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2013年10月27日

そんなに強かったっけ?ジャスタウェイ ~天皇賞(秋)

今日の天皇賞(秋)は、単勝5番人気のジャスタウェイが、2着の1番人気ジェンティルドンナに4馬身差をつける圧勝で終わりました。で、最初に出てきた感想が、タイトルの言葉・・・。
ジャスタウェイといえば、東京の芝1800mに強いんだけど勝ちきれないとか、勝たないのになぜか人気になるというイメージが強く、前走の毎日王冠の末脚はすばらしかったのですが、2勝馬だし2000m以上には実績がないということもあり、さすがに重い印は打てませんでした。
調教も、パドックの様子も、なかなかよかったので、連下としては押さえましたが。

そんなこともあり、レース中はおもにジェンティルドンナの動向を気にしていました。
スタートを決めたジェンティルドンナは、トウケイヘイローを行かせて2,3番手につけますが、休み明けもあってか、最初はかなり行きたがるそぶりを見せて、ちょっとひやっとさせられました。しかも1000mが58.4という速めの流れを、先団につけていきます。
そして4コーナーを回ると、早くも追い出したトウケイヘイローに離されまいと、ジェンティルドンナの岩田騎手も猛然と追い出しにかかり、逃げるトウケイヘイローに並びかけます。そこに1頭だけまったく違う脚で迫ってきたのがジャスタウェイでした。
残り200mでジェンティルドンナを交わして先頭に立つと、一気に引き離して、その時点で勝負ありという感じ。1頭だけ34秒台(34.6)の上がりで、4馬身差の完勝でした。

しかし、いつこんな強さを身につけたのでしょう。
昨年の天皇賞(秋)は6着に好走したものの、そのあと年内は休養し、復帰したのは今年の正月の中山金杯。そこで1番人気3着に破れると、京都記念1番人気5着、中日新聞杯2番人気8着と人気を裏切り続けます。
いったん3ヶ月休養して、復帰したのが得意の東京芝1800mで6月に行われるエプソムC。ここで後方から最速の32.7で追い込んで2着に入ると、8月の新潟芝1600mの関屋記念、10月の東京芝1800mの毎日王冠と、いずれも最速の上がりで2着。特に毎日王冠は上がりの早いレースに対応して、中団から差すという器用な面も見せます。

エプソムC、毎日王冠でともに見せた究極の上がり32.7が、今から思えば今日の天皇賞(秋)の圧勝を暗示していたのかもしれません。2000m以上に実績がないとはいえ、父は有馬記念や芝2400mのドバイシーマCを制したハーツクライですし、母父は2000mの第1回BCクラシックを勝ったワイルドアゲインと、血統的には何の問題もないのです。
知らないうちに成長していたのに、気づかなかったということなのでしょう。

兆候に気づくというのは、なかなか難しいのですが、大レースに勝つ馬は、どこかで必ずその片鱗を見せているはずです。それに気づける観察眼と洞察力を磨きたいものです。

2013年10月20日

やはり強い馬が勝った? ~菊花賞

今年の菊花賞は、単勝1.6倍と圧倒的な1番人気に支持されたエピファネイアが、その期待にそぐわぬ力を見せて圧勝しました。
エピファネイアは春の2冠はロゴタイプ、キズナのそれぞれ2着でしたが、今回その負けた2頭も、弥生賞で破れた上位3頭も出走せず、かつ2冠レースで上位に入った馬さえいない。また神戸新聞杯も圧勝と、力的には負けるはずがない状況だったといえるでしょう。
その数少ない不安要素は、春に見せた折り合いを欠くこと。特に3000mの長丁場では、掛かって体力を消耗することは致命的です。また降り続いた雨により不良にまで悪化した馬場も、未経験という意味では不安要素でした。

スタートして最初に押して飛び出たネコタイショウ、さらにそれを交わしてバンデが先頭に立つのは、大方の想定どおりでした。しかしそれに続く、やや折り合いを欠いたエピファネイアがターフビジョンに映ると、大きなどよめきが起こりました。1週目の3コーナーの坂の下りで、必死に抑える福永騎手の姿を見たとき、エピファネイアの馬券を買っている人は、かなりの不安を抱かされたでしょう。
しかし直線に入るとなんとか落ち着きを取り戻したようで、前の2頭とは少しはなれて、リズミカルな走りでリラックスしているように見えます。それは2週目の坂の下りでも変わらず、よい手ごたえのまま、直線を向きます。

直線に入ると、必死に追う先頭のバンデに馬なりで並びかけ、追い出されると一気に伸びて後続を引き離します。
不良馬場もものともせず、あっというまに差を広げると、2着のサトノノブレスに5馬身差をつける圧勝でゴール。見事に圧倒的な1番人気に応えました。

強い馬が勝つといわれる菊花賞ですが、意外にも過去10年で1番人気で勝ったのはわずかに4頭。しかし、そのうち単勝1倍台で勝った3頭は、その後古馬になってもG1を制しています。
それは2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴル、2012年のゴールドシップの3頭。いずれもその世代を代表する最強馬と言われ、G1に出れば必ず人気を集めました。

今年のエピファネイアも、ディープインパクトの100円や、オルフェーヴル、ゴールドシップの140円にはおよびませんが、単勝160円とかなりの支持を集めました。ただし、もしキズナが凱旋門賞ではなく菊花賞に出ていたら、あるいはロゴタイプが順調でかつ菊路線を選択していたら、ここまでの支持は集められなかったでしょう。
そういう意味では、今後の活躍はエピファネイアと関係者のがんばりにかかっているともいえます。

春の2冠がいずれも2着で、そのあと菊花賞を制したのは20年ぶりだそうです。20年前の菊花賞馬といえばビワハヤヒデ。個人的には、初めて菊花賞を生で見た、思い出のレースでもあります。
その後のビワハヤヒデは、怪物と言われるほどの活躍を見せました。エピファネイアにもぜひ活躍してもらって、キズナやゴールドシップ、ジェンティルドンナ、そしてオルフェーヴルなどとの手に汗握る対決を見せてもらいたいと思います。