連覇に導いたルメール騎手の手腕 ~エリザベス女王杯

オッズ上は上位4頭の混戦という感じでしたが、終わってみればラッキーライラックが強い競馬で連覇を達成しました。これはメジロドーベル(1998年、1999年)、アドマイヤグルーヴ(2003年、2004年)、スノーフェアリー(2010年、2011年)に続く4頭目の快挙。関係者の皆様、おめでとうございます。

ラッキーライラックの強さを一番強く感じさせられたのは、個人的には昨年のエリザベス女王杯でした。
デビュー4連勝で阪神JF、チューリップ賞と制したものの、1番人気の桜花賞でアーモンドアイに後方からすごい脚で差し切られて2着に敗れると、そこから長いトンネルに入ってしまいます。先行して差され、差して伸び切れずという競馬を繰り返す中、世界的名手スミヨン騎手を鞍上に迎えた昨年のエリザベス女王杯で、中団から内を目の覚めるような末脚で伸びて、1 1/4馬身差で完勝したのです。

スミヨン騎手が新しい可能性を見出してから、主戦騎手はM.デムーロ騎手に替わり、今年の大阪杯も同様に内から差してきてクロノジェネシスをクビ差抑えてG1 3勝目を飾ります。
しかし宝塚記念は、やや重の馬場に悩まされたこともあり2.5秒差6着と思わぬ大敗を喫すると、1番人気の札幌記念も先行して早めに抜け出しますが、仕掛けが早かったか最後に差されて2 1/2馬身差3着。

今回M.デムーロ騎手がラヴズオンリーユーに騎乗することもあり、新たにルメール騎手とコンビを組むことになりました。
ルメール騎手は特にこの秋は充実している印象で、グランアレグリアでスプリンターズSを制すると、菊花賞では無敗3冠のコントレイルをアリストテレスで最後まで苦しめ、天皇賞(秋)ではアーモンドアイと芝G1 8勝を達成。さらにそこから京王杯2歳S、アルゼンチン共和国杯と重賞騎乗機会3連勝も達成してしまいます。

そんな乗っているルメール騎手なら、スミヨン騎手のようにラッキーライラックの新しい強さを引き出すことができるのではと期待してしまいます。
レースでは大外の18番というやや不利な枠から出ると、ルメール騎手はすぐに内の他馬の後ろに入れて折り合わせます。その位置は中団後方と、いつもよりもかなり後ろ。
意表を突いて逃げたノームコアのペースは、1000m59.3と近年ではやや速め。それをラッキーライラックは中団後方の外で折り合って追走します。そして3コーナー過ぎから進出開始すると、4コーナーでは早くも先団の外。
直線に入って馬なりで先頭のノームコアを交わすと、馬場中央を力強く抜け出します。最後は外から追い込んできたラヴズオンリーユー、サラキアに差を詰められるも、サラキアをクビ差抑えて戴冠。見事G1 4勝目を飾りました。

昨年のスミヨン騎手の戦法とは異なりますが、まさにこのタイミングしかないという追い出しで最後まで抜かせなかったルメール騎手の手腕は、すばらしいと感じました。インタビューでもラッキーライラックの強さに大きな信頼を置いていたことは感じられましたが、その自信があればこその騎乗だったのでしょう。

これでルメール騎手は今年のG1勝利を6として、自身の持つ記録である年間最多8勝まであと2勝としました。
来週のマイルCSのグランアレグリアやJCのアーモンドアイなど、今後も有力馬への騎乗が多いことを考えると、その更新も十分可能性があると思います。
牡牝の無敗3冠達成や、芝G1 8勝など、今年の競馬は馬の偉大な記録がいろいろ打ち立てられる年となりましたが、騎手の記録も出るか、注目したいと思います。

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