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2017年06月25日

一筋縄ではいかない春のグランプリ ~宝塚記念

宝塚記念は、グランプリレース有馬記念に対して春のグランプリとも呼ばれ、上半期のNo.1を決める締めくくりのレースに位置付けられています。そして有馬記念もそうですが、シーズン終わりということもあり、なかなか一筋縄ではいかない印象があります。
過去10年を見てみると、1番人気は6連対とそこそこですが、勝ったのはわずかに2頭。あまり荒れる印象はなく、実際に馬連万馬券も過去10年で1回だけですが、1,2番人気で決まったのはわずかに1回だけと固いとも言えません。

そんな宝塚記念ですが、昨年の年度代表馬にして今年すでにG1を2勝と、自他ともに認める現役最強馬キタサンブラックの1強という構図になりました。昨年の有馬記念でキタサンブラックを下し、今年の天皇賞(春)で人気を分け合ったサトノダイヤモンドは、凱旋門賞を目指すということで早々に回避を表明。また他にも回避が相次ぎ、最終的にわずか11頭の出走と、1990年、91年の10頭に次ぎ、1985年、1993年、2000年と並ぶ少頭数のレースになってしまいました。
実はこの5回と共通するのは、圧倒的に強い馬が登録してきたということ。1985年は最終的には回避したものの当時G1を5勝していたシンボリルドルフが、1990年には安田記念で復活したオグリキャップが、1991年、1993年には天皇賞(春)を連覇したメジロマックイーンが、2000年には天皇賞(春)を含む3連勝中のテイエムオペラオーが登録したため、あきらめた他の陣営が回避した面もあるでしょう。逆に混戦の年は登録数が多くなるように思えます。

最終的に1.4倍の1番人気になったキタサンブラックは、昨年までにG1を3勝。そして今年は新たにG1になった大阪杯と、天皇賞(春)を連勝してG1を5勝。特に前走の天皇賞(春)は、破るのは難しいと思われていたディープインパクトのレコードを0.9秒更新する3.12.5の驚異的なタイムで優勝し、このまま順調ならJRAの芝G1最多勝記録である7勝を、あっさり更新するのではないかと思われました。
対する10頭でG1を勝っているのは、2年前の有馬記念を勝っているゴールドアクター、牝馬戦ながらオークス、秋華賞と2勝しているミッキークイーン、国内のG1勝ちはないものの昨年末に香港ヴァーズを勝ったサトノクラウンの3頭だけ。しかも3頭とも前走では掲示板を外しており、デビュー以来16戦で4着以下はダービー14着のわずか1回だけというキタサンブラックの安定感とは、比ぶべくもありません。

しかし実際のレースでは、道中内外からからまれながらも、比較的スムーズに先行しているように見えたキタサンブラックは、直線でいったん先頭に立つも、そこから今まで見たことがないような失速ぶりで、みるみる馬群に飲み込まれていきます。そのシーンは、ある意味ショッキングでもありました。
最終的には逃げたシュヴァルグランにも差し返されて9着と大敗。これで秋に予定されていた凱旋門賞参戦も、白紙になるようです。先行してしっかりした末脚を使える脚質は凱旋門賞に合うのではと思っていたので、とても残念です。
そして上位を占めたのは、先ほどあげたG1勝ちのある3頭(1着サトノクラウン 2着ゴールドアクター 3着ミッキークイーン)。終わってみれば、とても簡単な馬券でもありました。

また今年から大阪杯のG1昇格に伴い、上半期の古馬中長距離G1を3勝すると2億円のボーナスが出ることになったのですが、それも夢と散りました。そもそも3戦すべてに参戦したのはキタサンブラックだけと、実は秋の3戦よりもかなりハードルが高いのではないかと思います。その大きな原因は、やはり天皇賞(春)の3200mではないでしょうか。
キタサンブラックの敗因はわかりませんが、個人的にはレコードで勝った天皇賞(春)の反動が一番大きいのではないかと思います。過去10年、天皇賞(春)の勝ち馬の宝塚記念での成績は、0・1・1・4とかなり悪く、連勝したのは2006年のディープインパクトまでさかのぼってしまいます。これは天皇賞(春)好走の影響が大きいことを、示しているのではないでしょうか。

名馬の条件として、大敗しないということがよくあげられます。ディープインパクトやシンボリルドルフ、シンザンなどはまさに大敗しない名馬でしたが、オルフェーヴルのように謎の大敗をする名馬もいます。今回の敗戦には驚きましたが、これでキタサンブラックの今まで見せた強さがすべて否定されるわけではありません。
キタサンブラックの次走がどこになるかはわかりませんが、ぜひ万全の体調で、また見事な勝利を見せてもらいたいと思います。

2017年06月04日

リピーターの多いG1 ~安田記念

安田記念が、いわゆるリピーター(上位に入って翌年や翌々年にも上位にくる馬)が多いG1であることは、過去の成績を見ているとすぐに気づきます。
たとえば過去10年の5着以内のリピーターを見てみると、こんな感じです。
・ウオッカ:2008年1着→2009年1着
・スマイルジャック:2010年3着→2011年3着
・ストロングリターン:2011年2着→2012年1着
・グランプリボス:2012年2着→2014年2着
・ショウナンマイティ:2013年2着→2014年3着
・ダノンシャーク:2013年3着→2014年4着
・モーリス:2015年1着→2016年2着
・フィエロ:2015年4着→2016年3着
なんと10年間で8頭がリピートしています。

この理由としては、コース適性やこの季節が合うなど個別にはいろいろあると思いますが、やはりコースが大きく影響しているのではないでしょうか。よく東京のマイルは、スピードだけでなく2000mぐらいもこなすスタミナも必要と言われてきました。ということは、他の競馬場のマイルとはちょっと違う特性が求められるのかもしれません。
そこで同じ舞台で行われる古馬のG1であるヴィクトリアマイルの、過去10年のリピーターについても見てみました。
・ウオッカ:2008年2着→2009年1着
・ブエナビスタ:2010年1着→2011年2着
・アパパネ:2011年1着→2012年5着
・ホエールキャプチャ:2012年1着→2013年2着→2014年4着
・ドナウブルー:2012年2着→2013年5着
・ヴィルシーナ:2013年1着→2014年1着
・ストレイトガール:2014年3着→2015年1着→2016年1着
競走生活が短く消長が激しい牝馬においても、10年で7頭(うち2頭は3回)のリピーターとなっていたのです。他のG1を調べたわけではないので、東京マイルに特徴的なことなのかはわかりませんが、少なくてもこの2レースを予想するうえで、リピーターの存在を意識することは必要でしょう。

このことを調べたのは、今年の安田記念においても、リピーターをどう評価するかが予想に大きく影響することになったからです。
1着になったのは昨年3番人気で4着に敗れたサトノアラジンでした。昨年はロゴタイプが600m35.0のスローで逃げ、サトノアラジンは中団から33.6の上りで追い込んだものの、1 1/2差の4着に終わりました。それを今年は後方から大外を一気に追い込み、ロゴタイプをクビ差交わして、昨年の雪辱を果たしました。
そして2着に逃げ粘った昨年の覇者ロゴタイプ。直線で後続を突き放したときは、まさに昨年のレースのリプレイを見ているようでしたが、最後に差されてクビ差の2着。しかしタイムは昨年を1.5秒上回る優秀なもので、改めてこの条件での強さを感じさせました。

結局今年の上位2頭は昨年のリピーターだったということで、またもやリピーターが多いG1であるという説を裏付ける形になったのです。
しかしもちろん例外もあります。今年1番人気に支持されて8着に終わったイスラボニータは、昨年は5着に好走していました。また9着のクラレントは2年前に3着に入っていますが、4年連続の出走となったものの、その着順は10,3,8,9着と好走は1回だけ。

つまり安田記念の予想に当たっては、リピーターを重視する必要があるものの、まずはその中でどの馬が来るかを見極めることが必要だということ。そしてもちろん前年は出ていなくて好走する馬(今年で言えばレッドファルクス、グレーターロンドン、エアスピネル)もいるので、それをしっかり取り上げること。これが的中するための基本的なスタンスになるのです。
しかし昨年上位の馬同士を買うだけで、馬連万馬券になるなんて、終わってみれば簡単なんですけどね。来年の教訓にしたいと思います。