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2013年12月22日

「強い」という言葉しかない引退レース ~有馬記念

オルフェーヴルの引退レースとなった今年の有馬記念ですが、まさに唖然とするような強さを見せる圧勝で、劇的な最後を飾りました。ここまでオルフェーヴルは、3歳3冠をはじめG1 5勝を積み重ねてきましたが、最後にもっとも強い姿を見せて、改めて現役最強を印象付けました。

その強さへの期待は、1.6倍という単勝倍率にあらわれていたと思います。これは過去の有馬記念では、85年のシンボリルドルフ、94年のナリタブライアン、06年のディープインパクトの1.2倍に次ぐもので、ある意味勝って当たり前という評価でしたが、その3頭よりもインパクトのある勝ち方といえるのではないでしょうか。

レースでは、オルフェーヴルはいつものように馬群の後ろの方につけ、当面の敵といえるゴールドシップをマークするように進みます。動き始めたのは3コーナーの手前。外をぐんぐんと上がっていくと、4コーナーでは馬なりのまま先団につけ、そのまま直線では先頭にたって、あとは離す一方。
ダービーや菊花賞で常に2着に退けていたウインバリアシオンに、なんと8馬身差をつける圧勝でした。

現役最強を決める有馬記念では、中長距離が得意な多くの実力馬が集まるので、そんなに差がつくことは少ないのですが、今年の8馬身は2003年のシンボリクリスエスの9馬身に次ぐ大差で、シンボリルドルフの4馬身やナリタブライアンやディープインパクトの3馬身差をはるかにしのぎます。

まだまだ最強馬として現役を続けられる力をもっていながら、オルフェーヴルの競走生活はこれで終わります。これからはどの馬が強い馬として日本の競馬界を引っ張っていくのでしょうか。
また新しい楽しみが始まります。

2013年12月08日

ジンクスは破られるために・・・ ~阪神ジュベナイルフィリーズ

今年の2歳牝馬は、例年になくレベルが高いと言われています。その根拠の一つが、牡馬混合の2歳重賞の多くを牝馬が制していること。
今年の2歳重賞を初めて牡馬が制したのは、11/9の京王杯2歳Sのカラダレジェンドで、2勝目が翌週の東スポ杯のイスラボニータ。この2頭がともに朝日杯を回避したので、なんと今年は牡馬の重賞勝ち馬が1頭もいない朝日杯になります(ファンタジーSを制した牝馬のベルカントは登録したので、重賞勝ち馬が1頭もいない事態は回避できそう)。

そのベルカントを除く2歳重賞勝ち馬がすべて顔をそろえた阪神JFですが、上位2頭はいずれも無敗の2戦2勝で重賞を制した、レッドリヴェールとハープスターがハナ差の接戦を演じました。ちなみに3着も2戦2勝のフォーエバーモア(ちょっと応援していたので残念!)でしたが、3戦3勝のホウライアキコは7着に敗れました。

さてこの阪神JFの有力なジンクスの1つが、「休み明けはこない」でした。過去10年の連対馬20頭で、10月以降に出走していなかったのは、2004年に2着にきたアンブロワーズ(函館2歳S1着以来)ただ1頭です。それもあって、新潟2歳S以来のハープスターも、札幌2歳S以来のレッドリヴェールも、ちょっと心配していたのですが、まさかその2頭で決まるとは・・・。
これで、来年からは絞り込むための条件としての「休み明け」は、使えないことになります。ただし、休み前が重賞1着ということにすれば使えますが。

こうやって毎年消せる条件(ジンクス)をいろいろ探して、少しでも馬券攻略に役立てようと思うのですが、数年は通用しても、必ず破られることになります。やはり、競馬に必勝法というのは、ないということなのでしょう。

2013年12月01日

ベルシャザールはなぜ人気になったのか ~JCダート

今年のJCダートは、前走のJBCクラシックを勝ったホッコータルマエが、1.9倍という圧倒的な1番人気に支持されました。今年はJBCクラシックの他にも、かしわ記念、帝王賞とG1を3勝しており、1番人気にふさわしい成績をおさめているといえるでしょう。

しかし、よく成績を見てみると、好成績を残しているのは地方の交流重賞で、JRAの重賞は昨年のレパードSと今年のシリウスSのG3を2勝しているだけなのです。昨年のJCダート3着はともかく、年明けの東海Sも1番人気で3着に敗れ、その後は中央ではシリウスSしか走っていません。
地方のダートは比較的砂が深く時計が掛かるのに対して、中央のダートは軽く時計が早いのが特徴です。ホッコータルマエはあえて地方のレースを選んで使っている感もあり、スピード勝負に一抹の不安もあると感じたので、さすがに1.9倍は見込まれすぎかなと思いました。

対してベルシャザールはデビュー以来クラシック路線に乗ったこともあり、ずっと芝のレースを使われてきました。芝の重賞は勝てなかったものの、スプリングS2着、日本ダービー3着と良績を残してその後を期待されます。しかし菊花賞は17着に敗れ、その後は骨折もあり長期休養に入ったのです。
そして1年2か月ぶりとなる今年の5月に復帰。足元を気遣ってダートを使ったのですが、その準OPのレースでいきなり3着に好走します。

実はこのレース、80回の日本ダービーを記念して実施されたダービーメモリーズの1つ「ナリタブライアンカップ」でした。
個人的に記念馬券を残そうと各レースで1点ずつ複勝馬券を買っていたのですが、名前を憶えているというだけで選んだのが、ベルシャザールでした。長期休養明けだし、そもそも記念に買ってとっておこうと思っていたので、当たらない方がいいと思ったのです。
ところが思いもよらない好走で770円もついて、そこから個人的に注目するようになりました。

ダートという新天地で活躍を始めたベルシャザールは、OPブラジルCからG3の武蔵野Sも制して、菊花賞以来のG1となるJCダートに出走してきました。
ダート転向後3・1・1・0と底を見せていないのは事実ですが、最近はJCダートとはつながりの薄くなった武蔵野Sを勝っただけで、ホッコータルマエをはじめ、ローマンレジェンド、ワンダーアキュート、エスポワールシチー、ニホンピロアワーズなどの錚々たるメンバーに比べると、ちょっと格落ちの印象です。

しかし最終的に、8.4倍の3番人気に支持されたのには驚きました。連勝中の勢いや、鞍上のルメール騎手など、さまざまな要因はあると思いますが、個人的には血統も大きな要素ではないかと思っています。
父キングカメハメハは、ローズキングダムやアパパネ、ロードカナロアなど、芝で短距離から長距離までオールマイティに産駒を出していますが、ダートでもタイセイレジェンド、ハタノヴァンクール、ホッコータルマエなど距離を問わず大物を出しています。
現に今日のJCダートでも5頭の産駒が出走しており、種牡馬別ではもちろんぶっちぎりの1位です。
母父はサンデーサイレンスで、こちらも芝はもちろんダートも得意。その両方のよいところを受け継いで、芝・ダート兼用の大物になったということでしょう。

クラシックではオルフェーヴルという強い馬が同い年にいたこともあり、ベルシャザールはG1には手が届きませんでしたが、ダートに転向して念願のG1を制することができました。まだ底を見せていないわけで、どこまで強くなるのか夢が広がります。
ちょっと回り道をした感じもありますが、今後の活躍を期待したいと思います。