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2012年11月25日

3歳牝馬とは思えない勝負根性でした ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、ジェンティルドンナが史上初めて3歳牝馬で制しました。これまでは、1996年のファビラスラフインの2着が最高で、ウオッカでさえ4着に敗れていたので、いかにすばらしい偉業であるかがわかります。

発表された馬体重は前走に比べて-14kgと大幅減。パドックでは落ち着いていた秋華賞とは違って、かなりうるさく小脚を使ってちゃかついていました。3歳でキャリア8戦ということを考えると、かなり不安な状況でもあったのです。

ジェンティルドンナの岩田騎手は、馬場の内がよいので初めから狙っていたということで、意表をついて先行策に出ます。3番手で向こう正面に入ると、3コーナーからはやや抑えて、内で我慢します。
対するオルフェーヴルの池添騎手は向こう正面までは後方につけて、3コーナーすぎから外を通って上がっていき、4コーナーでは3番手の外。直線を向いたときは、オルフェーヴルの方がいつのまにか前に出ていました。

直線に入ると内のジェンティルドンナも猛然と追い出し、途中からは馬体をあわせてマッチレースの様相です。
そして逃げたビートブラックの後ろにジェンティルドンナを閉じ込めようと、オルフェーヴルが馬体をあわせに行ったとき、ジェンティルドンナの岩田騎手はオルフェーヴルをはじきとばして、進路を確保。3歳牝馬としてはひるんでしまうような場面ですが、躊躇することなく外に出ます。
そしてそこからは馬体をぶつけながらの壮絶な追い比べが100mぐらい続き、最後はジェンティルドンナがハナ差で制しました。
牡馬相手にたたきあいを制する精神力もすごいですが、相手をはじき飛ばす勝負根性にも驚かされました。
ただし、この進路のとり方が強引だということで、岩田騎手は2日間の騎乗停止となりましたが。

この勝利で、スティルインラブやアパパネといった3冠牝馬はもちろん、エアグルーヴ、ウオッカ、ダイワスカーレット、ブエナビスタといった、近年を代表する牝馬たちを、3歳秋の時点では越えたといえます。
そして有馬記念しだいですが、史上初の3歳牝馬の年度代表馬も見えてきたのではないでしょうか。現時点で有力なのは、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ゴールドシップの3頭ですが、オルフェーヴル、ゴールドシップが有馬記念で圧勝しないと、ジェンティルドンナが受賞する可能性はかなり高いと思います。

ジェンティルドンナは今年はこれで休養に入り、来年は海外も視野に入れるとのことですが、ぜひ海外のビッグレースでも、今日のような勝負根性を見せて、好成績をおさめることを期待しています。

2012年11月18日

武豊騎手、ようやく勝てました ~マイルCS

武豊騎手といえば、数々の記録を塗り替えてきたJRAを代表する騎手ですし、しかも関西所属なので京都競馬場はまさにホームグラウンドでもあります。そのため、そこで行われるG1 マイルチャンピオンシップ(マイルCS)を勝てないのは、本人でさえも不思議だと言っていたほど、まさに信じられない事実でした。

そしてついに、その不思議な現実に終止符が打たれる日が来ました。今日の29回目を数えるマイルCSで、4番人気のサダムパテックに騎乗し、好位から抜け出して、クビ差で勝利を飾ったのです。
実に21回目の騎乗での制覇だったとか。この間には、1989年のバンブーメモリーに乗って、いったん抜け出したものの、内からオグリキャップに差された2着をはじめ、4回の2着がありました。この10年でも、2003年のファインモーション、2006年のダンスインザムードと2回もあり、半ばジンクスのようにもなっていたように思います。

また、武豊騎手自身、2010年のジャパンカップでローズキングダムに乗って繰り上がり1着になって以来、約2年間もJRAのG1勝ちがないという事態に。つい4年前までは、当たり前のように毎年リーディングをとっていたのに、昨年はついに年間100勝に届かず、今年も関西リーディングで10位前後と、低迷しています。
G1でも気づけば人気馬に乗る機会も少なくなり、このまま終わってしまうのかと、個人的には危惧していました。

そんな中で、いろいろな声もあったでしょうが、久しぶりのJRA G1制覇で吹っ切れた部分もあるのではないでしょうか。
私は東京競馬場で観戦していたのですが、久々の武豊騎手のG1勝利に対して、あちこちから暖かい拍手がわいていました。

これで、JRA G1全制覇に向けて、残るは朝日杯フューチュリティステークスのみとなりました。このレースでも、武豊騎手はスキーキャプテンなどで2着3回と未勝利。
まだまだ老け込む年でもないと思いますので、前代未聞の偉業に向かって、がんばってもらいたいものです。

2012年11月11日

またもやG1 2着のヴィルシーナ ~エリザベス女王杯

エリザベス女王杯は、3歳牝馬3冠すべてで2着だったヴィルシーナが、ジェンティルドンナがいないここでは勝つだろうと、1.9倍の1番人気に支持されました。
16頭中G1馬は2頭いるものの、いずれも本調子ではなく前走は2桁着順。そのほかに重賞勝ち馬はヴィルシーナを入れても4頭で、条件馬が5頭もいるメンバーでは、当然の人気といえるでしょう。

しかし折からの激しい雨で、馬場はヴィルシーナにとっては初となる重馬場となりました。
レースはレジェンドブルーが逃げて、1000m1.02.4のスローペース。その中でヴィルシーナは先団の5~6番手につけます。3コーナー手前で、後方にいたエリンコートが動いて一気に先団にとりついたことで、各馬が動き出しペースアップ。ヴィルシーナの内田騎手も懸命に押しますが、重のせいか反応は今ひとつ。

直線に向いたときは、一足先に抜け出したオールザットジャズに3馬身ほどの差をつけられます。それでもじりじりと伸びて、オールザットジャズを交わそうとしたときに、外から一気にレインボーダリアが差してきて並びかけます。
そこからは2頭のたたき合いになりますが、秋華賞のリプレイのように、レインボーダリアに抜け出されてしまいます。ゴール前で猛然と追い込んできたピクシープリンセスにはなんとか交わされなかったものの、またもやG1での銀メダルという結果に終わりました。
これで牝馬3冠に続く4回目のG1での2着となります。

過去にもG1で2着を繰り返した馬たちがいました。ちょっと調べてみたところ、JRAのG1で2着が一番多いのはブエナビスタの6回(他に海外1回の計7回)。しかしブエナビスタはG1を6勝しており、年度代表馬にも選ばれた名牝ですので、まだよいでしょう。
次はメイショウドトウの5回ですが、宝塚記念で宿敵テイエムオペラオーに一矢報いています。
G1を勝っていない馬では、シルバーコレクターと呼ばれたシーキングザダイヤが有名です。JRAのG1は2着が4回。しかも地方でも5回の2着があり、合計9回は悲運としかいえません。
なお、地方の馬では、フリオーソの合計10回(JRA1回、地方9回)というのが最多です。

ヴィルシーナは、3歳にして早くもメイショウドトウに1差となる4回のG1 2着という結果となりました。
個人的には、調教もパドックも秋華賞の方がよく見えたのでどうかと思っていたのですが、それでも僅差の2着は立派だと思います。

この2走の最後に差し負けるレースぶりや、クイーンCの鮮やかな勝ち方を見ると、実はマイルぐらいが一番あっているのかもしれません。
今年はこれで終わりかもしれませんが、来年こそはヴィクトリアMあたりで、ぜひ初G1制覇を飾ってもらいたいと思います。