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2016年12月31日

2016年のJRA賞予想&ベストレース

今回も恒例の2016年を振り返ってJRA賞を個人的に予想するとともに、ベストレースを選んでみたいと思います。

2016年のG1戦線は、中心馬がしっかりしていたこともあり、固い決着が多かったように思います。3歳クラシックでは、皐月賞とダービーで着順は異なるものの、上位5頭の顔ぶれは同じでした。また荒れるイメージが強い阪神JFと有馬記念で、1~3番人気馬が人気通り1~3着を締めたのも、印象深い結果でした。
その他にも、海外レースの馬券が初めて国内で買えるようになったり、JRAでは久しぶりに誕生した女性騎手の藤田菜七子騎手など、一般ニュースでも話題になるようなことが多かった印象です。
それでは、各部門ごとに振り返ってみます。

まずは確実なところから。
●最優秀2歳牡馬
毎年朝日杯FSの勝ち馬が選ばれるのですが、今年も朝日杯を勝ったサトノアレスが選ばれるでしょう。近い将来ホープフルSのG1昇格が予定されており、その後は悩むことになりそうです。しかし少なくとも今年は朝日杯FSの方がメンバー的にホープフルSより充実しており、問題はないと思います。

●最優秀2歳牝馬
話題のフランケル産駒ミスエルテが朝日杯FSに回ったため、もしミスエルテが勝っていたらかなりの混戦になったでしょう。しかしミスエルテは牡馬相手とはいえ4着まで。阪神JFを勝ったのは同じフランケル産駒のソウルスターリングでしたが、デイリー杯2歳Sの勝ち馬ジューヌエコールや、アルテミスSを勝ったリスグラシューなどに快勝しており、こちらも問題ないでしょう。

●最優秀3歳牡馬
クラシックは3頭で分け合ったものの、皐月賞馬ディーマジェスティは菊花賞4着、JC13着と尻すぼみ。ダービー馬マカヒキは凱旋門賞で見せ場なく14着のあと秋は休養。対してサトノダイヤモンドは皐月賞3着、ダービー2着から菊花賞快勝のあと、有馬記念でキタサンブラックを破ってG1 2勝目。安定感もあり、ほぼ間違いなくサトノダイヤモンドが選ばれると思います。

●最優秀4歳以上牡馬
今年は海外G1を勝った馬が、リアルスティール、ドゥラメンテ、エイシンヒカリ、モーリス、サトノクラウンとかなりいて、モーリスは2勝しているのですが、この中で国内のG1を勝ったのはモーリスだけ。対してJRAのG1を2勝したのはキタサンブラックだけです。モーリスの活躍はすばらしいのですが、ここはやはりキタサンブラックでしょう。

●最優秀短距離馬
マイル以下の古馬G1を勝ったのは、高松宮記念:ビッグアーサー、安田記念:ロゴタイプ、スプリンターズS:レッドファルクス、マイルCS:ミッキーアイルとそれぞれ異なります。そしてビッグーアーサーはその後セントウルSを勝つものの、スプリンターズS、香港スプリントで1番人気に押されてともに2桁の大敗、ロゴタイプは安田記念が8番人気で今年は他にダービー卿CT2着以外連対なし、レッドファルクスはOP、CBC賞、スプリンターズSと3連勝も香港スプリントは12着といずれも今一つの成績。その中でミッキーアイルは阪急杯を勝って高松宮記念、スプリンターズSでともに2着。阪神Cは6着でしたが、安定感でミッキーアイルでしょう。

●最優秀障害馬
昨年のアップトゥデイトは中山GJと中山大障害の両方を制していたのですが、今年はオジュウチョウサンがその両方を含む重賞4連勝。しかも中山大障害ではアップトゥデイトに9馬身差の圧勝。ここはオジュウチョウサンで間違いないでしょう。

それでは、以下は迷うところを。

●最優秀3歳牝馬
桜花賞はジュエラー、オークスはシンハライト、秋華賞はヴィブロス、さらにNHKマイルCはメジャーエンブレムとそれぞれ勝ち馬が違いました。またジュエラーはオークスは出走せず秋華賞は4着。シンハライトは桜花賞2着でローズSを勝ちながら秋華賞は回避。ヴィブロスは春のクラシックは不出走。メジャーエンブレムは圧倒的1番人気の桜花賞4着で、秋は全休。どの馬も決め手に欠ける感じですが、総合的に見ると回避した秋華賞以外は安定していたシンハライトでしょうか。

●最優秀4歳以上牝馬
G1を勝ったのは、ヴィクトリアMのストレイトガール、宝塚記念のマリアライト、エリザベス女王杯のクイーンズリングの3頭。このうち牡馬混合G1勝ちはマリアライトだけです。しかしそのマリアライトは、エリザベス女王杯でやや差のある6着。さらに昨年4着の有馬記念でも10着と大敗。マリアライトとクイーンズリングで票が割れるかもしれませんが、ドゥラメンテ、キタサンブラックという強い牡馬に勝ったマリアライトに利があると思います。

●最優秀ダートホース
JRAのG1を勝ったのは、フェブラリーSのモーニンとチャンピオンズCのサウンドトゥルーの2頭。モーニンは他に根岸S1着、交流G2日テレ盃2着でチャンピオンズCは7着、対するサウンドトゥルーは交流G1を6戦して川崎記念2着のほかはJBCクラシックなど3着4回でフェブラリーSは不出走。直接対決はサウンドトゥルーの2勝1敗ですが、ともに決め手に欠けます。JBCクラシックを勝ったアウォーディーは、チャンピオンズCと東京大賞典ともに2着で安定感抜群ですが、JRAのG1を勝っていません。
何を重視するかですが、年間を通しての安定感とJRAのG1勝ちを評価すればサウンドトゥルーかなと思います。

そして年度代表馬ですが、キタサンブラックとサトノダイヤモンドのG1 2勝馬の一騎打ちでしょう。JCが終わった時点ではキタサンブラックで決まりと思ったのですが、有馬記念で1番人気1着のサトノダイヤモンドの実績は無視できません。
キタサンブラックは今年G1で2・1・1・0、対するサトノダイヤモンドも2・1・1・0とまったく互角。G2もそれぞれ1勝ずつで甲乙つけがたいのですが、最終的に直接対決で勝っているサトノダイヤモンドが逆転で戴冠というのが個人的な予想です。

続いて2016年のベストレースです。
ダービーの2頭の叩き合いはすばらしい戦いでしたし、天皇賞(秋)のモーリスのパフォーマンスは香港Cの圧勝とあわせて、改めてその強さを感じさせました。しかしそれにもまして印象に残ったのは、JCでのキタサンブラックでした。直線が長く逃げ切りは至難の東京芝2400mで、終始マイペースで逃げて、最後は2馬身半の差をつけて危なげない勝利。究極の仕上げとのことでしたが、それに応えたキタサンブラックの精神力もたたえられるべきでしょう。ということで、ベストレースはジャパンカップです。
そして番外と言っては失礼ですが、中山大障害のオジュウチョウサンの強さにはとても感動させられたので、次点としてあげたいと思います。

2016年12月25日

順当ですが意外な結果でした ~有馬記念

今年の秋は、阪神JFが1~3番人気で順当に決まるという意外な結果で終わりましたが、荒れることが当たり前の有馬記念でも、1~3番人気が人気順に入るという順当な結果に終わりました。それ自体がとても意外なことだと思うのですが、どれぐらい珍しいことなのか、ちょっと調べてみました。

今年で61回を迎える有馬記念ですが、昨年までに行われた60回で、1~3番人気が人気順に関係なく1~3着に入ったのが5回。そして人気通りに1~3着に入ったのは、わずかに1回でした。
その貴重な有馬記念が、1977年に行われた第22回。この年は、いわゆるTTG3強と言われるテンポイント、トウショウボーイ、グリーングラスが1~3番人気に支持され、その人気通りに収まった伝説的なレースでした。私もレース映像で見たことがありますが、最初から最後までテンポイントとトウショウボーイがお互いだけを意識したマッチレースを繰り広げ、第三の男と呼ばれたグリーングラスが最後に3番手に差してくるという、まさに鳥肌が立つような緊張感にあふれた競馬だったのです。これは本当にすごいレースなので、機会があればぜひ見てみてください。
ちなみにこの3頭は、3頭すべてが出場したレースは3回で、それぞれが1勝ずつをあげ、かつ3回とも3着までを3頭で占めるという、完璧な3強でもありました。

その他の4回も、順に勝ち馬をあげると、74年タニノチカラ(2番人気)、81年アンバーシャダイ(3番人気)、84年シンボリルドルフ(1番人気)、88年オグリキャップ(2番人気)と、それぞれの年代を代表するような名馬の名前が並びます。
これに従うと、サトノダイヤモンドも今の年代を代表するような馬になっていくはずですが、今日のレースぶりは、まさにそれにふさわしいすばらしいものでした。

個人的には今年の3歳世代のレベルにやや疑問があり、充実しているキタサンブラックには及ばないのではと思っていましたが、パドックで見たサトノダイヤモンドの馬体や雰囲気のすばらしさに、認識を変えざるを得ませんでした。キタサンブラックの大きく迫力のある馬体はすばらしく、周囲を圧倒するような迫力も感じたのですが、サトノダイヤモンドはしなやかで柔らかみがあり、適度な気合乗りと深い踏み込みで、まさに理想的なサラブレッドの姿に思えたのです。

レースもルメール騎手の積極的な騎乗が印象的でした。スローでキタサンブラック有利の流れとみると、サトノダイヤモンドを早めに前に行かせて、向こう正面では外からつつくように並びかけます。3コーナーから少し下げると、直線はキタサンブラックとゴールドアクターを前に見る3番手。キタサンブラックはいったんゴールドアクターに並びかけられるも、天皇賞(春)のように差し返して突き放し勝負あったかと思われたところに、坂を上って一気に伸びてきたサトノダイヤモンドが、ゴール直前で差して1着。並ぶとしぶといキタサンブラックに勝つには、これしかないという戦いかただったと思います。
逆にキタサンブラックから見ると、産経大阪杯や宝塚記念のような、負けるときはこんな展開という形になってしまいました。もちろんJCで完璧に仕上げて、もうお釣りがないというような状況もあったと思います。

そしてもう一つ意外だったのは、昨日時点でキタサンブラック2.5倍、サトノダイヤモンド3.1倍と差のあった単勝人気が、直前でサトノダイヤモンド2.6倍、キタサンブラック2.7倍と逆転したことです。1番枠を引くという奇跡もありキタサンブラックの1番人気は固いと思っていたのですが、ファンの予想の正しさに驚かされました。
もっともパドックを見ると、それも納得ではあるのですが。

そしてこれで年度代表馬争いも混とんとしてきました。JCが終わった時点ではキタサンブラックでほぼ確定と思っていたのですが、今日の結果でわからなくなりました。あとのレースの方が印象に残ることもあり、サトノダイヤモンドの逆転も十分あるでしょう。
そして来年の古馬戦線もかなり興味深いものとなると思います。サトノダイヤモンドとキタサンブラックの再戦はもちろん、マカヒキも巻き返してくるでしょうし、まずはG1に昇格する大阪杯と天皇賞(春)、宝塚記念を目指して頑張ってくれることを期待しています。