« 2014年03月 | メイン | 2014年05月 »

2014年04月20日

混戦の皐月賞は決着。そしてダービーへ。

今年の皐月賞は1強の桜花賞から一転、レベルの高い混戦といわれてきました。その原因としては、前哨戦となる重賞やトライアルの勝ち馬がすべて違うことと、それぞれが比較的人気通りに決着してきたということがあるでしょう。また人気馬がみな弱点も抱えていて、全幅の信頼はおけないということも、人気が分かれる原因になったと思われます。

単勝倍率が1桁の馬が5頭で、どの馬が1番人気になるのかさえわからない中、最終的にはトゥザワールドが3.5倍の一番人気となりました。トライアルの中では最もレベルが高いと思われる弥生賞の勝ち馬ですが、ゴール前でワンアンドオンリーにハナ差まで詰められたシーンは、ペースが上がる可能性が高い本番に不安を抱かせるには十分だったでしょう。
2番人気は前日まで1番人気だったイスラボニータが5.1倍で続きます。共同通信杯は追い出しを待つ余裕で完勝したものの、中山はおろか右回りも未経験で、クラシックで勝ったことがないフジキセキ産駒、1頭だけ内を突く特殊な勝ち方をしたゴールドシップ以外勝ち馬がいない共同通信杯からの直行など、こちらも多くの不安を抱えています。
さらに5.4倍の3番人気のトーセンスターダムは無敗の3連勝も、京都しか経験なくそのいずれも辛勝で、休み明けかつ皐月賞を勝ったことがないディープインパクト産駒。
6.7倍の4番人気ワンアンドオンリーは追い込み脚質にも関わらず最内の1枠で、最終週でますます追い込みの効きにくい中山の馬場をどうこなすか。
7.5倍の5番人気アジアエクスプレスは底は見せていないものの、血統的に短距離馬で陣営もダービーは難しいという感触を表明していました。

レースはウインフルブルームが絶妙のペースで逃げ、ゴール直前まで逃げ粘る中、力強く抜け出したのは2番人気のイスラボニータでした。中団追走から4コーナーでは好位の外に持ち出し、直線はウインフルブルームやトゥザワールドと叩き合いになるも、最後は1馬身1/4差をつけて予想以上の完勝でした。

そして皐月賞はクラシック1冠目であるとともに、日本ダービーのもっとも重要な前哨戦でもあります。ではこの結果から、ダービーへの見通しはどうなるでしょう。
まず勝ったイスラボニータですが、力があるのは間違いなく東京も得意なので、2冠達成の可能性は十分あると思います。ただしフジキセキ×コジーンという血統は、どうしてもマイルから2000mが得意というイメージ。昨年のロゴタイプ以上に距離への対応が焦点になるような気がします。
続いてトゥザワールドですが、今回は最後に競り負け、末の甘さという弱点をさらしてしまったようです。直線が長く坂がある東京への対応がどうか、ということになるでしょう。
ウインフルブルームは先行してこそ持ち味がでるので、狙いとしては皐月賞だったのではないでしょうか。ダービーはちょっと厳しいかなという印象です。
逆にダービーでこそと思わせたのが、4着のワンアンドオンリーと5着のステファノスではないでしょうか。とはいえステファノスは出走権という大きな壁があるので、可能性という意味ではワンアンドオンリーに期待が持てると思います。最後方追走から早めに進出し、最後はメンバー最速の脚で追い込んだものの、完全に脚を余してしまいました。東スポ杯では結果が出ませんでしたが、今なら長い直線を味方にできるかもしれません。
とはいえ、青葉賞や京都新聞杯で出走権を得る馬や、皐月賞を回避した馬もいるので、まだまだいろいろ見ていく必要があります。

なお、個人的には馬場の傾向やパドックの重要性を改めて感じました。当初は若葉S組としてアドマイヤデウスを馬券の対象と考えていたのですが、9Rで柴田大騎手が同じ芝2000mのレースを鮮やかに逃げ切ったのを見たのと、またパドックでの印象の良さから、急きょウインフルブルームと入れ替えることにしたのです。
結果として、ウインフルブルームはぎりぎり3着に逃げ粘ってくれました。やはり直前までいろいろな情報を集めて検討することは大事ですね。

2014年04月13日

ハープスターはどれぐらい強いのか ~桜花賞

今年の桜花賞は、ハープスターが単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応えて優勝しました。その強さは戦前から予測されており、どのような勝ち方を見せるのかだけが焦点だったと言っても過言ではないかもしれません。
ハープスターは阪神JFこそレッドリヴェールの驚異的な粘りにハナ差屈しましたが、チューリップ賞は次元が違うレースぶりで圧勝。阪神JFで上位だったレッドリヴェール、フォーエバーモア以外とは勝負付けがついたイメージでした。

レースではハープスターはスタート直後に後ろに下げ、4コーナー手前までは最後方を進みます。いくら馬を信じているとはいえ、単勝1.2倍の圧倒的な人気を背負っていると、騎手としては最後方を進むのは、かなり勇気がいることでしょう。実際に川田騎手もインタビューではかなり緊張したと語っています。
近年は落ち着いたペースが多い桜花賞ですが、逃げたフクノドリームは600mが33.8と早いペースで大逃げを打ちます。直線に入っても2番手以降とは6馬身以上離れており、本当に届くのかと心配になりました。しかし残り200mぐらいから後続が一気に迫り、残り100mを切ってレッドリヴェールが先頭に躍り出ますが、最後はハープスターが粘るレッドリヴェールを、測ったように差し切りました。

その着差はクビ差。さらに差してきたヌーヴォレコルトは2着から3/4差の3着。残念ながらハープスターは勝ったとはいえ、チューリップ賞のような圧勝という感じではありませんでした。では、その強さはどれぐらいのものなのでしょう。

まず勝ちタイムですが、過去10年ではアパパネが勝った2010年と並んで最速となる1.33.3。ただしアパパネは好位からレースを進めていて上りは34.1と平凡です。この年は逃げたオウケンサクラが2着に粘っておりペースはスロー。淀みのない流れと時計の早い馬場が要因といえるかもしれません。
次に上りタイムですが、ハープスターの32.9は過去10年でもっとも早かった2009年のブエナビスタの33.3を破る最速記録。ちなみに勝ち馬で34秒を切る上りを記録したのは、ダイワスカーレットとブエナビスタの2頭だけです。

こうしてみて見ると、タイム的には3冠牝馬のアパパネや、有馬記念勝ちのダイワスカーレット、天皇賞(秋)やJCを制したブエナビスタという過去の偉大なる牝馬を、3歳春の時点では上回る成績を上げたと言えるでしょう。
もちろん競馬はタイムだけで決まるわけではないですが、少なくとも名牝となるだけのポテンシャルを持っているのは間違いないわけです。

今後はオークスから、秋には凱旋門賞挑戦のプランもあるそうで、夢は大きく広がります。まずは無事にいって、秋にはさらなる大輪の花を咲かせることをぜひ期待したいと思います。