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2015年10月25日

長距離戦はなぜか血統が気になります ~菊花賞

長距離戦を予想するときには、短い距離のレースよりも血統が気になるように思います。実際に予想の記事を見ても、長距離に強い種牡馬の仔を押すことが多いように思います。
予想をするときは、何か説得力のあるデータに頼りたくなるのが人情ではないかと思いますが、長距離血統はまさにその代表的なものではないでしょうか。実際に菊花賞で人気薄なのに上位に来たフローテーションやスリーロールス、フォゲッタブルなどは、血統の後押しがないと、なかなか買いにくい馬だったと思います。

その逆が、今年の菊花賞馬キタサンブラックではないでしょうか。父のブラックタイドはディープインパクトの全兄なのでまだよいのですが、問題は母父のサクラバクシンオーでしょう。サクラバクシンオーといえばスプリンターズSを連覇するなど短距離で活躍し、その産駒もショウナンカンプ、シーイズトウショウ、カノヤザクラ、グランプリボスなど短距離で活躍した馬が多いのが事実です。
そのため、血統論者ほど距離の不安を主張するように見受けられましたし、それがトライアルのセントライト記念を勝ちながら、単勝13.5倍の5番人気という低い評価になった原因の1つではないかと思います。

しかし実は、サクラバクシンオーの子孫=短距離馬というほど単純なものではないと、個人的には思います。ずいぶん前ですが、障害戦にサクラバクシンオー産駒が出ていて、長距離だから来ないだろうとバッサリと切って、圧勝されて驚いた記憶があります。
実際に2004年に中山大障害と中山グランドジャンプを勝ち、障害戦で通算6勝をあげたブランディスはサクラバクシンオー産駒ですし、先日の東京ハイジャンプで2着に好走したエイシンホワイティもサクラバクシンオーの仔です。
またサクラバクシンオーの母サクラハゴロモは、天皇賞(春)を勝つなど長距離で活躍したアンバーシャダイの全妹で、長距離をこなせる血統背景を持っているとも思えるのです。

血統は競馬予想をするうえで大事なファクターの1つですが、それだけでは当たらないのも事実です。またある血統の子孫はみな同じ傾向を示すというほど、単純なものでもありません。
何事も決めつけるのではなく、いろいろな可能性を考えないといけないということが、私が競馬から学んだ大切な教訓の1つです。

2015年10月18日

騎手の勢いはどれだけ影響するか ~秋華賞

今年の秋華賞を予想するにあたって、個人的に1番迷ったのはクイーンズリングの取捨でした。
検討を始めたときは、1400mのフィリーズRを勝っただけで桜花賞以降はぱっとせず、また意外と短距離に適性のある産駒が多いマンハッタンカフェの仔ということで、2000mは距離が長く早熟なのではと思い、上位候補からははずしていました。

しかしまず気になったのは、M.デムーロ騎手が騎乗するということ。
今年の3月からJRAの騎手となったM.デムーロ騎手は、勝ち数こそ10/12時点で88勝と全国4位ですが、連対率は3割1分6厘とJRA上位騎手の中ではルメール騎手に次ぐ2位。そもそも3割を超えているのが上位騎手では3人しかいないので、かなりの高率です。
そのM.デムーロ騎手が連敗しているにも関わらず乗り続けているということは、何か可能性があることを感じているのではないかと考えられます。

またクイーンズリングの成績をよく見てみると、桜花賞はスローを追い込んで、勝ち馬には離されたものの2着馬とは0.1秒差の4着。オークスはさすがに距離が長かったか、よく差してきたが1秒差9着。休み明けのローズSは追込みから一変、5番手追走から、逃げて4着のレッツゴードンキより上りが0.2秒早く、0.2秒差の5着。
こう見てみると、着順のイメージほど負けていないようにも思えます。
ここまで考えて、クイーンズリングを再度検討対象に加えることにしました。

さらに今日のM.デムーロ騎手は、とんでもなく好調な1日でした。
1Rで早くも1勝をあげると、2R4着、4R2着と勝てないまでも上位に入り、そこから5R、6R、7R、8Rとなんと4連勝。さらに9Rは2着に入り、秋華賞の前までに5・2・0・1と驚異的な成績をあげていたのです。

こうなると、穴馬として考えざるを得ません。そう考える人が多かったのか、最終的にクイーンズリングは単勝14.9倍の5番人気に支持されました。
そしてレースでは後方からメンバー1の上り34.1で追い込んで、1着のミッキークイーンのクビ差2着。残念ながらG1制覇はなりませんでしたが、近走の今一つの成績からは想像もできないような鮮やかなレースぶりでした。

M.デムーロ騎手の調子がどこまで影響したのかはもちろんわかりませんが、少なくとも今日の驚くべき好調さがクイーンズリングの後押しをしたと言えるでしょう。どんなスポーツにも目に見えない勝負の流れがありますが、競馬にもあることは間違いないと思います。
検討にあたって過去の成績を見るのは当然ですが、当日の騎手の成績もしっかりチェックすることが大事だと、改めて感じました。

2015年10月04日

血統の不思議 ~スプリンターズS

競馬の予想をするのに血統は一つの大きな要素だと思いますが、必ずしもそれだけで語れるものではないと個人的には思います。もちろん傾向をとらえる役には立つと思いますが、他にも重要なファクターがあり、血統だけで結論を出せるものではないと思うのです。

しかし数あるG1の中で、スプリンターズSは血統という観点で見ると、かなり特殊なレースではないかと思うのです。今の日本の競馬界で、サンデーサイレンスの系統は無視できないですが、スプリンターズSでは意外に活躍していないのです。
過去10年で見てみると、SS直子のデュランダルは1勝2着2回と活躍したものの、その後はわずかにフジキセキ産駒のキンシャサノキセキの2着2回があるだけで、他の父系がサンデーサイレンスの馬は連対できていません。

父サンデーサイレンスの種牡馬と一口に言っても、その産駒はかなりバリエーションに富むイメージです。例えばディープインパクト産駒はマイルから2400mで鋭い末脚を活かして良馬場で差し切るイメージに対して、ステイゴールド産駒は2000m以上でしぶとく伸びて、時計のかかる馬場でもがんばって勝つイメージ。
ただしディープインパクト産駒はオールマイティな種牡馬になりつつあり、そろそろスプリント戦でも活躍馬が出てもおかしくないのではないかと感じていました。

そんな中、今回のスプリンターズSにはディープインパクト産駒が3頭と種牡馬別では最多の出走。しかもG1馬で高松宮記念3着のミッキーアイル、前哨戦のセントウルSで最速の上りでハナ差2着のウリウリ、昨年のスプリンターズS3着のレッドオーヴァルと、実績的にはいずれも上位に来てもおかしくない面々です。

しかし結果は、最先着のミッキーアイルが先行して粘ったものの4着。ウリウリは伸びきれず5着。レッドオーヴァルも好位から伸びず7着と、いずれも好走したものの、今年も連対はできませんでした。
ところが1着はフジキセキ産駒のストレイトガール、2着はSS産駒サクラプレジデントの仔であるサクラゴスペル、さらに3着もSS産駒でディープインパクトの全弟オンファイアの仔ウキヨノカゼと、今年は父SS系の上位独占となりました。

ついでに・・・・、芝短距離といえばサクラバクシンオー産駒が活躍していますが、ことスプリンターズSに関しては3着が最高と、不思議と連対できていません。今年もベルカント、スギノエンデバーと2頭が挑戦しましたが、2頭とも着外に敗れました。

このようにスプリンターズSは血統的にやや特異な傾向を示してきたのですが、今年は一気に父SS系が掲示板を独占したように、やはり単純に血統で予想をするのは難しいと、改めて感じた次第です。