたときに、外から一気にレインボーダリアが差してきて並びかけます。
そこからは2頭のたたき合いになりますが、秋華賞のリプレイのように、レインボーダリアに抜け出されてしまいます。ゴール前で猛然と追い込んできたピクシープリンセスにはなんとか交わされなかったものの、またもやG1での銀メダルという結果に終わりました。
これで牝馬3冠に続く4回目のG1での2着となります。

過去にもG1で2着を繰り返した馬たちがいました。ちょっと調べてみたところ、JRAのG1で2着が一番多いのはブエナビスタの6回(他に海外1回の計7回)。しかしブエナビスタはG1を6勝しており、年度代表馬にも選ばれた名牝ですので、まだよいでしょう。
次はメイショウドトウの5回ですが、宝塚記念で宿敵テイエムオペラオーに一矢報いています。
G1を勝っていない馬では、シルバーコレクターと呼ばれたシーキングザダイヤが有名です。JRAのG1は2着が4回。しかも地方でも5回の2着があり、合計9回は悲運としかいえません。
なお、地方の馬では、フリオーソの合計10回(JRA1回、地方9回)というのが最多です。

ヴィルシーナは、3歳にして早くもメイショウドトウに1差となる4回のG1 2着という結果となりました。
個人的には、調教もパドックも秋華賞の方がよく見えたのでどうかと思っていたのですが、それでも僅差の2着は立派だと思います。

この2走の最後に差し負けるレースぶりや、クイーンCの鮮やかな勝ち方を見ると、実はマイルぐらいが一番あっているのかもしれません。
今年はこれで終わりかもしれませんが、来年こそはヴィクトリアMあたりで、ぜひ初G1制覇を飾ってもらいたいと思います。

2012年10月21日

2冠馬の不思議 ~菊花賞

今年の菊花賞は、圧倒的1番人気に支持されたゴールドシップが、見事に優勝して皐月賞に続く2冠を達成しました。
さてこの牡馬クラシック2冠ですが、よく知られているのは、ダービーと菊花賞の2冠を制するのは、皐月賞と菊花賞の2冠を制するのよりも、はるかに難しいということです。おそらく、ハナから菊花賞では2冠馬以外のダービー馬は消しという方も多いのではないでしょうか。

実際に2冠馬の数で言うと、時期の近い皐月賞とダービーの2冠馬が一番多くて、2006年のメイショウサムソンまで15頭います。続いて多いのが、皐月賞と菊花賞の2冠馬で、今年のゴールドシップを含めて8頭。そしてダービーと菊花賞の2冠馬は、わずかに2頭。ちなみに3冠馬は7頭ですから、ダービーと菊花賞の2冠馬がいかに少ないかは、よくわかると思います。
2頭のうち1頭のクリフジ(1943年に達成)は牝馬で、オークス(当時は秋に実施)も制した変則3冠馬なので、純粋にダービーと菊花賞のみを勝った2冠馬は、1973年にハイセイコーとの死闘を制したタケホープだけとなります。

では、なぜ距離も時期も離れた皐月賞と菊花賞の2冠馬のほうが、比較的どちらも近いダービーと菊花賞の2冠馬よりも多いのでしょうか。一説には、それだけダービーを勝つということが、厳しいのだと言われています。
実際に過去10年で、3冠馬を除いて菊花賞に出走してきたダービー馬は、2冠馬のネオユニヴァースとメイショウサムソンだけ。別路線のウオッカとディープスカイを除けば、いずれも故障などで回避しています。今年も、久しぶりに皐月賞馬とダービー馬の対決と騒がれましたが、結局直前にディープブリランテの屈腱炎が明らかになり、出走はかないませんでした。

おそらく3歳春という未完成な時期に、2400mという底力が必要な距離で、目一杯の勝負をするということは、想像以上に大きな負担となっているのでしょう。
「無事これ名馬」という言葉が、今更ながらに実感を伴いますが、もっとも速い馬が勝つといわれるレースと、もっとも強い馬が勝つといわれるレースを制したゴールドシップには、無事にさらなる高みを目指してほしいと思います。

2012年10月14日

厳しい戦いを底力で制して3冠達成 ~秋華賞

ジェンティルドンナが秋華賞を勝って、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネに続く史上3頭目の牝馬3冠を達成しました。おめでとうございます。

オークスはヴィルシーナに5馬身という圧倒的な差をつけ、夏を挟んだローズSでも1 1/2差とはいえ楽勝に見えたジェンティルドンナは、追い切りも絶好調という感じで、楽に3冠を達成するのではと思われました。
しかし注文をつけてハナを切ったライバルヴィルシーナの作る流れは超スロー。しかも途中から一気にハナを奪ったチェリーメドゥーサが6馬身差以上差をつけて、ペースを乱します。中団につけたジェンティルドンナはやや行きたがるそぶりで、鞍上の岩田騎手としても、かなり悩ましかったのではないでしょうか。

直線を向いたときは、チェリーメドゥーサは遥か彼方だし、ヴィルシーナも3馬身以上離れています。しかも直線の短い京都内回りコース。残り200mを切ってもチェリーメドゥーサとの差は5馬身以上あり、この時点で大荒れを覚悟した人も多かったでしょう。

しかし残り100mぐらいでヴィルシーナを捕らえると、あわせ馬のように2頭で一気に伸びて、急激に末足が衰えたチェリーメドゥーサをゴール直前で交わします。
あとは2頭のマッチレースで、お互いに相譲らず、ハナをあわせてゴール。写真判定で、ハナ差ジェンティルドンナが前に出ていて、見事に3冠馬となりました。

スローを見越して前に行ったヴィルシーナを捕らえた末足、そして4コーナーで直後にいて、かつ同じぐらいの上がりを記録しているアロマティコやブリッジクライムを寄せ付けなかったレースぶりは、まさに底力としか表現できないものだと思います。やはり、3冠を達成するためには、実力や運にプラスアルファが必要なのかなと思わされました。

おそらくヴィルシーナの内田騎手としては、うまくはまったという感が強かったのではないでしょうか。しかしゴール前で追いつかれ、最後はたたきあいに持ち込んだものの、またもや勝てませんでした。
これでヴィルシーナはジェンティルドンナに4連敗。ジェンティルドンナさえいなければ、ヴィルシーナが3冠馬になっていたわけですから、悔しさもひとしおでしょう。ぜひ雪辱を期して、がんばってほしいと思います。

過去の3頭の3冠牝馬は、その後の成績はあまりぱっとしませんでした。ジェンティルドンナには、そのあたりのジンクスのようなものもぜひ打ち破ってもらい、さらなる活躍を期待するとともに、ヴィルシーナとのライバル対決も盛り上げてもらいたいものだと思います。

2012年09月30日

スプリントG1 3連勝はなりませんでした ~スプリンターズS

スプリントG1 3連勝、そしてスプリンターズS連覇という偉業に挑んだカレンチャンの挑戦は、同厩舎の後輩であるロードカナロアの前に、3/4馬身差でついえました。

過去にスプリンターズS連覇を達成したのは、サクラバクシンオーただ1頭。
またスプリントG1 3連勝は、フラワーパークが1997年の高松宮記念で8着に、トロットスターが2002年の高松宮記念で5着にそれぞれ敗れ、2003年に挑んだビリーヴはスプリンターズSでデュランダルにハナ差で2着に敗れて、いずれも実現できませんでした。
これだけの名馬でさえ達成できなかった、とても大変で、偉大な記録でもあったわけです。

ただしカレンチャン自身、昨年の勝ちタイムよりも0.6秒も早いタイムで走っており、また上がりも33.7と、こちらも昨年より0.1秒早いので、決して力負けではないと思います。やはり厳しいマークを受けたこと、そしてハイペースのレコード決着で、後ろにいたロードカナロアの方に展開が向いたことなどが、勝てなかった理由ではないかと思います。

勝てなかったとはいえ、力があるところは十分に見せてくれたカレンチャン。これが国内では最終戦という話ですが、偉大なスプリンターの1頭として、名前を残せたと思います。

そして勝ったロードカナロアは、なんとなく勝ちきれないイメージがつきかけていたものの、実はデビュー以来1度も4着以下がないという堅実派で、ようやくG1ホースの仲間入りとなりました。しかもレースレコードとコースレコードを更新する、1.06.7での堂々たる勝利(JRAレコードはアグネスワールドの1.06.5)。

馬体の割には、ちょっと頼りない感じもあったのですが、今日のパドックでは堂々と歩いており、充実の4歳秋を迎えて、風格も出てきました。
新たな安田厩舎のエースとして、スプリント界を引っ張っていくことを期待したいと思います。

2012年06月24日

オルフェーヴル 鮮やかな復活でした ~宝塚記念

阪神大賞典の逸走はともかく、天皇賞(春)の11着惨敗を見たときは、さすがにどうなってしまうのか、かなり不安に思ったのですが、見事に立て直して宝塚記念で今年初のG1制覇を飾ったオルフェーヴル。鮮やかな復活となりました。

過去に何頭も、強かったG1ホースが勝てなくなったのを見てきたこともあり、個人的には正直今回も不安半分という感じでした。池江師も追い切りまで出否を決めかねており、また追い切り後も7割の出来と言っていたように、決して万全ではなかったのだと思います。
また天皇賞(春)の敗因が今ひとつ不確かな面もあり、果たしてオルフェーヴルは復活できるのかというのが、今回の宝塚記念の最大の関心事でした。

もし天皇賞(春)を楽勝していれば、おそらく1倍台の前半だったであろう単勝倍率も、一応1番人気とはいえ3.2倍と、2番人気のルーラーシップ(4.4倍)とあまり変わらず、疑心暗鬼のファン心理を反映していました。
スタートして中団につけたオルフェーヴルは、ここ2走で池添騎手が気を使った折り合い面でもまったく問題なく、落ちついてレースを進めます。3コーナーでまわりが動き出してもあわてずにポジションをキープし、4コーナーではエイシンフラッシュと並んで後方から追い出します。
ここでルーラーシップなど多くの有力馬は、馬場のいい外に進路を取りますが、オルフェーヴルの池添騎手は内を突きます。

そこで思い出されるのが、今年の皐月賞。ただ1頭、馬場の悪い内を突いたゴールドシップが、気がつくといつの間にか後方から前に進出していましたが、今日のオルフェーヴルも気がつくと直線で2番手に浮上していました。おそらく、荒れた馬場を気にしないオルフェーヴルの脚を熟知している池添騎手が、自信を持って内を選んだのでしょう。
そしてその信頼に応えるように、オルフェーヴルも脚を伸ばして、先に抜け出していた軽量のマウントシャスタを差しきり、追い込んできたルーラーシップやショウナンマイティを余裕で押さえ込んで、最速の上がり34.7で2馬身差の圧勝となりました。

これはオルフェーヴルの体調などがよくなっていたことと、池添騎手の好騎乗の両方がうまくかみ合っての、復活劇と言えると思います。
これで秋の凱旋門賞へも、改めて挑戦することが可能になりました。とはいえ、まだ完全復活と呼べるほどの状態とは思えないので、陣営の皆さんのさらなる力添えで、万全の状態でロンシャンの馬場に立つことを期待したいと思います。

2012年06月03日

先行有利の思いがレコードタイムを生んだ? 安田記念

今年の安田記念は、2番人気のストロングリターンが後方から上がり33.8で差しきって、1.31.3の日本レコードタイムで優勝しました。

昨年の古馬マイルG1の覇者であるリアルインパクトとエイシンアポロンを初め、マイルG1を勝っているグランプリボス、ローズキングダム、アパパネも顔を揃えた一戦でしたが、84年のグレード制導入以降、1番人気のサダムパテックの単勝がでG1では最高の6.6倍となる、記録的な混戦となりました。
それは、ひとえに各G1馬のその後の成績が、順調ではなかったことによるでしょう。昨年の安田記念の覇者リアルインパクトも、マイルCSの覇者エイシンアポロンもその後未勝利で、かつ2頭とも前走は重賞で2桁着順の惨敗。
朝日杯を勝った5歳のローズキングダムも4歳のグランプリボスも、ともに2桁着順を記録するような極度の不振で、G1を5勝しているアパパネも、牝馬限定G1でも掲示板がやっとという状態です。

代わって人気になったのは、3歳時にクラシック候補と言われながらも結局勝てず、前走の京王杯SCで新たな面を見せて快勝した4歳のサダムパテック。そして去年の安田記念は追い込んでクビ差2着に泣いたものの、休み明けの京王杯SCで4着となった6歳のストロングリターンでした。
しかしどちらも全幅の信頼が置ける成績ではなく、それが6倍を超える単勝オッズになったのでしょう。

そして予想する上でひとつの鍵となったのは、東京芝での先週までの前残りの傾向です。当然騎手もそれが頭にあるので、前掛かり気味になってしまったのではないでしょうか。
シルポートが作った流れは600mが33.8と、昨年とほとんど同じでしたが、そこからゆるむことなく11秒台前半のラップを刻みます。そのため、前走のマイラーズCを逃げきって6番人気に支持されたシルポートも、坂の途中で早々に脱落し、先行していた昨年の覇者リアルインパクトも、懸命に押しても伸びません。
代わって4コーナーでは中団から後方にいた馬たちが差してきて、最後はストロングリターンとグランプリボスの一騎打ちとなり、ストロングリターンがクビ差制しました。
レースの上がりは35.0と早いわけではないので、やはり途中でラップが落ちなかったことが、レコードタイムを生む要因となったのでしょう。

しかし勝ったストロングリターンは2番人気だったものの、2着グランプリボス(13番人気)、3着コスモセンサー(15番人気)、4着ダノンヨーヨー(17番人気)と人気馬総崩れとなりました。
グランプリボスは朝日杯、NHKマイルCとG1を2勝しているものの、最近はかなりの不振で完全に人気の盲点だったと思います。
個人的にはストロングリターンから買っていたものの、グランプリボスは痛恨の抜け。しかし、パドックでよかったコスモセンサーとダノンヨーヨーは押さえていたので、かなり残念な結果ではありました。

古馬マイル路線は、最近は中心馬不在でかなりの混戦模様のため、この傾向はしばらく続くのではないかと思います。穴党にとっては、力の見せ所となりそうです。

ストロングリターン
【ストロングリターン】昨年の雪辱を同じクビ差で果たしました。しかも日本レコード!

2012年05月27日

やはり運のいい馬が勝つ!? ~日本ダービー

今日の日本ダービーは、3番人気のディープブリランテが先行抜け出しから、ハナ差フェノーメノを抑えて優勝しました。関係者の皆さん、おめでとうございます。
特に岩田騎手は、1着がわかった時点で馬のクビにしがみついて号泣するシーンがターフビジョンに大写しにされて、思わずもらい泣きしてしまいました。3週間前のNHKマイルCで斜行して失格となり、2週間競馬に乗れず、つらいこともあったでしょうが、そんなことを跳ね返しての自身初のダービー制覇は、本当に素晴らしいと思います。

ディープブリランテは、2歳が終わった時点では、朝日杯を勝ったアルフレード、ラジオNIKKEI杯を勝ったアダムスピークと並んで、トップの評価を得ていました。それは、新馬の5馬身差圧勝に続いて、東スポ杯の3馬身差での楽勝によってもたらされたものでした。
そのため、3歳初戦の共同通信杯は、どんなレースを見せてくれるのか、楽しみに見に行ったことを覚えています。
しかしそのレースで、掛かって逃げて末脚をなくし、単勝1.4倍という圧倒的な支持を裏切ってゴールドシップに1 3/4差の2着に敗れ、思わぬ弱点をさらしてしまいます。1800mで掛かっては、2400mは持たないのではないかと、一気にダービー馬候補としての評価が下がってしまったのです。
続くスプリングSも1番人気を裏切り2着。そして距離が伸びた皐月賞は単勝6.2倍の3番人気まで評価を下げ、かろうじて人気と同じ3着には入ったものの、ワールドエースに差されて、さらに直線の長い東京での不安は増す結果になりました。

しかし今日の日本ダービーは、終わってみればディープブリランテにかなり運が向いていたように思えるのです。
まず岩田騎手が騎乗停止になったために、直前の2週間は土日も含めて、岩田騎手が付きっ切りで調教にのることができました。
また今週から仮柵が移動されてCコースになり、荒れた内が覆われて、先行するディープブリランテには有利となりました。実際にダービーの前のレースでも先行馬が粘るシーンが多く見られ、またダービーも上位3頭は4コーナーで7番手以内にいた馬です。
そして好天に恵まれて良馬場で行われたこと。これは切れで勝負するディープインパクト産駒にとっては、大変有利に働いたと思います。実際に上位5頭は、すべてディープインパクトとステイゴールドの産駒で占められました。ちなみに上位入線できなかったディープインパクト産駒も、8位のエタンダールは34.0、9位のベールドインパクトは33.9と、いずれも速い脚を使っています。

とはいえ、もちろん運だけで勝ったわけではありません。折り合いに心配があるディープブリランテを積極的に先行させた騎手の判断も、それに応えて粘りきった馬の根性も、すばらしいものでした。それがダービー馬の栄光につながったといえるでしょう。

今年は例年より早く、ダービーの翌週から2歳新馬戦が始まります。また来年のダービーを目指す戦いが始まるわけですが、今度はどんなドラマが展開されるか、楽しみに見守りたいと思います。


ディープブリランテ
【ディープブリランテ】パドックではテンション高めでしたがちゃんと折り合いました

2012年05月20日

驚くべき強さでした ~オークス

オークスは、桜花賞馬ジェンティルドンナが、3番人気という低評価に反発するように、圧勝で2冠を達成しました。
個人的にも3番手評価としてしまったので、その強さには驚かされたのですが、やはり毎年のことながら距離適性のようなものに、左右されすぎたかなと反省しています。

ジェンティルドンナの桜花賞は、中団からメンバー最速の上がり34.3で1/2馬身差しきるという、文句のつけようがないものでした。しかし、オークスにはさまざまな新たな困難が立ちはだかります。
ジェンティルドンナは、桜花賞までに6戦していますが、すべて芝1600mのレース。しかも、阪神と京都という関西圏でかつ右回りのコースに限られています。オークスの場合は、800mの距離延長にプラスして、東京への輸送と左回りの克服という、新たな要素が加わるわけです。
それに加えて、全姉のドナウブルーが初めての関東遠征で大幅な馬体減で大敗したとか、そもそもディープインパクト産駒はマイルのG1しか勝っておらず、昨年のオークス、ダービーは10頭出走してすべて着外だったなど、マイナス要因がいろいろささやかれました。

また、トライアルのフローラSでは、タニノギムレット産駒のミッドサマーフェアが強烈な末脚で圧勝し、桜花賞2着のヴィルシーナはオークスをにらんだローテーションで、東京コースも距離2000mも難なくこなしていることから、どうしてもこの2頭を上に見てしまう心理が働いてしまったわけです。

しかし、オークスでのジェンティルドンナのパフォーマンスは見事でした。
やや早めの流れを後方で追走すると、直線は外に出してじりじりと進出し、残り150mぐらいで先頭に立つと、そこからは2番手のヴィルシーナ以下を一気に突き放し、唯一34秒台となる上がり34.2で、5馬身差をつけて圧勝しました。

ディープインパクト産駒がオークスでワン・ツーとなったことで、産駒はマイラーなのではという疑問に、一応の終止符を打つことになりましたが、オークスの場合はあまり距離適性が関係ないのも事実です。
ただ、芝2400mでの強烈な末脚と、オークスレコードでの制覇を見ると、マイラーとはとても思えません。秋にさらに距離が伸びるレースで、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。

ジェンティルドンナ
【ジェンティルドンナ】川田騎手と勝って戻ってきたところ
佐々木氏
佐々木氏のヴィルシーナは桜花賞に続いて無念の2着でした

2012年05月14日

明暗が分かれた2頭の関東馬 ~ヴィクトリアマイル

ヴィクトリアマイルは、G1挑戦6度目にして、ついにホエールキャプチャがG1ホースとなりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。

ホエールキャプチャは阪神JFと桜花賞では2着、オークスと秋華賞では3着と、常に上位争いをしながら、2,3歳時はG1には手が届きませんでした。桜花賞と秋華賞では1番人気に支持されながらの敗戦で、関係者の方も悔しい思いをされたことでしょう。
それが昨年のエリザベス女王杯で初めて馬券圏外の4着と破れると、休み明けの今年の中山牝馬Sでは生涯最低の5着に破れ、その影響か、今日は単勝7.2倍の4番人気となりました。

しかしこの2ヶ月でよく立て直したと思います。調教ではきびきびとした動きで美浦の坂路を駆け上がり、かなり好印象を与えました。
レースは飛び出したクィーンズバーンとドナウブルーの直後につけ、ぴったりと折り合います。そして直線では、早めに抜け出すとふわふわするということで、横山典騎手がぎりぎりまで追い出しを我慢し、坂でドナウブルーを突き放すと、最後までしっかりと走って、見事にG1初勝利を飾りました。

レースの最初の600mは34.4とここ2年よりは遅いペースでしたが、そこから33.8で上がったのでは、後続の出番はありません。先行した2頭のワンツーとなり、唯一後方から33.5で追い込んだマルセリーナが1 3/4馬身差の3着まで。

1番人気のアパパネは、中団追走から一旦は3番手まで上がるものの、最後は後ろから差されて、2 1/2馬身差の5着に終わりました。
アパパネといえば休み明けはやや凡走するものの、本番ではきっちりと復活するというのがパターンでした。しかし昨年のエリザベス女王杯では3着に終わり、今回の休み明けは見せ場のない7着と、かなり復活が疑問視されたのが、1番人気ながら単勝4.0倍というオッズに現されていたと思います。
力の入った最終追いきりといい、悠然と歩くパドックといい、勝ってもおかしくない雰囲気は漂わせていましたが、やはり完全復活とはいきませんでした。

しかしアパパネ自身も上がり33.8で走っており、決して凡走したわけではありません。現状では、力を出し切った結果といえるでしょう。
ただし昨年の勝ちタイムからは0.9秒遅く、また一旦前に並びかけながら、最後は後ろから来た馬に差されて5着という結果は、厳しい現実を示していると思います。

関東馬による古馬牝馬トップの世代交代という様相ですが、もうアパパネの復活はないのでしょうか。
昨年のブエナビスタのように、最後に5冠馬の意地を見せてくれることを期待せずにはいられません。あの少しだけ前にいるという、真に強くないとできない勝ち方を、また見せてもらいたいものです。

明暗が分かれた2頭の関東馬 ~ヴィクトリアマイル

ヴィクトリアマイルは、G1挑戦6度目にして、ついにホエールキャプチャがG1ホースとなりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。

ホエールキャプチャは阪神JFと桜花賞では2着、オークスと秋華賞では3着と、常に上位争いをしながら、2,3歳時はG1には手が届きませんでした。桜花賞と秋華賞では1番人気に支持されながらの敗戦で、関係者の方も悔しい思いをされたことでしょう。
それが昨年のエリザベス女王杯で初めて馬券圏外の4着と破れると、休み明けの今年の中山牝馬Sでは生涯最低の5着に破れ、その影響か、今日は単勝7.2倍の4番人気となりました。

しかしこの2ヶ月でよく立て直したと思います。調教ではきびきびとした動きで美浦の坂路を駆け上がり、かなり好印象を与えました。
レースは飛び出したクィーンズバーンとドナウブルーの直後につけ、ぴったりと折り合います。そして直線では、早めに抜け出すとふわふわするということで、横山典騎手がぎりぎりまで追い出しを我慢し、坂でドナウブルーを突き放すと、最後までしっかりと走って、見事にG1初勝利を飾りました。

レースの最初の600mは34.4とここ2年よりは遅いペースでしたが、そこから33.8で上がったのでは、後続の出番はありません。先行した2頭のワンツーとなり、唯一後方から33.5で追い込んだマルセリーナが1 3/4馬身差の3着まで。

1番人気のアパパネは、中団追走から一旦は3番手まで上がるものの、最後は後ろから差されて、2 1/2馬身差の5着に終わりました。
アパパネといえば休み明けはやや凡走するものの、本番ではきっちりと復活するというのがパターンでした。しかし昨年のエリザベス女王杯では3着に終わり、今回の休み明けは見せ場のない7着と、かなり復活が疑問視されたのが、1番人気ながら単勝4.0倍というオッズに現されていたと思います。
力の入った最終追いきりといい、悠然と歩くパドックといい、勝ってもおかしくない雰囲気は漂わせていましたが、やはり完全復活とはいきませんでした。

しかしアパパネ自身も上がり33.8で走っており、決して凡走したわけではありません。現状では、力を出し切った結果といえるでしょう。
ただし昨年の勝ちタイムからは0.9秒遅く、また一旦前に並びかけながら、最後は後ろから来た馬に差されて5着という結果は、厳しい現実を示していると思います。

関東馬による古馬牝馬トップの世代交代という様相ですが、もうアパパネの復活はないのでしょうか。
昨年のブエナビスタのように、最後に5冠馬の意地を見せてくれることを期待せずにはいられません。あの少しだけ前にいるという、真に強くないとできない勝ち方を、また見せてもらいたいものです。

2012年05月06日

オリンピックイヤーに変則2冠馬は誕生するか ~NHKマイルC

NHKマイルCは、1番人気のカレンブラックヒルが鮮やかに逃げ切りました。
中山のトライアルであるニュージーランドTは、先行して直線突き放し2 1/2差の1着と強い勝ち方でしたが、直線の長い東京で同じような勝ち方ができるのかと、疑問に思う気持ちもありました。しかし、すんなりハナに立つと、600mが35.1とスローペースに落とし、直線は突き放してニュージーランドTを上回る3 1/2馬身差で快勝しました。

そこで次の興味は、NHKマイルCと日本ダービーの変則2冠馬が誕生するかどうかです。
NHKマイルCは創設当時はマル外ダービーとも言われ、日本ダービーへの出走権を持たない外国産馬が圧倒的に強いレースでした。しかし2001年に外国産馬にも日本ダービーへの門戸が開かれ、また不況の影響もあって強い外国産馬が減り、内国産のレベルも上がって、そのような傾向もなくなってきたのです。
そんな中、2004年にNHKマイルCと日本ダービーを制する馬が現れました。それがキングカメハメハです。スピードとスタミナを兼ね備えた、ある意味サラブレッドの理想形ともいえるでしょう。そして2008年にはディープスカイが続きました。
そう、どちらもオリンピックイヤーなのです。そこで今年のNHKマイルCの勝ち馬であるカレンブラックヒルにも、変則2冠馬の期待がかかるわけです。

そこで過去の2頭とカレンブラックヒルの成績を比べてみました。
2004年は、600mを33.9というハイペースをキングカメハメハは中団で追走し、上がり34.0で5馬身突き放して勝ちました。勝ちタイムは1.32.5(良)。
2008年は、600mを34.6というミドルペースをディープスカイは後方で追走。3コーナーから進出して4コーナー中団から、上がり33.9で1 3/4馬身差で勝ちました。勝ちタイムは1.34.2(やや重)。
今年は自ら作った35.1というスローペースから、上がり34.6で3 1/2馬身差の優勝。勝ちタイムは1.34.5(良)。

こうして見てみると、キングカメハメハのレベルの高さは一目瞭然で、ディープスカイもやや重という条件では、やはり優秀な成績といえます。また、いずれも上がりはメンバー最速を記録しています。
それに対して、カレンブラックヒルは逃げたこともあり上がりは最速の馬より0.4秒遅く、やや展開に助けられた感じもあります。また、NHKマイルCの前に1800m以上の重賞勝ちがあった2頭に対して、カレンブラックヒルは1600mしか経験がないというのも気がかりです。

カレンブラックヒルの次走は未定のようですが、もし日本ダービーに出てくるのであれば、そこそこの人気になるでしょう。しかし、変則2冠を達成した2頭に比べると、やや条件は厳しいと言わざるを得ません。
しかし、ニュージーランドTの勝ち馬はNHKマイルCを勝てないというジンクスを覆したのも事実です。ぜひ好走してくれることを期待したいと思います。

2012年04月29日

オルフェーヴルの折り合いという呪縛に左右されました ~天皇賞(春)

天皇賞(春)は、14番人気のビートブラックが4馬身差で圧勝するという大波乱に終わりました。
ビートブラックは調教の動きが素晴らしく、またパドックでも調子が良さそうで、かなり気にはなったのですが、さすがに近走の成績から、残念ながら手が出ませんでした。

大方の予想通りゴールデンハインドが逃げて、ビートブラックは2番手。オルフェーヴルはそっと出して下げて、馬群の後ろで折り合いに専念させて、後方から2,3番手。2頭が離し気味でも1000mは1分ちょうどと、今の時計の早い京都では決して早いペースではありません。
さらにビートブラックの石橋脩騎手が1000mから出していこうと思ったと言っているように、1コーナー過ぎからどんどん前2頭と後ろの馬群の差が開いていきます。しかし2000mは2.01.9と無理のないペース。3コーナーが近づいても動かないオルフェーヴルに、馬群の中の有力馬も金縛り状態。

さすがに3コーナーでゴールデンハインドは騎手の手が激しく動きますが、菊花賞3着と長距離実績のあるビートブラックは、まだ余裕の手ごたえ。
ようやく3コーナーで各馬が動き、オルフェーヴルも外から進出を開始しますが、4コーナーをまわって直線を向いた時点でも、ビートブラックと3番手以下は7,8馬身差。しかもビートブラックはしっかり伸びて末脚は衰えません。
トーセンジョーダンやジャガーメイル、ウインバリアシオンなどが伸びてくるも、オルフェーヴルは絶望的な位置。結局大きく離したままビートブラックが優勝しました。

オルフェーヴルの池添騎手は、前走の教訓から折り合いに最大限の注意を払い、馬群の後方に入れましたが、逆にそれで動けなくなってしまいました。当然前が離して逃げているのはわかっていたでしょうが、引っかかる危険を考えると追うわけにもいかず、後方でひたすら我慢します。
こうなると他の有力馬もオルフェーヴルを警戒して動くことが出来ず、結果として2頭の大逃げを許すことになりました。
ゴールデンハインド、ビートブラックにしてみれば、人気薄の気楽さもあり、一か八か行き切るしか選択肢がないわけで、後ろは気にせずに自分のペースに徹して逃げます。これが奏功しました。

どの馬も、オルフェーヴルが折り合いに専念せざるを得ないという状況から、それぞれがベストと思える戦いをした結果なわけで、阪神大賞典でのオルフェーヴルの逸走という事態が、今日の結果にいかに大きな影響を与えたかということに、改めて感慨を覚えます。

人気薄の逃げ切りといえば、近いところでは2009年のエリザベス女王杯のクィーンスプマンテ、テイエムプリキュア、古くは1992年の有馬記念のメジロパーマーなどが思い出されます。前者はブエナビスタ、後者はトウカイテイオーという人気馬がいて後続が動けず、人気薄の逃げ馬が逃げ切りました。
それぞれ直線が平坦な京都と、直線が短い中山という馬場特性も味方したといえるかもしれません。

忘れた頃に起こる、G1での人気薄の逃げ切りですが、それを事前に予想するのは至難の業です。またいつか、こういう悔しい思いをして、今日のことを思い出すのでしょう。

2012年04月15日

一か八かの判断が勝負を分けました ~皐月賞

ゴールドシップの強さは、共同通信杯でディープブリランテを並ぶ間もなく差しきったのを生で見た時に、よくわかっていました。しかし、それ以来の休み明け(過去10年で来たことがない)や、東京でこその差し脚などから、やはりダービー狙いかなと思ったのと、どうも調教もパドックの様子も、今ひとつピリっとした感じがなかったので、少し狙いを下げてしまいました。

レースはメイショウカドマツとゼロスの激しいハナ争いから、やや重にも関わらず1000mが59.1と、早めの流れ。しかも毎週末のように雨に見舞われたこともあり馬場が悪く、ほとんどの馬が内をあけて走るので、実際よりも長い距離を走ることになります。
そして4コーナー。先行馬が内をあけてコーナーを回るので、後方の馬はさらに外に行くしかありません。人気のグランデッツァ、ワールドエースは後ろから2,3番手を追走していたので、かなり外に振られることになりました。
しかし最後方を追走していたゴールドシップの内田騎手は、ここで思い切って内を突きます。

ゴールドシップは過去5戦で重や不良の経験はなく、わずかにやや重の札幌2歳Sで2着があるだけ。しかし同じ血統(ステイゴールド×メジロマックイーン)のオルフェーヴルは不良のダービーを圧勝したように、重の鬼でもあります。
やや重発表とはいえ、馬場は荒れており、かなり時計がかかる状態であるのはまちがいなかったでしょう。しかし内田騎手は、そんな馬場でも自信を持っていたようです。

そして直線に向いた時には、前には2,3頭しかいません。他の馬たちは、外に振られて懸命に立て直そうとしていますが、すでにその時点でかなりの差がついています。
そこからゴールドシップは一気に伸びて先頭に立つと、外から追い込んできたワールドエースを寄せ付けずに2 1/2馬身差の圧勝でした。

結果として1~6番人気(5番人気を除く)の馬が1~5着を占めたわけで、ハイペースになったことで力どおりの決着になったと思いますが、着順は4コーナーでの判断が明暗を分けました。特に2着のワールドエースは、最初のつまずきと4コーナーの選択ミスがなければ、1着もあったでしょう。グランデッツァも、もう少し上位はあったと思います。

ゴールドシップはむしろダービー向きと思っていたので、ワールドエースともども、有力なダービー馬候補となるでしょう。逆に左回りも直線長いコースも未経験のグランデッツァや、距離延長が不安なディープブリランテは、少し心配です。
毎日杯を勝ったヒストリカルや、青葉賞、京都新聞杯から来る馬もいるので、今日の結果をもとに、またあらためてダービーに向けて検討していきたいと思います。

2012年04月08日

明暗を分けた2強 ~桜花賞

桜花賞の事前の感触は、個人的には特に2頭が実績的には抜けていると思えました。それが、デビュー2戦目でG1の阪神JFを鮮やかに差しきって優勝したジョワドヴィーヴルと、牡馬相手のシンザン記念で抜け出して優勝したジェンティルドンナです。

ところがこの2頭が、人気を分け合ったチューリップ賞で3,4着に敗れて、俄然混戦ムードとなります。しかもチューリップ賞で直線一気に2 1/2馬身差で優勝したハナズゴールのレースぶりは、かなりの強さを感じさせるものでした。
しかしハナズゴールは直前の怪我で回避となり、結局2強という形で本番を迎えることになったのです。

レースはアラフネがやや遅めの流れで引っ張り、ジェンティルドンナは中団で、ジョワドヴィーヴルは後方で折り合います。そして直線で、実績馬であるヴィルシーナとアイムユアーズが抜け出すと、そこに猛然と差してきたのがジェンティルドンナ。しかしジョワドヴィーヴルは外に持ち出して追い出しを図るも、伸びは今ひとつ。

坂を上って3頭のたたき合いになり、アイムユアーズがわずかに遅れて、内のヴィルシーナと外のジェンティルドンナの差し比べになるも、最後はジェンティルドンナが力強く抜けて、1冠を奪取しました。
対するジョワドヴィーヴルはジリジリと伸びるものの、阪神JFほどの鋭い差し脚を見せることはなく、0.6秒差の6着に終わりました。ジェンティルドンナがメンバー最速の34.3で上がったのに対して、ジョワドヴィーヴルは34.6。残念ながら、見せ場すら作れませんでした。

ジェンティルドンナはチューリップ賞では2週間前に熱発し、体調が整わない中でも最後にらしさを見せて4着。今回は調教を見ても明らかに体調アップが見込めました。
対するジョワドヴィーヴルは、特に問題なく臨んだチューリップ賞で、1.3倍の圧倒的な支持を裏切る不可解な負けで3着に破れました。今回陣営は上積みはあると言っていたものの、調教はなんとなく物足りなさを感じさせ、またただでさえ体がないのに、馬体重は-4kgの416kgとデビュー以来最低になってしまいました。

牝馬は格より調子と言いますが、今日の結果はやはり調子がものをいったように思えます。
この2頭の次の対決は、順調に行けばオークスとなるでしょう。ジョワドヴィーヴルも力はあるので、当然巻き返しは期待できます。ただ気になるのは、依然としてディープインパクト産駒がG1ではマイルでしか勝ち星を挙げていないことです。2頭を初め、距離が伸びて良さそうなヴィルシーナもディープインパクト産駒です。
この3頭がジンクスを破るのか、それとも左回りでは別馬のイチオクノホシや、安定感が不気味なメイショウスザンナなどが台頭してくるのか、早くも次が楽しみです。

2012年03月25日

やはり安田厩舎の揃い踏みでした ~高松宮記念

G1レースに複数の有力馬を送り込んでくる厩舎といえば、最近では昨年の有馬記念にオルフェーヴル(1着)、トゥザグローリー(3着)、トーセンジョーダン(5着)を出走させた池江厩舎がまずは思い浮かびますが、こと短距離戦となれば、やはり栗東の安田厩舎でしょう。
昨年のスプリンターズSも3頭を出走させて、見事にカレンチャンで優勝しましたが、高松宮記念にはそれを上回る4頭を出走させてきました。

しかもロードカナロアとカレンチャンは1,2番人気。昨年は2番人気だったダッシャーゴーゴーも、やや人気を落としたとはいえ6番人気です。あとは昨年の北九州記念を勝ったトウカイミステリー。
他に昨年の最優秀ダート馬に輝いたトランセンドも所属しており、池江厩舎に勝るとも劣らない、強力な布陣です。

そして結果は、2番手追走のカレンチャンが直線抜け出し、迫る後続を抑えて、見事にスプリントG1連勝を飾りました。
2着は追い込んできたサンカルロが入ったものの、3,4着は同厩のロードカナロアとダッシャーゴーゴーのたたき合いになり、クビ差でロードカナロアが3着、ダッシャーゴーゴーが4着となりました。
これで、今日の高松宮記念で安田厩舎は1,3,4着となったわけで、G1での上位独占は、快挙と言えるでしょう。

なぜ安田厩舎には、こんなに短距離の強い馬が集まったのでしょう。ダッシャゴーゴーはともかく、あとの2頭は血統的に短距離馬という感じでもなく、短距離が得意な馬を集めようとしたとは思えません。詳しくは知りませんが、短距離に強い馬を養成するような調教術があるわけでもないでしょう。
おそらく偶然なのでしょうが、ただ、強い馬を育てる実績がなければ、馬主も期待する馬を預けはしないでしょうから、やはり今までの地道な努力の積み重ねと言えるのかもしれません。

安田調教師といえば、個人的にはトウカイテイオーの主戦騎手という印象が、未だに強く残っています。ぜひこれからも、そういう記憶に残るような馬を育てていって欲しいと思います。

2012年02月20日

それが競馬と言われればそれまでだけど ~フェブラリーS

フェブラリーSは7番人気のテスタマッタが、見事な末脚で2馬身差をつけて圧勝しました。
これで2年前の2着の雪辱を果たしたわけですが、2走前の東京大賞典でもスマートファルコンとワンダーアキュートに差のない競馬をしており、力的には勝ってもおかしくないと思います。ただし掛かり癖があり、しかも前に馬をおけない大外というのが、人気を落とした原因でしょう。

しかし1.5倍という圧倒的な1番人気に支持されたトランセンドが7着に大敗したのは驚きました。
調教でもしっかりと脚があがっていて好調そうだったし、パドックでも落ち着いて周回していて、いつもと変わらない雰囲気だったので、上位には来るだろうと踏んでいたのですが・・・。

トランセンドは好スタートを切ったものの、セイクリムズンなどが前に行くと、中団まで下がってしまい、あわてて藤田騎手が押すものの、前に取り付くまでには、ずいぶんと脚を使ってしまいました。しかも3コーナーでも4番手。逃げるか、せいぜい2番手と思っていたので、この時点で少しイヤな予感がしました。

そして4コーナーで早くも騎手の手が動いて追い出しにかかります。去年の南部杯でも、4コーナーすぎに手ごたえが悪くなったのですが、あの時はそこからじりじりと伸びてきました。しかし今回は、いつもの伸びがありません。
そうこうしているうちに、外からワンダーアキュート、ダノンカモン、さらにはテスタマッタなどが一気に伸びてきて、トランセンドはあっという間に馬群に飲み込まれてしまいます。
最終的に1.7秒差の7着と、藤田騎手が乗るようになってからは初めて、約2年ぶりの大敗となってしまいました。

上位3頭はいずれも4コーナーで真ん中より後ろにいた馬なので、ペースが早かったというのもあるかもしれません。たしかに最初の3ハロン34.7は、2年前にローレルゲレイロが逃げて作った34.8を0.1秒上回りますが、このときは2番手のエスポワールシチーが勝っており、トランセンドが万全ならこなせないペースではありません。
安田調教師はマイルの距離を敗因に挙げており、たしかにそれもあるかもしれませんが、やはり行きっぷりの悪さが、象徴しているような気がします。体調なのか、気持ちの問題なのかはわかりませんが。

次走は、順調ならドバイWCでスマートファルコンと再び雌雄を決することになります。ぜひ昨年のJBCクラシックのような、手に汗握る勝負を、再び見せてもらいたいものです。

2012年02月12日

主役交代かもしれません ~共同通信杯

1月末に見た某スポーツ紙の今年のクラシック番付によると、横綱:ディープブリランテ 大関:アルフレードとなっていました。それほど昨年の新馬と東京スポーツ杯で見せたディープブリランテのパフォーマンスは、今後に期待が持てるものでした。
さすがに2年連続の3冠馬はあまりに早すぎますが、どんなレースを見せてくれるか、楽しみに見に行きました。

ディープブリランテの単勝オッズは1.4倍。対する2番人気のゴールドシップは4.1倍とかなりの差があります。
現3歳世代の重賞ではレベルが高かったと思われる札幌2歳SとラジオNIKKEI杯で、ともに2着のゴールドシップは、今後を占う上で、いい物差しと言えたでしょう。

レースは、好スタートのディープブリランテが、スピードの違いを活かしてハナに立ちます。掛かるのが不安なディープブリランテとしては、あまり望ましい展開ではないと思いますが、掛かっているそぶりもなく、1000mは62.6秒とスローに落とします。
直線に入ってディープブリランテが後続を突き放すと、3,4番手を追走していたゴールドシップは手ごたえが悪く、もがいているように見えます。このままディープブリランテの楽勝かと思ったところで、坂でゴールドシップが息を吹き返して一気に迫り、手ごたえが悪くなったディープブリランテを外から抜き去ります。
そのまま1 3/4馬身差をつけて5戦目で初重賞制覇。最後は外からスピルバーグが鋭く迫りますが、ディープブリランテはなんとかハナ差抑えて2着を確保しました。

ディープブリランテは底を見せていないという魅力があったのですが、残念ながら今日のレースで底を見せてしまったかもしれません。もともと折り合いに不安があるとはいわれていましたが、そんなに飛ばしたわけでもないのに、直線ではあっさりと突き放されてしまいました。

これで、無敗で朝日杯を勝ったアルフレードや、同じく無敗でラジオNIKKEI杯を制したアダムスピークなどが、底を見せていないと次の期待馬になるのかもしれません。
しかし今日勝ったゴールドシップも5戦してすべて連対しており、かつ負けたのは札幌2歳Sのグランデッツァと、ラジオNIKKEI杯のアダムスピークと、いずれもトップクラスの評価の馬たち。しかもラジオNIKKEI杯ではグランデッツァを下しており、十分トップクラスの力があり、かつ底を見せてはいないとも言えるでしょう。

しかも父ステイゴールド、母父メジロマックイーンは、昨年の3冠馬オルフェーヴルとその兄ドリームジャーニーと同じ。今日のレースぶりから、距離が伸びてさらに良さそうです。
芦毛はメジロマックイーンから受け継いだと思いますが、この時期からすでに完成度が高く、3歳秋に完成したメジロマックイーンよりも早く、春のクラシックでの活躍も期待できそうです。

現3歳世代のディープインパクト産駒は、昨日のクイーンCまで重賞で出走機会7連勝を飾っていましたが、ステイゴールド産駒によってその記録は止められました。これからのクラシック戦線がどうなっていくか、とても楽しみです。

ゴールドシップ
【ゴールドシップ】気合乗りよく、しかも落ち着いていて好印象でした。
ゴールドシップ
本場場入場するディープブリランテ(右)とゴールドシップ(左)

2011年12月25日

瞬発力も持続力も兼ね備えた強さ ~有馬記念

今年の有馬記念は、途中で14秒台のラップが2回も続く超スローペースとなりましたが、後方から外を差してきたオルフェーヴルが、クラシック3冠に続くG1 4勝目を飾りました。

有馬記念が行われる中山競馬場といえば、最後の直線が短く、先行有利が常識。しかもそこで超がつくスローペースとなれば、逃げ先行馬の独壇場となるはずでしたが、オルフェーヴルは向こう正面までは後方から3番手。3コーナーから外を通って進出するも、4コーナーでは中団の7,8番手。楽に逃げたアーネストリーは、してやったりだったのではないでしょうか。またいつもよりも前につけたブエナビスタも、狙い通りといったイメージでした。

しかし直線に入るとアーネストリーは伸び一息。さらにブエナビスタは内でまったく伸びず、ずるずると後退していきます。
代わって好位にいたエイシンフラッシュが、手ごたえよく伸びてくるかと思ったところを、外からオルフェーヴルがまとめて交わして一気に伸び、最後は抑えるような余裕で優勝しました。

オルフェーヴルといえば、後方から伸びてきて長くいい脚を使うイメージで、皐月賞や菊花賞ではぐんぐん加速して、後続の馬を置き去りにして勝ちました。逆に言うと直線の短い中山では、そういういい脚を長く使うことが難しく、そこがネックになるのではとも思われました。
実際に超スローペースを後方から進めた前半は、大丈夫かと心配になりました。
しかし4コーナー手前からスパートして、直線では一気に差を詰めて逆転するという瞬発力を見せて、着差以上の強さを見せ付けました。

瞬発力のある馬は、ハイペースのレースを後方からまとめて交わして勝つのは得意でも、スローだと脚の使い方が難しく、脚を余したりゴール前で失速したりすることがあります。逆に長くいい脚を使う馬は、スローを差しきるのは得意でも、ハイペースだと前と脚色がいっしょになったり、後ろから切れる馬に差されたりということもあります。
オルフェーヴルの強さは、それを両方兼ね備えていることにあるのではないでしょうか。ある意味、理想的なサラブレッドの姿といえるかもしれません。

すでに国内には敵がいないという状況で、2012年はオルフェーヴルの年となる可能性が高いでしょう。もちろん2011年の年度代表場もほぼ確定で、今年もオルフェーヴルの年だったと言えるでしょうけど。
来年は凱旋門賞に挑戦するというプランもあるとか。ぜひ、ディープインパクトでも果たせなかった夢を、実現させて欲しいと思います。


それにしても、残念だったのはブエナビスタの失速。うまく先行して、直線はオルフェーヴルとの一騎打ちかと思ったのですが、まったく伸びを見せることなく7着に沈みました。
昔から引退レースの牝馬は買ってはいけないと言われますが、やはりJCの辛勝で最後の力を使い果たしたのでしょうか。さらにもうひとつというのは、ちょっと酷だったかなという気もします。
今後は、母ビワハイジの後継として、自らを越えるような子供たちをターフに送り込んでくれることを期待して待ちたいと思います。
お疲れ様でした。

2011年12月18日

2歳牡は牝馬に続いて無敗のスター誕生 ~朝日杯FS

先週の阪神JFで2戦2勝の2歳女王が誕生したと思ったら、今週の朝日杯FSではアルフレードが3戦3勝の無敗の2歳王者となりました。
無敗での優勝は、最近では2009年のローズキングダム以来とのことですが、さかのぼればアドマイヤドン、グラスワンダー、フジキセキ、ミホノブルボンなどそうそうたる馬たちがいるわけで、それらに続くということは、ある程度将来の活躍を約束されたといえるのかもしれません。

今回アルフレードは1番人気には支持されたものの、その単勝は3.1倍と微妙なもので、全幅の信頼を得ていたわけではありません。その理由としては、やはりオープン実績がないということがあったと思います。
新馬と500万下を勝っただけで、強いメンバーとの戦いはここが初めて。前走の上がりが32.5というのは2歳馬としては驚異的ですが、時計の早い新潟で記録したものなので、時計の掛かる中山で同様の脚が使えるのかというのも、懸念材料としてはありました。

レースは、アルフレードは好スタートを切ったものの、ハクサンムーンがハナに立つと行きたがり、ウィリアムズ騎手が懸命になだめます。しかし向こう正面では馬の後ろにいれたこともあり落ち着いて追走。
直線に入るとラチ沿いから一気に抜け出して、坂ではさらに差を広げて、2馬身差での圧勝となりました。上がりはレオアクティブ、ジョウノバッカスの34.9には0.4秒劣るものの、この2頭は最後方を追走していたので、先行してこの上がりということは、力が違う印象があります。

しかし関東馬は、これが下半期初のG1制覇となり、2005年以来の下半期G1全敗という不名誉な記録をからくも回避することが出来ました。
上半期のG1を勝った関東馬では、キンシャサノキセキはすでに引退し、アパパネは絶不調で、リアルインパクトも今ひとつの成績です。そんな中で生まれたニューヒーローは、美浦を背負って立つスターになれる素質が十分にあると思います。

朝日杯を勝ってクラシックも制覇した馬は、1994年のナリタブライアンまでさかのぼらなければなりません。しかし無敗で制した馬からは、ダートG1を7勝したアドマイヤドンや、グランプリ3連勝のグラスワンダーなども生まれており、今日の勝ち方からは、それに続く馬となる期待も持てるような気がします。

まずは無事にクラシックに駒を進めてもらい、そこでの活躍を期待したいと思います。

2011年12月11日

衝撃的な強さでした。母は偉大です ~阪神JF

母はビワハイジでブエナビスタの半妹。父はディープインパクトという超良血であることはわかってましたが、新馬戦のみの1戦1勝で、かつその勝ちタイムは平凡となると、競馬キャリアの長い人ほど本命にはしにくかったのではないでしょうか。
しかしそんな多くのファンの迷いをあざ笑うように、ジョワドヴィーヴルは坂で一気にのびて、2馬身半差で快勝しました。1番人気のサウンドオブハートが4.6倍ですから、いかに人気が割れたかがよくわかります。

血統が馬券推理において重要であるとは思いますし、血統のいい馬が走る確率が高いこともわかります。しかし逆に超良血の馬が期待を裏切るケースも多く、信じ切れないというのが、多くのファンの血統への見方ではないでしょうか。
実際にジョワドヴィーヴルの全兄のトーセンレーヴは、期待はかなり大きかったものの、現時点ではOP2勝で重賞は3着2回と勝っておらず、姉や妹に比べると地味な成績です。

あまり情報のない2歳戦だからこそ、古馬の競走などに比べると血統の占める割合が大きくなるのでしょうが、それだけで判断するわけにも行かず、2歳G1の難しさはそんなところにもあるのではないでしょうか。

ビワハイジの産駒は、これで重賞勝ち馬がアドマイヤジャパン(京成杯)、アドマイヤオーラ(弥生賞、京都記念)、ブエナビスタ(現時点でJCなどG1 6勝を含む8勝)、ジョワドヴィーヴルの4頭。しかも最近の産駒ほど成績がよい印象で、まさに油がのってきたという感じです。

阪神3歳牝馬Sでエアグルーヴを相手に逃げ切ってから、すでに16年。当時は予想もしなかったような偉大な母になりました。ブエナビスタは有馬記念がラストランになりますが、トーセンレーヴやジョワドヴィーヴル、さらに当歳の牝馬(父ゼンノロブロイ)には、さらに母の名を上げるように、がんばってもらいたいものです。

2011年12月04日

年度代表馬でもおかしくない走りでした ~JCダート

今年のJCダートは、昨年に続いて外国馬の参戦が1頭もないというさみしい国際招待レースとなりましたが、そんな沈滞ムードを吹き飛ばすような見事な走りで、トランセンドが2連覇を果たしました。また2強といわれた、2年前の覇者エスポワールシチーの走りも、負けたとはいえ立派でした。

戦前は、ハナはトウショウフリークかエスポワールシチーで、トランセンドは控えるのではないかというのが大方の予想でしたが、なんと藤田騎手は大外から強気にハナを主張して、1コーナーでは審議になるほどやや強引に先頭に立ちました。
エスポワールシチーはそれを2番手でぴったりとマーク。一瞬2頭でハナ争いをしてハイペースになるのではと危惧しましたが、それも杞憂に終わり、向こう正面では落ち着いた流れで進みます。1000mは1.00.8と逃げ切りで終わった過去2年よりも遅いペース。これで、トランセンドの策がはまったという感じでした。

4コーナーでは後続の騎手たちの手が激しく動くのに対して、トランセンドとエスポワールシチー、そして3番手の武豊騎手のラヴェリータは馬なりのまま直線へ。
直線に入るとトランセンドは差を広げて逃げ込みを図るのに対して、エスポワールシチーはやや手ごたえ悪く3番手に後退してしまいます。そこからトランセンドはじりじりと差を広げて、残り200mぐらいではセーフティリードに。
そのまま危なげなく連覇を達成しました。
エスポワールシチーは最後にラヴェリータを差し返したものの、ゴール直前で猛然と差してきたワンダーアキュートにハナ差交わされて3着に終わりました。

これでトランセンドは、今年JRAが主催したダートG1(南部杯を含む)3戦をすべて勝ち、負けたのはドバイWCのヴィクトワールピサとJBCクラシックのスマートファルコンだけ。負けた着差も最大1馬身と、見事な成績です。しかもすべて逃げあるいは2番手からの競馬で、決して楽に勝ったレースはありません。差し返した南部杯やJBCクラシックも、突き放した今日のレースも、すばらしい内容でした。

現時点でもっとも有力な年度代表馬の候補は、3冠を達成したオルフェーヴルでしょう。しかし万一有馬記念でオルフェーヴルが凡走するようなことがあれば、同じG1 3勝馬として、トランセンドが年度代表馬候補に浮上してもおかしくないですし、その資格は十分にあると思います。
過去57回の年度代表馬選考で、ダートのみを走って選ばれた馬は1頭もいません。そういうサプライズを見てみたい気もしますし、芝に対して下に見られがちなダートを走る馬やその関係者たちにも、勇気を与えられるのではないでしょうか。

2011年11月27日

牝馬と牡馬では勝負根性に差がある? ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、凱旋門賞を制した3歳牝馬のデインドリームの参戦が話題になり、その衝撃的な強さと早い馬場への適性が買われて、1番人気に支持されました。しかしレースは、国内レースで初めて1番人気をゆずったブエナビスタが、トーセンジョーダンとの叩き合いを制して、昨年2着に降着になった鬱憤を晴らすとともに、鮮やかな復活を遂げました。

ブエナビスタは前走の天皇賞(秋)で初めて馬券圏をはずれる4着に敗退し、もうダメなのではないかという見方をする人も多かったのではないでしょうか。それが単勝3.4倍の2番人気というオッズに現れていたと思います。
確かに過去には、1回の敗戦からそれまでの強さが嘘のように勝てなくなった馬もいました。

2000年の古馬中長距離G1をすべて制したテイエムオペラオーは、翌2001年の宝塚記念で、それまで常に2着に下していたメイショウドトウに初めて先着を許し、さらに勝ったと思った天皇賞(秋)でアグネスデジタルに差されて2着に破れ、その後はJC2着、有馬記念5着とついに復活することなく引退しました。
また2004年の天皇賞(秋)、JC、有馬記念を制したゼンノロブロイは、翌年の天皇賞(秋)でヘヴンリーロマンスに差されて2着に敗れた後、やはりJC3着、有馬記念8着とずるずると負け続けて引退。
どうもこういう成績を見ていると、どんなに強い馬でも、いったんケチがつくと、なかなか復活しにくいのかなと思ってしまいます。

しかし、もちろんオグリキャップのように復活した例もあります。そこまで劇的ではないにしても、特にG1を複数勝った強い馬の中では、牝馬にその傾向があるような気がします。
2歳から5歳(当時は3歳から6歳)まで毎年G1を勝ち、通算でG1を5勝したメジロドーベルは、2度も復活してエリザベス女王杯を2勝しましたし、G1最多勝タイの7勝をあげたウオッカも、何度も勝てない時期を過ごしながら、5歳の秋にJCを制しました。
単純に牡馬と牝馬の違いとはいえないとは思いますが、やはり牝馬のほうが根性があるのかなと思えてしまいます。

ブエナビスタはこれでG1は6勝となり、ウオッカやシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトなどそうそうたる馬たちが記録したJRAのG1 7勝という記録にあと1歩と迫っています。
順調に行けば有馬記念で7勝目を狙うことになりますが、ブエナビスタのすごいところは、どの競馬場でもしっかり走るということです。東京はもちろん、中山でも有馬記念2着2回の実績があります。この1年足踏みした分、有馬記念ではすっきり勝って、ぜひG1 7勝目を獲得して欲しいものです。

ブエナビスタ
【ブエナビスタ】いつものように落ち着いて周回。パドックではいつもおとなしいです。

2011年11月03日

スマートファルコンvsトランセンド、しびれました ~JBCクラシック

今日のJBCデーの注目は、なんといってもダートの現役最強馬2頭が激突するクラシック(ダート2000m)でした。
対戦は2回目ですが、前回(2010年日本テレビ盃)はどちらも本格化前で、その後スマートファルコンはG1(Jpn1)3勝を含む交流重賞6連勝、トランセンドはJRAのG1(南部杯含む)3勝+ドバイWC2着と、それぞれの路線で大活躍しています。

もっとも今回は、大井競馬場という、スマートファルコンが今年の帝王賞で9馬身差で勝った馬場で行われるため、スマートファルコンの有利はゆるがないと思われました。戦前から馬券的な興味はほぼなく、勝ち負けよりも、スマートファルコンがどう勝つか、またトランセンドはどこまで食い下がるかが焦点だったと思います。

スタートしてすぐにスマートファルコンが先頭に立ち、トランセンドは2番手。向こう正面では2頭が後続を大きく引き離し、かろうじて3番手をシビルウォーが追走するものの、4番手以降はすでに勝負あったという感じになってしまいます。
そして4コーナー。馬なりのスマートファルコンに対して、トランセンドは藤田騎手の手が激しく動き、ムチまで入れています。そして直線に入ると、2,3馬身離していき、またいつものようなスマートファルコンの圧勝かと思われました。
しかし一旦離れた差が、またじりじりと詰まり始めます。おおっ、もしかして南部杯のようにトランセンドが差し返すかとも思えるような展開になりましたが、結局スマートファルコンが貯金を守って1馬身差の勝利。
3着のシビルウォーはそれから3 1/2馬身離れ、さらに4着以下は大差となりました。

いつもなら離れる一方の2着馬が、ゴール前でどんどん詰め寄ってくるというのは、さすが伊達にG1を連勝してはいないと感心させられました。もちろんスマートファルコンの強さはすばらしいですが、トランセンドの強さと勝負根性もたたえられるべきだと思います。

しかしスマートファルコンとしては時計的にも厳しいわけではないのに、最後はやや脚が上がったように見えたのも不思議です。やはりピッタリと後ろにつかれたプレッシャーが、微妙に影響したのでしょうか。
またトランセンドは南部杯でもそうだったのですが、勝負どころで手ごたえが悪くなる感じがあります。最後は差を詰めてきているので、4コーナーすぎで一気に差を広げられたのが、最後に効いたのではないでしょうか。

今後どのレースを使うのかはわかりませんが、全盛の間にまた激突するのを見てみたいですね。今日の大井競馬場はすごい人でしたが、実力馬がぶつかるというだけで、お客さんをたくさん呼ぶことができるのですから。
やはり強い馬同士の真剣勝負が、最高のコンテンツといえるのではないでしょうか。

2011年10月30日

トーセンジョーダンの勝因、ブエナビスタの敗因 ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、トーセンジョーダンがなんと芝2000mの日本レコードとなる1.56.1という驚異的なタイムで優勝しました。従来のレコード(2001年ツジノワンダー)を0.3秒更新したことになります。

このレコードタイムは、逃げたシルポートの1000m56.5秒という超ハイペースによって生まれたものですが、これをトーセンジョーダンはいつもよりやや後ろの10番手ぐらいで追走し、直線は外に出して猛然と追い込みます。
馬場のよいところを通って、ゴール前はダークシャドウとの追い比べとなり、最後はぐいっと伸びて1/2馬身差で栄冠をつかみました。上がりは34.2とペルーサの33.9に次ぐメンバー2番目のタイム。レコードでこの上がりですから、文句なく堂々の戴冠です。

トーセンジョーダンは2歳時に葉牡丹賞、ホープフルSと中山の2000m戦を連勝し、明けて3歳初戦の共同通信杯で2着とクラシック候補に名を連ねたものの、裂蹄でそこから休養に。昨秋にアルゼンチン共和国杯で初重賞制覇し、今年もG2を2勝しているものの、G1ではやや地味な存在であることは否めませんでした。
脚質も一定せず、昨年の有馬記念は逃げて5着、今年の宝塚記念は追い込んで9着。基本的にはAJCCや札幌記念を勝った先行が合うのかなというイメージでした。
それが今回、すばらしい末脚を披露して、後方から差しきったのですから、ペースと馬の脚質を見極めたピンナ騎手の好判断が大きな勝因と言えるのかもしれません。通ったコースも不利を受けず、しかもよく伸びるところでした。
もちろん、先週オルフェーヴルで3冠を制した池江厩舎の仕上げもよかったのでしょう。最終追い切りは4,5頭で合わせて、内から力強く抜け出してきたのが、印象に残っています。
今回のレコードの反動が若干心配ではありますが、ぜひ古馬戦線を引っ張っていく存在になって欲しいものです。

それに対して、1番人気のブエナビスタは、国内では初めて馬券圏内からはずれる4着に終わりました。宝塚記念の最後の伸びの鈍さから、ある程度予想されたこととはいえ、ショッキングではあります。
追いきりの動きもあまりよくなく、馬体重はなんとか絞ったものの、やはり気持ちが入りきっていなかったのでしょうか。レース後の松田博師のコメントもそんな感じでした。
また今回は岩田騎手が4コーナーから思い切って内を突きましたが、若干前がふさがるような場面もありました。馬を縫うように上がってきたものの、メンバー上がり3位タイの34.7では、差しきるのは無理でした。結果論ですが、うまく外に出していれば、3着はあったかもしれません。

次走はJCになると思いますが、一度使ったことであの末脚ははたして復活するのでしょうか。
思えば昨年のJCで2着に降着になってから、すっかり勝利の女神に見放されたしまったようですが、こうなるとなかなか勝てないのは、今までの競馬でもいろいろ見てきました。
ただオグリキャップのように劇的に復活した例もありますので、ぜひまたあの強いブエナビスタを見せて欲しいと思います。

トーセンジョーダン
【トーセンジョーダン】パドックでは気合い乗りのよさが目立ちました

トーセンジョーダン
トーセンジョーダンとピンナ騎手。ヘルメットを客席に投げ込んでいました

2011年10月23日

圧巻の走りで3冠達成! ~菊花賞

今日の菊花賞は、力の違いを見せつける完勝で、オルフェーヴルが史上7頭目の3冠馬になりました。関係者の皆さん、本当におめでとうございます。そしてすばらしいレースをありがとうございました。

神戸新聞杯の走りから、ほぼ敵はいないと思われながらも、レースが近づいてくると、さまざまな重箱の隅をつつく説がでてきました。
神戸新聞杯では折り合っているように見えましたが、池添騎手によると掛かり気味だったということで、実は折り合いに不安があるのではということから、京都は未勝利で合わないのではとか、皐月賞を3番人気以下で勝った馬は菊花賞を勝てないとか・・・。
しかしそれらの説をあざ笑うかのような完勝で、穴党の出番はありませんでした。

神戸新聞杯の時にも書いたのですが、実は春の時点では3冠を取るとは正直思えませんでした。その証拠に、皐月賞は4番人気での勝利。調べてみると、過去6頭の3冠馬は、戦前のセントライトがダービーで2番人気だったほかは、すべて皐月賞,ダービーでは1番人気1着でした。
またオルフェーヴルは2歳のときに、京王杯2歳Sで10着に破れるという経験もしています。過去の3冠馬ではナリタブライアンが函館3歳Sで6着に敗れていますが、朝日杯を勝ってしっかり挽回しそのあと連勝を継続。それ以外の3冠馬は、3冠達成まで連対ははずしていません。
このあたりも、オルフェーヴルの3冠に疑問の声が上がる要因だったのかもしれません。

たしかに3冠馬は2歳時あるいは3歳の初めから非凡な能力を示す馬ばかりで、オルフェーヴルのように3歳の春から急速に力をつけたというパターンは、今までにはないものです。また父も母父も内国産というのも初めて。
そういう意味では、新しい3冠馬の形を示したといえるのかもしれません。

同世代に敵がいない以上、今後は古馬、そして世界が相手になっていきます。次にどのレースを使うのかはわかりませんが、ぜひ古馬相手にも強さを見せ付けて、世界に羽ばたいてもらいたいと思います。ステイゴールド、メジロマックイーンという名前も、ぜひ世界に印象付けてもらいたいですね。

2011年10月16日

やはり牝馬は格より調子 ~秋華賞,府中牝馬S

今日の秋華賞は、ジャングルポケット産駒の良血馬アヴェンチュラが、力強く抜け出して優勝しました。

2歳時には札幌2歳Sで2着の後、熱発明けの阪神JFは3番人気で4着に入り、さすがトールポピーの下と思わせましたが、骨折で半年の休養。期待された春のクラシックは出走できませんでした。
しかし7月に復帰すると、8ヶ月ぶりの古馬混合準オープンを圧勝し、続くクイーンSはハイペースを好位から抜け出し、好タイムで快勝。秋華賞に臨んだわけです。

片や春のクラシック上位組は、桜花賞2着、オークス3着のホエールキャプチャがローズSを勝って順調さをアピールし1番人気に押されたものの、桜花賞馬マルセリーナは2番人気のローズSで6着に敗退。オークス馬エリンコートも10着に惨敗し、今年は春とは勢力図が変わるかなと思わせる状況でした。

G1などの大きなレースで気になるのは、過去のG1で好成績をおさめた実績(いわゆる格)をとるか、それとも直近のレースで活躍している調子をとるかということではないでしょうか。特に秋のG1では、春までの実績馬対夏の上がり馬という構図になることが結構あります。
秋華賞でも、過去にはファビラスラフィンがNHKマイルC(1番人気で惨敗)以来の休み明けで快勝なんていうこともありました。
しかしこと牝馬については、やはり格よりも調子ということが、当てはまるのではないでしょうか。

過去10年の連対馬を見ても、2003年のスティルインラブ(ローズS5着から優勝)、2008年のブラックエンブレム(ローズS15着から優勝)以外は、すべて前走の重賞で3着以内に入っています。しかも20頭中17頭は、前走は8月以降に出走しています。例外の3頭はいずれもG1連対馬ですが、力が抜けており、かつ休み明けも苦にしないタイプだったと言えるでしょう。

今年もマルセリーナが3番人気、エリンコートが5番人気とそこそこの支持を受けましたが、残念ながら上位には来られませんでした。上位3頭はいずれも8月以降の重賞で3着以内に入っており、かつ重賞勝ちがなくても1000万下1着の実績はありました。
やはりそれなりの実力+最近の調子というのが、牝馬では重要なのかなと思います。

そして秋華賞の少し前に行われた、東京の府中牝馬S。圧倒的な1番人気に押されたアパパネが、14着に惨敗しました。もともと休み明けはよくなくて、なぜか重賞はG1しか勝ったことがないという珍しい馬ですが、それにしても負けすぎでしょう。
勝ったのはサマー2000シリーズを制したイタリアンレッド。2,3着も夏の重賞で活躍した馬たちでした。
今年は秋になっても気温が高く、今日はなんと観測史上最も遅い真夏日になったところもあったそうですが、そのせいか夏の実績馬が引き続いて活躍している印象があります。スプリンターズSのカレンチャンもそうですね。

秋のG1も、菊花賞、天皇賞(秋)と盛り上がっていきますが、この傾向が続くのか、興味を持って見て行きたいと思います。

2011年10月10日

すごい勝負根性だな、トランセンド ~南部杯

今年の南部杯は、震災でダメージを受けた岩手競馬を支援するためもあり、JRA主催で東京競馬場で行われました。岩手の物産を販売するコーナーなどもあって、少しでも被災された方のお役に立てばいいのですが。

そして岩手県で古くから伝わる、無形民俗文化財にも指定されているチャグチャグ馬コの装束で飾られた馬たちも来ていました。馬の労働に感謝するお祭りとのことで、もともとは南部駒という大型の馬が主役だったそうですが、今はペルシュロン種などの馬を使っているそうです。

チャグチャグ馬コ
無形民俗文化財のチャグチャグ馬コ

そして南部杯。残念ながら交流重賞を圧勝で連勝しているスマートファルコンはいませんが、昨年のJCダート、今年のフェブラリーSとJRAのダートG1を連勝し、ドバイWCでも2着に好走したトランセンドと、一昨年のJCダート、昨年のフェブラリーSを連勝し、交流重賞でも活躍しているエスポワールシチーの初対決も話題になりました。
同じ先行脚質ということもあり、道中の位置取りも注目です。

レースは好スタートからエスポワールシチーがハナを切り、ややスタートが悪かったトランセンドが押して2番手。バーディバーディやダノンカモンが先行して、あまり馬順が変わらないまま、淡々と流れます。
そして直線に入るとエスポワールシチーが突き放して先頭に立ち、2番手のトランセンドは手ごたえが悪く、やや下がり加減。代わってダノンカモンが2番手に上がります。さらに後方からシルクフォーチュンもいい脚で差してきて、トランセンドはあっけなく負けるのかと思いました。

ところが、トランセンドはそこから巻き返すと、一旦抜かれたダノンカモンに並びかけ、末脚の衰えたエスポワールシチーをダノンカモンとともに交わし、ゴール直前でダノンカモンを差し返して、アタマ差で優勝したのです。
休み明けもあって手ごたえが悪くなったのかもしれませんが、3番手に落ちてから差し返す勝負根性には、本当に驚かされました。これもドバイ遠征で、世界レベルで好走した自信のなせる技なのかもしれません。

これでJRA主催のG1は3連勝。着差は少ないのであまり強さは感じさせないかもしれませんが、その勝負根性に裏打ちされた安定感は、すばらしいと思います。エスポワールシチーを下した今、残るライバルはスマートファルコンしか思い浮かびません。
ぜひ近いうちに対決して、雌雄を決するところを見てみたいものです。うわさによると、11/3のJBCクラシックで対戦の可能性があるとか。期待しましょう。

トランセンド
【トランセンド】パドックでも落ち着いていて、貫禄が感じられました

2011年10月02日

夏の勢いそのままの勝利 ~スプリンターズS

今年のスプリンターズSは、函館、札幌のスプリント重賞を連勝した勢いそのままに、カレンチャンが見事に制しました。関係者の皆さん、おめでとうございます。安田厩舎では、ダッシャーゴーゴーが残念ながら人気を裏切ってしまったものの、カレンチャンがサマースプリントシリーズでの無念を晴らしたので、喜びもひとしおでしょう。

例年であれば、サマースプリントSで重賞を2勝すれば、ほぼ1位は決まりなのですが、今年はなんとエーシンヴァーゴウもアイビスSDとセントウルSと2勝し、さらに北九州記念3着もあって、6ポイント差で王者に輝いたのです。

このサマースプリントSが始まって今年で6年。実は過去6年すべてで牝馬が王者(つまり女王)になっています。しかし彼女らのスプリンターズSでの成績は、2007年のサンアディユの2着が最高で、その他の年は連対すらしていません。
これはやはり「夏の牝馬」の格言どおり、夏には強いものの、秋には牡馬にやられてしまうということなのかもしれません。実際に2007年のサンアディユ、2008年のカノヤザクラ、2010年のワンカラットと、いずれも夏のスプリント重賞を2勝して臨んだ馬たちが、ことごとく他の馬(2007年と2008年は牝馬が優勝ですが)にやられています。
これは、夏の重賞に力を入れたために、秋まで調子を維持できなかったということもあるでしょう。

それらを考えると、今年のエーシンヴァーゴウとカレンチャンの評価が低かったのも、致し方ないのかもしれません。そんな評価を覆し、世界一のスプリンターとも称されるロケットマンを下したカレンチャンとエーシンヴァーゴウは、素晴らしいと思います。
特に先行有利な馬場を、中団から上がり33.8(メンバー中2位)で鮮やかに差しきったカレンチャンのレースぶりは、賞賛されるべきものでしょう。

しかし、傾向がはっきりわかっているのに、スプリンターズSは一筋縄ではいきません。この10年、3番人気以内の馬が連にからまなかったことはないものの、非常に難しいレースであることは確かです。またひとつ積み重なった経験が、来年に生かせればよいのですが・・・。

2011年09月25日

鳥肌ものの強さでした ~神戸新聞杯

もちろん強いのはわかっていましたが、オルフェーヴルってこんなに強かったっけ、というのが正直な感想でした。それぐらい、今日の神戸新聞杯でのオルフェーヴルのパフォーマンスは、素晴らしいものだったと思います。まさにディープインパクト並みに、飛んだという感じでした。
ディープインパクトの神戸新聞杯を改めて見返して見ましたが、同じぐらいのインパクトがありますね。

クラシックに向うまでのオルフェーヴルは、末脚はいいんだけど勝ちきれないという感じで、決してトップの評価は得ていませんでした。重賞も4戦目のスプリングSで初制覇だし、皐月賞も4番人気。この馬が3冠馬になると予想した人は、皐月賞の前にはほとんどいなかったでしょう。

それが皐月賞でとても強い勝ち方をして、3.0倍の1番人気で迎えた日本ダービーも快勝。それでもまだ、3冠馬にはどうかなという懐疑的な見方のほうが、多かったのではないでしょうか。
近年の3冠馬といえば、1994年のナリタブライアンと2005年のディープインパクトがいますが、どちらも皐月賞の前から3冠馬誕生の期待がすでにあったことを覚えています。それに対して2冠に終わった2003年のネオユニヴァースや2006年のメイショウサムソンは、やはり春の時点ではそこまでの評価ではありませんでした。
今年のオルフェーヴルも、どちらかというと後者のイメージとかぶるところがあったので、正直言って、個人的には3冠への期待は、それほど盛り上がっていなかったのです。

しかし今日の神戸新聞杯を見て、その考えは180度変わりました。このまま何のアクシデントもなければ、おそらくオルフェーヴルは3冠馬になることが濃厚でしょう。当面の相手と思われたウインバリアシオンにも決定的な差をつけたことで、同年代にはすでに敵がいない感じです。セントライト記念を勝った、同じ血統のフェイトフルウォーがやや不気味ですが、中山限定の雰囲気もありますし。

父のステイゴールドは天皇賞(春)2着、母父のメジロマックイーンは言わずと知れた天皇賞(春)2連覇と、長距離は問題なさそう。さらに全兄のドリームジャーニーも天皇賞(春)3着の実績があります。
もし菊花賞を勝てば、JRA史上7頭目の3冠馬。そして父も母父も内国産というのは、初めてになります。さらに今後に期待が広がるような強い勝ち方。
来年以降も楽しめそうです。

2011年06月26日

やはり勝ち運に見放された? ~宝塚記念

宝塚記念といえば、メジロライアンやメイショウドトウのように、なかなかG1を勝てない実力馬が、ようやく初戴冠を果たすレースというイメージがあります。まさに今年の勝ち馬アーネストリーも、実力はあるのにというタイプで、昨年の宝塚記念と今年の天皇賞(春)をともに3着と惜敗していましたが、6歳にしてG1馬となりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。
アーネストリーの調教はとてもすばらしいもので、坂路を一直線に駆け上がって、最後までしっかり伸びていました。パドックでの気配もよく、まさに渾身の仕上げだったのでしょう。馬なりで4コーナーを先頭で回ると、4歳勢やブエナビスタの末脚を余裕で押さえ込む、見事なレースぶりでした。

それにしても、ブエナビスタはまたもや2着に終わりました。これで昨秋のJCで2着降着になってから、国内G1では4戦連続の2着。国内G1の通算成績も5・7・2・0と2着のほうが多くなってしまっています。
どんな馬場でもペースでも、必ず追い込んでくる精神力と末脚はすばらしいと思うのですが、あまりの2着の多さに、やりきれなさを感じてしまいます。やはり降着で勝ち運が逃げたということもあるのでしょうか。

ただ最近、パドックを見ていて以前に比べて微妙に覇気が足りないような気もするのです。いつもパドックは落ち着いて周回して、比較的おとなしい印象なのですが、その中にも隠れた気合のようなものが感じられたのです。しかし気のせいか、最近はそれがやや弱くなってきたのかなあと・・・。
今日もどうかなと思ったのですが、外を回って伸びてきた脚はさすがでした。ただオークスや昨年の天皇賞(秋)と比べると、やはり物足りなさを感じてしまいます。

テイエムオペラオーやゼンノロブロイも、一度勝ち運に見放されると、結局G1で再び勝ことなく引退していきました。なんとなく衰えが感じられた彼らに比べると、ブエナビスタはまだ望みがあるのではないかと思いたくなります。
ぜひ秋にはG1を制して、復活ののろしを上げてもらいたいものです。

2011年05月29日

不良馬場で上がり34秒台とは ~日本ダービー

今日の日本ダービーは、オルフェーヴルが1番人気に応えて、すばらしい末脚で2冠を達成しました。

道中は中団の後方を折り合って追走し、4コーナーでは外に出します。そこで外のナカヤマナイトと内のサダムパテックの狭い間隙に突っ込むも、体を寄せてきた2頭に挟まれて、一旦は完全に行き場を失ったように見えました。
しかしそれをこじ開けるように抜け出すと、皐月賞と同じように一気に伸びて、あっという間に先頭に踊り出ます。そこに後ろから追い込んできたウインバリアシオンが迫りますが、1馬身半ほどの差はつまらず、最後はやや突き放すような形でゴール。勝ちタイムは2.30.5でした。
オルフェーヴルとウインバリアシオンの着差は1馬身3/4でしたが、そこから3着は7馬身も離しました。

それもそのはず、この2頭の上がりは不良にもかかわらず、なんと34.8と34.7。この2頭以外はすべて36秒以上かかっているので、これだけ離れてしまうのも仕方ないでしょう。
さらに1つ前に行われた芝1800m準オープンのむらさき賞でも、最速は54kgと軽量の牡4歳カネトシパサージュの34.9。わずか0.1秒しか違いませんが、距離(芝2400m),負担重量(2頭は57kg),年齢(大きく成長するのは3歳秋以降)を考えると、2頭の上がりは出色の時計だと思います。
さらに同じ不良で行われた2年前のダービーでのロジユニヴァースの勝ちタイム2.33.7、上がり39.2と比べても、優秀であることはよくわかります。

これで2006年のメイショウサムソン以来の2冠馬となり、いよいよ秋には史上7頭目の3冠馬に挑むことになります。しかし不良の芝2400mを走ったダメージが、ちょっと心配です。
実際に2年前のダービー馬ロジユニヴァースは、ダービー後に復帰まで10ヶ月かかり、しかも調子が戻らず未勝利のままですし、2着のリーチザクラウンも昨年春にマイラーズCは勝ったものの、3歳時の期待ほどの活躍はできていません。
オルフェーヴルと他の馬たちには、ゆっくりと休んでもらって、また秋には元気な姿を見せてもらいたいものです。

オルフェーヴル
オルフェーヴル 大雨の中でよくがんばりました。しかしすごい末脚でしたね。

2011年05月22日

完成度重視かスタミナ重視か ~オークス

3歳牝馬には過酷といわれる芝2400mのオークスでは、完成度を重視するか、それともスタミナを重視するか、予想に際しては意見が分かれると思います。

最近(個人的な?)の傾向としては、3歳春は距離適性よりも完成度が結果に大きく影響する、つまり桜花賞の成績がそのままオークスに当てはまるという意見が優勢のような気がします。実際に昨年のアパパネなどは母系がスプリンター色が強いといわれながら、1番人気に支持され、それに応えて優勝しました。
またこの10年で桜花賞組が連対しなかった年は、2001年の1回のみで、逆に桜花賞組のみが連対したのが過半数の6回ということも、この考え方を支えていたと思います。
そして今年もその説に乗って(?)、桜花賞で連対したマルセリーナ(単勝2.2倍)、ホエールキャプチャ(単勝3.0倍)が抜けて支持を集めました。

しかしレースは、逃げたピュアブリーゼ(フローラS3着)をエリンコート(忘れな草賞1着)が差して1,2着。最速の上がりで差してくるもハナ差届かなかったホエールキャプチャが3着、前がなかなか開かず脚を余した感じのマルセリーナが4着と、10年ぶりに桜花賞組が連対しないオークスとなりました。

その原因としては、直前に激しく降りだした雨によって、人気2頭の切れる末脚が封じられたというのもあるでしょうが、早めのペースによってスタミナ勝負になったというのもあるかもしれません。実際に過去10年を見ると、2.26.5を切るタイムで決着している年は、4回中3回で桜花賞以外の路線からの馬が連対しているのに対して、それより遅い年は6回中5回で桜花賞組が連対を独占しています。

あとはやはり、傾向は忘れた頃に変わるということかもしれません。実際に昨年は同着とはいえ、フローラSから10年ぶりにオークス馬が誕生しているわけですから。それを転機に傾向が変わったということも考えられます。
さて、来年はどうなるのでしょう。ちょっと気が早いですかね。

エリンコート
エリンコートと後藤騎手 初めてG1を勝った安田記念では号泣していた後藤騎手も余裕でした

2011年05月15日

金子真人オーナーのJRA G1は何勝目? ~ヴィクトリアM

G1で2強対決といわれる場合は、だいたいどちらかが崩れて、その2頭で決まることは極めて稀だと思うのですが、その稀有なケースが今日のヴィクトリアMで実現しました。

単勝1.5倍と圧倒的な1番人気に支持されたブエナビスタに対して、昨年の牝馬3冠馬のアパパネは4.1倍の2番人気。
レースは、ハイペースに流れる中団の外をアパパネが追走し、それをマークするように2馬身ほど後ろにブエナビスタが続きます。そして直線で先行するレディアルバローザを追って先に抜け出したアパパネに対して、坂下までは2馬身ほどの差が詰まらなかったブエナビスタですが、坂を上ってゴール前で一気にクビ差まで詰めます。しかしアパパネはブエナビスタを堂々と振り切って、秋華賞以来のG1奪取となりました。

これでアパパネは、牝馬としては史上最速でのG1 5勝目となり、G1の数でもブエナビスタと並びました。しかしすごいのは、オーナーの金子真人氏(現在の名義は金子真人ホールディングス)。牡馬と牝馬の3冠馬を史上初めて所有したというだけでもすごいのに、さらに他にもG1勝ち馬がキラ星のごとく並びます。
表彰式では、これでJRAのG1は23勝目と紹介されたのですが、何があるのかちょっと調べてみました。

1999年 スプリンターズS ブラックホーク
2001年 NHKマイルC クロフネ
2001年 安田記念 ブラックホーク
2001年 エリザベス女王杯 トゥザヴィクトリー
2001年 JCダート クロフネ
2004年 NHKマイルC キングカメハメハ
2004年 日本ダービー キングカメハメハ
2005年 皐月賞 ディープインパクト
2005年 日本ダービー ディープインパクト
2005年 菊花賞 ディープインパクト
2005年 JCダート カネヒキリ
2006年 フェブラリーS カネヒキリ
2006年 天皇賞(春) ディープインパクト
2006年 宝塚記念 ディープインパクト
2006年 ジャパンカップ ディープインパクト
2006年 有馬記念 ディープインパクト
2007年 NHKマイルC ピンクカメオ
2008年 JCダート カネヒキリ
2009年 阪神JF アパパネ
2010年 桜花賞 アパパネ
2010年 オークス アパパネ
2010年 秋華賞 アパパネ
2011年 ヴィクトリアM アパパネ

この7年は、毎年G1を勝っていることがわかります。すごい馬主運ですね。これで気になるのが、あといくつ勝っていないG1が残っているのかということです。
JRAの平地G1は現在22あるのですが、そのうち金子オーナーが勝っていないのは、高松宮記念、天皇賞(秋)、マイルCS、朝日杯FSのわずか4つ。よく武豊騎手が勝っていないG1として、マイルCSと朝日杯FSがあげられますが、毎年のように有力馬に乗るトップジョッキーとは異なり、自分で買って預託した馬で勝つのだから、その運たるや、すごいものです。
ちなみに武豊騎手と、マイルCS、朝日杯FSが共通しているのが、興味深いところでもあります。

天皇賞(秋)とマイルCSは、ダイワメジャーのような強い中距離馬であれば連勝も可能ですし、案外この秋にアパパネが両方を制してしまうかもしれません。ただ、残る朝日杯FSと高松宮記念は、なかなか難しいかもしれません。
後者はブラックホークの2着があったので、勝っていればという感じですが。

もし達成できればまさに空前絶後の記録だと思いますが、今日の勝利でまた1歩近づいたわけですから、ぜひ期待したいと思います。

アパパネ
パドックでは元気で調子が良さそうでした

アパパネ
見事な勝利です

2011年04月24日

開幕週は先行有利にとらわれすぎた? ~皐月賞

今年の皐月賞は、震災の影響により、23年ぶりに東京競馬場で行われました。

例年の中山競馬場での皐月賞は、最終週で馬場が悪くまた直線が短いコース形態から、馬場のよい外を通れる外枠の馬が来たり、逃げ馬が残ったりと、一筋縄ではいかない印象があります。それに対して東京競馬場は、最後の直線が長いこともあり力のある馬が来る印象ですが、開幕週は馬場がよいこともあり、普段よりも先行馬が有利という感じがあります。

今回の皐月賞も、当初は先行馬(しかも内枠)が有利というイメージで予想を始めました。そうなると、サダムパテックやナカヤマナイトに目が行きます。またペルシャザールも、安藤勝騎手の前走後のコメントなどから、先行することは間違い無さそうで、血統的にも有力な感じです。

それに対して、オルフェーヴルは力があることは間違いないものの、後ろから行く脚質で、しかも外枠ということが気になります。
ただこれについては、昨日のフローラSでバウンシーチューン(同じステイゴールド産駒)が後方から差しきったことで、やや払拭され、さらにオルフェーヴル自身が重のデビュー戦で上がり33.4で差しきって勝っていることから、もし馬場の良化が遅れても問題はないだろうということで、かなり悩んだものの、本命視することとしました。

レースではエイシンオスマンの大逃げはともかく、ベルシャザールは先行を意識したためか逆に掛かってしまい、末脚をなくして11着に大敗しました。またやや注目していたステラロッサも同じような競馬で大敗。
結果として先行した中では、5番手から粘ったダノンバラードが少し離れた3着に入っただけでした。

人気としては、オルフェーヴルよりもナカヤマナイトやペルシャザールが上でしたが、それはやはり先行有利の頭があったからではないでしょうか。騎手の心理にも、それが影響したような気がします。

競馬ではよく裏をかかれることが多いのですが、皆が同じことを考えるとそこに集中してしまい、結果として逆になるのかもしれません。
今日の結果を見ると、オルフェーヴルはダービーでもかなり有力だと思いますが、あまり先入観にとらわれずに、予想をしていきたいものです。

2011年04月10日

ディープインパクト、安藤勝騎手、松田博師の実力

桜花賞のマルセリーナ、見事な勝利でした。
初年度産駒からクラシック制覇のディープインパクト、近6年で4勝2着1回の安藤勝騎手、優勝確実と思われたレーヴディソールが怪我で直前回避となりながらも勝った松田博師。いずれも実力+強運の持ち主であることを証明しました。

シンザン記念と毎日杯を連勝したレッドデイヴィス、スプリングSを勝ったオルフェーヴルに次ぐ3着に入ったシンザン記念の後、エルフィンSを快勝。しかし馬体が減り続けたために、前哨戦を断念して桜花賞への直行という異例のローテーションを選んだこともあり、不安がぬぐえなかったのも事実です。またディープインパクト産駒は人気先行の傾向もあり、人気になって大敗というケースもいくつもありました。

レースはややスタートが悪かったこともあり、1番人気のホエールキャプチャとともに、後方から進めます。4コーナーでも後ろから2,3番手。そこからホエールキャプチャは大外に持ち出したのに対して、マルセリーナは内を突きます。
一旦は前が詰まりかけるも、外があいて馬場中央に持ち出します。そのときにホエールキャプチャはやや前にいましたが、そこから一気に加速してホエールキャプチャを内から抜き去り、3/4馬身差をつけてゴール。

3戦とも上がりが33秒台から34秒台前半と、末脚のよいタイプではあったのですが、今日はすばらしい瞬発力を見せました。ホエールキャプチャと上がりのタイムは同じですが、やはりコースどりと瞬発力の差が出たという感じでしょうか。

4着に入ったメデタシと、早くも2頭のディープインパクト産駒がオークス出走を決めました。しかし距離伸びてよさそうな同厩の3着トレンドハンターや、東京が合いそうなホエールキャプチャ、ダンスファンタジアなどの巻き返しもありえます。
1位同着になった昨年以上のドラマを、ぜひ期待したいものです。

2011年03月27日

ドバイと阪神で快挙

ヴィクトワールピサのドバイWC、すばらしい結果でした。向こう正面で上がっていったときは、掛かったかなとちょっと心配しましたが、しっかり折り合っていたんですね。4コーナーを回ってトランセンドとのたたき合いになり、まとめて交わされるかとひやひやしたのですが、なんとそのままゴール。日本調教馬として、初めて世界最高賞金のレースを制する快挙です。しかもワンツーですから。

いい成績だったら、暗い話題が多い日本を、少しでも勇気づけられるかもと思っていましたが、予想以上の結果でした。

ブエナビスタは残念でしたが、最後方から前をふさがれて、あれでは厳しいですね。最近のブエナビスタは前にも行けるので、ムーア騎手にはもう少し積極的な騎乗をしてもらってもよかったかなと思います。

そして高松宮記念では、8歳馬のG1制覇(日本調教馬では初)&初の連覇。そしてなんと関東馬のワンツースリーとなりました。
美浦のトレセンも、一部の建物に被害があったり、水が出なくなるということもあったらしく、しかも中山競馬が中止になり、厳しい状況だったと思います。そんな中で、キンシャサノキセキは、なんと8歳でG1連覇を達成。大幅な馬体減が心配だったのですが、先行してダッシャーゴーゴーをマークし、直線半ばであっさりと交わすと、昨年以上の強さでゴールしました。
しかも2着サンカルロ、3着アーバニティも関東馬。逆境を跳ね返したその姿は、東日本の競馬ファンにも勇気と感動を与えたのではないでしょうか(ちょっと大げさかな)。

4月の中山開催も中止になり、皐月賞も、もしかしたら京都での開催になるかもしれないという、関東馬にとっては厳しい状況が続きますが、これらの快挙に勇気をもらって、ぜひ乗り越えていって欲しいと思います。

2011年02月20日

見事な逃げ切りだからこそあの馬達との対戦を ~フェブラリーS

フェブラリーSは、1番人気のトランセンドの見事な逃げ切り勝ちとなりました。しかしJCダートを勝っての1番人気とはいえ、3.5倍という微妙なオッズが、信用していいのかというファンの心情を表していたように思います。
阪神よりも直線の長い東京コースで、しかもフリオーソやダイシンオレンジ、バーディバーディなど強力な先行馬も揃い、果たして逃げ切れるのかというのが、偽らざる心境でしょう。

レースはトランセンドが好スタートから予想通りハナを切ったものの、フリオーソはなんと後方からとなりました(今日のデムーロ騎手はなぜか追い込みが多かったような)。しかしトランセンドは途中からマチカネニホンバレに絡まれて、厳しい展開になります。
それでも直線に入るとマチカネニホンバレを突き放し、代わって差してきたバーディバーディは逆に最後に末脚が鈍り、イメージ一新ですごい脚で追い込んできたフリオーソも抑えて、JCダートに続いてJRAのG1を連勝しました。
これで名実ともに、JRAを代表するダートホースになったと言えるでしょう。

そしてこうなるとぜひ見てみたいのが、エスポワールシチー、スマートファルコンとの対決です。3頭とも逃げを得意な戦法としており、特にトランセンドとスマートファルコンは逃げてG1を連勝しています。そもそもどの馬が逃げるのか、ペースはどれぐらいになるのか、興味は尽きません。
ぜひこの夢の対決を、どこかで実現してもらいたいものです。そして舞台としては、やはり直線が長いコースが、たたき合いを長く見られるという意味では、望ましいと思います。
3頭とも文句が言えないぐらいの体調で対戦するというのは、とても難しいとは思いますが、だからこそぜひ実現して欲しいものです。

2011年02月13日

ディープインパクト産駒の傾向? ~共同通信杯

共同通信杯は、3番人気のナカヤマナイトが内をうまく抜けて、クビ差でユニバーサルバンクを抑えて、重賞初制覇を飾りました。
負けたとはいえ、百日草特別もホープフルSもなかなかよい伸び脚を見せていたので、注目はしていたのですが・・・。残念ながらユニバーサルバンクとの組み合わせは、買えませんでした。

1番人気はラジオNIKKEI杯を鋭い末脚で制したダノンバラードでしたが、直線伸びずに、0.7秒差の9着に敗れました。ディープインパクト産駒は、どうしても人気過剰な傾向があるように思えるのですが、それにしても重賞で人気を裏切ることが多いような気がします。
今年になってからの重賞で、3番人気以内になったディープインパクト産駒の成績を見てみると。

◆シンザン記念
・ドナウブルー 1番人気 5着
◆フェアリーS
・ダンスファンタジア 1番人気 1着
・イングリッド 3番人気 14着
◆京成杯
・スマートロビン 1番人気 12着
◆きさらぎ賞
・トーセンラー 3番人気 1着
◆クイーンC
・ダンスファンタジア 1番人気 6着
◆共同通信杯
・ダノンバラード 1番人気 9着

6戦中5戦で1番人気になっているものの、勝ったのはフェアリーSのダンスファンタジアのみ。きさらぎ賞でトーセンラーが3番人気で勝っているものの、それ以外は2,3着すらなく、ことごとく人気を裏切っています。
これを見る限り、少なくとも1番人気に押されたディープインパクト産駒は、かなり信頼度が下がるといえるでしょう。国内では1度も連対をはずさなかった父とは、かなり対照的な成績です。
やはり人気過剰の面が多いのでしょう。サトノオーも一時1番人気になっていましたが、いくら新馬戦が強かったとはいえ、冷静に考えてみれば500万下で繰り上がって1着になった馬ですから。

しかし、あの飛ぶような末脚を期待してしまうのも仕方ないでしょう。ぜひこの望ましくない傾向を、打ち破ってくれるディープインパクト産駒の登場を期待したいものです。

2010年12月19日

2歳馬だから?それとも中山だから? ~朝日杯FS

今日の朝日杯FSは本命をサダムパテックにしたのですが、実は先週のレーヴディソールほどの自信はありませんでした。レーヴディソールの単勝160円に対して、サダムパテックの単勝は180円。オッズは似たような倍率でしたが、サダムパテックはちょっと売れすぎかなと思っていたのです。

サダムパテックの前走である東スポ杯のパフォーマンスは見事で、3馬身半差の完勝にはケチをつける部分がありません。
不安の原因は、やはり朝日杯が行われる中山芝1600mのコースにあります。極端に外枠が不利(過去10年で7,8枠は連対1頭)で、時計がかかりまた直線が短く差しが効きにくいので、東京の馬場とは違った能力が求められます。
サダムパテックは、東京では長い直線を活かして差を広げましたが、短い中山の直線であのパフォーマンスが再現できるのか、一抹の不安があったのです。

結果としてその不安は当たって、サダムパテックは差し届かず4着。
ただ4コーナーから直線はスムーズに上がっていって、あとは差しきるかと思ったのに、坂で意外に伸びず、逆に後ろからきたグランプリボスに差されてしまいました。これは中山の適性以前の問題かもしれません。

先週の阪神JFで破れたダンスファンタジアについての藤沢和師のコメントで、「3戦目になるから気難しさが出てくることも考えていたが」というのがあり、数戦体験すると掛かるようになる馬がいることを初めて知ったのですが、サダムパテックもパドックはうるさく、また道中も掛かり気味に見えました。
最後に伸びなかったのは、そのあたりが原因なのかもしれません。

いずれにしてもキャリアが浅く、また気性的にも幼い2歳馬は、ある意味あてにならない部分が大きいのも確かです。それも考慮に入れて、馬券を買う必要がありますね。

ちなみに、今回はサダムパテックからの流し以外に、有力3頭(リベルタス、リアルインパクト、グランプリボス)のボックスも押さえていたので、事なきを得ました。
しかしサクラバクシンオーの子供が1600mのG1を勝ったのは、ちょっとした驚きでした。これで来年のクラシックで活躍すれば、短距離向きというイメージを大きく覆す快挙となるでしょう。
ぜひよい意味で、期待を裏切る場面を見たいものです。

2010年12月12日

2強対決はなぜか1頭が崩れます ~阪神JF

今年の阪神JFは、2強対決の様相でした。
かたやデイリー杯2歳Sで牡馬を相手にせず、上がり33.7で1.33.6というタイムで楽勝したレーヴディソール。
もう一方は、去年のアパパネも勝った500万下の東京芝1600m赤松賞で、上がり33.8、2 1/2馬身差で楽勝したダンスファンタジア。

重賞で牡馬を下したレーヴディソールが1.6倍の圧倒的な1番人気に支持されましたが、ダンスファンタジアの勝ち方も大物感あふれており、またダンスインザムードの娘ということで3.6倍の2番人気になりました。3番人気のアヴェンチュラが9.9倍なので、2強といっていいでしょう。

レースは先行各馬が抑えたこともあり、予想以上のスローペースとなり掛かる馬が続出。しかしやや出遅れたレーヴディソールは、落ちついて中団後方の外を進みます。
ところが同じく出遅れたダンスファンタジーは掛かってしまい、武豊騎手が必死になだめるものの、向こう正面では後方からレーヴディソール他を交わして一気に好位まで上がっていってしまいました。

そして直線に入ると、ダンスファンタジアは一瞬伸びかかるものの、掛かったのが災いしたのか、外から来たレーヴディソールに交わされると失速。過去2戦からは想像もできなかった0.8秒差の9着に終わりました。
対するレーヴディソールは、メンバー最速の上がり33.9で1/2馬身差し切り、無敗での2歳女王に輝きました。

パドックでも落ち着いているレーヴディソールに対して、ややテンションが高いダンスファンタジアに若干の不安を感じたのですが、輸送の負担を減らすための、藤沢和厩舎のめずらしい栗東滞在も、報われませんでした。

だいたいにおいて、2強対決の場合は1頭が崩れることが多いような気がします(テイエムオペラオー対メイショウドトウのように、きっちり2頭でワン・ツーを重ねる場合もありますが)。
その理由はさまざまあるのでしょうが、お互いにマークすることにより勝負どころで大きな負担がかかり、それに耐えられないほう(時には両方)が大きく負けてしまうとか、その勝負の間隙を縫って漁夫の利を得ようとする馬が必ず現れるとか、そんなところでしょうか。
これが3強だと意外とすんなり3頭で収まったりするのは、プレッシャーが分散するということもあるのかもしれません。

ただし馬券を買う側からすると、2強の場合その組み合わせは間違いなくオッズが低いので、その1点につぎ込むか、あるいは2強が崩れるのに賭けるか悩むことになります。前者を選ぶ場合、さらに3連複や3連単で2頭を固定することも多いでしょう。

しかし結果的には、どちらかが崩れるケースが圧倒的に多いような気がします。
今回も崩れるとしたら早いペースを経験していないダンスファンタジアだろうと思っていたら、まさにその通りになりました。

競馬を長くやっているからといって、馬券が当たりやすくなることは無いのではと経験的に思うのですが、こういうジンクスは知っておいて損はないです。ただしその場になると、なかなか思い切れないのですが。

2010年11月28日

G1 6勝目は幻に ~ジャパンカップ

大外からいつものように素晴らしい末脚で差してきて一気に先頭に立ったときは、これでブエナビスタのG1 6勝目と、年度代表馬はほぼ決まりかと思ったのですが・・・。
スミヨン騎手はウィニングランを1コーナーからウィナーズサークスを過ぎるまでして、さらにムチを客席に投げ込んで、ヘルメットをとって大きなアクションでアピールまでして喜びを爆発させていましたが、その後の長い審議に、東京競馬場は不安なざわめきに包まれました。

審議の間に何度もレースのリプレイが流れるのですが、直線入ってすぐにブエナビスタが内によったことでメイショウベルーガが押されて、その内の馬が何頭か不利を受けた場面と、追い込んできたブエナビスタにローズキングダムが馬体を合わせて、内のエイシンフラッシュとの間に挟まれる場面、そのあとにさらにブエナビスタが内にささって、ローズキングダムの武豊騎手が追えなくなっている場面が、繰り返されました。

昨年の秋華賞で2位入線して3着に降着になった前科を持っているブエナビスタなので、心配しながら結果を待っていたのですが、やはり2着に降着となりました。
パトロールビデオを見ると、最後の場面でブエナビスタはローズキングダムの前に入ってしまっているし、ローズキングダムがヴィクトワールピサを交わしたことから明らかにまだ脚が残っているので、降着も仕方ないかなと思います。

JRAのG1で1位入線しながら降着となったのは、2006年エリザベス女王杯のカワカミプリンセス以来だと思いますが、ブエナビスタは2位から3位への降着を一度経験しており、G1上位入線で二度の降着というのは、初めてではないでしょうか。

今日の東京競馬場は、30回目のジャパンカップを記念して、1985年の優勝馬シンボリルドルフが来場して、パドックとローズガーデンでお披露目されていました。
そのシンボリルドルフが4歳(当時は5歳)でジャパンカップを制してG1 6勝目を達成。シンザンの旧8大競走5勝という記録を塗り替えたのですが、無事であればブエナビスタもその記録に並んでいたわけで、大変残念な結果となりました。

ローズキングダム陣営としても内心複雑だとは思います。馬主が同じということもあり、表彰式でも橋口師をはじめ、固い表情をされていました。
しかし大きな不利を受けながら、ゴールぎりぎりでヴィクトワールピサを交わしたのは大したものだと思いますし、不利がなければきわどい勝負だったと思います。決してG1馬として恥ずかしくはないでしょう。

今後のローテーションは現時点ではわかりませんが、ぜひ有馬記念で決着をつけて欲しいと思います。ブエナビスタは昨年2着に入っており、ローズキングダムも朝日杯で初G1を飾った験のよいコースなので、舞台として不足はないでしょう。

しかし毎度思うのですが、上位入線馬の降着・失格はとても残念だし、関係者の心情を考えるとつらいものがあります。すべてひっくるめて競馬なのですが、願わくば大レースぐらいはすっきりと決まってもらいたいものです。

ローズキングダム

2010年11月21日

ジンクスは常に破られる? ~マイルCS

マイルのG1は数多くありますが、特に東京のマイルG1と京都のマイルCSでよく聞くのが、マイルよりも長い距離に実績がある馬が有利というものです。
たしかに過去10年の連対馬では、デュランダル以外にはすべて1800mでの勝利経験があり、またデュランダル(前走スプリンターズS1着、2着)とゼンノエルシド(前走スプリンターズS1番人気10着)、スーパーホーネット(前走スワンS1着)以外は、すべて1600m以上の重賞からマイルCSに臨んでいます。しかも連対したのべ20頭中12頭が、前走1800m以上のレースを走っているのです。

この傾向を見ると、連対馬の条件としては、前走で1600m以上(1800m以上が有力)の重賞を使うか、1200mのG1で連対か1番人気、あるいは1400mのG2で1着ということが導き出されます。特に最近はスワンS組が不振ということもあり、スワンSで8着に敗れたエーシンフォワードは13番人気という低評価になってしまったのでしょう。

たしかにエーシンフォワードは1400mが4・0・1・3に対して、1600mは1・3・1・4と、芝1400mのスペシャリストのイメージが強かったのは事実です。現に唯一勝った重賞は、今年の阪急杯(阪神 芝1400m)でした。それもあって、安田記念の前哨戦の京王杯SC(東京 芝1400m)、そしてマイルCSの前哨戦スワンS(京都 芝1400m)では、いずれも1番人気に支持されたのでしょう。

それが安田記念では9番人気、そして今日のマイルCSでは13番人気と、絵に描いたような人気薄の実力馬状態になっていました。まあ人気になった前哨戦で、4着、8着と敗れたのが、人気急落の大きな原因ではありますが。

昨年は8歳馬のカンパニーがあざやかに差し切り勝ちをおさめ、7歳以上は来ないというジンクスを打ち破ったばかりですが、今年はエーシンフォワードが、長い距離からの距離短縮の馬を狙うべきというジンクスを破ってくれました。これで来年以降はまた悩みが増えることになりましたが。

今日のマイルCSを見返してみると、エーシンフォワードが先週のスノーフェアリーのように、空いている内に切れ込んで、早めに抜け出していることがわかります。エーシンフォワードは距離に不安があるので、さすがに最後は詰め寄られましたが、京都のG1必勝法は、中団から思い切って内をつく戦法かもしれません。
ただファンの立場としては、誰がそういう戦法をとるのかわからないのが、残念な点ではありますが。

2010年11月14日

作戦勝ち&意外な切れ味 ~エリザベス女王杯

今年のエリザベス女王杯は、国際レースになって初めて外国馬の勝利となりました。イギリス調教馬としてJRAのG1勝利は、2005年のJCを勝ったアルカセット以来ではないかと思います。
勝ったスノーフェアリーは、イギリスとアイルランドのオークスを勝っており、その後G1を2,4着と善戦しての来日でした。ダンロップ師は日本の馬場への適性があると判断して、凱旋門賞やブリーダーズC参戦を見送っての来日とのことなので、まさにしてやったりでしょう。しかもJRAからのボーナスで、勝てば賞金が倍になるので、本気で臨んだことは間違いありません。

ただし評価としては、ヨーロッパの馬が日本の高速馬場に適性があるかは半信半疑ということもあり、単勝8.5倍の4番人気にとどまりました。
それがまさかあんな切れのある脚を披露するとは、かなり驚かされました。持ちタイムも芝2400mで2分30秒台、芝2000mで2.06.9と、日本の重馬場でもかなり遅い時計からは、ちょっと想像できない切れ味でした。

しかし大きな勝因は、ムーア騎手のコースどりではないでしょうか。4コーナーで大きく空いた内に切れ込むと、大きなアクションで馬を追って残り200mぐらいで先頭に立ち、一気に5馬身ほど差を広げてセーフティリードとしてしまいました。
以前ペリエ騎手が、ヨーロッパの騎手仲間に対して、日本の競馬は4コーナーで内が空くことが多いので、内でじっとしていれば勝てると言ったそうですが、まさにそういう展開になりました。

先行した3頭の騎手はいずれも若手だったこともあり、4コーナーは大きく外を回っています。京都の外回りは、3コーナーからの下りで勢いがつき、また直線に入ったところに内ラチがないこともあって、内が空きやすいのですが、先行勢が外にふくらんだためか、後続も外を回る馬が多くなってしまいました。
唯一、武豊騎手のコロンバスサークルがうまく内をついて抜け出そうとしましたが、やはり馬の力が違ったということでしょうか。

残念だったのは、メイショウベルーガです。10RのドンカスターS(芝2200m)で、池添騎手がうまく内をついて勝利をあげたので、エリザベス女王杯でも同じ作戦をとるかと思ったのですが、外に出してしまい、アパパネは交わしたものの、4馬身差の2着に終わりました。
結果論ですが、内をついていれば、もっときわどい勝負に持ち込めたのではないかと思います。

アパパネは、調教に覇気があまり感じられず、秋華賞の疲れがあるのではと思って少し狙いを下げたのですが、やはり3冠達成に向けて仕上げた影響があったのではないでしょうか。それでもリトルアマポーラとの競り合いを制したのは、勝利への執念だったと思います。

国際色豊かな競馬は、予想は難しいものの、華やかで楽しいですね。来週のマイルCSから、JC,JCダート、そして今年は東京で行われるワールドスーパージョッキーズシリーズなど、楽しみたいと思います。

2010年10月17日

アパパネもすごいけど金子さんもすごい ~秋華賞

アパパネ、見事な勝ちっぷりでした。牝馬3冠、本当におめでとうございます。
桜花賞もオークスも勝ったとはいえ着差は少ないし(オークスは同着)、トライアルのローズSは4着に負けるし、大丈夫かなというのが、G1 3勝で1番人気とはいえ2.3倍というところに、現れていたような気がします。

ただし3コーナーからすっと上がっていくところと、直線に入って一瞬で抜け出す脚は見事でした。好調のアニメイトバイオには3/4馬身差まで詰め寄られましたが、今日は着差以上の強さを感じました。3冠レースの中では、最も強さを見せてくれたレースだったと思います。

これで阪神JFを含めて、同世代の牝馬G1をすべて勝った初めての馬となったわけですが、その4戦すべてで2着(オークスは1着)の馬との差が1馬身未満というのも、ある意味すごいことではないかと思います。見たことはないですが、シンザンのような強さというのは、こんな感じなのではないでしょうか。

そしてオーナーの金子真人氏は、これで牡馬のディープインパクトとあわせて、2頭の3冠馬のオーナーとなりました。他にもダートG1 7勝のカネヒキリも持つなど、さまざまなジャンルの強い馬を持っている、まさに強運のオーナーといえるのではないでしょうか。
しかもカネヒキリやアパパネは、超良血とまではいえない血統で、必ずしも高額馬ばかりで実現したわけでもありません。社台グループと違って、自ら配合・生産しているわけでもないので、運としかいえない気がします。

アパパネが次にどこを使うのかはわかりませんが、ぜひエリザベス女王杯に挑戦して、同一年の牝馬G1完全制覇を成し遂げてもらいたいと思います。

2010年10月03日

「短距離の差し馬」は当てはまりません ~スプリンターズS

わかっていながらやられてしまう・・・。何かスプリンターズSでは、よくそんな思いをするような気がします。
今年のスプリンターズSは、10番人気の伏兵、香港のウルトラファンタジーが逃げ切って終わりました。これで逃げ馬が連対したのは、過去10年で6頭。G1の中でも、最多ではないでしょうか。

よく穴馬をさして、「長距離の逃げ馬、短距離の差し馬」と言います。たしかに長距離で穴を開けるのは、しばしばマイペースで逃げた人気薄の逃げ馬だったりしますし、短距離では予想外のハイペースになって、無欲の差し馬がまとめて交わして勝ってしまうという事もあります。
しかしことスプリンターズSでは、人気薄とは言わないまでも、逃げ馬にやられることが多いです。
たとえば2000年のダイタクヤマトは16番人気で単勝は25,000円以上ついたし、昨年のローレルゲレイロも6番人気をあざ笑うように、見事な逃げ切り勝ちでした。

今年のウルトラファンタジーも、なぜか同じ香港のグリーンバーディーの陰にかくれて、香港ではいい勝負を繰り返していたのに、10番人気という低評価でした。

実際この時期の中山は先行有利は常識だし、逃げ馬がからむことは百も承知なのですが、今年の場合はどの馬が逃げるかわからないという事情もありました。ローレルゲレイロもヘッドライナーも、逃げてこそのタイプだし、そうなるとハイペースになって、差し馬がくるかもという期待もあったわけです。
しかし実際のレースは、ウルトラファンタジーがダッシュするもすぐに抑えて、それを一旦交わしてしまったローレルゲレイロやビービーガルダンもまた抑えたので、結果として再度ハナにたったウルトラファンタジーには、楽なペースで逃げることを可能にしてしまったのです。

4コーナーを回って後続を突き放したところで、勝負あったという感じでした。外のキンシャサノキセキは、休み明けのせいか、じりじりとしか伸びない。唯一内を差してきたダッシャーゴーゴーが迫ったのが収穫でしょうか。スプリント界にようやく世代交代を告げる馬が出現したようです。降着になってしまったのは残念ですが。

同じコースで同じ条件で行われていると、どうしてもそのレースの特徴というか性格がでてきます。まずはそれをつかむことが、的中への近道といえるのでしょう。わかっていても、なかなかそのとおりに考えられないものですが・・・。

2010年08月22日

アーネストリー本格化ですね ~札幌記念

昨年のブエナビスタには話題性で負けるものの、今年もG1馬3頭を初めなかなかよいメンバーが集まった札幌記念。宝塚記念3着のアーネストリーの本格化なるか、ロジユニヴァースの復活はあるのか、ジャミールってどうなのか、あたりが個人的には興味の的でした。

パドックで目を引いたのは、上記の3頭+函館記念を圧勝したマイネルスターリー、そしてドリームサンデーもなかなかよさそうに見えました。そこでアーネストリーを中心に上記の5頭をからめ、さらに穴として札幌実績のあるアクシオン、エアジパングを少し加えてみました。
函館記念もそうですが、意外と札幌、函館の洋芝実績がバカにならないということがあり、特にアクシオンは調子も上がってきているように見えたのです。

レースはドリームサンデーが逃げて、ロジユニヴァースが2番手、やや離れてアーネストリーが追う展開になりました。一時は前の2頭が離したものの、1000mは59.3と落ちついたペース。
4コーナーで先頭に立ったロジユニヴァースを直線でアーネストリーが交わして、ロジユニヴァースも懸命に粘ったものの、1 3/4馬身差をつけたアーネストリーが1.59.4の好タイムで1着。3着は好位から伸びてきたアクシオンが、中団から伸びた2番人気の3歳馬ヒルノダムールをアタマ差抑えて入りました。

アーネストリーはこれで重賞3勝目。前走の宝塚記念3着とあわせて、本格化なったといえるのではないでしょうか。かつてはなかなか重賞を勝てない時期もありましたが、今日のレースは3番手から最速の上がり(35.4)で堂々と差し切り勝ち。秋の最大の目標は天皇賞(秋)でしょうが、それに向けてはずみがつく、見事な勝ち方でした。

ロジユニヴァースは長期休養から復帰したあと、なかなか結果が出せず、順調さも欠いていましたが、ようやく「らしい」走りを見せてくれました。最後はアクシオン、ヒルノダムールに迫られましたが、交わされなかったのは、やはりダービー馬の底力なのでしょう。

近年、札幌記念の連対馬は秋のG1で好走することも多いですが、今年もこの2頭にはぜひがんばってもらって、秋のG1戦線を盛り上げてもらいたいと思います。

2010年05月30日

エイシンフラッシュの勝因、ヴィクトワールピサの敗因 ~日本ダービー

今年のダービーは、単勝7番人気の伏兵扱いだったエイシンフラッシュの優勝となりました。1番人気のヴィクトワールピサは意外に伸びずに3着、2番人気のペルーサは出遅れも響いて6着に敗退しました。
最近10年は、すべて3番人気以内の馬が勝っており、人気薄での勝利となると97年のサニーブライアン(6番人気)以来、7番人気ということではその前年のフサイチコンコルド以来となります。
さらに2着は5番人気のローズキングダムで、3番人気以内の馬が連対しなかったのは、なんと87年(1着メリーナイス:4番人気、2着サニースワロー:22番人気)以来23年ぶりのことになります。

戦前は皐月賞馬ヴィクトワールピサと青葉賞勝ち馬のペルーサが2強状態で、特にNHKマイルC勝ち馬のダノンシャンティが取り消してからは、余計その色が濃くなりました。
たしかにヴィクトワールピサは6戦5勝で皐月賞を含む重賞3連勝中、ペルーサは4戦全勝で青葉賞は2.24.3で2着に4馬身差の圧勝と、文句をつけられない戦績でした。

それに対してエイシンフラッシュは、京成杯はハナ差1着で、皐月賞はヴィクトワールピサと同じ上がりで1 1/2馬身差3着まで。皐月賞が休み明けだったとはいえ、かなり地味な印象でした。
またローズキングダムも朝日杯FSを快勝したものの、3歳になってからは伸び一息で3,4着と連対をはずし、しかも馬体減が止まらず、ダービーでは人気急降下となってしまいました。

それではそれぞれの勝敗を分けたのは、何だったのでしょう。
まずエイシンフラッシュは調教がすばらしかったように、休み明けをたたいて、大幅に体調アップしていたことが大きいと思います。パドックでもぴかぴかの毛づやで悠然と歩いていました。
あとは瞬発力勝負に強かったと言うことなのでしょう。レースの上がりが3ハロン33.4と上がりの勝負になったのですが、それをエイシンフラッシュは32.7と究極の末脚で差しきって勝ちました。
もっともこれまでの最速が34.4だったので、成績からそれを読み取ることはできなかったのですが、休み明けの皐月賞で、ヴィクトワールピサと同じ上がりタイムで3着にきたということは、その可能性を秘めていたということなのでしょう。

これは2着のローズキングダムにも言えると思います。新馬戦では33.9の上がりを発揮して、34.1の上がりのヴィクトワールピサを寄せ付けずに快勝。その後は馬場の悪い中山で結果を残せていなかったのです。また今回、デビュー以来初めて馬体増で出走できたように、ようやく身が入ってきたのかもしれません。

それに対してヴィクトワールピサは、直線入り口ではエイシンフラッシュやローズキングダムと同じような位置にいながら、直線は反応がよくなく、なんとかゲシュタルトとの3着争いを制したという感じでした。
上がりも33.1とエイシンフラッシュより0.4秒も遅く、これでは差しきることは不可能です。
ヴィクトワールピサの不安は、持ちタイムと上がりが平凡なことだったのですが、やはり早い上がりのレースには対応できなかったということなのかもしれません。

ペルーサは出遅れが大きいと思いますが、直線に入って行き脚が鈍ってしまったように見えました。最後は再び差してきているので、やはり強い相手と戦ったキャリアの少なさが出てしまったのではないかと思います。
どうしても青葉賞組は、皐月賞組に比べると厳しい競馬の経験が少ないことが多いので、それが本番に出てしまったのではないでしょうか。

エイシンフラッシュの戴冠は、人気薄ということでフロックではないかという危惧を抱く人もいるでしょう。しかし上がり32.7で差しきる芸当は、フロックではできないと思います。
これからのキャリアの中で、ぜひ世代の横綱としてはずかしくない戦績を残していってくれることを、期待したいと思います。
また負けた馬たちにも、実力を磨いてまたぜひすばらしいレースを見せて欲しいものです。

2010年05月23日

なんとG1初の1着同着でした ~オークス

ゴールした瞬間はサンテミリオンが出たように見え、スローで見るとアパパネがほんの少し出ているようにも見えたのですが、2年前の天皇賞(秋)と同じような長い長い写真判定になりました。
それでも、JRAは意地でも決着をつけるだろうと思っていたのですが、なんと掲示板には同着の文字が・・・。その瞬間、東京競馬場は大きな拍手が巻き起こりました。

アパパネは血統面と桜花賞で掛かったことから距離不安がささやかれ、サンテミリオンはフラワーCでの3着完敗とフローラSで抜け出すのに手間取ったことから力的にどうかとする見方もありました。
しかしアパパネは17番という前に壁を作りにくい枠にもかかわらず、掛かるそぶりも見せずに折り合い、すぐ前のサンテミリオンと中団後方を進みます。1000mが1.00.6というやや遅めの流れで、直線は満を持して先行していたアグネスワルツが抜け出しますが、それを外から並んで追い込んできて、残り200mからは2頭のマッチレースになりました。

一旦は外のアパパネがアタマほど出たようにも見えたのですが、すぐに内のサンテミリオンも差し返し、馬体をあわせての壮絶なたたき合いが、びっしり200m続きました。ゴールの瞬間はアタマを上げたサンテミリオンに対して、アパパネはクビを伸ばし、しかしスローで見てもどちらが勝ったかは定かではありません。

過去のG1でも、古くは95年スプリンターズSでのフラワーパークとエイシンワシントンのたたき合いや、最近では08年天皇賞(秋)のウオッカ対ダイワスカーレットなど、際どい勝負はいくつかありましたが、写真判定で常に勝ち負けをつけてきました。だから今回も、なんとか写真を引き伸ばして、決着をつけるだろうと思っていたのですが。だから同着と出たときは、とても驚きました。
重賞では、02年の京成杯でヤマニンセラフィムとローマンエンパイアが同着優勝したのを見たことがありますが、G1では表彰式とか口取りとか2回やるのは大変だし、なんといっても第71回オークス馬が2頭というのは、記録上ちょっとね。(ちなみに賞金は1着分と2着分を足して2で割って分けるそうですが)

蛯名Jと横山典Jを初めとする関係者も、決着をつけたかった気持ちはあると思います。勝負事ですから。ただしたまにはこのように両者をたたえるということもあっていいのではと、個人的には思います。ずっと目指してがんばってきたわけですからね。1,2cmの差だったら、両方を賞賛するべきでしょう。

口取りも表彰式も2回見ることができ、2人のジョッキーの笑顔(横山典Jの満面の笑顔に比べて蛯名Jはややこわばってましたが)を見られたのは、なかなか貴重な経験でした。めったにあることではないですからね。
2頭にはこのまま順調に夏を越してもらって、秋華賞あたりでぜひ決着をつけて欲しいとも思います。ある意味、盛り上がるとも思いますし。

アパパネとサンテミリオン
アパパネ(左)とサンテミリオン(右)

2010年05月16日

前残りの馬場を差しきったブエナビスタ ~ヴィクトリアM

昨日の京王杯SCが先行馬同士のレコードで決まったように、今週からBコースになった東京の芝コースは、極端な前残りの馬場になっていました。今日芝のレースは6レースあったのですが、ヴィクトリアM以外の各レースの1,2着馬の4コーナーの位置取りは下記のとおりでした(かっこ内は人気)。

4R(芝2000m) 1着:1(3) 2着:2(8)
6R(芝1600m) 1着:2(1) 2着:6(4)
8R(芝1600m) 1着:2(2) 2着:1(4)
9R(芝2000m) 1着:4(6) 2着:1(3)
12R(芝1800m) 1着:1(5) 2着:2(9)

すべてのレースで逃げ馬か2番手の馬が連対しており、4,8,12Rはいわゆる行った行ったで決まっています。しかも必ずしも人気同士の決着ではありません。
直線が長い東京コースは差し有利が常識なので、いかに特異な状況だったかがわかるのではないでしょうか。

そんななか、ヴィクトリアMでの1番の関心事は、ブエナビスタがどの位置でレースを運ぶかでした。実際に6,8Rを2番手から制し、9Rは1番人気ながら中団から進めて3着に敗れている横山典Jは、当然先行有利の馬場であることはわかっていたでしょう。

ブエナビスタはスタートは悪くなかったものの、向こう正面の直線ではじりじりと位置取りを下げて、3コーナーは後ろから5番手、4コーナーも後ろから7番手という位置になりました。
そこから外に出して、いつものように猛然と追い込んでくるものの、先行している内の各馬も伸びているので、なかなか差が詰まりません。坂の途中では、もうダメかという感じにも見えましたが、坂を上ってから最後の一伸びで、内から伸びてきたヒカルアマランサスをクビ差で差しきりました。
昨年のオークスもしびれましたが、それに勝るとも劣らない、すごいレースでした。

しかし意外と早い流れになったとはいえ、よくこの馬場で、後方から勝ったなというのが、率直な感想です。戦前は、海外遠征の疲れとか、久々の1600mなどいろいろな不安が上げられましたが、すばらしい走りで、すべて払拭してくれました。

最近の強い牝馬といえばウオッカが上げられますが、ウオッカはドバイ帰りのヴィクトリアMでまさかの2着に破れたり、東京以外では意外なもろさを見せたりと、強さと弱さが同居しているようなところがありました。しかしブエナビスタにはどんな状況でも克服する、どちらかといえばダイワスカーレットのような強さを感じます。
ただ、今日はメンバー的にウオッカのような圧勝まで期待されたものの、500万下と0.5秒しか違わない勝ちタイムでクビ差の辛勝と、遠征帰りの影響がうかがえました。横山典Jもいつもの反応ではなかったと認めています。それでも勝ってしまうのが、底力なのでしょう。

すでに京都記念で、昨年のグランプリホースのドリームジャーニーと、春の天皇賞馬のジャガーメイルを破っており、現役最強馬といっても過言ではないでしょう。今後はそれを証明するような、さらに強い走りを見せてくれることを期待したいと思います。



ブエナビスタ

2010年05月09日

次走が気になるレコード勝ち ~NHKマイルC

NHKマイルCは、ダノンシャンティが1.31.4という驚異的なレコードで優勝するという結果に終わりました。
戦前はダノンシャンティとサンライズプリンスの2頭が人気を分け合う形となっていましたが、マイルでの持ちタイムという面から、適性はサンライズプリンスのほうが上ではないかという声もありました。実際にダノンシャンティは4戦すべてスローペースを好位あるいは中団から差す競馬しか経験しておらず、またすべて芝1800mのレースということで、スピード決着への不安があったのは仕方ないでしょう。

レースは予想通り快速馬のエーシンダックマンがハイペースで逃げ、先行脚質のサンライズプリンスはそれを2,3番手で追走。対するダノンシャンティはそれを予想していたのか、いつもより後ろの後方から3番手でレースを進めます。
直線に入ると、サンライズプリンスは押し出されるように先頭に立ち、ダノンシャンティは外に出して猛然と追い込んできます。サンライズプリンスは懸命に粘るものの、残り100mでまずは先行集団とは差をあけて好位を追走していたダイワバーバリアンに交わされ、さらに外から33.5という鋭い末脚で追い込んできたダノンシャンティにも一気に交わされます。
ダノンシャンティはそのままダイワバーバリアンも交わして先頭に立ち、1着でゴール。サンライズプリンスはゴール直前でリルダヴァルにも交わされて4着に終わりました。

ダノンシャンティの勝因、サンライズプリンスの敗因は展開にあったことは明らかでしょう。エーシンダックマンが作った600m33.4というハイペースを直後で追走したサンライズプリンスは、さすがに余力がなくなりました。対するダノンシャンティは後方から上がり33.5で一気に差しきっています。この2頭の差は0.5秒もありましたが、もっとスローで流れていれば、ここまでの差はつかなかったと思います。

この1.31.4というタイムは、東京の芝1600mのレコード1.32.0はもちろん、2001年の京成杯オータムHで記録されたゼンノエルシドの1.31.5という日本レコードも更新するものです。それを3歳の5月に出すのだから、相当なスピード能力の持ち主であることは疑いないでしょう。
ただしダノンシャンティの最大目標は、3週間後に行われる日本ダービーです。そこへの影響がどうなのかが、とても気になるところではないでしょうか。

従来の日本レコードをもっていたゼンノエルシドの場合、4歳時の2001.9.9に休み明け2戦目で京成杯AHを1.31.5のレコードで勝ち、中2週で臨んだスプリンターズSでは、1番人気で12頭立ての10着(0.5秒差)に大敗しています。
ただしこれはゼンノエルシドにとって初めてのスプリント戦であり、必ずしもレコードの反動とはいえないかもしれません。現に、それから1ヶ月半後のマイルCSではしっかり勝利を収めています。

ただダノンシャンティの場合、3歳春というまだ体ができきっていない時期の激走であり、より負担が大きいのではという心配もあります。
しかし松田国師や安藤勝Jの発言を見る限り、そのあたりの心配はまったくしていないようなので、意外と平気なのかもしれません。もちろん今後の動向を見守る必要があると思いますが、本当に疲れが出た場合はおそらく回避するでしょうから、出走してきた場合は、大丈夫と信頼するしかないでしょう。
なんといっても、身近で見ているプロの判断ですから。

2010年05月02日

ジャガーメイル見事な騎乗でした ~天皇賞(春)

今年の天皇賞(春)は、ウィリアムズ騎手騎乗の2番人気ジャガーメイルが、見事な差し切り勝ちをおさめました。
レースは予想通りミッキーペトラが逃げ、意外にもマイネルキッツが2番手を進んで、フォゲッタブルやジャガーメイルは中団。淡々とした流れから、3コーナー過ぎでメイショウドンタクが動いて先頭に並びかけ、さらにマイネルキッツが4コーナー手前で早めに追い出して先頭に立ち、直線は後続を突き放します。
その後ろで馬なりで4コーナーを回ったジャガーメイルは、少し遅れて追い出し、先行して粘りこみを図るマイネルキッツを懸命に追います。

ジャガーメイルというと、いつも重賞でいい脚を使って上位にはくるのに、なぜか勝ちきれないというレースが多い印象があります。しかし今日はジリジリと差をつめると、ゴール直前で差しきり、差し返そうとするマイネルキッツを抑えて、見事に重賞初勝利をG1で飾りました。
考えてみれば、前走の京都記念ではブエナビスタと競り合いに持ち込み、交わせなかったとはいえ、1/2馬身差の2着に好走。さらにグランプリ2勝のドリームジャーニーには、2kg差あるとはいえ完勝しています。ということは、いつG1を勝ってもおかしくないぐらいの力はつけていたともいえるのです。

しかし勝ったのは馬の力だけではなく、その特徴を冷静に見抜いた、初騎乗のウィリアムズ騎手の腕も大きかったと思います。
マイネルキッツの松岡騎手は、スローを見越して、瞬発力勝負では不利になると思い、先行策をとったのではないでしょうか。スタミナには自信があるので、4コーナー手前から追い出してロングスパートをかけ、逃げ込む作戦に出たのだと思います。
それに対してスタミナ+切れというジャガーメイルの特徴を活かすために、ウィリアムズ騎手は4コーナーでも追い出しを我慢し、直線に入ってから追い出しました。

マイネルキッツも34.2で上がっており、決してバテているわけではありませんが、ジャガーメイルに33.7で上がられては、相手が強かったというしかないと思います。そして脚の使いどころをうまく引き出したウィリアムズ騎手の見事な騎乗も、大きく勝利に貢献したのではないでしょうか。

これでJRAのG1は今年5戦が終わって、なんと関東馬が3勝(うち堀厩舎が2勝)と勝ち越しています。オークス、ダービーにも有力な関東馬がスタンバイしており、東西の争いも目が離せなくなってきました。

ペルーサの強さに唖然としました ~青葉賞

しかし強かったです。青葉賞のペルーサ。
若葉Sの勝ち方がなかなかよかったし、そこで下したヒルノダムールが皐月賞で2着ということもあり、ペルーサが青葉賞で人気になるのは、当然予想されました。そこでダービーに備えて、どんなレースをするのか見に行ったのですが、ペルーサの強さだけが際立つ結果になりました。

パドックで見た瞬間に、他の17頭とは馬体も気配も違って、勝つのはこの馬しかいないだろうと思いました。踏み込みも深く、落ちついていながら気合乗りもよく、G1馬と条件馬ぐらいの違いを感じたのです。
レースでは、ペルーサは好スタートを切りながら中団の内まで下げて、道中は折り合って落ちついた走り。同厩のミッションモードが引っ張る流れは、1000mが1分ちょうどと落ちついた流れです。
4コーナーでやや外目に出し、前があいて追い出すと、あっという間に抜け出して、あとは後続を離す一方。最後は手綱を抑える余裕で、4馬身差の完勝でした。

タイムは過去10年では2004年の2.24.1に次ぐ2.24.3で、上がりもただ1頭34秒を切って33.8。父のゼンノロブロイの勝ちタイムが2.26.3なので、2秒も早いことになります。

横で見ていた人が、ダービーはフェラーリピサを蹴っ飛ばして、この馬から勝負だと興奮して話していましたが、まさにそう言いたくなるような、ある意味ショッキングなレースでした。

青葉賞はダービーと同じ距離でありながら、過去1頭もダービー馬を輩出していないのは有名な話です。シンボリクリスエスもゼンノロブロイも、ダービーでは2着に敗れました。しかしついに今年はそのジンクスが破られるのではないかと期待したくなるような勝ち方でした。

皐月賞上位組とペルーサ、そしてNHKマイルCの結果次第ですが、ダノンシャンティなどがダービーでは人気になるでしょう。青葉賞の結果で、ダービーがますますおもしろくなったのは確かだと思います。

2010年04月18日

連勝で人気の馬を素直に信じられない? ~皐月賞

今年の皐月賞は見事にヴィクトワールピサが勝って、5年ぶりに1番人気の勝利に終わりました。後方に下げて内に入れ、道中はラチ沿いの最短距離を走って、3コーナーから内をするすると上がっていき、直線はぽっかりと空いた内をついて一気に先頭に立つと、そのまま押し切りました。
展開はやや違いますが、内から伸びてきたのは弥生賞と同じで、同じように余裕の勝利という感じでした。

普通だったら、ラジオNIKKEI杯、弥生賞と王道の重賞を含む4連勝で皐月賞に臨めば、単勝1倍台の圧倒的な1番人気が予想されるのですが、最終的に2.3倍と意外とつく結果になりました。しかも単勝1桁の馬が5頭もいるという、オッズだけ見れば混戦とも呼べる状況です。
なぜこんなにヴィクトワールピサは信頼度が低かったのでしょうか。

それはここ最近の、皐月賞での人気馬の凡走が背景にあるのではないかと思います。
まずなんといっても昨年の1番人気ロジユニヴァース(1.7倍)、2番人気リーチザクラウン(5.3倍)の大凡走が記憶に新しいところです。
ロジユニヴァースは当時デビューから4連勝中で、しかも札幌2歳S、ラジオNIKKEI杯、弥生賞の重賞を3連勝と、ヴィクトワールピサを上回るような完璧な成績で皐月賞に出走してきました。しかし見せ場もなく、1.7倍を大きく裏切る14着に大敗。リーチザクラウンも13着に敗れました。(その後、2頭はダービーで1,2着して力があることを証明しますが)

2008年は、ホープフルS、京成杯、弥生賞と中山芝2000mを3連勝で臨んだマイネルチャールズが、3.1倍の1番人気を裏切って3着に敗退。
2007年はデビュー4連勝で重賞3連勝中のフサイチホウオー(2番人気で3.7倍)が3着、2006年は同じくデビュー4連勝中のフサイチジャンク(2番人気で5.6倍)が3着と、ことごとく連対をはずしてきたのです。
これを見ると、連勝中の人気馬は危ないと思ってしまっても、仕方ないでしょう。

もちろん負けた理由はそれぞれいろいろあるのですが、3歳春の若駒でしかもまぎれが多い中山コースとなれば、すけべ心を出して、人気馬のあら捜しと穴馬探しに懸命になる人が多くなるのも、ある意味納得できるのではないでしょうか。

しかしそんな努力をあざ笑うかのように、ヴィクトワールピサは見事に5連勝での皐月賞制覇を成し遂げました。1番人気での勝利は、過去10年ではアグネスタキオン、父であるネオユニヴァース、3冠馬ディープインパクトに続く4頭目の偉業です。
しかも皐月賞で引退したアグネスタキオン以外の2頭は、ともにダービーも制しています。こうなるとヴィクトワールピサの2冠制覇もかなり現実味を帯びてくるわけですが、はたしてどうなるのでしょう。

ダービーは武豊J復帰が濃厚のようですが、もし勝てば前人未到どころか空前絶後となるかもしれない、ダービー5勝目になります。楽しみではありますが、他の馬たちの巻き返しにも期待したいと思います。

2010年04月11日

桜花賞での関東馬の取捨

今年の桜花賞は、4年ぶりの関東馬の優勝となりました。アパパネは関東馬といっても全6戦中3戦は関西で、しかも栗東に長期滞在してレースを迎えるので、半分関西馬のような感じではありますが。
以前は桜花賞というとほとんど関東馬の出番はなかったのですが、ここ10年で関東馬は3勝2着2回と、かなり健闘しています。それでは、どんな関東馬が桜花賞では買える馬なのでしょうか。

2004年の桜花賞はダンスインザムードが圧倒的な1番人気に押されていましたが、不安は関西への初輸送でした。2002年に同じ藤沢和厩舎所属で1番人気になったシャイニンルビーが、輸送で大きく馬体を減らしたこともあって負けたように、3歳春の経験が浅い牝馬に、長距離輸送はなかなかの難関です。
しかしダンスインザムードは+2kgで出走してきて、しっかり優勝しました。そのときに、輸送で馬体が減らないぐらい精神的にしっかりしているのであれば、力を出し切れるのではないかと思ったのです。

その仮説が生きたのが、2006年の桜花賞でした。キストゥヘヴンのフラワーC勝ちは高く評価したものの、そこで-6kgの418kgと馬体はギリギリの印象。さらに長距離輸送で体が減ったら、勝負にならないだろうと思ったのです。
しかし桜花賞当日の馬体重は、変わらず418kg。迷わず買うことができ、キストゥヘヴンは圧倒的な人気のアドマイヤキッスを差しきって、優勝しました。

そして今日の桜花賞。栗東滞在のアパパネは+2kgで、前走のパドックよりもぐっと落ちついており、よくなっている印象です。
対する人気のアプリコットフィズは-4kgに抑えたものの、もともとが430kgと軽量の馬なので、ちょっと不安が残ります。見た目にも、かなり細く写りました。さらにアニメイトバイオは、-20kgと大幅な減少。休み明けの前走が+14kgだったとはいえ、2桁の大幅なマイナスは、やはり不安が先に立ちます。

結局レースはアパパネが1番人気に応えて優勝し、アプリコットフィズは2番人気で5着、アニメイトバイオは6番人気で8着に敗れました(ちなみに阪神JFでは、前走と変わらず2着に好走)。
もちろん馬体重や精神的なものだけでなく、そもそもの力の差とも考えられますが。ただ今後の桜花賞の検討に際して、ひとつの目安として使えるのではないかと思います。

2010年03月28日

短距離重賞を連勝する強さ ~高松宮記念

高松宮記念は、キンシャサノキセキが見事に重賞4連勝で、悲願のG1勝利をつかみました。2年前の高松宮記念、スプリンターズSでともに2着と力はあったのですが、昨年はともに2桁着順と不振に陥り、2年越しの成就でした。

デビューから連勝し、3歳時はNHKマイルC3着、マイルCS5着と、古馬になればG1をすぐにでも勝てるのではとも思われましたが、そこから苦節4年。7歳にしてようやくG1ホースの仲間入りです。

しかし短距離重賞を4連勝するというのは、かなりすごいことだと思います。JRAの重賞連勝記録は、テイエムオペラオーが2000年に達成した8連勝(京都記念~有馬記念)ですが、これはすべて2000m以上です。海外を含めればタイキシャトルも8連勝していますが、こちらも5勝が1600mでした。
しかしキンシャサノキセキの4連勝は1400mが2戦に1200mが2戦。しかもその着差は、クビ、1馬身、クビ、ハナ。短距離の場合、出遅れたり前が詰まったりした場合、リカバリーが非常に難しいのですが、それらを克服して、なおとても少ない着差で勝つのですら、実力はもちろん、運もかなり味方につけていないと、できない技といえるでしょう。

実際に、2連勝目の阪神Cでは、スタートで大きく出遅れ、普通ならほぼ無理な状況から、差しきって勝っていますが、これは力の違いを感じさせました。
そして3連勝目のオーシャンSは重馬場を内から差しきっています。今日の高松宮記念も、1~9着が0.5秒差の中にひしめく混戦を、早めに抜けて、最後は詰め寄られながらも、わりと危なげなく勝ちました。

連勝していると、逆にそろそろ負ける頃ではないかと不安になるのですが、今日のキンシャサノキセキは、そんな不安を軽く吹き飛ばす快勝でした。
関東馬期待の星として、これからも連勝を続けてもらいたいものです。

2010年03月07日

ちょっとレベルが違う強さでした ~弥生賞

皐月賞トライアルの弥生賞は、ヴィクトワールピサの圧勝で終わりました。着差こそ2着のエイシンアポロンに1/2馬身差でしたが、最後はムチをいれずにゴール前は抑えており、力差はかなり大きい印象です。

重馬場で1番枠ということもあり、未勝利や京都2歳Sのように先行するかとも思ったのですが、スタート後はやや抑えて、中団の内を進みます。重ということもあり、1000m63.6とスローペースでしたが、折り合って少し前のエイシンアポロンをマークするような位置どりでした。
3コーナーすぎから、外でアドマイヤテンクウやダイワバーバリアンが動いてもじっとしています。重を考えると早めに先団にとりついたほうがよいのではと思いますが、武豊Jの手は動きません。

直線は内をついたエイシンアポロンのすぐ後ろにつけて、いつでも抜け出せそうな勢いで追い出し、先頭に立ったエイシンアポロンと、外から差してきたダイワバーバリアンの間をつくと、エイシンアポロンを楽に差しきりました。

エイシンアポロンといえば、朝日杯FSでローズキングダムの1 1/4馬身差2着に粘った馬で、今日の弥生賞で4着に入ったダイワバーバリアンも、朝日杯FSでは3着でした。
それを考えると、ヴィクトワールピサとローズキングダムは、実績的には甲乙つけがたい印象です。実際にこの2頭は新馬戦で戦い、ローズキングダムが3/4馬身差で勝っているわけですが、最後はヴィクトワールピサが詰め寄っていて、際どい勝負でした。

朝日杯FSと今日の弥生賞を見る限りは、この2頭が抜けている感じで、ローズキングダムのスプリングS次第ではありますが、皐月賞はこの2頭の争いになることは、ほぼ間違いないでしょう。
ただし2000mの実績と、今日の重馬場の経験(その疲れがどうかという心配も若干ありますが)は、ややヴィクトワールピサに有利に働くような気がします。

しかし、弥生賞と皐月賞は必ずしも直結しないのも、また事実です。昨年のロジユニヴァースのような例もあるので、油断は禁物ですが、勝負の行方を楽しみたいと思います。

2010年02月21日

現役最強ダート王宣言 ~フェブラリーS

今日のフェブラリーSは、エスポワールシチーが現役最強のダート王者であることを宣言する場となりました。
昨年のJRA最優秀ダート馬に輝いたエスポワールシチーですが、フェブラリーSは4着に負けていたわけですし、JCダートがマイペースでの逃げ切りだったこともあり、ハイペースに巻き込まれた場合や、マイルという距離を不安視する声があったのも事実です。
しかし今日のフェブラリーSで見せたパフォーマンスは、それらの不安を一掃するものでした。

芝のスピード自慢が参戦したこともあり、スタートの芝を不安視する声もありました。しかし好スタートから、逃げるローレルゲレイロをちょっと離れた2番手で楽に追走し、直線に入ると馬なりで交わして、残り400mで早くも追い出すと、あとは後続を離す一方になりました。
最後にテスタマッタが後方から鋭く迫ったように見えましたが、実際の上がりは0.1秒負けていただけで、2馬身1/2差をつけた完勝でした。
昨年の覇者で東京大賞典を制したサクセスブロッケンは、そこからさらに3馬身1/2後方でのゴールとなり、4着はさらに5馬身離れたので、エスポワールシチーからは「大差」となります。

単勝1.7倍にふさわしいパフォーマンスでしたが、ここまでの強さを予想した人は、少なかったかもしれません。意外とペースが早くならなかったり、からんでいく馬が少なかったということもありましたが、他の馬がまったく抵抗できない、一方的なレースとなりました。


フェブラリーSというと、時期的なこともあり、毎年芝で頭打ちになったり、ローテーションの関係から、芝の実績馬たちの参戦があります。今年もG1馬ローレルゲレイロを筆頭に、リーチザクラウン、スーパーホーネット、レッドスパーダ、ザレマと芝の重賞勝ち馬が初ダートの戦いに臨みました。
ダートの重賞勝ち馬が、頭打ちになったりローテーションの関係で、芝のG1に参戦するケースはほとんどないので、JRAはやはり芝高砂低なのでしょう。しかしこの試みは、成功したためしがありません。

これは血統的な問題よりも、そもそも顔に前の馬が蹴った砂が当たるという物理的な問題が大きいと、何かで読んだことがあります。初ダートの馬は、これにとまどうそうです。ということは、これからもそういう馬は、いいお客さんになるわけで、知っておいて損はないですね。
ただ馬にとっては、不快な思いをするうえに、自信を失うような着順に終わるわけで、あまりよいことではないような気がします。せめてG1を使う前に、ダートの重賞などを使って、なれさせたり適性を見てからのほうがよいと思うのですが、どうなのでしょうか。

2010年02月07日

共同通信杯 一番強かったのは

近年クラシックにはなかなか直結しないとはいえ、かつてはジャングルポケットやアドマイヤムーンなども排出した、注目の共同通信杯が行われました。
馬柱を見ると、アリゼオとダノンシャンティに、あとはハンソデバンドとダイワアセットの実質4頭だてかなという感じでしたが、実際のレースもほぼそのとおりというか、実際は前の3頭の戦いとなりました。

人気のアリゼオとダノンシャンティは、若駒Sを勝ったヒルノダムールを基準にすると、だいたい同じぐらいの力の持ち主と想像されましたが、東京の実績と前走ホープフルSの勝ち方、それに鞍上ルメールの魅力込みで、アリゼオが抜けた人気となりました。
ハンソデバンドはメンバーが薄いジュニアCの勝ち馬ということでやや軽視されましたが、東京の2戦を含めて、連対をはずしていないという魅力があります。先行脚質も得だといえるでしょう。
ダイワアセットは勝ち味に遅い感じがありますが、安定感はあります。

パドックでは、アリゼオもダノンシャンティもテンションが高めで、若さを出していましたが、逆にハンソデバンドはおとなしすぎて、やや覇気がないようにも見えました。

レースは、スローで逃げたカワキタコマンドを2番手でハンソデバンドが追走し、アリゼオは4番手、ダノンシャンティは後方から徐々にポジションをあげていきます。
直線は、早めに先頭にたったハンソデバンドをアリゼオが懸命に追うものの差が詰まらず、後方から差を詰めてきたダノンシャンティが、アリゼオを交わして、ハンソデバンドに並んだところでゴールとなりました。差はハナ、クビで、4着は2馬身離れたので、力的にはこの3頭が抜けていると見てもいいでしょう。

でも一番強い競馬をしたのは、スローを上がり33.5で差してきて、ハナ差まで追い詰めた2着のダノンシャンティだと思います。ハンソデバンドやアリゼオよりも外を回している分、距離も長く走っていますし。
ただハンソデバンドもアリゼオも、そんなに大きな差があるわけではありません。体は冬毛が目立ってましたし、まだ気性も幼い感じでした。これからの成長も見込めるでしょう。

なかなか関東からは有力馬が出ない中、ハンソデバンド、アリゼオには関東馬復権の期待もかかります。クラシックはまだちょっと先ですが、楽しみな馬がでてきたといえるのではないでしょうか。

2009年12月28日

順当な結果ではありました ~有馬記念

有馬記念は、5歳馬ドリームジャーニーの優勝で幕を閉じました。関係者のみなさん、おめでとうございます。池添騎手は戻ってきたときに号泣していましたが、プレッシャーも結構きつかったのではないでしょうか。
今年はなんといっても中心になるべき4歳馬が不在で、5歳馬も1頭のみ。3歳馬が半分近くで、あとは6歳以上という、とっても不思議な年齢構成の年になりました。

その中で1番人気になったのが、勝てば49年ぶり2頭めの3歳牝馬の優勝になるというブエナビスタ。そして2番人気が唯一の5歳馬ドリームジャーニー。あとはマツリダゴッホ、フォゲッタブルと続きました。
しかし3歳牝馬は、あのヒシアマゾンやダイワスカーレットでさえ2着まで。ブエナビスタが強いのはわかっていますが、勝つまではどうかと思っていました。またいつものように後ろからでは、中山で勝つのは至難の技です。

レースは予想通りリーチザクラウンが掛かり気味に逃げ、1000mが58.6のハイペース。その中でブエナビスタはいつもと違って5番手ぐらいの好位、ドリームジャーニーは後ろから2頭めを進みます。
リーチザクラウンが3コーナーで早くも馬群に飲み込まれ、代わって早めに先頭に立ったマツリダゴッホも、直線に入ると失速。
最後は好位から伸びたブエナビスタと、後方から外をまくってきたドリームジャーニーの一騎打ちとなりますが、経験と力に勝るドリームジャーニーの戴冠となりました。この結果は、とても順当だといえるでしょう。

ただドリームジャーニーも3着のエアシェイディも、道中は最後方を走っており、ハイペースはおあつらえ向きだったといえます。その中で、唯一先行して1/2馬身差の2着となったブエナビスタは、かなり強いといえると思います。
しかもいったんドリームジャーニーに交わされてからも、再度差し返そうと伸びています。上がりも、ドリームジャーニーの35.2に次ぐ35.8。3着以下を4馬身以上離しており、この差は決定的といえるでしょう。
さらにブエナビスタはエリザベス女王杯で究極の32.9という上がりを記録しており、その反動が心配された中での好走でした。

考えてみると、JCで3着に好走したのも3歳牝馬のレッドディザイアで、この2頭は相当強いといえるでしょう。
しかし強い3歳牝馬に引き換え、3歳牡馬はどうしてしまったのでしょう。最先着はフォゲッタブルの4着で、リーチザクラウンは13着、アンライバルドは最後歩いて15着。ロジユニヴァースは再度放牧で、ついに秋は1戦もできませんでした。
このあたりは、やはり不良のダービーを激走した反動がでているのではという気もします。

おそらく今年も年度代表馬はウオッカでしょうし、3歳で1番強いのはブエナビスタかレッドディザイアのどちらかでしょう。そういう意味では、今年も牝馬の年だったといえます。
しかし逆にいえば、古馬の牡馬の層がかなり薄いわけで、とても気になります。年が明ければ3歳馬は古馬になるわけで、ぜひ来年は牡馬が年度代表馬となれるよう、がんばって欲しいものです。

2009年12月13日

関東馬のワンツーとは ~阪神JF

今年の阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)は、アパパネ、アニメイトバイオという関東馬2頭による、ワンツーフィニッシュとなりました。

関東馬はスティンガーやショウナンパントルが勝っており、2004年にはショウナンパントル-アンブロワーズで同じようにワンツーを決めています。このように、G1レースとしては、比較的関東馬が活躍するほうだと思います。
しかしG誌の2歳オープン馬情報によると、先週時点での2歳オープン馬は、関西馬33頭に対して、関東馬12頭と1/3程度しかいません。これを見ると、今年の2歳馬は一団と西高東低が強まっているようで、あんまり関東馬同士の組み合わせを買う気にはなれませんでした。

しかしレースは好スタートを切ったアパパネが中団外で折り合い、直線は内を突いて抜け出し、後続を抑えて勝ちました。アニメイトバイオも、一旦坂でアパパネに突き放されたものの、最後は1/2馬身差まで詰めてきて、さすがに牡馬混合の京王杯2歳Sで2着した力を示しました。
シンメイフジやタガノエリザベートなどの人気馬が、いずれも追い込み脚質ということでイヤな予感がしたのですが、案の定追い込みは届かず、上位は中団から内を突いた組となりました。

2006年に馬場を改修したあと、昔に比べると荒れることが少なくなり、また過去3年の勝ち馬が、その後すべてG1ホースになっていることから、アパパネの将来は、かなり明るいものがあります。
桜花賞はともかく、オークスはそこそこ確度が高くなるのではないでしょうか。
ぜひ順調に行って、アニメイトバイオともども、クラシックレースでの関東馬の逆襲を期待したいと思います。

2009年11月29日

ウオッカ鮮やかなV。さすがルメール! ~JC

今年のJCは、劇的なウオッカの優勝で幕を閉じました。しかも着差は約2cmとか。昨年の天皇賞(秋)や今年のオークスを思い出すような僅差の戦いでした。

今回のウオッカ乗り代わりの理由は知りませんが、ルメール騎手の騎乗も勝利の大きな要因だったと思います。個人的にウオッカのベストレースは昨年の安田記念だと思うのですが、ルメール騎手はあのレースを念頭に置いた騎乗をしたのではないでしょうか。

ルメール騎手といえば、5年前のJCで掛かりやすいコスモバルクをうまく操って2着に持ってきましたが、掛かる馬をうまく抑える印象があります。今回もやや掛かる素振りを見せるウオッカをうまく抑えて、先行させていました。
1000mが59.0と淀みのないペースの中でうまく折り合い、4コーナー手前で各馬が上がっていっても動かず、結果的に4コーナーは若干下げて5,6番手で回りました。そして直線に入るとうまく先行馬を交わして、残り300mぐらいで抜け出し先頭に立ちます。そこから突き放したのは、昨年の安田記念と同様の展開でした。しかし、マイルから2000m仕様になっているウオッカには、2400mはやはり少し長いようで、脚色が衰え、オウケンブルースリの猛追を受けました。

結果として、オウケンブルースリにはブエナビスタやカンパニーほど切れる脚がなかったこともあり、ぎりぎり抑えて優勝となりました。
ルメール騎手も抜け出したところまでは想定どおりだったと思いますが、最後はヒヤッとしたのではないでしょうか。でもレコードに0.3秒差という好タイムでの優勝はとても価値がありますし、牝馬として初のG1 7勝もすばらしいことです。これもひとえにルメール騎手の好騎乗の賜物で、さすが世界の一流ジョッキーは違いますね。

残念ながらウオッカはレース中に鼻出血を発症したとのことで、有馬記念は出走できなくなり、このまま引退の可能性が高いようですが、最後にすばらしいレースを見せてくれました。
ウオッカが出るとお客さんの数が増えるので、今日の東京競馬場もかなりの混雑でしたが、いいレースを見ることができて、満足した人が多かったのではないでしょうか。
今後はよい子供を出して、ぜひ母子でのG1制覇を実現してもらいたいものです。

2009年11月23日

カンパニーは8歳になっても成長していました ~マイルCS

今年のマイルCSは、カンパニーが見事に1番人気に応えて快勝しました。おめでとうございます。
そしてこれで、宝塚記念から続いてきたG1での1番人気の連敗も、ようやく止まったことになります。

しかし8歳でのG1連勝というのは、すごい快挙だと思います。昨年までのカンパニーといえば、G1でいいところまでは来るものの、連対圏までは来ないという、典型的ないまいちクンでした。
天皇賞(秋)前のG1成績が、0・0・1・11で、その11も4着が4回、5着が3回と、なんとももどかしい成績だったわけです。
それが今年は8歳ながらも進化していて、毎日王冠は時計こそ昨年より遅かったものの、上がりは昨年を上回ってウオッカに快勝。さらに天皇賞(秋)もやはり上がりは昨年より早く、G1初制覇。そして過去2年、5,4着と人気を裏切ってきたマイルCSも、横綱相撲であっさりと勝ちました。

これが引退レースだそうですが、なんともかっこいい幕引きです。中年の星みたいな言われ方もしますが、今までの苦労があるので、余計に共感を呼ぶのでしょう。
父ミラクルアドマイヤは、フサイチコンコルドの弟で、父がトニービンと良血ですが、わずか3戦1勝で引退して種牡馬になり、カンパニーが出なければ、あやうく廃用になるところでした。
実は7年前に北海道に行ったときに、今はもうなくなってしまった社台スタリオンステーション荻伏でミラクルアドマイヤを見ているのですが、当時はまったく知らなかったので、ほとんど記憶に残っていません。スキーキャプテンがいたのは覚えているのですが。
その後も、父ミラクルアドマイヤが引っかかって、血統的にG1は無理かなと勝手に思っていたりしたのですが。大変失礼なことをしたと、改めてお詫びしたいと思います。

しかし2着は、また逃げ馬が残りました。先週のことがあったので、2週連続はないだろうと思ったのですが・・・。騎手もみんなそう思っていたのでしょうね。
確かに先行馬は少ないし、直線平坦で、逃げ馬が残りやすいことは、終わってみればわかるのですが。なかなか学習できないものです。

来週のJCは舞台が東京に移るので、まさか逃げ馬が残ることはないと思いますが、古くはカツラギエースの例もあるので、油断せずに予想したいと思います。

2009年11月15日

長距離の逃げ馬・・・ ~エリザベス女王杯

久しぶりに、人気薄での行った行ったとなりました。しかも2頭・・・。
たしかに出馬表を見たときに、追い込み脚質の馬が多いなとは思ったのですが、しっかりした逃げ馬が2頭いるので、当然ペースは遅くならないだろうし、そうなれば差し・追込みが有利と思った人は多いのではないでしょうか。
しかしそこが盲点だったとは。

確かに長距離レースで人気薄の逃げ馬がからむためには、いくつかの条件があり、今回はその多くを満たしていたのは事実です。その条件とは・・・
1.逃げ馬といっても、ある程度の力はある
2.逃げ馬は前走で逃げつぶれていて、今回は人気薄である
3.中心となる人気馬がいて、それは差し・追込み脚質である
4.競馬場は直線平坦か小回り
こんな感じでしょうか。

まず1.ですが、クィーンスプマンテは2600mのOPを逃げ切るスタミナがあり、前走はG2の京都大賞典で先行して一旦先頭に立ち、ゴール100m手前ぐらいまでがんばっていました。
テイエムプリキュアも、G2日経新春杯を逃げ切り勝ちし、前走はやはり京都大賞典で逃げています。
そして2.の条件どおり、前者は9着、後者は14着に負けています。

3.の人気馬は、いわずと知れたブエナビスタですね。しかもメンバーを見ると先行脚質の馬も少なく、人気どころで先行したリトルアマポーラも、ブエナビスタの影におびえたのか、抑えて逃げ馬との距離を開けてしまいました。
そして舞台は直線が平坦の京都。秋華賞の内回りとは違って、今度は直線が長いので、ブエナビスタには有利だと、多くの予想家も主張していたはずです。

当然このようなことは騎手もわかってはいるのですが、どこかで逃げ馬はつぶれるだろうと、甘く見ていたのだと思います。そしてどんどん距離を広げていく逃げ馬2頭を見て、オーバーペースだと判断したのではないでしょうか。
しかし実際は1000m通過が1.00.5と、あきらかなスローペース。しかも上がりは2頭とも37秒近くとほぼバテていたにもかかわらず、道中の貯金だけで逃げ切ってしまいました。いくらブエナビスタが32秒台で追い込んできても、とどかないわけです。
勝ち時計は2.13.6と、今日出ていたすべての馬が、楽に走れる時計でしょう。

忘れた頃にこういうレースがあるのですが、残念ながら事前に気がつくことは難しく、終わってからその手があったかと思うのですが、後の祭りです。
なかなか教訓にならないものですね。

2009年11月01日

カンパニーの勝因、ウオッカの敗因 ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、8歳馬カンパニーの初G1制覇で終わりました。関係者のみなさん、おめでとうございます。

カンパニーといえば、G2ではかなり強いのに、G1になるとなぜか4着前後ということが多く、さすがに8歳ではもうG1優勝は難しいのではというのが、大方の見方だったのではないでしょうか。それは毎日王冠でウオッカを差しきって勝ったにも関わらず、11.5倍の5番人気というオッズに現れていたような気がします。
たしかに、昨年毎日王冠で2着に負けたウオッカが天皇賞(秋)できっちりリベンジした事実とか、カンパニーは2000mになると信頼性がおちるとか、いろいろな理由があったと思います。
しかし今日のパドックで見たカンパニーは、毎日王冠の時にも増してすばらしい出来でした。また横山典Jの騎乗も、内で我慢していたかと思うと、直線ではうまく外に持ち出し、しかも前ががらっと空いて、あとは自慢の末脚を発揮するだけと、すべてうまくいった感じでした。
また比較的ゆったりとしたペースから、直線の上がりの勝負になったのも、1800mがベストのカンパニーには向いたのではと思います。
上がりは究極の32.9でウオッカと同じでしたが、先にスパートしたことと、何の不利もなくスムーズな競馬ができたことが、1 3/4馬身+クビという差になったのだと思います。

対してウオッカは、中団ぐらいにつけると思っていたのですが、思ったよりも後ろの位置取りになり、しかもコーナーを回るたびにさらに後ろに下がって、4コーナーは後ろから5番手の内という、かなり厳しい位置取りとなりました。
それでも一時はカンパニーの1馬身後ろぐらいまで来たのですが、先行していたエイシンデピュティ、キャプテントゥーレ、マツリダゴッホなどが壁になり、一旦外に持ち出して、もう一度内に切れ込むという針路変更を余儀なくされました。そしてカンパニーと同じく上がり32.9という究極の脚を使ったのですが、わずかにスクリーンヒーローにも及ばず、無念の3着に終わりました。
ある意味安田記念と同じような状況になったわけですが、スローだった分前も止まらず、またさらに切れる馬と、スタミナがある馬が前にいたということでしょう。

そして忘れてはいけないのは、2着のスクリーンヒーロー。状態がよさそうだった上に、初ブリンカーで集中力も増したようで、先行した馬の中では唯一粘って、しかも33.6というそこそこの脚も使い、ウオッカの追撃を防ぎました。
こちらはおそらくJC連覇が目標でしょうから、それに向けて理想的なスタートを切れたのではないかと思います。

さてウオッカは次はJCを目指すといわれていますが、過去JCでは4,3着と結果を出せていません。さらに今春のマイルでの強い勝ち方を見ると、ますます2400mへの不安が高まります。
またスクリーンヒーローはもちろん、4着だったオウケンブルースリや、6着と依然東京への対応には疑問もあるドリームジャーニーも、天皇賞(秋)よりは条件が好転するのは間違いないでしょう。

すでにG1 6勝は十分名馬の証ではありますが、シンボリルドルフやテイエムオペラオー、ディープインパクトという超一流馬に並ぶ芝のG1 7勝には、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
牝馬同士のエリザベス女王杯や、得意のマイル戦のマイルチャンピオンシップという手もあると思いますが、やはり最強馬の称号をかけて、JCに挑むのでしょうね。
1ヵ月後のJCを楽しみに待ちたいと思います。

2009年10月25日

今年もステイヤー ~菊花賞

菊花賞はステイヤーではなく、スローでいって最後の瞬発力勝負で勝てる馬を探すというのが、最近のトレンドというイメージだったのですが、昨年に続いて今年もステイヤータイプの馬が上位に来ました。
昨年は2着のフローテーション、今年はやはり2着のフォゲッタブルですね。2年前2着のアルナスラインもその傾向が強いので、2着はステイヤータイプを狙うのが、菊花賞の定石といえるのかもしれません。

今年勝ったスリーロールスも、血統的にはダンスインザダーク×ブライアンズタイムなので、長距離寄りのイメージが強いです。しかし前走が芝1800mで強い勝ち方をし、2000mまでしか経験がなく、かつ上がりが切れるタイプだったので、ステイヤーというイメージではないですが。

今年ステイヤータイプが上位に来たのは、やはりリーチザクラウンの大逃げがその大きな原因のひとつでしょう。実力を発揮できるレースにしたという意味では、一番の功労者と言えると思います。
パドックでは落ちついていたので大丈夫かと思ったのですが、好スタートをきって前に馬を置けなかったこともあり、1周目の3コーナーで掛かって行ってしまいました。武豊Jも懸命に抑えにかかりましたが、途中であきらめたようで、2周目の向こう正面では、一時10馬身以上離していました。
しかし最初の1000mこそ1分を切ったものの、2000mは2分3秒1とかなりペースを落とすことに成功し、それがゴール100m前までの粘りにつながりました。

しかしリーチザクラウンも最後はさすがに脚が上がり、スリーロールス以下に差されて5着まで落ちました。
そのスリーロールスも、ゴール前では大きく外によれていましたが、フォゲッタブルが来ると再びのびて、戴冠となりました。これは豊富なスタミナと、強い馬に必要な闘争心の現われだと思います。
フォゲッタブルはステイヤーらしくずっと長めの距離を使ってきましたが、超良血の割にはぱっとしない成績でした。しかし本番でようやく良血開花。最後の脚はなかなか見所がありました。
セイウンワンダーの安定感には恐れ入りますが、ただ3着が多いのは、関係者も悩ましいでしょう。
イコピコは脚を余した感じですが、もう少し前に行ければ、大きいところでも活躍できると思います。気性が難しいようですが。

毎年荒れる割には、比較的傾向がつかみやすい長距離レースの菊花賞ですが、はたして来年までこの傾向を覚えていられるでしょうか。
この記事を読めばいいんですけどね。

2009年10月18日

見事な戦いでしたが・・・ ~秋華賞

レッドディザイアとブエナビスタの戦いは、オークスに続いて、またもや好勝負となりました。

ブエナビスタがいつもより前につけたのはちょっと意外でしたが、レッドディザイアをすぐ前に見る絶好の位置取り。あとは最内からどう馬群をさばくかという感じで見ていたのですが、4コーナーで一足早くレッドディザイアが外に持ち出したのを見て、安藤勝Jもブエナビスタを外に持ち出します。しかしそのとき後ろの馬が一瞬手綱を引くのが見え、安藤勝Jも後ろを振り返りました。

4コーナー外からのカメラでは、馬群が乱れたようには見えなかったので、あまり影響ないのかと思い、レースは直線へ。
そこからは先に抜け出したレッドディザイアに対し、ブエナビスタは何度か進路を変える場面があり、それでも前が開いてからは一歩ずつ間を詰め、またもやオークスと同じようにハナをあわせてゴール。
しかしオークスの時はスローで見てもかなり際どく、また脚色は圧倒的にブエナビスタ有利でしたが、今回はスローで見ても、ほんの少しレッドディザイアが残っているのがわかり、また脚色も最後はいっしょになっていました。

この差は、-14kgと究極の仕上げで臨んだレッドディザイア陣営の意地とか、春と比べたときのレッドディザイアとブエナビスタの成長力の違いとか、いろいろ理由が考えられると思います。
ただどちらも死力を尽くしての再びのハナ差の勝負は、見事としか言うことはできないでしょう。それぞれに懸命の仕上げで臨んだ陣営と、それに応えてがんばった両馬には、よいものを見せてもらったという感謝の気持ちしかありません。

ただブエナビスタの降着は非常に残念でした。審議が非常に長くなったので、いやな予感はしていたのですが。あまり内に閉じ込められた経験がないために、馬もあせってしまったのでしょうか。

G1上位入線馬の降着というと、古くは91年天皇賞(秋)でのメジロマックイーンの1位入線18位降着とか、96年エリザベス女王杯でのヒシアマゾンの2位入線7位降着、最近では06年エリザベス女王杯でのカワカミプリンセスの1位入線12位降着などがあります。どれも関係者の心情を考えると、非常に悲しい気持ちになりましたが、今回もいい勝負だっただけに、残念な気持ちが強いです。

あれ以来カワカミプリンセスは勝つことができず、今日の府中牝馬Sでも残念ながら馬群に沈んでいましたが、ブエナビスタにはぜひ復活して、またあの見事な末脚を見せてもらいたいと思います。
この秋の目玉として、ウオッカ対ブエナビスタの対決を待ち望んでいるファンも多いので、万全の状態で戦ってくれることを期待したいと思います。

2009年10月04日

短距離の逃げ馬・・・ ~スプリンターズS

よく「長距離の逃げ馬、短距離の差し馬」といわれます。それほど短距離では、必ずしも逃げ馬が強くはないのですが、ことスプリンターズSに限ると、必ずしもそうとはいえません。
ここ10年で、逃げ馬(4コーナーで先頭だった馬を含む)は6頭が連対(4勝2着2回)しています。さらに新潟開催をのぞくと、中山でのスプリンターズSでは2/3は逃げ馬が連対しているのです。

その例にもれず、今年のスプリンターズSも逃げたローレルゲレイロが、差してきたビービーガルダンをハナ差抑えて、高松宮杯に続くG1 2勝目をゲットしました。これはトロットスター以来の快挙になります。
前走のセントウルSであっけなく馬群に沈み、14着と大敗したこともあり、G1馬にもかかわらず、単勝13.8倍の6番人気という支持にとどまりましたが、それをあざ笑うような、見事な逃走劇でした。

スプリンターズSといえば先行馬有利というのは常識であり、さらに重賞を複数勝っていることや、ある程度時計の裏づけがあることなど、明確な条件があり、それに従えば連対馬を絞り込んでいくことは、実はそんなに難しくはありません。
今回も重賞2勝以上しているのは、外国馬を除けばビービーガルダン、プレミアムボックス、カノヤザクラ、ローレルゲレイロの4頭だけであり、追い込み脚質のプレミアムボックスを除くだけで、自動的に上位3頭が特定できてしまいます。
唯一ビービーガルダンに時計の裏づけがないことだけがネックですが、最近の充実により結果として克服できてしまったのでしょう。

ただしアルティマトゥーレの鮮やかな勝ち方を見て、さらに安定感のある成績を目の当たりにすると、惹かれてしまわないわけにはいきません。さらに近年は牝馬の活躍が目立つこともあり、1番人気に支持されたのでしょう。

あとから考えてみれば、結構簡単なのですが、なかなか予想の段階では、割り切ることができません。ぜひ来年にはこのようなデータを生かしたいものですが、そのときになると、またあれこれ考えて、結局はずしたりしていまうんですよね。
なかなか学習できないものです。

2009年09月27日

イコピコ強いですねえ

今日(9/27)は、豪華な前哨戦G2の2本立てでした。
まず注目は、ロジユニヴァース以外の有力3歳勢が集まった神戸新聞杯でしょう。アンライバルドの復活はあるのか、はたまたリーチザクラウンの折り合い難はどうなのか、その他の新興勢力の台頭はあるのか。
まずパドックですが、アンライバルドは悪くはないものの、ダービーと馬体重の変動はなく、馬体もあまり成長しているような印象は受けませんでした。リーチザクラウンにいたっては、-18kgとデビュー以来の最低体重。ダービーは馬体を戻すのに注力したそうですが、ちょっと不安が大きくなります。
それに対してわりとよく見えたのが、イコピコとアントニオバローズのマンハッタンカフェ産駒。特にアントニオバローズは血統的にも、菊花賞向きというイメージです。

結局この4頭の馬連ボックスという、弱気な作戦でいったのですが、イコピコ来ましたね。
リーチザクラウンもアンライバルドも結構掛かって前のほうにいく中で、イコピコはうまく折り合って、中団後方の位置。
1000m通過が1.00.3とやや遅めの流れの中、やはり前残りかと思っていると、直線に入るとイコピコはすごい脚で一気に先頭に立ち、最後は2馬身差のレコード勝ち。こんなに強かったとは思いませんでした。母父ジェイドロバリーがやや不安ではありますが、2400mであれだけ鋭い勝ち方を見せた以上、本番でもかなり有力ではないかと思います。

それにしても、リーチザクラウン、アンライバルドは菊花賞に向けて、不安の残る負け方となりました。
リーチザクラウンは相変わらず抑えがきかない感じで、しかも大幅な馬体減。2着に粘ったとはいえ、2馬身差で上がりも1秒以上の差をつけられました。血統的にはともかく、馬体維持と気性的な課題の克服は、残り1ヶ月弱では結構厳しいのではという印象です。
またアンライバルドもかなり掛かって、なんとか馬群に入れて落ちつかせたものの、直線は皐月賞のような伸びもなく、前を捉えられないという、やはり不安の残る負け方でした。

クラシック路線を引っ張ってきた3強の2頭としては、ぜひ欲しい最後の1冠ですが、今日のレースを見る限り、黄色信号という感じでしょうか。別路線から来る馬も含めて、一気に混戦状況という感じだと思います。


それに対して、オールカマーのほうは、比較的順当に収まりました。
しかしマツリダゴッホは中山ではすごい安定感です。横山典Jも馬がコースと勝ち方を知っていると言っていましたが、まさにそのとおりですね。最近の不振が嘘のように、影をも踏ませない逃走劇で、2馬身差の圧勝。史上4頭目の、同一重賞3連覇だそうです。おめでとうございます。

ドリームジャーニーも懸命に追いかけましたが、相手と馬場が悪かったですね。でもシンゲンに抜かせず2着を確保したのは、さすがグランプリホースです。
シンゲンも相変わらずパドックでは入れ込みが激しいものの、レースでは折り合い、ドリームジャーニーにアタマ差3着は立派です。

古馬戦線もこれから大きなレースが続きますが、まずは有力どころが無難なスタートを切ったということで、今後の展開に注目です。

2009年06月28日

アグネスタキオン産駒はやはり早熟? ~宝塚記念

2009年の宝塚記念は、2番人気のドリームジャーニーが鮮やかに差しきって、自身2勝目のG1制覇となりました。
4コーナーでの手ごたえは抜群で、その内のディープスカイがもがくのを尻目に、鋭い末脚を繰り出して、前を行くサクラメガワンダーをあっさりととらえ、最後はおさえる余裕さえありました。これぞステイゴールドの晩成の血のなせる業でしょうか。もっともドリームジャーニー自身は、朝日杯FSを勝っているので、決して晩成とはいえませんが。
毎年重賞は勝っているものの、G1はなかなか縁が無かったのですが、今回は今までのうっぷんを晴らすような、見事な勝利でした。おめでとうございます。

対する1番人気のディープスカイですが、最終的に1.6倍という支持を得たものの、4コーナーから直線に向いての行きっぷりが悪く、それでも最後は差を詰めてきましたが、1 3/4馬身+クビ差の3着に終わりました。
今回は先週亡くなった父アグネスタキオンの弔い合戦的なニュアンスもあり、かなりのプレッシャーがあったと思います。しかし調教もすばらしく、体もきっちり絞って、パドックの様子もなかなかよかったので期待したのですが、意外と伸び切れませんでした。

アグネスタキオン産駒といえば、3歳重賞では活躍するものの、特に牡馬は古馬になると尻すぼみになる馬が多く、一時は早熟説がささやかれました。一応牝馬はダイワスカーレットが4歳暮れの有馬記念を制し、マイネカンナ(マイネルキッツの妹)が福島牝馬Sを勝っているものの、牡馬は4歳2月の京都記念を勝ったアドマイヤオーラが、唯一の古馬での重賞勝利となっているのです。

今回ディープスカイが早熟説を一掃することを期待されていたのですが、残念ながら早熟説に根拠を与えるような結果になってしまいました。
確かに安田記念はウオッカが強かったとはいえ、並ぶまもなくあっさりと交わされたのにはすこし不安を感じてはいたのですが・・・。

これで古馬の中距離路線は、ますます混沌としてきました。ただでさえ層が薄いのに、ウオッカに次ぐ馬が見えてきません。秋のG1はどうなるのか。3歳や夏の上がり馬が出てくるのか。悩みながらも、楽しみに待ちたいと思います。

2009年06月07日

切れる末脚と外差しの馬場が勝因? ~安田記念

ある程度予想されていたように、安田記念はウオッカの圧勝で終わりました。しかし武豊Jの心中は、オークスの安藤勝J同様に、ちょっとヒヤっとしたのではないでしょうか。

中団の内を追走したウオッカは、直線に入ると馬場のよいちょっと外目に出しましたが、みんなが同じようなところを狙ったため、前がふさがれてしまいます。対するディープスカイは、ウオッカの後ろにいたものの、うまく内から抜けて、早めに先頭に立ってゴールを目指します。
思えばオークスのレッドディザイアも同じような競馬をしたわけで、鞍上の四位Jはそのときのことを意識していたのかもしれません。

その後もウオッカは馬群が壁になってなかなか抜け出せず、ディープスカイとの差はどんどん開いていきます。ようやく前があいたのは、残り200mを切ってから。そこからの末脚は、ブエナビスタ以上のインパクトがありました。(上がり3ハロンのタイムは遅いですが、最後の100mは切れました)

ウオッカの勝因ですが、やはりまずはマイルに適した、牝馬らしい切れのある末脚でしょう。一時は包まれたまま終わるかと思いましたが、すごい脚で差しきってしまいました。
ディープスカイも東京得意で、末脚もよいほうですが、やはり本質は中距離馬なので、マイルの切れではウオッカにはかなわなかったと思います。

もうひとつは、先週までと違って、外目のほうが伸びる馬場だったというのが、あげられると思います。先週のダービーウィークに重~不良でレースが行われたため、内目がかなり悪くなっているようで、前のレースでも結構外差しが決まっていました。
武豊Jもそのあたりをわかっていて、やや外目を追い込んできたのだと思います。同じように3着のファリダットも外を差してきましたし、カンパニーにいたっては大外を追い込んできました。

これでウオッカは牝馬としては1位となる、G1 6勝目をあげました。次にどこに向かうのかはわかりませんが、秋も国内専念ということなので、ぜひG1 7勝そして新記録となる8勝を目指してほしいと思います。
ただし最近はマイラー仕様になってきているので、距離伸びることと、小回りコースはやや不安があります。宝塚はパスして、毎日王冠、天皇賞(秋)から、マイルCSという路線が望ましいのではと、個人的には思いますが・・・。

2009年05月31日

ロジユニヴァース、横山典騎手 ダービー制覇おめでとうございます

今年のダービーは、ロジユニヴァースが1番人気で大敗した皐月賞の雪辱を果たすという結果に終わりました。
単勝では2番人気だったものの、連勝馬券では明らかにアプレザンレーヴなどよりも評価が低く、皐月賞大敗で見限った人が多かったことがわかります。確かに皐月賞2桁着順からダービーで巻き返したのは、1986年のダイナガリバー以降いないということで、そうなってしまうのも仕方ないでしょう。
しかしその人気ガタ落ちを見返すように、皐月賞1,2番人気ながらともに2桁着順に大敗した、ロジユニヴァース、リーチザクラウンで決まるという皮肉な結果に終わりました。

振り返ってみれば、皐月賞で両馬が人気になったのは、ともに先行脚質なので、先行有利な中山であればという面もあったと思います。逆に直線の長い東京は差し有利が常識であり、皐月賞で追い込んで上位になったアンライバルドやセイウンワンダーがダービーで支持されたのも、ある意味当然でしょう。

しかし今年は、例年とはまったく逆の結果になりました。皐月賞は差し、追い込み馬が上位を占め、ダービーは逃げ、先行馬が上位を占めました。
ただしダービーは、不良馬場の影響も大きかったと思います。おそらく良馬場であれば、もう少し結果も違ったでしょう。ただ馬場状態も、やはり運ですからね。

競馬場ではしょっちゅう参考レースのVTRが流れるのですが、その中で気になったのが昨年のラジオNIKKEI杯でした。ロジユニヴァースが逃げたリーチザクラウンを鮮やかに突き放したイメージがあったのですが、実際に見てみると、えらく苦労しながらゴールを目指しているように見えます。
実際に馬柱を見てみると、ロジユニヴァースの上がりがなんと37.1。ずいぶん時計の掛かる馬場状態だったようです。次の弥生賞もやや重を逃げ切って圧勝しており、おそらくロジユニヴァースは重馬場を苦にしないタイプだろうと察しがつきました。

残念ながらリーチザクラウンを距離不向きと軽視したので、馬券は取れませんでしたが、過去のレースをよく見て、馬場状態と脚質をきちんと把握すれば、おのずと結果は見えてくるはずなんですね・・・。

でも横山典Jの苦節20年を経てのダービー制覇、そして関東馬として12年ぶりのダービー馬誕生、本当におめでとうございます。横山典Jもようやくメジロライアンの借りを返せたのではないでしょうか。
ロジユニヴァースには、今後もダービー馬の名に恥じない活躍を期待したいと思います。

2009年05月24日

焦点はブエナビスタの乗り方 ~オークス

桜花賞で他馬との力の違いを見せつけたブエナビスタとレッドディザイア。
調教では古馬のオープンでもめったにないという、8ハロン追いで最後まで伸びた前者と栗東坂路で最後の1ハロン11.7で上がった後者。
抜けた実力の両者が、出色の調教を見せたのであれば、この2頭で決まる可能性がかなり高いことは、容易に察しがつきました。

残った問題は、いかに乗るかということでしょう。前2週のG1が前の馬同士で決まったように、前残りで外が伸びにくい馬場なので、後方から大外一気という脚質のブエナビスタと、やはり後方からの末脚が武器のレッドディザイアは、ヘタをすると前の馬をとらえきれない危険があります。
安藤勝Jもインタビューで、そのような懸念を口にしていました。

そこで注目は、やはりブエナビスタを安藤勝Jがどう乗るのかということだったと思います。まさか逃げることはないでしょうが、中団ぐらいにつける可能性はあるのではと思っていました。
注目のスタートは互角に出ましたが、すぐに安藤勝Jはブエナビスタを下げて、1コーナーは後方から3番手。そのまま4コーナーまで、ずっと後方を追走します。対するレッドディザイアは中団の内につけました。

ブエナビスタは4コーナーで桜花賞と同じように一旦内をつくそぶりを見せて、再度外に持ち出して追い出しに掛かります。そこは午前中のレースから、あまり伸びないところ。大丈夫かと心配していると、徐々に伸びてきます。
残り200mでは、うまく内から抜けてきたレッドディザイアが2馬身ほど抜けて先頭に立ち、勝ちパターン。しかしそこからのブエナビスタの伸びは見事でした。1完歩ごとに差を詰め、ゴールでぎりぎり差しきったのです。桜花賞のビデオを見ても、よく差しきったなと思いますが、オークスもそれに劣らずすごいレースでした。

結局ブエナビスタはいつもどおり末脚を活かすレースをしたのですが、これは安藤勝Jも余程末脚を信頼していなければ、できなかったのではと思います。勝つ確信があったのかはわかりませんが、まさに神業のような勝利でした。

終わってみれば、桜花賞と1~3着がまったく同じとなりましたが、秋はどうなるのでしょうか。ぜひ秋華賞も勝って3冠を達成してもらいたいと、今からとても楽しみです。力は抜けているので、怪我や調子を崩すことがなければ、可能性は高いと思うのですが。

2009年05月17日

またもや先行同士の決着 ~ヴィクトリアマイル

今年のヴィクトリアマイルは、ただウオッカの強さだけが光ったレースでした。
先行勢を見る好位につけたウオッカは、直線に入ると余裕で先行勢のあいだを抜けて先頭に立ち、みるみるうちに差を広げて、ほとんどムチも使わずに7馬身差の楽勝でした。

先行したウオッカに、1番の上がりとなる33.4の脚を使われては、まったく勝負になるわけがありません。G1でこれだけの楽勝は、最近ではちょっと記憶にないです。去年の安田記念と似た展開でしたが、当然あれよりも楽でしたね。
今までの実績ですでに歴史的な名牝ですが、これでまたひとつ勲章が増えました。G1 5勝はあのメジロドーベルと並び牝馬では1位で、獲得賞金は歴代牝馬No.1。見た目もかっこいいんですよね。すごい馬です。

しかし今の東京は外が伸びないですね。先週のNHKマイルCも先行勢がそのまま残りましたが、今日のヴィクトリアマイルも、4コーナーで1,4,5番手にいた馬が上位3着以内にきました。
決してスローな展開ではありませんでしたが、後方から外に出した馬はいずれも伸びず、中団から内をついたザレマが、かろうじて3着とハナ差の4着にきたぐらいです。
平場のレースでも外から差しきるケースは少なく、差し天国のはずの東京芝コースが、今年はかなり様相が違う気がします。

それにしても、ウオッカ以外の上位人気馬たちは、どうしちゃったのでしょうか。馬場やウオッカの末脚を考えると、ウオッカの後ろにいても勝ち目はないのに・・・。
昨年のエイジアンウインズのように、ウオッカよりも先に抜け出してゴールまで粘るという戦法しか、足元をすくう方法はないと思うのですが、カワカミプリンセスもリトルアマポーラも後ろでマークする戦法に出ました。勝負どころで離されてしまい、後方でもがくだけというレースになってしまったのは、とても残念でした。
逆にブラボーデイジーやショウナンラノビアはがんばりました。ウオッカには軽くかわされましたが、そこからも粘り、特にブラボーデイジーは最後までのびて2着を確保しました。
前走の福島牝馬Sで、泥田のような馬場で粘った根性を、再び見せてくれました。パドックでものんびり歩いていて、調子はよさそうだなと思ったのですが、まさか2着に粘るとは・・・。

この馬場の傾向は、オークス、ダービーでも続くのでしょうか。そうすると穴は先行馬かな?
オークスで圧倒的1番人気が予想されるブエナビスタは、桜花賞では最後方から差しきりましたが、今度はその手は使えそうにありません。安藤勝Jもそのあたりはわかっていると思いますが、一度も先行したことがないブエナビスタを、前に行かせるわけにはいかないでしょう。
またまた悩むことになりそうです。

2009年05月10日

当然ですが、毎年傾向は変わります ~NHKマイルC

東京の芝1600mの傾向としてよく言われるのが、1600m以上の距離で実績のある馬を狙うべきということがあります。たしかにNHKマイルCでも、過去毎日杯(芝2000mから芝1800mに変更)の勝ち馬が参戦した場合、すべて勝っているということがあります。
また過去10年で、1600m以上で勝ちあるいは重賞連対の実績のない馬は61頭参戦していますが、1頭も連対していません。

これを信じると、ファルコンSの勝ち馬で芝の2勝はいずれも1200mのジョーカプチーノ、3勝はすべて1200mで1600mは走ったことすらないグランプリエンゼルなどは、まず馬券の対象からはずしてしまいます。
ところが今日のNHKマイルCでは、この2頭が1,3着に好走しました。ではその要因は何でしょう。

まずはペースがあげられると思います。ゲットフルマークス、ジョーカプチーノが離して逃げる展開でしたが、600m通過が34.3と平均ペース。実は見た目以上にスローで、2番手のジョーカプチーノ、離れた3番手のグランプリエンゼルには楽なペースだったのです。

そしてもうひとつ大きいのは、この2頭が血統的には必ずしもスプリンターではないことではないかと思います。
ジョーカプチーノは父が菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を勝ったマンハッタンカフェで、母父はダービー馬のフサイチコンコルド。これはどう見ても2000m以上が得意としか思えない血統です。
またグランプリエンゼルは父が天皇賞(秋)や安田記念、マイルCSを勝ったアグネスデジタルで、母父は万能のサンデーサイレンス。こちらもマイル以上に適性がありそうです。
これに対して逃げて12着だったゲットフルマークスは、父がスプリンターズSを勝ったマイネルラヴで、母父がスピード血統のダンチヒ。

この時期は厩舎でも距離適性をつかみかねていたり、掛かる気性だったりするため短距離を使っているケースがあるようですが、マイルのG1に挑戦してみたら、距離が持ってしまったということではないでしょうか。

東京の芝1600mがスピードとスタミナの両方を求められるコースであるということは変わらない事実ですが、それもメンバーやペースによって変わってくるわけです。
それを柔軟な考えで受け止めて予想をしないと、今日のような馬券はとれないわけですね。これまでの戦績をもとに、硬直的な判断をしてはいけないという教訓になりました。

ところで今日の勝ちタイムは、2004年のキングカメハメハを0.1秒上回るレースレコード。これでダービー出走の話も出てくるでしょう。ファルコンSを勝った馬がダービーに出てきても、例年なら検討の対象にもならないでしょうが、果たして今年は・・・。
柔軟な判断がまた必要になるかもしれません。

2009年04月19日

やはり良血馬には逆らえない? ~皐月賞

ロジユニヴァースは4コーナーで手ごたえが怪しくなり、リーチザクラウンも気付けば馬群に沈んでいく中、いつの間にかするすると抜け出してきたアンライバルドが、直線力強く抜け出し、1 1/2馬身差で見事に最初の1冠を制しました。
戦前は3強といわれていましたが、終わってみれば1,2番人気は14,13着の惨敗で、唯一3番人気のアンライバルドだけが、3強の面目を保ったという感じでしょうか。

しかも2着は8番人気のトライアンフマーチで、これで皐月賞は6年連続で7番人気以下の馬が連対し、かつ4年連続で1,2番人気が連対できないという、荒れるレースになってしまいました。ちなみに馬連万馬券は4年連続です。

上位2頭の共通点といえば、ずばり良血ということでしょう。
アンライバルドは1996年のダービー馬フサイチコンコルドの弟で、父は注目のSS系新種牡馬ネオユニヴァース。トライアンフマーチはブエナビスタと同じくスペシャルウィーク産駒で、母は1997年の桜花賞馬キョウエイマーチ。
アンライバルドはスプリングSを圧勝するなど、かなりの実績を誇ってきましたが、トライアンフマーチはまったくの伏兵でした。3戦目で未勝利をようやく勝ち、若葉S2着でなんとか優先出走権をとったものの、そのレースではベストメンバーに軽く差しきられ、なんとか2着を死守したという感じだったからです。
しかしさすが角居厩舎だけあって、しっかりと仕上げてきました。パドックではピカピカの毛づやで悠然と歩き、できの良さは際立っていました。

ダイワメジャーやシックスセンスなど、皐月賞までは目立たなかったのに、ここでいきなりブレイクする良血馬がいますが、今日の2頭もその例かもしれません。ちょうどそんな季節なのかもしれませんね。

それに対して、ロジユニヴァースとリーチザクラウンの人気2頭はどうしてしまったのでしょうか。
リーチザクラウンはパドックでも今ひとつで、レースでは終始掛かってしまって、いいところがありませんでした。
ロジユニヴァースはパドックの気配も良く、2コーナーで外目に出したときは、さすが横山典Jと思ったのですが・・・。結果的に馬群でもまれたレースが初めてで、戦意を喪失してしまったという感じかもしれません。

ダービーは直線が長い東京に変わるので、ますますアンライバルドが有利になると思いますが、惨敗してしまったロジユニヴァースとリーチザクラウンにも、ぜひがんばって巻き返してほしいと思います。

2009年04月12日

ブエナビスタはものが違いました ~桜花賞

ブエナビスタは勝つことはだいたいわかっていたものの、やはり強かったです。ちょっと他の馬とは、レベルが違うという感じでした。

スタートを切るといつものように後方に下げましたが、600mが34.9とやや遅めの落ち着いた流れとなり、さらに縦長の展開で、向こう正面では本当に大丈夫かと、ちょっと心配になりました。
3コーナーすぎから進出を開始したものの、4コーナーでは内に進路をとり、レッドディザイアとジェルミナルに前をふさがれる形になりました。そこからもう一度外に持ち出したわけですが、その末脚は見事でした。

馬場はかなり使われているので内はあまり伸びないのですが、外の伸びはよく、特にレッドディザイアは最後まで食い下がりました。キャリア2戦の馬は過去10年で4頭が出走して、すべて着外ということもあり、キャリア不足でかつ休み明けということでやや軽視したのですが、オープンを差しきった末脚は見所がありました。
でもブエナビスタとは、着差以上の力差を感じました。今回安藤勝Jは坂で2発ほどステッキを入れましたが、あとは押すだけで最後は流す余裕がありました。3着のジェルミナル以下はちぎれてしまい、勝負あったという感じです。

最近は桜花賞とオークスはつながることが多いですが、このままでいけばブエナビスタの2冠はかなり濃厚でしょう。レッドディザイアはマンハッタンカフェ産駒ということで距離が伸びてよさそうですが、安藤勝Jによるとブエナビスタも距離があったほうがよいというので、2400mになっても逆転は難しそうです。
他で気になるのは、桜花賞には目もくれずにオークスに直行するディアジーナでしょうか。クイーンCを勝っており、先行有利のフラワーCでクビ差の2着。メジロマックイーン産駒というところも魅力です。
フローラSで新星が出てこない限り、この3頭の争いとなるでしょうが、やはりブエナビスタ中心は間違いないでしょう。

過去の2頭の3冠牝馬メジロラモーヌとスティルインラブは、2歳G1は勝っていません。もしブエナビスタが3冠を勝つと、初の同世代牝馬限定G1完全制覇の快挙となるわけです。
まだオークスも勝っていない段階でかなり気が早い話ですが、そんなことまで期待させてしまうような、強い勝ち方でした。まずは無事にいってくれることを、期待したいと思います。

2009年03月29日

失礼ながら、そんなに強かったとは ~高松宮記念

ローレルゲレイロといえば、2,3歳時は最強の1勝馬といわれ、先行してしぶとく残るレースぶりで、朝日杯とNHKマイルCで2着になりながら、どうしても勝ちきれないことが長く続きました。
2勝目は4歳2月の東京新聞杯。これがはじめての重賞制覇でもありました。次の阪急杯も逃げて連勝したものの、高松宮記念では逃げてファイングレインの2馬身差4着。昨年後半は、休み明けのスワンSこそ2着に粘ったものの、その後は香港も含めて連対なし。今年初戦の東京新聞杯は13着と、久々の2桁大敗を喫していました。

それが阪急杯で2着に逃げ粘ったあと、高松宮記念はスリープレスナイトを突き放す強い勝ち方で、初G1制覇を成し遂げました。
しかもスローで逃げ切ったのではなく、早いペースで逃げて、いったん並ばれたスリープレスナイトを差し返しました。先行した馬がほとんど着外だったのをみても、展開に恵まれたわけではないことが、よくわかります。しかも中京は直線が短い割りに逃げ・先行馬は良績がなく、高松宮記念も逃げ切りはショウナンカンプだけと、条件的にはかなり厳しいものでした。

最近のスプリント系はかなり層が薄く、重賞勝ち馬もころころ変わるので、多くの馬にチャンスがあったと思うのですが、ローレルゲレイロがあんな強い勝ち方をするとは、正直いって想像もしていませんでした。直線に入ってスリープレスナイトが伸びてきたときは、やっぱり強いなあと思ったのですが、それを差し返すとは・・・。恐れ入りましたの一言です。

ただし真に強い馬の条件というのは、やはりどんな条件でも大崩をしないということだと思います。そういう意味では、ローレルゲレイロもG1馬として恥ずかしくないように、ぜひ今日のようなパフォーマンスを続けて言ってほしいと思います。
現状では、休み明けで2着したスリープレスナイトの評価のほうが上だと思うので、ライバルとして立ちふさがるようなレースを今後も期待したいものです。

2009年03月22日

これで役者がそろいました ~スプリングS

弥生賞のロジユニヴァースほどの支持は得られなかったものの、スプリングSではアンライバルドが2.3倍の1番人気に応えて、無事1着で皐月賞に向かうことになりました。
これできさらぎ賞を勝ったリーチザクラウンとあわせて、3強という構図ができあがりました。2強だとどちらかが崩れることが多いのですが、3強だとすんなりとその3頭で決まることも多く、ほぼ間違いなくこの3頭の組み合わせが人気になるでしょう。

中山といえば、やはり先行馬が有利で、特に今年は外が伸びず内が伸びるという馬場状態でもあり、前に行った馬が有利だろうと思っていましたが、案の定レッドスパーダが残りました。
スローでほとんどの馬が掛かり気味になるなかで、中団から差しきったアンライバルドは、着差以上の強さだったと思います。

では本番の皐月賞では、どの馬が有利なのでしょうか。
おそらくリーチザクラウンが逃げて、ロジユニバースがそれをマークして2,3番手、アンライバルドが中団という展開になるでしょう。他に行く馬がいなければ、ペースは遅くなると思います。そうなるとリーチザクラウンが有利ですが、それを並ぶ間もなく差しきったラジオNIKKEI杯のロジユニヴァースをみると、かなり強そうです。
アンライバルドは新馬でリーチザクラウンを破っていますが、スプリングSで5着(0.5秒差)のリクエストソングがきさらぎ賞ではリーチザクラウンと0.6秒差だったことを考えると、2頭にはあまり差があるとは思えません。しかしアンライバルドは差し脚質であり、展開的には、やや不利といえるかもしれません。

それらを考え合わせると、人気はおそらく1.ロジユニヴァース(横山典)、2.リーチザクラウン(武豊)、3.アンライバルド(岩田)となる可能性が高そうです。ただし単勝の倍率は、ほとんど差がつかないでしょう。またジョッキー人気もあわさって、かなり微妙な人気の順番になりそうです。
でも往々にして、人気とは逆の結果に終わることが多いもの。アンライバルドがまとめて差しきるという結果も、あながち起こらないとはいえないでしょう。

いずれにしても、実績を残してきた馬たちの、ガチンコの勝負はとても興味深いものがあります。強い馬が強いパフォーマンスを見せる、真の勝負を楽しみたいと思います。

2009年02月22日

やはりG1は7勝まで? ~フェブラリーS

フェブラリーSで1番人気に支持されたカネヒキリですが、残念ながら3着に破れ、G1 8勝目はなりませんでした。過去G1を7勝(交流G1含む)し、8勝目に挑んだ馬は、テイエムオペラオー、アドマイヤドン、ブルーコンコルド、そして今回のカネヒキリなどがいますが、いずれもその厚い壁に跳ね返されました。

テイエムオペラオーなどは、ほぼ確実にクリアするのではないかと思われながら、宝塚記念で初めてメイショウドトウに負けて2着に終わると、秋に天皇賞(秋)、JCとともに2着に破れ、結局7勝で終わりました。
アドマイヤドンも、確実に勝つと思われたJCダートで同厩舎のタイムパラドックスの2着になると、その後は精彩を欠いて、G1はおろか勝つことさえなく引退しています。
ブルーコンコルドは現役ですが、年齢的にもちょっとつらそうです。

G1を7勝するということは、少なくとも2年以上一線級でがんばることが必要なわけで、並大抵のことではありません。しかしどの馬も、お約束のように7勝で止まってしまうのは、どうしてなのでしょうか。
やはり、日本の競馬界を代表する名馬であるシンボリルドルフ、そしてディープインパクトを越えることは、競馬の神様が簡単には許さないのかもしれません。

カネヒキリは屈腱炎を克服して2年ぶりに復活するなど、とても苦労してきて、ここにきてG1を3連勝するなど、一気に記録更新かと期待されたのですが、またもや跳ね返されました。
しかしまだこれで終わりではありません。幸い地方競馬にはまだいくつもG1があり、JRAしかない芝のG1レースとは違って、チャンスは多く残されています。おそらく無事にいっても現役生活は今年いっぱいでしょうが、なんとかがんばって欲しいものです。

ただこのまま7勝でとどまって、やはりG1は7勝までしかできないという伝説が、続いていってほしいという気持ちがあるのも、事実です。

2008年12月29日

現役最強はダイワスカーレット?! ~有馬記念

今年の有馬記念は、牝馬が強かった1年を象徴するように、37年ぶりの牝馬の勝利で終わりました。
しかも勝ったダイワスカーレットは逃げ切ったのに対して、先行馬は総崩れで、2~4着はすべて後方からの追い込みだったということが、ダイワスカーレットの強さを表しています。
久しぶりに先行して正攻法の戦いを挑んだメイショウサムソンは、3コーナーでは早くも鞍上の手が動き、4コーナーで脱落しました。スクリーンヒーローとマツリダゴッホも、4コーナーではダイワスカーレットに並びかけたものの、直線は離される一方で、スクリーンヒーローがかろうじて掲示板にのる5着と完敗でした。

今年ダイワスカーレットは結局3戦しかしなかったものの、産経大阪杯では後の宝塚記念上位馬を抑えて優勝し、長期休み明けの天皇賞(秋)では、掛かり気味に逃げてウオッカと2cm差の2着に粘りました。そして有馬記念は圧勝と、実質的に現役最強と言えるのではないでしょうか。
しかし3戦しかしなかったために、年度代表馬はおろか、最優秀古馬牝馬もウオッカにもっていかれそうで、JRA賞では無冠が濃厚です。

春に順調だったらと思いますが、幸い来年も現役を続けるということなので、強さを見せつけて、願わくば連対率100%のままいってくれたらと思います。そうすれば、文句なしの歴代最強牝馬の称号も得られるかもしれません。
その前に、まずは万全の状態で、ぜひウオッカとの最強牝馬争いに決着をつけてもらいたいですね。
来年に楽しみを持ち越してもらえることに、感謝したいと思います。

2008年12月14日

ブエナビスタは想像以上に強かった ~阪神JF

阪神JFのブエナビスタは、強かったですね。
ダノンベルベールが抜け出すかと思ったところを、1頭だけ違う脚で差してきて、最後はムチもいれずに楽勝しました。ゴール前は抑えたので2 1/2馬身とあまり大きな差はつきませんでしたが、本気で追っていれば、もっと差が広がったかもしれません。
ディープインパクトほどではなかったにしても、かなりの力差を感じさせました。当面の相手とは勝負付けがついたという感じでしょう。この1~2ヶ月で強い馬が出てこなければ、桜花賞はほぼ当確になってしまいそうです。

しかしブエナビスタの新馬戦は、よくよくレベルが高かったんだなと思います。1着のアンライバルドは2戦目の京都2歳Sでこけてしまいましたが、2着のリーチザクラウンは500万下を楽勝して、早くも来年のクラシックの呼び声が高くなっています。
またブエナビスタもリーチザクラウンもともにスペシャルウィーク産駒というのも、特徴といえるでしょう。

混戦のクラシックもいいですが、個人的には核となる馬がいて展開されるほうが、より興味が湧きます。あとはライバルとなる馬の登場を待ちたいですね。
ウオッカの時は、2週後の中京2歳Sをダイワスカーレットが勝って名乗りを上げましたが、そんな馬が出てくると、またいっそうおもしろくなると思います。

2008年12月07日

勝敗を分けたのはコースどり? ~JCダート

JCダートは、カネヒキリの久々の復活となりました。
レースのリプレイを見ていて、ふと似たレースがあったことに気付きました。そうです。2週間前にブルーメンブラットが勝ったマイルCSです。内ぴったりを回ったブルーメンブラットが、先に抜けたローレルゲレイロを交わして先頭に立ち、外から差してきたスーパーホーネットを抑えました。
今日もカネヒキリは内ぴったりを回って脚をため、直線でサクセスブロッケンを交わして先頭に立ち、外から差してきたメイショウトウコン、ヴァーミリアンをぎりぎり抑えました。
ヴァーミリアンもメイショウトウコンも、向こう正面では後方にいて、3コーナー過ぎから外を回って追い上げましたが、内を回ったカネヒキリとは、コースどりの差が大きかったように思います。その意味では、ルメール騎手のファインプレイといえるでしょう。

以前ペリエ騎手がヨーロッパから短期免許でくる騎手に、日本の競馬は4コーナーで絶対に内が開くので、内ピッタリを回れば勝てるとアドバイスしていると聞いたことがあります。ヨーロッパでは内を開けるということはありえないそうですが、日本では騎手の腕のせいなのか、内が開くことが多いとか。
確かにマイルCSやJCダートを見ていると、力が接近しているレースでは、コースどりの差が大きく結果に響くことがわかります。ただ事前にそこまで予想することは、まず不可能ですから、やはりG1を多く勝っている騎手=信頼できる騎手と考えるしかないのかもしれません。

WSJSを見ていても、毎年感心することが多いですが、やはり騎手の判断というのは、とても大事ですね。それを瞬時にしなければならないのですから、大変な商売だと思います。まあ上手くいったときのリターンも大きいですが。

2008年12月01日

G1実績のない馬が勝つとは ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、前走のアルゼンチン共和国杯が初重賞制覇だったスクリーンヒーローが優勝するという、驚きの結果でした。
スローを好位につけていたとはいえ、マツリダゴッホやウオッカに競り勝ち、ディープスカイを抑えるという勝ち方は正攻法で堂々としたもので、ケチのつけようがありません。東京の2400mという底力を問われるコースでの結果であり、その意味では力があったということなのでしょう。

しかしアルゼンチン共和国杯は53kgという軽量での優勝であり、その前は準オープンを勝てなかったという戦歴を見ると、勝つまでは難しいと見てしまうのが、一般的だと思います。
ここ10年のジャパンカップでは、日本馬は5番人気以内の馬しか連対できず、かつ前走がアルゼンチン共和国杯の馬は1頭もいません。そのあたりの常識に縛られてしまった人も多かったのではないでしょうか。

今日の勝ちタイムの2.25.5は、アルゼンチン共和国杯の2.30.8(2500m)からみると、決して出せないタイムではありません。また逃げ馬不在でG1としてはスローになったのも、スクリーンヒーローには味方したのでしょう。
ウオッカなどもかなり行きたがっていたように見えたので、そのあたりのロスも最後に響いたのかもしれません。デムーロ騎手の無駄のない騎乗も、ほめられるべきだと思います。

ただし、勝ったということはやはり力があったということなのだと思います。偶然で勝てるほど東京芝2400mのG1は、やわではないですから。
スクリーンヒーローの次走はまだわかりませんが、ぜひ有馬記念にでて、本当の力を見せて欲しいと思います。右回りも小回りコースも問題なさそうなので、今日のがフロックでなければ、上位争いをしてくれると思います。ダイワスカーレットも含めて、すばらしい戦いをまた見せて欲しいものです。

G1実績のない馬が勝つとは ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、前走のアルゼンチン共和国杯が初重賞制覇だったスクリーンヒーローが優勝するという、驚きの結果でした。
スローを好位につけていたとはいえ、マツリダゴッホやウオッカに競り勝ち、ディープスカイを抑えるという勝ち方は正攻法で堂々としたもので、ケチのつけようがありません。東京の2400mという底力を問われるコースでの結果であり、その意味では力があったということなのでしょう。

しかしアルゼンチン共和国杯は53kgという軽量での優勝であり、その前は準オープンを勝てなかったという戦歴を見ると、勝つまでは難しいと見てしまうのが、一般的だと思います。
ここ10年のジャパンカップでは、日本馬は5番人気以内の馬しか連対できず、かつ前走がアルゼンチン共和国杯の馬は1頭もいません。そのあたりの常識に縛られてしまった人も多かったのではないでしょうか。

今日の勝ちタイムの2.25.5は、アルゼンチン共和国杯の2.30.8(2500m)からみると、決して出せないタイムではありません。また逃げ馬不在でG1としてはスローになったのも、スクリーンヒーローには味方したのでしょう。
ウオッカなどもかなり行きたがっていたように見えたので、そのあたりのロスも最後に響いたのかもしれません。デムーロ騎手の無駄のない騎乗も、ほめられるべきだと思います。

ただし、勝ったということはやはり力があったということなのだと思います。偶然で勝てるほど東京芝2400mのG1は、やわではないですから。
スクリーンヒーローの次走はまだわかりませんが、ぜひ有馬記念にでて、本当の力を見せて欲しいと思います。右回りも小回りコースも問題なさそうなので、今日のがフロックでなければ、上位争いをしてくれると思います。ダイワスカーレットも含めて、すばらしい戦いをまた見せて欲しいものです。

2008年11月24日

やはりG1制覇は難しい ~マイルCS

藤岡佑Jは今度こそG1制覇を期待されましたが、またもや2着。これで4回目のG1 2着になります。
先週時点の関西リーディングジョッキーベスト10の中で、JRAのG1を勝っていないのはわずかに3人。今年の藤岡佑Jは好調で、幸、四位、池添などのG1騎手を上回っているので、そろそろ勝ってもいいのではと思っていたのですが・・・。
これでスーパーホーネットでは2回G1で1番人気になりながら勝てなかったので、さぞかし悔しい思いをしているでしょう。

スタートはエイシンドーバーと並んですごくよかったのですが、向こう正面ですっと後ろに下がり、なんと後方から3番目ぐらいで4コーナー手前まで行きました。もともと末脚を活かすタイプですが、毎日王冠では5番手を追走し、今回も行く馬がいなければハナでもいいと言っていたので、ちょっと下げすぎではないかと心配したのですが・・・。
ペースも600m34.4と平均レベルで、追い込み向きとはいえません。
片や勝ったブルーメンブラットは中団から直線は内を突き、ローレルゲレイロが抜けたあとを通って、抜け出しました。上がりは2頭とも33.9なので、結果的には位置取りとコース取りが明暗を分けました。枠順が影響したともいえるでしょう。

馬に実力があったとしても、必ずしも勝てるとは限らないのがG1ですが、運がないで済ませるのは酷ですね。藤岡佑Jも、いずれ遠からずG1を勝つ日がくると思いますが、この悔しさを忘れずに、がんばってほしいと思います。

2008年11月03日

現役最強を争う牝馬の対決 天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、期待にたがわぬ名勝負となりました。
春の安田記念を勝って鮮やかな復活を遂げたウオッカは、秋初戦の毎日王冠を勝ちに等しい2着と好走し、さらに調子を上げて万全の体制で天皇賞(秋)に臨んできました。
片や産経大阪杯で、後に宝塚記念で1~3着を占める牡馬を完封し、その後の活躍を期待されながら故障で春シーズンを棒に振ったダイワスカーレットは、7ヶ月の休み明けでかつ初体験の東京。しかも逃げ切りは1987年のニッポーテイオー以来1頭もないという、逃げ馬に不利なレースで、今回はさすがのダイワスカーレットも厳しいかと思われました。

レースはダイワスカーレットの逃げで始まりましたが、道中はトーセンキャプテンに絡まれ、安藤勝Jがなだめながら乗るも、1000mは58.7と早めのペース。それをウオッカとディープスカイは、やや掛かりながらも中団で折り合って追走します。
直線に入り、残り200mぐらいで3頭が並んだときは、あきらかに外のディープスカイとウオッカの脚色がよく、ダイワスカーレットももはやこれまでかと思われました。現にいったんはウオッカが前に出たように見えました。

しかしそこからダイワスカーレットがもう一度盛り返します。まん中のディープスカイが脱落し、内外離れた2頭が並んでゴール。再生されたスローでも、差がわからず、ずいぶん長い写真判定のあと、ウオッカの1着がアナウンスされました。その差はわずか2cmとのこと。

もちろん勝ったウオッカは強かったのですが、不利な状況を跳ね返して、レコード決着の2cm差2着に持ち込んだダイワスカーレットの強さには、本当に驚かされました。去年の有馬記念を含む一連のG1好走にも驚かされましたが、今回は文句のつけようがないですね。

ただこれで現役最強馬の争いに決着がついたとは、誰も思っていないのではないでしょうか。次は2頭とも万全な状態で、ぜひ勝負をしてもらいたいと思います。それがJCになるのか、有馬記念になるのかは、現時点ではわかりませんが、今からわくわくします。
ディープスカイも含めて、レコードタイムで走った反動は気になりますが、誰も故障せずに、再び元気な姿で勝負してくれることを期待したいと思います。

2008年10月26日

やはり血統?それとも展開? 菊花賞

菊花賞は1番人気の信頼度が低い。最近はステイヤー血統はこない。
レースの傾向としては、こんなところもあげられるのではないでしょうか。これに従うと、オウケンブルースリもフローテーションも軽視することになります。特にフローテーションは、神戸新聞杯の大敗と、調教でノットアローンに突き放されるのを見ると、さらに買いたくなくなります。しかしきてしまいました。

その原因を推理してみましょう。まずオウケンブルースリですが、夏の上がり馬で、神戸新聞杯3着かつその上位2頭は出てこないとなると、押し出された1番人気という言葉がぴったりの形になります。過去10年の1番人気は、ディープインパクトの1勝とスペシャルウィークの2着1回。あとは3着2回という体たらく。押し出され感いっぱいの1番人気は、心情的に避けたくなります。
でも結果を見ると、単純に強かったと言えるのではないでしょうか。3コーナーからのロングスパートで先頭に立ち、最後にフローテーションに詰め寄られると、もうひと伸びしました。馬体も大物感たっぷりで、ディープスカイに似た雰囲気を持っています。

次にフローテーションですが、これはやはり長距離血統ということになるのでしょう。そしてもうひとつ、予想以上にペースが早くなったことがあげられます。ノットアローンが掛かり気味に先行し、1000mが58.8と昨年より2秒早く、2年前とほぼ同じペースになりました。
こうなると中距離馬はつらくなり、先行馬はスマイルジャックを初め、みな沈んでしまいました。そこで本領を発揮したのが、ステイヤー血統のフローテーションだったわけです。もし昨年のようなスローペースで、上がりの競馬になれば、こなかった可能性が高かったのではないでしょうか。

3着のナムラクレセントは正直いってよくわかりませんが、先行してよく粘っているので、予想外にスタミナがあったということなのかもしれません。
しかしそもそもハイペースになることは読めなかったので、この結果を導き出すのも無理だったということになるのかもしれません。

2008年10月19日

荒れまくった3歳牝馬戦線でした 秋華賞

桜花賞も唖然としましたが、秋華賞は輪をかけてすごかったですね。
掲示板の5頭で、人気サイドは5着のエフティマイア(3番人気)だけ。1着ブラックエンブレムは11番人気だし、3着のプロヴィナージュは16番人気。2着のムードインディゴはローズS2着なのでもう少し人気があってもよいと思うのですが、フロックと思われたのか8番人気でした。

ただどの馬も、よくよく見てみれば、決して納得できなくはないのです。
まずブラックエンブレムですが、春にフラワーCを勝ったころは、堂々のクラシック候補でした。逃げ馬ではないのに押し出されたように逃げて楽勝しました。だから桜花賞でも、4番人気に支持されていたのです。
今回人気がなかったのは、ローズSで15着に大敗したせい(ローズSでも4番人気でした)ですが、あれは重馬場だったのと、当日休み明けで覇気がなかったのが原因ではないかと思います。競馬場のパドック放映で、前走時との比較が見られるのですが、ブラックエンブレムは前走との変わりように驚かされました。見違えるようによくなっていたのです。これは栗東に滞在して、じっくり仕上げたのも効いていたのかもしれません。
追いきりも今ひとつに見えたのですが、時計的にはレジネッタやマイネレーツェルよりも早かったんですよね。
そこで少し買ってみたのですが、残念ながらムードインディゴとの組み合わせは、買えませんでした。

ムードインディゴも、春には2000mの忘れな草賞を勝ち、ローズSもマイネレーツェルより早い上がりでハナ差の接戦をしています。牝馬の福永Jも味方したかもしれません。
プロヴィナージュはダートを中心に使われてきましたが、唯一の芝のレースが、福島のラジオNIKKEI賞でした。そこで牡馬相手に0.5秒差というのは、52kgを考慮しても評価できるのではないでしょうか。しかもフレンチデピュティ×サンデーという良血。

ついでに4着に入ったブライティアパルス(13番人気)も少し気になっていました。前走は古馬に混じって芝1800mの1000万下を逃げ切っているのですが、そのタイムが今回の出走メンバーの芝1800mの持ちタイムで1番早いのです。ローズSは重馬場だったし、1.46.3というタイムは特に早くはないですが、走ってもおかしくない要素はあったわけです。

春からの3歳牝馬3冠レースを見てみると、実は力差はほとんどないということがわかります。混戦のなかで、たまたまトライアルで好走した馬が人気になり、それがこけて高配当になるということが、続いてきたのではないでしょうか。
ただ今年の3歳は、レベル的には今ひとつなので、エリザベス女王杯は古馬中心になりそうな気がします。府中で勝ったブルーメンブラットも、2着のカワカミプリンセスも、休み明けとは思えない強さでしたからね。

2008年10月13日

ウオッカが逃げるとは・・・ 毎日王冠

好スタートを切ったのが、スーパーホーネットとウオッカ。スーパーホーネットはすぐに下げて4~5番手につけたものの、ウオッカの武豊Jは、なんと押して先頭へ。この瞬間、東京競馬場はどよめきに包まれました。
開幕週の馬場ということを考えると、1000m59.3秒というのは、決して早い流れではありません。現にウオッカは33.8で上がっており、バテてはいません。それを33.3で差したスーパーホーネットを褒めるべきなのでしょう。
しかし9頭が33秒台で上がるという上がりの競馬を、マイペースで逃げて差されたのは、褒められたものではありません。

ウオッカが逃げたのは新馬戦以来で、先行したのも、最近では前走の安田記念ぐらいです。安田記念のレースぶりと、先行有利の開幕週、逃げ馬不在のメンバーから、意表を突いた逃げになったのでしょう。しかし57kgを背負って目標にされる展開は決して楽ではなく、休み明けということもあり、末が甘くなってしまったのではないでしょうか。
桜花賞もそうでしたが、ウオッカは時々信じられないぐらい末脚が甘くなりことがあります。繊細な牝馬としては仕方ないのかもしれません。
しかし武豊Jが乗ると、これで3戦して0・2・0・1と未勝利。逃げて差され、差して届かずと、どうも相性がよくないような気もします。東京で5勝と、久々に関東ではじけた武豊Jですが、メインはケチがつきました。

天皇賞(秋)は、メイショウサムソンが参戦するようであれば、ウオッカは乗り代わりになるでしょう。それでもし勝ってしまったりすると、ますます相性的にどうなのかということになってしまいそうですね。

2008年06月29日

意外と単純な法則かも ~宝塚記念

宝塚記念の過去10年の結果を見ていると、とても単純な事実に気づきました。
過去10年の連対馬20頭すべてが、宝塚記念の前2走のどちらか(あるいは両方)で、G2以上のレースでの連対実績があったのです。
これは穴となった98年のステイゴールド(9番人気で2着:2走前に天皇賞・春で2着)、03年のツルマルボーイ(8番人気で2着:前走金鯱賞で1着)、05年のスイープトウショウ(11番人気で1着:前走安田記念で2着)、06年のナリタセンチュリー(10番人気で2着:2走前に京都記念1着)と、1頭の例外もありません。
もっともナリタセンチュリーの2走前は1年4ヶ月前ですが・・・。

これを単純に当てはめてみると、なんと今年の14頭のうち該当するのは、メイショウサムソン、アルナスライン、エイシンデピュティ、カンパニーの4頭だけ。このうちカンパニーは来たことがない前走マイラーズC。アルナスラインは過去10年で1頭しかいない前走目黒記念。
もし1点に絞らなければいけないとすれば、メイショウサムソン-エイシンデピュティの組み合わせがもっとも確率が高いということになります。
そして結果はそのとおりになりました。

さすがに単純すぎるかと、そのほかも何点か買ってしまいましたが、結果的には1点(馬単なら2点)でもよかったことになります。
実は3着まで広げてもこの法則は結構生きていて、例外は前2走ともにG2で3着だった99年のステイゴールドと、前2走ともにオープン特別1着だった02年のローエングリンのみになります。さすがに今年は前2走ともにG2で7着のインティライミに破られましたが、基本的には近走で調子がよく、G2連対ぐらいの実績がある馬が来るレースだということが、よくわかります。

しかし今年は重馬場に左右された気がします。良馬場であれば、メイショウサムソンが差しきっていたかもしれないし、インティライミは3着には来なかった気がします。
でもエイシンデピュティおみごとでした。調教もよく、パドックも堂々としていたので、一応期待はしていたのですが、さすがにG1を逃げ切るのは至難の業なので・・・。昨年の天皇賞・秋では大きくよれて降着になったりしていたので、思えば出世したものです。
内田JもJRA移籍後初G1制覇で、本当におめでとうございます。

2008年06月01日

ダービー馬にはやはり格が必要

今年のダービーは混戦と言われていましたが、過去見てきたダービーを振り返っても、優勝馬はそれなりの実績をもった馬ばかりで、フロックで勝てるほど甘いレースではないと思います。
そういう観点でメンバーを見てみると、今年の優勝馬にふさわしい成績の馬は、2頭しか思いつきませんでした。1頭はNHKマイルCの覇者ディープスカイ。もう1頭は重賞2勝馬で堅実な成績を誇り、皐月賞1番人気のマイネルチャールズ。
サクセスブロッケンは無敗ですが、重賞も芝も初めて。皐月賞組も重賞勝ち馬もいない青葉賞はレベルが疑問で、アドマイヤコマンドは底を見せていないとはいえ、勝つまではどうか。その他の重賞勝ち馬も、安定感という意味では疑問がつきます。

ダービー馬とは、相撲でいえば横綱のような格と権威のある特別な存在です。その意味では、逆にこの2頭以外には勝ってもらいたくないとまで思ったのです。
そして今日、ディープスカイの不安は疲労残りだけだったのですが、きちんと調教をして、輸送もこなして、それでもプラス体重ということで、ほぼ勝ちは見えたと思いました。パドックでの気配もすばらしく、ダービー馬にふさわしい貫禄さえ漂わせていました。

直線坂下では、一瞬届かないかと思わせましたが、そこからの末脚はすばらしいの一言です。父を思わせる鮮やかな栗毛と、雄大な馬体に派手な流星は、とても印象深いものでした。

しかし2着のスマイルジャックは迷った末に無印。皐月賞の負け方が気に入らなかったのですが、スプリングSを勝つためにぎりぎりに仕上げたとのことだったので、おそらくその反動が出たのでしょう。今日は馬体重こそ戻らなかったものの、スムーズに先行して馬なりで抜け出し、ゴール前まで粘りました。
東京実績もあり、こわいとは思ったのですが・・・

これで春のクラシックもひと段落。まだ安田記念、宝塚記念が残っていますが、3週間後には新馬戦も始まります。また新しい1年が始まるという感じでしょうか。

2008年05月25日

オークス上位3頭の共通点とは

桜花賞ほどではないにしても、オークスも大荒れで終わりました。今年の牝馬クラシックは混戦と言われていましたが、終わってみると、なるほどとても難解でした。
しかしよく考えてみると、今日のオークスの上位3頭には、とてもシンプルな共通点がありました。それは、G1(Jpn1)で連対経験があったこと。
トールポピーは阪神JFの1着馬だし、エフティマイア,レジネッタは桜花賞の2着、1着馬です。阪神JFで2着のレーヴダムールは出走しておらず、またNHKマイルCの連対はいずれも牡馬だったので、18頭中G1での連対経験を持っていたのは、この3頭しかいなかったわけです。
これに気づいて3連複を買えば、なんと1点で61,600円を当てることができたのです。
もちろん実際は、たとえ気づいたとしても、100円ですら投資する気になったかどうかは疑問ですが。

今日荒れた原因は、まずは2着のエフティマイアの激走にあるでしょう。桜花賞とオークスは意外に連動することは、以前から割りと知られていますが、さすがにエフティマイアの桜花賞は内を上手く回っただけで、血統的にも2400mは長いだろうと、フロック視されたわけです。
ただしよくよく桜花賞を振り返ってみると、確かに上がりはソーマジックやリトルアマポーラに大きく劣るものの、中団から長く脚を使っており、最後も切れ味でレジネッタに負けただけで、決してばててはいません。
またフジキセキ産駒はマイラーのイメージが強いですが、ドリームパスポートのように菊花賞やJCで2着に来る馬もいて、一概には決められません。それに昨年コジーン産駒のローブデコルテが勝っているように、この時期の3歳牝馬は、あまり距離適性を気にする必要はないような気がします。

さて来週はダービーです。この結果を当てはめてみると、登録馬のうちG1連対経験があるのは4頭だけ。どの馬が1番人気になるのかさえわからない混戦ですが、この4頭で決まると意外とつくかもしれません。特に朝日杯2着のあの馬が来ると・・・。
また1週間悩んでみたいと思います。

2008年05月11日

やはり長めの実績が必要か NHKマイルC

今年のNHKマイルカップは混戦といわれたものの、結局は3歳になって1800m以上の重賞で連対実績がある2頭で決まりました。以前から東京芝1600mのG1(Jpn1)では、1800~2000mで実績のある馬が強いといわれてきましたが、今回もそのとおりの結果となりました。
人気どころでは、5着になったファリダット(2番人気)は芝1400mオープン勝ち(1800mの500万下で0.1秒差はあるが)までの実績しかなく、12着に終わったゴスホークケン(4番人気)は芝1600mG1勝ち(1800mは末をなくして4着)まで。
3歳になってから1800m以上のオープンで連対実績があったのは、ディープスカイとブラックシェルしかいなかった(2歳時にはサダムイダテンとダンツキッスイも連対あり)ので、ある意味言われているとおりの順当な結果と言えるでしょう。

しかし3着のダノンゴーゴーには驚きました。去年は最低人気馬が3着にくるなど、NHKマイルCの3着は一筋縄ではいかないのですが(古くはショウナンナンバーなんていました)、さすがにファルコンSの勝ち馬がくるとは・・・。
ただしダノンゴーゴーの過去のレースを見ると、ファルコンSは4コーナー後方から長くいい脚を使っているし、NZトロフィーも外を回ってよく伸びてきています。血統的にもスプリンターという感じではなく、やはりマイルに対応できる能力はあったということなのでしょう。

もうひとつ今日のレースを見ていて気づいたのは、上位3頭は内をついて伸びてきたことです。昨年のヴィクトリアマイルでもコイウタが同じようなコースを通って勝ちましたが、あそこを通らなければ、今日の場合上位はなかったでしょう。その意味では運もよかったといえるのかもしれません。
勝つときはすべてうまくいくといいますが、運も実力のうちなのでしょう。

今週から5週連続のG1(Jpn1)のうち、マイルが3レースあります。今回の教訓も活かして、まずは来週のヴィクトリアマイルをきちんと当てたいものです。

2008年05月05日

フレンチデピュティ産駒かぁ 天皇賞(春)

アドマイヤジュピタの天皇賞(春)優勝は、見事でした。比較的早い流れを後方で待機して、3コーナー過ぎにメイショウサムソンの後ろを上がっていって、直線では早め先頭から、メイショウサムソンに交わされそうになりながらも、再度差し返して勝ちました。
メイショウサムソンの最後のがんばりはすごいものがありますが、それを抑えたということは、かなりの勝負根性の持ち主と見てよいのではないでしょうか。

戦前は、阪神大賞典のタイムの遅さとスローを先行して勝ったことから、展開に恵まれたという見方が多く、距離的にも最もつながりやすい前哨戦を勝ったにも関わらず、3番人気にとどまったのは、やはりそのあたりが影響したのでしょう。
ただし、阪神大賞典はメンバー最速の上がりで勝っており、決して展開に恵まれたとはいえないと思いますが。

それにしても、フレンチデピュティ産駒が3200mのG1を制したことには驚かされました。
フレンチデピュティの代表産駒といえば、クロフネ(JCダート、NHKマイルC)、サンアディユ(スプリンターズS2着)、ピンクカメオ(NHKマイルC)、レジネッタ(桜花賞)と、マイルから2000mぐらいという印象でしたが、アドマイヤジュピタだけが異色という感じです。やはり母父リアルシャダイが効いているのでしょうか。

今年はすでに桜花賞、天皇賞(春)とG1を2勝し、サイヤーランキングも4/21時点で5位と好調です。芝・ダート問わず、また距離も不問になってきたということで、今後もますます注目が必要な種牡馬になりそうです。

2008年04月20日

またもや4コーナー先頭の馬 皐月賞

キャプテントゥーレが逃げることは予想していなかったのですが、4コーナー回って直線に入って突き放したところで勝負ありでした。先行タイプということでマークはしていたものの、-18kgにゆらいで、軽視してしまいました。パドックの様子はよくて、-18kgには見えませんでしたが・・・。

しかし、昨年の中山のG1(Jpn1)は、すべて4コーナーを先頭で回った馬が勝ち、今日の皐月賞でその連勝記録は5に伸びました。ちなみに2006年の有馬記念は、ディープインパクトが4コーナー後方4番手から差しきって勝ちましたが、後ろの馬が勝ったのはこれが最後。
中山の先行有利は、直線の短さからある程度言われていますが、最高峰のG1(Jpn1)でここまで先行馬に勝たれると、ちょっとしらけてしまいます。スローペースが多いということもあるのでしょうが、何とかならないものでしょうか。
今日もキャプテントゥーレが行く気を見せると、レッツゴーキリシマやスマイルジャックはあっさり控えてしまったし、逃げてこそと思っていたノットアローンは、まったく行く気を見せず、おかげで1000mが1.01.4のスロー。まるで去年の皐月賞を見ているようでした。今年は追い込んでくる馬さえいませんでしたが。

これでダービーは難しくなりました。さすがに-18kgだったキャプテントゥーレが、同じ戦法で残れるとは思えないし・・・。たぶん追い込んできて脚を余した格好の、レインボーペガサスやブラックシェルあたりが人気になるのでしょうが、どちらも東京の経験がないのも気になります。
今年は混戦のまま、クラシックは荒れ続けるのでしょうかね。

レインボーペガサスは、パドックでスプリングSよりもかなりよかったので、展開向かないのを承知で、結構買ってみましたが、残念でした。ダービーは、また安藤勝Jが乗れば、今回よりも人気になるでしょうが、応援したいと思います。

2008年04月13日

大荒れの桜花賞でした

しかしあきれるほど荒れました。混戦だし、無条件に信頼できる馬がいないのはわかっていましたが、ここまでとは。どうせなら、3着にハートオブクィーンが入って、3連単1800万円超えを見たかった気もしました。
荒れた理由は、もちろんレジネッタにもありますが、なんと言ってもエフティマイアでしょう。デビュー3連勝で新潟2歳Sを勝ったものの、休み明けの京王杯2歳S以降はさっぱりで、終わったかなと思っていました。それに今回関西に初めて輸送して-10kg。今まで輸送で大きく体を減らして、桜花賞で惨敗した関東馬をたくさん見てきたので、ますますいらないと確信をしていたのですが・・・。
やはり暖かくなって、体調が上向いていたということなのでしょうか。中団から直線伸びて、一旦は先頭に立つレースぶりは、がらり一変という感じでした。
レジネッタも、阪神JFでは一瞬見せ場を作ったものの6着。休み明けのエルフィンSはともかく、レベル疑問のフィリーズRを差しきれず3着。それがあそこまで切れるとは。
リトルアマポーラがトールポピーを意識したためか位置取りを下げすぎて、結局大外に出して脚を余してしまったのとは対照的でした。

しかしオークスも変わらず混戦になりそうです。2400mという距離はあまり意識せず、体調のよい馬を選んだほうがよさそうです。
来週は皐月賞ですが、こちらも難しそうです。実績的にはマイネルチャールズ,ブラックシェルあたりが人気になりそうですが、昨日のゴスホークケン、今日のトールポピーの惨敗を見ていると、この2頭で決まるような気がしません。最近の皐月賞は荒れっぱなしなので、今日のような波乱を前提に予想したほうがよさそうです。
まあ今日の結果は、逆立ちしても買えませんが。

2008年04月06日

やはり騎手で選ぶべきか ダービー卿CT

過去10年、1番人気が1度も勝っていない(2着1回、3着3回)荒れる重賞のダービー卿チャレンジトロフィーですが、今年も3連単100万円と、荒れた結果に終わりました。4,9,16(最低)人気の3頭で決まれば、仕方ないですね。
ただ気になったのは、その3頭の騎手が、関東を代表するベテランの横山典、蛯名、柴田善の3人だったこと。馬の成績に目をつむって、騎手成績だけで買えば、買えない馬券ではありません。ただ、やはり走るのは馬ですからねえ。

3着のダンスフォーウィン(16番人気)は、昨年秋に準オープンを勝ったあと、いわゆるオープンの壁にはばまれて、オープン特別でも大敗続き。最近の主戦は吉田豊Jのようですが、上がり馬のグレイトフルタイムを選んだためか、2年前によく乗っていた柴田善Jにまわってきたようです。
こういう場合、厩舎としてはリーディング上位の騎手に頼むためには、ある程度勝算があるのではとも思うのですが、本当のところはどうなんでしょうか。勝負になりそうもない馬を、上位の騎手には頼みにくいのではと思うのですが。
そう考えると、理由はどうあれ、リーディング上位騎手に乗り変わってきた場合は、ある程度注意が必要なのかもしれません。2着のドラゴンウェルズも同じパターンですね。

実は産経大阪杯の出馬表を見たときに、そんなことを考えて、エイシンデピュティは注意したほうがいいかもと思ったのですが・・・。しかも、パドックもよく見せてたし。
ただこの馬は、いつもパドックいいんですよね。昨年は、毎日王冠、天皇賞(秋)とだまされてしまいました。
高松宮記念の時も思ったのですが、やはり乗れている騎手は、多少馬に難があっても、押さえた方がよいようです。

2008年03月23日

超スローの阪神大賞典 おもしろいのかなあ。

ある程度予想された展開ではありましたが、1000mが1.03.8、2000mが2.09.7という超スローで流れた阪神大賞典。結局逃げたドリームフライトが落っこちただけで、4コーナーを2~4番手で回った馬が、その順番どおりにゴールしました。
勝ったアドマイヤジュピタの上がりが、最速の34.7では、後ろの馬が追いつけるわけがありません。ちなみに2番目に上がりがよいのが、2着のアイポッパーの34.8。

アドマイヤジュピタは、昨年のアルゼンチン共和国杯で、先行して重賞初制覇を飾っていますが、そのときは54kg。今回は堂々の58kgを背負っており、いよいよ本格化といえるのかもしれません。しかしケチをつけるわけではないですが、勝ちタイムの3.08.7は、ナリタトップロードのレコードよりも6.2秒も遅く、たいていのオープン馬なら、これぐらいのタイムで走れてしまうのではとも思えます。
それになんといっても、道中の順番がほとんど変わらずにゴールしてしまうのは、なんとも味気ないと思うのです。やはり競り合いや駆け引きが競馬の醍醐味であり、”いったいった”はつまらないですよねえ。まあ長距離戦ではよくあることですが・・・。

それにしても、ポップロック、アドマイヤフジ、トウカイトリックなどの人気どころは、なんとかならなかったのでしょうか。あのスローを後ろにいても、どうしようもないと思うのですが。4ハロンめから9ハロンめまで、すべて13秒以上で、8ハロンめなど14秒かかっています。ほとんどキャンターですね。

さすがに天皇賞(春)はもう少し早く流れるでしょうし、そうなれば結果もがらっと変わるかもしれません。昔は天皇賞(春)といえば、実力馬が人気どおり走る固いレースだったのですが、スローが定着してから、思いがけない伏兵が好走したりして、すっかり荒れるG1になってしまったような気がします。

今回の上位馬が実力馬であることはもちろん否定しませんが、もう少し力の勝負を見てみたいなと思うのです。産経大阪杯組に期待しましょう。

2008年03月20日

混戦のクラシック?

今年のクラシックは、今までに重賞2勝したのが、わずかにマイネルチャールズ1頭と、稀に見る混戦と言われています。たしかに人気でこける馬が多い印象ですが、本当のところはどうなのか、調べて見ました。
今年に入って3/16までに行われた3歳のオープン、重賞は全部で20レース。そこでの1番人気の成績は、8・4・1・7で勝率40%、連対率60%と、あまり良いとはいえませんが、極端に悪いともいえません。これを重賞に限っても4・2・0・4と傾向は変わらず。
勝ち馬の人気を見ても、1番人気:8勝、2番人気:3勝、3番人気:0勝、4番人気以下:9勝とやはりなんともいえない数字です。
イメージとして人気馬がこけ続けている気がするのは、たぶん重要なレースでぐりぐりの1番人気が大敗しているからかもしれません。共同通信杯のサダムイダテン(5着)、きさらぎ賞のブラックシェル(7着)、アーリントンカップのポルトフィーノ(8着)、フィリーズレビューのエイムアットビップ(11着)あたりが、期待を裏切ったくちでしょう。

ただしチューリップ賞のトールポピー、オディールや、弥生賞のマイネルチャールズ、ブラックシェルなど、人気で好走する馬も出てきており、ようやく少し見えてきたかなという感じです。
牝馬はフィリーズレビューで前哨戦も終わり、牡馬もスプリングS、毎日杯を残すのみです。ただどうも裏切られたトラウマから抜け出せそうもありません。無茶な穴狙いでいくか、素直に人気馬を信じるか、毎度のことですが悩むことになりそうです。

2008年02月24日

トレンドは高齢馬? ~フェブラリーS

過去9年間4,5歳馬しか勝っていなかったフェブラリーSですが、9年ぶりに6歳馬の勝利で終わりました。まあヴァーミリアンは昨年の最優秀ダート馬なので、もちろん異存は無いですが、ブルーコンコルドはちょっと驚きました。昨年の南部杯を勝つなど、マイルは注意が必要かと思って、少し押さえたのですが、最後の末脚は見事でした。
過去10年の連対馬20頭中、6歳以上は4頭しかいないという、若い馬が強いG1で、6歳-8歳-6歳で決まり、しかも8着までに4歳馬が1頭いるだけという高齢馬のオンパレード。5歳馬が1頭も出ていないという事情があるにせよ、逆世代交代の様相です。

たしかに小倉大賞典を10歳のアサカディフィートが制したり、ダイヤモンドSを7歳馬のアドマイヤモナークが勝つなど、なんとなく年取った馬が活躍している感じはしていたのですが、つい今までの傾向に流されて、4歳のロングプライドなどを重視したりしてしまいました。
悲願の中央G1制覇は、またしてもなりませんでしたが、ブルーコンコルドにはもう少しがんばってもらいたいなと思います。
あと、国内敵なしのヴァーミリアンには、ぜひドバイで好成績を期待したいと思います。スピードと持久力が要求される厳しいレースですが、今回のレースでスピードもあることが証明できたので、いい勝負になるのではと思うのですが。

2007年07月16日

外枠の牝馬でした。 アイビスSD

過去6回で3枠以内はわずか1頭しか連対していないという外枠絶対有利なレース。かつ牝馬が連対しなかったのは1回だけで、牝馬同士で決まったのが半分の3回という牝馬絶対有利なレース。
ここまでくれば、外枠の牝馬からいくのが鉄則だとは思うのですが、サチノスイーティー、モンローブロンドは押さえたものの、さすがにサンアディユまでは手が出ませんでした。
芝のレースが初で、過去2戦はともに2桁着順。鉄砲が利くとはいえ、厳しいですね。ナカヤマパラダイスを中心にして、芝2戦めのジョイフルハート、パドックいまひとつのアイルラヴァゲインを軽視したところまでは正しかったのですが・・・。
買えるとしたら、フレンチデピュティ×カーリアンという血統でしょうか。今年はフレンチデピュティ産駒の活躍が目立っており、そのあたりを意識しておけば、100円ぐらい押さえられたかもと思うと、ちょっとくやしいです。
この血統で芝を使わなかったのは、ちょっと不思議な気もしますが、音無師がようやく本格化してきたと判断したのでしょうか。ただ上がりもしっかりしており、余裕で抜け出したレースぶりは、今後に期待がもてるものではないでしょうか。注目したいと思います。

2007年07月08日

馬場適性とコース取り 七夕賞

1番人気が4.7倍で、単勝10倍以下が6頭と混戦模様の七夕賞でしたが、終わってみれば6番人気-2番人気-3番人気と、比較的妥当な結果でした。
格からいえばヴィータローザかなとも思いましたが、気になったのはサンバレンティン。昨年の福島記念で、荒れた馬場を外から差しきったのが印象的で、最近の成績はいまひとつながら、馬場適性ということから、ちょっと注目していたのです。

内が荒れていることから、皆外目を進んでいながら、1000m59.8というのは、遅い流れではなかったと思います。その中、サンバレンティンも2着に追い込んできたアドマイヤモナークも後方待機。
そこから勝負どころの4コーナー手前でサンバレンティンは思い切って内をつき、アドマイヤモナークは大外を回しました。直線に入った時点で、このコース取りの差はかなり大きく、4~5馬身の差がついてしまったのです。
インタビューでサンバレンティンの後藤Jは初めから内を突くつもりだったと言っていたので、やはり荒れた馬場も苦にしないという昨年の福島記念で見せた特徴を、きちんとつかんでいたのでしょう。

最後の脚が目立ったアドマイヤモナークですが、上がりはサンバレンティンと同じ35.7。小回りコースということもあり、通ったコースが明暗を分けたようです。
結果的にはコース適正をみて距離的に得になる内をついた後藤Jの判断が勝利につながったわけですが、もちろんいつもうまくいくとは限りません。そのあたり、予想に織り込んでいるつもりでも、そのとおりになることはめったにありません。
やはり競馬は奥が深いですね。

2007年06月24日

宝塚記念から凱旋門賞へ

ダービーを快勝した内容を評価されて、なんと1番人気に支持されたウオッカですが、残念ながら8着に終わりました。直線に入ったところでは、内から先頭に並びかけて見せ場は作ったものの、その後ずるずると後退してしまいました。
四位Jによると、折り合いを欠いたとのことで、たしかにスタート直後から向こう正面ぐらいまで、かなり行きたがっているように見えました。ダービーの時は折り合っていたので、どうしちゃったのでしょうか。
ただたとえ折り合ったとしても、今日の宝塚記念では勝つのは難しかったのではと思います。というのも、ウオッカといえば33秒台の上がりが象徴する切れで勝負するタイプです。しかし今日の阪神芝は、やや重発表とはいえ、ダートが不良になっていたように、かなり水気を含んだ馬場でした。実際に最速の上がりのアドマイヤムーンでさえ、36.2でした。
この状況で、ダービーやチューリップ賞のようなレースは、ちょっと期待できないのではと思うのです。

そこで凱旋門賞です。昨年ディープインパクトが出たときは良馬場でしたが、例年あの時期は雨が多く、重馬場になりやすいことは、よく知られています。しかも勝ちタイムを見ればわかるように、日本よりはかなり時計がかかる馬場です。
ディープインパクトのように、馬場状態に関係なく常に強い馬(昨年のやや重の宝塚記念も圧勝しました)は別として、良馬場の切れ勝負の馬では、正直いって厳しいのではと思います。
もちろんウオッカは今日の結果だけで見限りことはできないでしょう。前半折り合っていれば、差してきて上位だった可能性もあります。でも斤量差があるとはいえ、あのタフなレースは大変だと思います。
むしろメイショウサムソンのほうが、向いているかもしれません。ただ早め先頭で粘る脚質なので、あの長い直線では、追い出すタイミングが難しそうですが・・・。

ただチャレンジすることは、とても大事です。今回のウオッカのチャレンジは失敗しましたが、あの桜花賞の完敗から立て直してダービーを勝ったのですから、ぜひ陣営には工夫してもらって、凱旋門賞でいい競馬を見せて欲しいと思います。

2007年06月03日

最後は意外にも固く収まった安田記念

この春のG1は、稀に見る荒れ方をしてきたのですが、そんな中でいつも荒れる安田記念が固く収まるわけがないというのが、大方の見方ではなかったでしょうか。だから、1番人気の単勝が360円もついたのでしょう。
たしかにサンデーサイレンス産駒は勝ったことがないし、1番人気になったスズカフェニックスは、これまた来たことがない高松宮記念1着馬。ダイワメジャーもドバイでは3着とはいえ、アドマイヤムーンに0.8秒も離されている。前走好タイムで逃げ切ったコンゴウリキシオーも、最近きていない逃げ馬&マイラーズCからの直行。
つまり人気馬がみんな不安要素を抱えているわけです。しかも香港からの4頭は互いに勝ったり負けたりで実力がよくわからず、最近の流れでは牝馬も軽視できない。
新聞を見ると、いろいろな馬に◎が分散していて、予想家の人たちも苦労したようです。

でもふたを開けてみると、2,3番人気であっさりと決まってしまいました。しかも持ちタイムがよい順に1,2着。しかし内容はなかなか充実していたと思います。
ハイペースで逃げたコンゴウリキシオーは、坂に差し掛かっても逃げ脚は衰えず、東京のマイルは差し馬有利の常識に反して、粘ります。そこに伸びてきたのが、4番手追走のダイワメジャー。伸び悩む差し馬を尻目に、2頭で抜け出して、あっさり勝負ありでした。
3着もダイワメジャーのすぐ後ろにいたジョリーダンス。早めに抜け出して、アドマイヤキッスやスズカフェニックスの差し脚を封じました。

個人的には、久々に固く収まってほっとしたのですが、そう感じた人も多かったのではないでしょうか。しかも固いわりには、配当はそこそこよく、レース内容にも結果にも、満足しました。順当な安田記念は、なんと8年ぶりのことです。

これで東京の5週連続G1も終わり、いよいよ再来週からは夏競馬です。少しのんびりと楽しむことにしましょう。

2007年05月27日

64年ぶりの牝馬によるダービー制覇

あんなに強いとは思いませんでした。大変失礼しましたという感じです。
オークスの時計がかなり優秀(オークスレコード)だったり、NHKマイルCを牝馬が制したりと、そこそこのところには来るだろうとは思っていましたが、突き抜けて3馬身差をつけるとは・・・。

先行した馬が2,4着に残るなか、後方から上がり33.0という究極の脚を使っての完勝でした。チューリップ賞のパフォーマンスも見事でしたが、東京の2400mで牡馬相手にこの完勝劇ということで、将来への夢が広がります。凱旋門賞にも登録しているとのことですが、ぜひ無事にいって、その力を見せつけて欲しいと思います。昨年も牝馬が2着にきたように、凱旋門賞は意外と牝馬の活躍が多いので、結構いいレースをしてくれるかもしれません。ちょっと気が早いですが、期待したいものです。

それにしても、牡馬勢は情けないですね。特に人気のフサイチホウオーは、見せ場もなく7着に惨敗。関係者のショックも大きいでしょう。1.6倍を裏切ってしまったので。
スタート前にかなりテンションが上がっているのがターフビジョンに映し出されて、騒然となったのですが、向こう正面では掛かって同じように上がっていったヴィクトリーの後ろまでいってしまい、直線追い出されてもいつもの反応がなく、最後は内によれてしまいました。
中間の調教もあまりよくないと伝えられ、最終追いきりでなんとか形をつけたものの、やはり本調子ではなかったのでしょうか。好調なら、せめて見せ場ぐらいは作れる馬だと思うので、とても残念です。
ヴィクトリーはスタートで挟まれて後方になり、途中掛かり気味に4番手まで押し上げるちぐはぐな競馬。直線に向いたときには、余力が残っていなかったようです。気性が難しいので、コンスタントに力を発揮するには、もっと気持ちの成長が必要なのかもしれません。

その中でがんばったのが、アサクサキングス。NHKマイルCでは期待して買ったのに、内で包まれて惨敗。今回はとても買えなかったのですが、福永Jの好騎乗で、2着を確保しました。
しかし福永Jは先週のオークスといい、その馬の持ち味を最大限に生かす騎乗で、好結果を出していますね。

来週の安田記念で、東京の5週連続G1もラストです。荒れたレースが多く、あまり予想通りにはいっていませんが、安田記念が固く収まるわけがないという前提で、穴馬を探したいと思います。

2007年05月20日

展開を読むのはなかなか難しいです ~オークス

アマノチェリーランあたりが逃げても、後続は距離を考えてあまり追いかけず、スローになると読んでいました。そのため追い込み脚質の馬が多いので、先行馬有利なペースになると思い、ベッラレイアはちょっと軽視という結論になったのですが・・・。

逃げたのがスマートストームというのはまだよいとしても、1000m通過が59.1秒と予想以上に早いペースになり、しかもカタマチボタンやザレマなどがそれを追いかけてしまい、さらに後ろにいるはずのベッラレイヤがその後ろの好位にいるということで、完全に展開予想は崩れてしまいました。

ベッラレイアは前にいた馬の中ではかなりがんばっており、ハナ差2着と力のあるところを示しました。でも結果論ですが、もう少し後ろにいて末脚を生かす展開になれば、あるいは勝っていた可能性も十分あると思います。ザレマをマークせざるを得なかったので、早仕掛けの批判は当たらないと思いますが、後ろの馬に有利な流れになってしまったのは確かでしょう。

ローブデコルテはマークはしていたものの、やはり紅梅S勝ちがひっかかりました。しかし福永Jはオークス強いですねえ。やはり勢いのある人には乗るべきだと、つくづく感じました。

さて次はいよいよダービーです。オークスが2.25.3と好タイムの決着となったので、ウオッカもそのタイムで走れる可能性が十分あるということで、あまり軽視はできないかもしれません。
牝馬がダービーを勝ったら、すごい事件ですよねえ。

2007年05月13日

荒れるG1は馬場のせい?【ヴィクトリアマイル】

またまたG1(Jpn1)は大荒れに終わりました。今週こそカワカミプリンセスがなんとかしてくれると思ったのですが・・・。

午前中から芝のレースは比較的外を通る馬が多かったのですが、ヴィクトリアマイルは極端でした。逃げたアサヒライジングが馬場の中央に持ち出すと、後続はみなそれより外にいったので、結果として後方の馬は前がふさがれ、カワカミプリンセスのように行き場を探して右往左往する状況になってしまいました。
その中で内をついたのが、勝ったコイウタと6着のディアデラノビア。内といってもアサヒライジングのすこし内目ぐらいで、ラチからはかなり離れていましたが・・・。
前のレースで、松岡Jはただ1頭内ラチぞいをついたりしていたのですが、どこがどれぐらい伸びるか試していたのかもしれません。人気薄ということもあり、内の経済コースをとって、それがはまったということでしょうか。
全18頭中、12頭が上がり32~33秒台という明らかなスローペースで、好位から少しでも短い距離を走れたのは、やはり得になったと思います。裏返せば、あまり力差がなかったということでしょう。

カワカミプリンセスは、武幸Jに迷いがあったのが、最大の敗因ではないでしょうか。外に出して前がつまりそうになると内に進路を変え、再度外に持ち出したことで、かなりのロスがありました。ただ勝ち馬が33.4で上がっているので、たとえ前が空いていたとしても、差しきるのは不可能だったでしょう。
しかし同じような位置にいたジョリーダンスが、上がり32.9で4着とアタマ差の5着まできているので、乗り方次第では4着ぐらいはあったと思います。G1で人気馬に乗る厳しさを、痛いほど味わったのではないでしょうか。

オークス,ダービーのある1開催を残して、今の馬場状態はとても不安に感じます。来週からはCコースで内から6mに柵を設けるので、少しは改善されると思いますが・・・。
全馬が外を回るダービーは見たくないですね。

2007年05月06日

今年のG1は荒れっぱなしですね・・・NHKマイルC

いやー、驚きました。よりによってピンクカメオが飛んでくるとは。しかも3着は最低人気のムラマサノヨートー。
中心馬不在で荒れるかもとは思っていましたが、ここまでとは・・・。なんかまじめに予想する気が失せてしまいます。
中心馬が不在だった理由として、(1)クラシックからの転戦組がみな5着以下に負けていた (2)トライアルのNZトロフィーが人気薄同士で決着 (3)実績馬が休み明け などがあげられると思います。結果として1番人気が5.5倍で、10倍以下が5頭もいるという大混戦になってしまいました。
レースもやや重の割には早い展開となり、直線に入ると次々に先頭が入れ替わる大混戦。その中でローレルゲレイロはよく踏ん張りましたが、最後は外の馬場のよいところを一気に差してきたピンクカメオに交わされてしまいました。

ピンクカメオは、昨年のくるみ賞を勝ったときに勝ちっぷりが印象に残り、阪神JF、桜花賞と追いかけたのですが結果が出ず、さすがに牡馬相手では厳しいかと無印にしてしまいました。しかし関西で走るときと関東で走るときは別馬のようですね。
桜花賞では輸送を考慮して栗東に滞在したのに結果が出ず、今回あんなに鮮やかに勝つとは。金子オーナーや国枝師をはじめ、関係者が一番驚いたのではないでしょうか。

実は今日パドックを見て途方にくれてしまったのです。狙おうと思っていた馬が、軒並みよく見えない。ローレルゲレイロはいつもあまりよく見せないので仕方ないのですが、オースミダイドウはチャカついていかにも危ないし、ダイレクトキャッチも迫力が感じられず、アサクサキングスやマイネルシーガルもぴんときません。
よく見えたのはシベリアンバード(4着にきました)やゴールドアグリなどの人気薄ばかりで、さすがに買う気にはなりません。こういうときは、素直に見送るべきだったのかもしれませんが。

今年6戦G1(Jpn1含む)が終わりましたが、うち4戦が馬連万馬券と荒れまくってます。3歳牝馬を除いてどの路線も中心馬不在ということが背景にあると思いますが、あまり荒れすぎるのも、正直つらい面があります。
幸いヴィクトリアマイルはカワカミプリンセス、オークスはダイワスカーレット、ダービーはフサイチホウオーと信頼できそうな馬がいるので、ヒモ荒れぐらいを期待して、立てなおしを図りたいと思います。

2007年04月29日

やはり4歳馬・・・天皇賞(春)

前年の菊花賞で最先着した4歳馬が強い。連対馬は4,5歳が中心。などの傾向はちゃんとわかっていながら、ステップレースで活躍した6,7歳馬を買ってしまうのは、なぜなんでしょう。

メイショウサムソンは、菊花賞から有馬記念のふがいない負けを払拭して、再度強い姿をみせてくれました。えらいと思います。
石橋守Jも、メイショウサムソンを信じて、定石どおりのレースをしてくれました。道中はやや後ろ過ぎるのではとも思いましたが、4コーナーではいつの間にか先頭集団に加わっており、直線はトウカイトリックを差し返し、エリモエクスパイアには抜かせないという、昨年の皐月賞、ダービーを思い出させる、見事な騎乗でした。

それはよいとして、エリモエクスパイアは盲点でした。ダイヤモンドSではトウカイトリックの相手として買って当てているのに、今となってはなぜ買ったのか思い出せません。しかも日経賞で掛かって大敗したため、まったく無印扱いとしてしまいました。
しかし父系がミスタープロスペクター×ダンチヒという短距離系にもかかわらず、よく2着まで追い込んできました。しかも着差はハナ。折り合いがつけば、これからもこわい存在になりそうです。

終わってみれば、4歳、4歳、5歳の順。素直に若い馬から買うのが、正解のようです。

2007年04月08日

ウオッカ負けてしまいました。

パドックを見て、事前の予想を変えてウオッカとダイワスカーレットの一騎打ちと読み、かつカタマチボタンも追加して3連複も買えたのですが、ウオッカのレースぶりには納得がいきません。
安藤勝Jは、前走でウオッカの脚を計っていたので、末脚勝負にならないように、早めに突き放す作戦にでることまでは予想できました。しかし予想外に遅い流れ(ショウナンタレントは逃げなかったし)になり、追い出すと内外にもたれぎみになり、いったんダイワスカーレットに並びかけたものの、結局突き放されてしまいました。チューリップ賞の余裕の勝ち方から考えると、ちょっと不可解な負け方です。

上がりはウオッカもダイワスカーレットもともに33.6。レース最速の上がりが、後ろにいたローブデコルテとイクスキューズの33.5なので、ほぼ究極の脚を使ったといえるでしょう。さらに最後の2ハロンが10秒台ということは、これ以上早く上がるのは不可能です。
まあウオッカが弱かったというより、ダイワスカーレットが強かったということなのでしょう。前走の負け方に惑わされたともいえますが、さすがに名手だけあって、トライアルはトライアルの競馬をしたということなのだと思います。

このままいけばオークスでも2頭は有力でしょうが、2頭とも年明け3戦していること、さらに桜花賞でかなり厳しい勝負をしたことで、疲労残りが気になります。ともに初の関東への輸送にもなりますし。
去年のように別路線組の台頭も考えておいたほうがよいかもしれません。傾向というものは、しばらく続いたりするので、スイートピーSもしっかり見ておいたほうがよさそうです。

2007年03月26日

高松宮記念は武豊騎手にやられました

スズカフェニックスの強さは素直に認めるしかありません。阪急杯を見て、1200mではさらに脚を余す危険があるのではと思っていましたが、名手がそんなバカなことをするはずはないですよね。高松宮記念への出走は、武豊J自ら進言したということなので、やはり自信があったのでしょう。

実は悔しいのは、プリサイスマシーンを本命にしていたからでもあります。道中あきらかに武豊Jは安藤勝Jのプリサイスマシーンをマークしており、4コーナーでは早めに外から並びかけて、プリサイスマシーンを内に閉じ込めようとします。
前があいていればまだよかったのですが、あいにく前にいたオレハマッテルゼとスズカフェニックスに挟まれて、プリサイスマシーンは完全に行き場を失ってしまいました。そこから外に進路を変えて追い出したものの、スムーズにあがってきたペールギュントに交わされ3着。あれがなければ2着はあったでしょうから、1-2番人気だったとはいえ、残念です。
プリサイスマシーンの反応がいまいちだったこともあり、斜行ではないのですが・・・。

武豊Jには、同じようなことを何度かやられた記憶があり、上手いというかずるいというか、感心してしまいます。やはり勝負への執念が強いというのは、名騎手の条件のひとつなのでしょう。

2007年03月18日

スプリングSも終わったけど・・・

スプリングSを勝ったのは、東スポ杯、共同通信杯と惜しいながらもフサイチホウオーには完敗していたフライングアップル。かつ連対の2頭は、ともに朝日杯で負けていた組ということで、正直新鮮味はないですね。フェラーリピサやエーシンピーシーあたりに、一発を期待してみたのですが、残念でした。
ただフェラーリピサやシンベリアンバードはなかなか馬っぷりがよかったので、将来的には走ってくるかもしれません。

毎日杯があるとはいえ、これで皐月賞の顔ぶれがほぼ揃いました。フサイチホウオー、アドマイヤオーラあたりが人気になるのでしょうが、意外と混戦になるかもしれません。言われているように、フサイチホウオーの中山での走りに、一抹の不安があるからです。
エーシンピーシーのセントポーリア賞はなかなかよい勝ちっぷりだったし、タイムもよかったと思うのですが、エンジンがかかるまでちょっと時間がかかるようで、ようやくいい脚を使ったと思ったらゴールという感じでした。
そういう意味で器用さがないと思うのですが、似たような父ゆずりの特徴を、フサイチホウオーも持っているのではという気がしてしまうのです。
意外と、今日勝ったフライングアップルのようなタイプが、中山は合うのではないでしょうか。

2007年03月04日

大事な前哨戦 チューリップ賞&弥生賞が終わって

チューリップ賞と弥生賞が終わりました。
まずチューリップ賞。ウオッカの強さばかりが印象に残りました。追い出したダイワスカーレットを、持ったままでかわしていったウオッカは、3歳牝馬では敵なしではないでしょうか。
アストンマーチャンとニシノチャーミーが登録しているフィリーズレビューと、最近のトレンドであるフラワーCが残っていますが、桜花賞ではかなり固い本命といえるのではないかと思います。テンションは高めなのに、あまり折り合いに不安がないのも、強みですね。
持ちタイムも上がりも早く、桜花賞向きのタイプだと思います。

弥生賞はアドマイヤオーラが好タイムで制しましたが、インパクトはちょっと弱かったですね。その理由は、1勝馬のココナッツパンチにクビ差まで迫られたことにあると思います。近年1勝馬で上位にきたのは、2001年に3着になったミスキャストだけと、キャリアがある馬が圧倒的に強いのですが、ココナッツパンチは後方から最速の上がりで、あわやの場面を作りました。
この馬、パドックでも堂々としていて、とても大物感があるいい馬だと思います。もまれたときの不安はありますが、ひょっとするとと思わせます。久しぶりに、関東から期待できる牡馬が登場したのかもしれません。本番に期待したいと思います。
フサイチホウオーが切れるタイプではないので、今日の上位2頭は、意外と本番でも期待できるかもしれません。ただ牡馬のほうは、スプリングSや若葉S、毎日杯など、まだいろいろあるので、わかりませんけど。

2007年02月25日

阪急杯は、1着同着

阪急杯は、関東の8歳馬プリサイスマシーンと、引退する湯浅師の管理馬エイシンドーバーの1着同着となりました。
重賞で1着同着というと、2002年の京成杯でヤマニンセラフィムとローマンエンパイアが同着になったレースを思い出します。あの年は東京での開催だったので見に行ったのですが、表彰式も口取りも2回やっていました。トロフィーや賞金を余分に出さなければいけないので、JRAは損だなと思ったのを覚えています。
今日のレースはいったん抜け出したエイシンドーバーに、プリサイスマシーンが徐々に迫り、さらに外からスズカフェニックスが並びかけたところがゴールという、きわどいものでした。判定写真を見ると、きれいに並んでいますね。
プリサイスマシーンは外に持ち出すときにややもたついたので、それがなければ差しきっていたでしょうから、エイシンドーバーは運があったといえるかもしれません。

しかし中山記念のローエングリンといい、プリサイスマシーンといい、8歳馬の活躍が目立った日でした。偶然にも今年の8歳馬は2002年にクラシックを戦っており、(地)のプリサイスマシーンはまだ中央入りしていませんでしたが、ローエングリンはスプリングSでタニノギムレットの6着のあと、東京の駒草賞を勝ち、秋には岡部騎手騎乗で菊花賞にも出ていました。(買って大敗した記憶があります)

引退する調教師の馬や騎手が出ていて、いろいろな思惑が飛び交っていましたが、去年の阪急杯のようなサプライズではなく、ちょっと変わった驚きでした。いろいろあって、競馬っておもしろいなあと素直に思います。

2007年02月18日

3年連続はやっぱり難しい フェブラリーS

フェブラリーS、最終的にはシーキングザダイヤが1番人気になりました。
でも今回は、以下の理由で危ないなと思っていたので、あまり買いませんでした。(すっぱり切れないのが気弱なところですが)
1.3連覇が難しいように、同じく3年連続2着も難しい
2.前走の東京大賞典で、ブルーコンコルドに4馬身以上離され、しかもクーリンガーもかわせなかったのは、そろそろ力が落ちてきたのでは
3.去年は間に川崎記念を挟んだのに、今年は楽をさせて、どうも調教も足りないらしい
4.厩舎サイドも、シーキングザベストのほうがいいと、しきりに言っている

実は1の理由が、結構説得力があるのではと、個人的には思っています。今まで2連覇というのは結構ありましたが、3連覇はタップダンスシチーが金鯱賞で達成したぐらいで、あとはことごとく失敗しています。やはり3年間トップを続けるのは、それだけ難しいということなのでしょう。
いわんや最高峰のG1では、よっぽど力が抜けていない限り、無理なのではと思うのです。

それにしても、サンライズバッカスは見事でした。個人的には、長くいい脚を使うという特長を、うまく生かした安藤Jのファインプレーだと思います。平安Sで差された教訓を生かし、早めスパートで押し切りました。
ブルーコンコルドは、やはり左回りはスムーズさを欠くのでしょうか。もう少し前につけられれば、差せたかもしれません。幸Jもこれを生かして欲しいものです。

2007年01月28日

あっ、10番だ!【根岸S】

一応パドック派なのですが、せっかく見つけた穴馬を買わずにくやしい思いをすることが、時々あります。
今日(1/28)の東京10Rでのヨイチサウスがそうでした。目に留まったのですが、あまりの人気のなさに捨ててしまいました。終わってみれば万馬券。
(ちなみに勝ったアグネスアークは、これでデビュー4連勝。今後が楽しみです。)

そこで根岸Sは、素直によく見えた馬を買うことにしました。
タイキエニグマも、リミットレスビッドも、ボードスウィーパーもよく見えたのですが、中でも目だったのはビッググラスのできのよさでした。たてがみをなびかせながら、さっそうと歩くその姿は、まさに絶好調という感じ。
しかも前走は実績のない芝(京都金杯)で14着と対象外。その前はダート1400mで、準オープンとはいいながら、なかなかのタイムで勝っています。人気はないけど、一応押さえとして、断然人気のシーキングザベストとの組み合わせの馬連と、複勝を買うことにしました。

レースはトウショウギアが逃げ粘るところ、ゴール100m前でシーキングザベストが先頭に立ち、あとは何がくるかと見ていると、抜けてきたのは10番の馬。10番って誰だっけと新聞を見ると、何とビッググラスではないですか。
するとさらに外からもう1頭伸びてきます。ビッググラスからは1点しか買ってないので、あわてて「そんまま!」と叫びますが、並んだところがゴール。なんとかシーキングザベストが粘ってくれて、審議も特に問題なく無事確定。

まさか来るとは思っていなかったので、ちょっとびっくり。たまには、自分の目を信じて買ってみるのもいいですね。ただ、残念ながら来ないことの方が多いですが。

2007年01月21日

勢いか実績か? 平安S

今の勢いを取るべきか、あるいは実績をとるべきか、結構悩みます。重賞の常連か、下から上がってきた馬か。

今回の平安Sも、そんな感じでした。実績なら去年のJCダートで好走しているフィールドルージュや実力馬サンライズバッカスだし、勢いなら、ダートで連勝中のメイショウトウコン、シルククルセイダー、タガノサイクロン、シャーベットトーンあたりでしょうか。
最近はダートも世代交代という感じで、去年のJCダートを連勝中のアロンダイトが勝ったように、勢い組が優勢のような気がします。

ただ4歳のタガノサイクロンやシルククルセイダーなら、若さの勢いで連下には考えられるものの、5歳のメイショウトウコンやシャーベットトーンはどうかなあと思ってしまうわけです。
そして終わってみれば、何のことはなく連勝中の5歳馬が1,3着で、実力馬サンライズバッカスが2着。重賞の常連タイキエニグマ、サカラートが4,5着という結果に終わりました。

混戦のG3なら、やはり勢い重視で、実力馬をちりばめるというのが、正解のようです。まあそのように買えれば苦労はないのですが。
ただ最近平安Sの上位馬はフェブラリーSではまったく用なしなので、勢いもここまでなんでしょうか。G1は勢いだけではなく、格も必要ということでしょう。

2007年01月09日

シンザン記念 連対馬の将来は?

シンザン記念のアドマイヤオーラは、なかなか強い勝ち方でした。中京2歳Sもダイワスカーレットに遊ばれながらも、1/2馬身差まで詰めていたので、力はあるとは思っていましたが、予想以上でした。

シンザン記念は年明け最初の3歳重賞ということもあり目立つのですが、距離が1600mということもあり、あまりクラシックにつながる感じはしません。
過去5年をみても、2002年こそ1着のタニノギムレットはダービー馬になりましたが、その後はサイレントディール、グレイトジャーニー(2着タマモホットプレイ)、ペールギュント、ゴウゴウキリシマ(3着ロジック)と、クラシックというよりもマイル以下で活躍する馬が多いようです。

牡馬の場合は仕方ないですが、牝馬の場合は桜花賞があります。現にフサイチエアデールはシンザン記念を勝ったあと、桜花賞で2着になりました。ダイワスカーレットも勝てば、かなり有力な桜花賞馬候補になれたのですが、掛かったり、直線でよれたりと、若さを出してしまいました。

ただ上位2頭は、そこそこの活躍が見込めるのではと思います。2頭とも血統的には2000mぐらいまで問題なさそうだし、兄はいずれもG1連対馬という良血だし、久々にシンザン記念からクラシック連対馬が出る可能性もあります。

まあまだ前哨戦はこれからです。今週末は京成杯、来月は共同通信杯、きさらぎ賞と、だんだん盛り上がってきます。この結果を忘れず、次のレースを楽しみに待ちたいと思います。

2006年12月03日

新コースでの阪神JF

今回の阪神JFは、コースが改修されて、どう変わるかということに興味がありました。

唯一の3勝馬かつ重賞勝ち馬であるアストンマーチャンに対して、距離経験がないとか平坦しか経験がないとか短距離血統とか、さまざまな言い訳を考えて逆らってみようかと思ったのですが、展開的にも状態的にも問題ない以上、対抗より下には下げられませんでした。
そして案の定、ファンタジーSとほとんど同じ展開(ルミナスハーバーが自ら内をあけたのには驚きましたが)になり、あと200mまでは楽勝ムードでした。
最後にウォッカに差されたのは距離適性の差だと思いますが、9着まで9番人気以内の馬が、ほぼ人気を裏切らずに入ったということは、今までのようなビックリする結果は望み薄なのではないでしょうか。桜花賞も含めて、もう少し素直に考えたほうがよさそうです。

しかし関東馬は軒並み馬体を減らして、人気馬を含めて惨敗しました。この時期の2歳牝馬に輸送は負担が大きいとは思いますが、それを乗り越えられるような精神力の強さがないと、なかなか上位は望めないのかなという気もします。
去年のアサヒライジング(5着に負けましたが)や、2年前の桜花賞のダンスインザムードなど、調教をしっかりやって輸送して、なおかつ体が増えている馬は、安心して買うようにしているのですが、今年は馬体重が発表になった時点で、関東馬はいらないかなと思いました。
結果としてそのとおりになってしまったのですが、勝ち馬は関西馬ですが-10kgで出走しており、必ずしもそれがあてはまるわけではありません。

しかしこの時期に早いタイムできついレースをすると、あとの反動が心配になります。ウォッカはまだ底がありそうなので、春にはまたあの末脚を見せてくれるよう期待したいと思います。

2006年11月26日

JCダート&JC

JCダートはアロンダイトお見事でした。
事前予想では、東京ダート2100m無敗ということと、スローを後方から差しきるというレースっぷりに未知の魅力を感じて、▲としたのですが、パドックでは今ひとつ大物感を感じなかったこともあり、評価を下げてしまいました。
内が空くという幸運にも恵まれましたが、最後突き放す勝ち方は、相手がシーキングザダイヤということもあり、価値があると思います。
しかしシーキングザダイヤは力はあるのに運がないというか、ジリ脚というか、何と9回目のG1 2着です。来年のフェブラリーSが、最後のチャンスかもしれません。がんばってほしいものです。

JCはディープインパクトがダービーを思い出させるような、見事な勝ち方でした。こちらも文句なしですね。
2着のドリームパスポートは、スローで流れれば上位と見ていたので、予想もバッチリでした。こちらもG1の2着は3回目で、ちょっと運がない気もします。ただまだ3歳なので、ディープインパクトがいなくなる来年は、期待できるのではないでしょうか。
しかし今日の東京競馬場は、久々の大混雑でした。スタンドから外には出られず、やはりディープインパクト効果でしょうか。ただでさえ中山は収容人数が少ないので、最後の有馬記念はすごいことになりそうです。どこで見るべきか、考えなくてはいけません。

2006年11月19日

関東馬が掲示板独占 マイルCS

マイルCSは、なんと6着までを関東馬が占めるという、久々の快挙でした。7着が外国馬なので、関西馬はハットトリックの8着が最高という惨敗。
いつ以来なのか調べようと思いましたが、とりあえず最近はなさそうで、よくわかりません。たぶん明日の新聞とかにのっているでしょう。
今年はマイル戦は結構関東馬が強くて、安田記念も関西馬は6着のインセンティブガイが最先着でした。(外国馬が1,3着)

関東馬の1,2着は、2004年の朝日杯FS以来で、この年は天皇賞(春),(秋),阪神JFとあわせて4戦も関東馬のワンツーがありました。
惜しかったのは2001年のスプリンターズSで、3着のダイタクヤマト以外は、トロットスター、メジロダーリング、シンボリスウォード、ジョンカラノテガミと4頭が関東馬でした。ちなみにこの年は高松宮記念も3着以外が関東馬で、比較的短い距離は互角に戦えているように思います。

ただ今回もそうですが、なぜかG1を勝つ関東馬は関西の騎手が乗っていることが多いですね。関東の騎手が乗って勝った関東馬は、最近ではヴィクトリアマイルのダンスインザムード(北村宏騎手)ぐらい。
関西と関東の騎手の勝ち数もずいぶん差があるし、もっと関東の騎手,厩舎にはがんばってもらって、盛り上げてもらいたいと思います。