« 2016年03月 | メイン | 2016年05月 »

2016年04月17日

ディープインパクト産駒勝てずのジンクス破られる ~皐月賞

今年の皐月賞は、レベルの高い混戦と言われました。特に3強と称される3頭が高いレベルで前哨戦を好走したのに加えて、その他にも安定して好成績の馬が多い印象がありました。その証拠に着外のない馬(デビュー以来4着以下がない馬)が18頭中8頭いて、その内の7頭が重賞を勝ち、かつ3歳重賞で3着以内の実績がありました。
これは過去5年では、着外のない馬の数は2014年と同じですが、その年はそのうち重賞勝ちは4頭しかいなかったので、レベル的には今年が圧倒的ともいえるでしょう。
(ちなみに着外のない馬の数は以下の通り 2012年:5頭[うち重賞勝ち4頭] 2013年:4頭[4頭] 2014年:8頭[4頭] 2015年:5頭[4頭])

中でも3強と言われたサトノダイヤモンド、リオンディーズ、マカヒキはそれぞれの前哨戦で見せたパフォーマンスがすばらしく、どの馬が勝つのかわくわくさせられました。
サトノダイヤモンドはデビュー2連勝で臨んだきさらぎ賞で、中団で折り合って進み、直線で抜け出すとあとは後続を離す一方。1番の上り34.2で、3 1/2差の圧勝を飾り、3戦負けなしの成績で皐月賞に臨みます。唯一の不安は、間隔があいていることで、近年はきさらぎ賞からの直行で良績を残した馬はいません。
リオンディーズは新馬勝ちから臨んだ朝日杯FSを後方から差し切って勝ち、弥生賞は掛かって早めに抜け出します。それでも2番の上り34.4でクビ差2着に粘り、3戦2勝2着1回の成績。掛かったのは不安ですが、1回たたいて良化が見込めます。
そしてそのリオンディーズを、弥生賞で後方からクビ差で差し切り3戦3勝としたマカヒキ。上りは1番の33.6で3戦とも上りはメンバーで1番。フルゲート未経験や追い込み脚質は中山のG1では不安要素ですが、弥生賞で初めて2分を切る時計で勝っている事実は、不安を打ち消すのに十分とも言えます。

その他にも、スプリングSを好位から差し切り5戦3勝2着2回のマウントロブソン、新潟2歳Sを後方から4馬身差で圧勝しスプリングS追い込んで3着で4戦2勝2着1回3着1回のロードクエスト、デイリー杯を圧勝し朝日杯FS2着弥生賞3着で4戦2勝2着1回3着1回のエアスピネル、共同通信杯を後方から1番の上り34.9で1 1/4馬身差で勝って4戦2勝2着2回のディーマジェスティと、例年なら主役を張れそうな成績の馬たちも、控えています。

こんな混戦でどの馬から入ればいいのかわからない時には、ついジンクスに頼りたくなります。今年思い浮かんだジンクスは、「3強並び立たず」と「ディープインパクト産駒は皐月賞では2着まで」でした。
前者はもちろんTTGのように例外もありますが、私の経験ではかなりの確率で当たります。ちなみにこれが2強となると、まず間違いなくどちらかが(時には両方が)崩れます。
後者は一見不思議ですが、開催最後の馬場が荒れた中山は時計がかかって力がいる状態になることが多く、切れで勝負する馬が多いディープインパクト産駒には合わないということもあるのでしょう。とはいえ、初めて産駒が3歳になった2011年からの5年間で、ワールドエース、リアルスティールと2着馬を2頭出しており、その勢いを見る限り、時間の問題という気もしました。

レースは逃げたリスペクトアースが1000m58.4というハイペースで飛ばし、3コーナー過ぎには早くもばてて、先行していた3強の1頭リオンディーズが先頭で4コーナーを回ります。リオンディーズはそのまま押し切ろうとしますが、エアスピネル、サトノダイヤモンドなどが迫り叩き合いに。
それを外から差してきたディーマジェスティが一気に交わして先頭。さらに後方から追い込んできたマカヒキも伸びてきて、この2頭のワンツー。3着争いは最後にサトノダイヤモンドがリオンディーズを交わしました。

これでついにディープインパクトの仔は皐月賞を勝てないというジンクスは破られたのです。しかも1~3着がディープインパクト産駒となり、今までのうっぷんを晴らすような形となりました。
しかし3強は2,3,4着で1~3着を占めることはできず、3強並び立たずはその通りになりました。先週の桜花賞も3強と呼ばれた3頭は1,2,4着となり、かなり強力なジンクスだと思います。

皐月賞が終わって、次はいよいよダービーですが、さらに混戦という印象です。
1着のディーマジェスティは東京実績もあり、今日の末脚を見れば引き続き有力ですし、これでデビュー以来4戦連続上りNo.1の2着マカヒキも東京ならという感じ。3着サトノダイヤモンドもたたいて上昇するでしょうし、折り合いに不安がないのも有利と思われます。降着で5着のリオンディーズはハイペースに巻き込まれ末を失いましたが、後ろから行ければ距離も持つでしょう。
他にも、皐月賞をパスしたスマートオーディンやハートレーも出てくれば気になりますし、青葉賞や京都新聞杯から有力馬が出てくる可能性もあります。
例年以上に難しいダービーになりそうです。

2016年04月10日

メジャーエンブレムはテスコガビーにはなれなかった ~桜花賞

今年の桜花賞の個人的な関心は、「メジャーエンブレムはテスコガビーになれるか?」でした。

テスコガビーとは今や半ば伝説と化している、1975年の牝馬2冠を制した馬。6戦5勝2着1回という成績で桜花賞に臨んだテスコガビーは、前哨戦の阪神4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)をレコードタイムで逃げ切って優勝したこともあり、1.1倍の圧倒的な人気に支持されました。
レースは好スタートから逃げ、4コーナーを回って直線に入ると、後続をどんどん引き離します。そこで中継していた杉本アナの発した「先頭はテスコガビー。後ろからはなんにも来ない。」という言葉が名言として残るほど、どんどんと後続を引き離し、2着とは1.7秒差の大差での圧勝。その時の桜花賞レコード1分34秒9は、13年間破られませんでした
41年前のレースなので、さすがに実際に見てはいないのですが、YouTubeで見ると、その強さに圧倒されます。

そのテスコガビーを引き合いに出すほどの衝撃を与えたのが、今年のクイーンCでのメジャーエンブレムのパフォーマンスでした。さすがに1.7秒もの差はつかなかったものの、3ハロン34.4で逃げての0.8秒(5馬身)差の圧勝は、かなり印象的でした(勝ちタイム:1分32秒5)。
また他馬とのスピードの違いで先頭を走っているだけで、決して逃げようと意図しているわけではないことや、牡馬と見まがうばかりの迫力ある大きな馬体など、伝説的に語られるテスコガビーの特徴と、かなり共通点があることも、より期待を抱かせる要因となりました。

トライアルのチューリップ賞でシンハライトとジュエラーが叩き合い、1分32秒8の好タイムでハナ差の好勝負を演じても、メジャーエンブレムへの高い評価は変わらず、最終的に1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されたのです。

レースは、メジャーエンブレムがスタート今一つということもあり控えたため、3ハロンが34.8と平均ペースで流れます。メジャーエンブレムはデビュー以来初めて中団でレースを進め、徐々に進出して直線ではいったん先頭に立つものの、後方から鋭く追い込んできたシンハライト、アットザシーサイド、ジュエラーに抵抗する間もなく交わされると4着に破れました。
最後はチューリップ賞同様にシンハライトとジュエラーのクビの上げ下げになり、今回は後方から1番の上り33.0で追い込んだジュエラーに軍配が上がりました。

パドックで見たメジャーエンブレムは見事な馬体で落ち着いてゆったりと歩いており、トモも力強くて踏み込みも深く、ひいき目に見てもほかの馬とは大人と子供ほどの違いを感じました。これはもしかして、本当にテスコガビー並みのパフォーマンスが見られるかと期待もしたのですが・・・。

敗因はいろいろあるのでしょうが、個人的には逃げなかったことに疑問を感じました。スタートが今一つで他の馬が押していたので、無理にいかない方がいいという判断をルメール騎手がしたのかもしれません。しかしためて切れるタイプではなく、また初めて馬群の中でレースをすることで馬にとまどいが生まれる危険もあります。加えてスタミナに不安があるわけでもないので、結果論ではありますが思い切って行った方がよかったのではないかと思うのです。その方が、同じ負けでも納得できたでしょう。
もちろん勝ったジュエラーもハナ差2着のシンハライトも、力を出し切った素晴らしいパフォーマンスで、レースの結果自体は納得のいくものでした。

さて今日の結果を受けてのオークスですが、おそらく父ダイワメジャーのイメージもありメジャーエンブレムの人気はかなり落ちるでしょう。逆に上位のジュエラー、シンハライト、アットザシーサイドは血統的に距離にはあまり不安がなく、この3頭が人気の中心になると思います。

テスコガビーはオークストライアルで負けたこともあり、オークスはやや人気を下げて2.3倍の1番人気でしたが、うまくスローに落として逃げて8馬身差で2冠を達成しました。
はたしてメジャーエンブレムの巻き返しはあるのか。クイーンCと同じ東京での強いパフォーマンスを、個人的には期待したいと思います。