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2014年12月28日

牝馬の引退レースですが見事でした ~有馬記念

今年の有馬記念はG1馬が10頭という豪華メンバーで、1番人気が3.5倍、単勝倍率1桁が4頭とかなりの混戦となりました。
その混戦を制したのは、単勝4番人気の牝馬ジェンティルドンナでした。中山競馬場のG1レースではディープインパクト産駒の勝利はなく、かつジェンティルドンナ自身も中山は初という状況。しかもこの秋はG1で2着、4着と2戦続けて敗れており、正直言って苦戦するのではと個人的にも思っていました。

レースはヴィルシーナが逃げてJCを圧勝したエピファネイアが2番手。ジェンティルドンナは前2頭とはやや離れた4番手を追走します。ペースはかなり遅く、エピファネイアなど懸命に抑える馬が多い中、ジェンティルドンナは折り合って進みます。
3コーナーでゴールドシップが後方から進出を開始し、つれてペースが上がる中、エピファネイアが早め先頭から直線は突き放します。しかしJCのような伸び脚は見られず、外から並びかけたジェンティルドンナとの叩き合いに。坂を上ってジェンティルドンナが抜け出すと、差してきたトゥザワールド、ゴールドシップ、ジャスタウェイなどを抑えて先頭でゴール。見事に引退レースで勝利で飾りました。

競馬の格言の一つに、「牝馬の引退レースは消し」というものがあります。実際にそれに従ってジェンティルドンナの狙いを下げた人もいるのではないでしょうか。牝馬の場合、引退後の繁殖を考えて、最後はあまり無理をさせないこといが多いために、そういう格言ができたのではないかと思います。
そこで何頭か強かった牝馬について調べてみました。実際は故障や調子落ちなどで、仕方なく引退する場合が多く、今回のジェンティルドンナのようにあらかじめ引退レースと決めて終わることはあまり多くないのですが、その数少ないケースは下記のような結果でした。

エアグルーヴ(5歳) 有馬記念(1998年) 2番人気 5着
メジロドーベル(5歳) エリザベス女王杯(1999年) 2番人気 1着
アドマイヤグルーヴ(5歳) 阪神牝馬S(2005年) 2番人気 1着
ブエナビスタ(5歳) 有馬記念(2011年) 2番人気 7着
ジェンティルドンナ(5歳) 有馬記念(2014年) 4番人気 1着

これを見ると、意外と勝っている馬が多い印象です。ただしジェンティルドンナ以外の勝ち馬2頭は牝馬限定戦で、有馬記念を引退レースにしたエアグルーヴ、ブエナビスタは人気を裏切って着外に負けています。これからも、いかにジェンティルドンナの今回の勝利がすばらしいことかがわかるのではないでしょうか。
しかも今回の優勝で、ジェンティルドンナのG1勝利数は7。これはシンボリルドルフやディープインパクトなどと並ぶ芝のG1勝利数1位のタイ記録。牝馬ではウオッカに続く偉業となります。その中身も、JC連覇やドバイでの勝利など、まさに男勝り。今回の有馬記念制覇で、最強牝馬と言っても過言ではない戦績となりました。

今後の楽しみは、その産駒でしょう。サンデーサイレンス系の種牡馬が多いので配合は難しいかもしれませんが、ぜひ自身を超えるような産駒を生み出してくれることを期待したいと思います。

2014年12月21日

またもや終わってみれば・・・ ~朝日杯FS

今年から朝日杯FSは、施行場所を中山競馬場から阪神競馬場に移し実施されました。従来の中山芝1600mは外枠が不利で、先行有利とかなり評価が定まっていましたが、阪神芝1600mに舞台をかえることでかなり傾向が変わるのではないかと予想されていました。
そしてレースは、上りの速い上位2頭が後方から進出して決まるという、中山時代とはちょっと違う形となりました。おそらく中山ならこの2頭では決まらなかったでしょうし、その意味では力通りの決着ではなかったかと思います。もっとも、2着のアルマワイオリの力は見抜けず、馬券はダメでしたが・・・。

阪神に移って阪神JFと同じ舞台で行われるということで、傾向も阪神JFと同じようになるのではということは、容易に想像がつきました。そしてその通り、勝ち馬は先週のショウナンアデラととても共通点の多いダノンプラチナでした。その共通点とは下記のとおりです。
・もちろんディープインパクト産駒であること
・蛯名騎手が騎乗していること
・関東馬であること(ショウナンアデラ:二ノ宮厩舎、ダノンプラチナ:国枝厩舎)
・臨戦過程が新馬2着の後、未勝利,500万特別と連勝中
・上りがメンバー1位で後方から差し切ったこと

先週の記事でも、「終わってみればディープインパクト産駒 ~阪神JF」というタイトルで書いたのですが、今回も同じような結果となりました。
その記事で、阪神芝1600mの重賞では、ディープインパクト産駒が4連勝中ということを紹介しましたが、今日はそれが5連勝に伸びました。京都がマイルCSの記事で紹介したように5連勝だったので、それに並んだことになります。京都の場合、2頭以上ディープインパクト産駒が出走していると、必ず3着以内に2頭以上入るという驚異的な成績で、さすがにそれには劣るものの、素晴らしいものがあります。
特に今日は前日の雨の影響でやや重馬場となり、末脚の切れが鈍るのではという心配もありましたが、全く問題ありませんでした。もっとも上りは35.4が最速と、かなり切れ味が鈍ったのは事実ですが。

そしていよいよ来週は、年の納めの有馬記念です。21頭の登録があり、その上位16頭のうちディープインパクト産駒は7頭と最多を誇ります。ただし有馬記念と言えば切れというよりも、器用さや時計のかかる馬場でもこなす根性が必要なイメージがあり、ステイゴールド産駒やハーツクライ産駒が向く気がします。
さてどうなるか、この1週間は楽しみながら悩みたいと思います。

2014年12月14日

終わってみればディープインパクト産駒 ~阪神JF

今日の阪神JFは、単勝倍率1桁の馬が5頭いて、1番人気は1戦1勝馬のロカが押されるという、かなりの混戦模様でした。そしてレースを制したのは、5番人気のショウナンアデラ。
やや出遅れ気味に出て道中は後方を追走し、直線に入るといったん内に進路をとりますが、前があかないと見ると外に持ち出します。そこから1頭だけ次元が違う脚で伸びてきて、勝ちパターンだったレッツゴードンキをゴール直前で差し切り、見事に2歳女王に輝きました。

ショウナンアデラは出走馬中唯一のディープインパクト産駒でしたが、ようやく500万を勝ったばかりの関東馬ということもあり、5番人気という扱いでした。
京都の芝1600mの重賞は、ディープインパクト産駒が6連勝中という記事をマイルCSの時に書きましたが、では阪神の芝マイル重賞はどうなのでしょうか。ちょっと調べてみました。
その結果、京都ほどではないにしても、やはりディープインパクト産駒の芝マイルでの強さが際立つ結果ということがわかりました。

昨年の阪神JFは人気のディープインパクト産駒ハープスターが、ステイゴールド産駒のレッドリヴェールをハナ差だけ差し切れずに2着に終わったのですが、その次のアーリントンCからディープインパクト産駒の連勝が始まり、今日の阪神JFのショウナンアデラで4連勝となったのです。

2014.3.1 アーリントンC 1着 ミッキーアイル (1,3,9着にディープインパクト産駒)
2014.3.8 チューリップ賞 1着 ハープスター (1,8,9着にディープインパクト産駒)
2014.4.13 桜花賞 1着 ハープスター (1着にディープインパクト産駒)
2014.12.14 阪神JF 1着 ショウナンアデラ (1着にディープインパクト産駒)

京都のように上位を占めるまではいきませんが、4連勝は立派なものです。競馬場を問わず芝マイルでここまで顕著な結果を示す種牡馬は、今までいなかったのではないでしょうか。
こうなると、どこの競馬場であれ芝マイル重賞でディープインパクト産駒を外すのは、賢い方法とは言えないでしょう。逆に目をつぶってディープインパクト産駒から勝負するのが、鉄則といえるのかもしれません。
それにしても、すごい種牡馬ですね。

2014年12月07日

ホッコータルマエがやっと中央のダートG1を勝てたことについて ~チャンピオンズC

昨年までのジャパンカップダート(JCダート)が、名前も開催競馬場も変わって、新たにチャンピオンズカップとして生まれ変わりました。しかしレースは継承しているということで、回数は第15回とのこと。なんとなく違和感がありますが・・・。

JCダートが生まれたのは2000年。芝のジャパンカップ(JC)と同様の国際招待競走をダートでも実施しようと、東京競馬場のダート2100mで行われることになりました。第1回は2000年11月25日(土)。日曜日に行われるJCの前日ということで、なんとなく前座のような感じがしたことを覚えています。
その後、東京競馬場が改装中の2002年に中山競馬場のダート1800mで行われたのを除いて、2007年まで東京で行われました。2004年にはJRA設立50周年を記念してJCの前のレースとして行われ、JRAでは初めて1日にG1レースを2つ行うという貴重な日にもなりました。表彰式もそこそこにJCのパドックを見に行くというあわただしさを覚えていますが、ただ前座的なイメージはぬぐえませんでした。

そして2008年からは阪神競馬場のダート1800mに舞台を移し、日程的にもJCの翌週の日曜日ということで、ようやく1人前のG1競争になったという印象でした。しかし当初こそアメリカを中心に海外の馬も参加していましたが、右回りのコースは左回りしかないアメリカ馬には不利ということで徐々に参加馬も減り、2010年から2012年の3年間は外国馬の参戦が0と、国際招待競走とは名ばかりになってしまいました。
それもあって、再度開催場を左回りの中京競馬場に変更して招待もやめ、新たにチャンピオンズCとして再出発することにしたのでしょう。

その新生チャンピオンズCを勝ったのは、昨年1番人気で3着に敗退し、今年は2番人気で雪辱を果たしたホッコータルマエ。ホッコータルマエと言えば、地方のG1は昨年のJBCクラシックや今年の川崎記念など5勝もしているのに、中央のG1は2012年JCダート 3着、2013年JCダート 3着、2014年フェブラリーS 2着と、好走するのに勝てないという、不思議というか不運な存在でした。力があるのは間違いないのですが、なぜかゴール前で失速して負けてしまうのです。

よく、中央の馬場は軽く時計が早く、地方の馬場は深く時計がかかるともいわれますが、実は砂質や深さなどは、あまり差がないそうです。それよりもコーナーの数や半径、直線の長さや坂の有無などが走破タイムに影響しているようです。
実際に同じ馬のタイムや上りを中央と地方の馬場で比べてみても、必ずしもどちらが早いとかいうことはなく、単に馬場状態や展開、馬の状態などに左右されたのではないかと思われます。ホッコータルマエが中央のG1を勝てなかったのも、運や展開という要素が大きかったのでしょう。

ただし関係者としては、それでは負けても納得できるわけがなく、今日の幸騎手はレース後とてもうれしそうでした。これまで惜敗続きでかなり悔しい思いもしたでしょうし、自分のせいで負けたという気持ちもあったでしょう。
コーナーを回ってすぐに先頭に立った時は早いのではないかと思ったのですが、すぐ後ろから迫るローマンレジェンドやナムラビクターに、最後まで抜かさせなかったのは、幸騎手の意地もあったように思います。

幸騎手といえば、スティルインラブやブルーコンコルドでの活躍が印象的ですが、最近は中央のG1勝ちからは離れていて、調べてみると2008年のファイングレインによる高松宮記念以来の勝利でした。
一見勝負事には似合わないような端正な顔立ちですが、年間最多騎乗回数を更新するなど、熱い想いを隠しているのでしょう。これからもホッコータルマエとのコンビで、ダート競馬を盛り上げていってほしいと思います。