道悪の巧拙が明暗を分けました ~宝塚記念

宝塚記念といえば、梅雨時期のシーズン末に行われるということで、毎年時計が掛かるレースになります。そのためスピード型よりもパワー型がくるイメージなのですが、意外と牝馬が強いというのも特徴としてあげられます。

これらを総合すると、必然的に中心となるのはクロノジェネシスというのが事前の予想でした。
全5・2・2・1で着外は昨年のエリザベス女王杯5着だけ。やや重の秋華賞を2馬身差で圧勝し、2走前の重の京都記念も2 1/2馬身差で楽勝と、道悪での強さは光るものがあります。かつ前走の大阪杯では歴戦の牡馬相手に、勝ったラッキーライラック(牝馬ですが)にクビ差の2着と実力的にも申し分なし。
人気はサートゥルナーリア、ラッキーライラックに次ぐ3番人気あたりかと思っていたのですが、最終的には道悪のうまさを評価されたためか2番人気に。

天気予報は朝まで雨ということで、回復してもやや重までと踏んでいました。
しかし意外と回復は早く、7Rからは良になってしまいました。この時点で早くも予想の見直しが必要かと思ったのですが、なんと10Rの前に再び雨が降り出し、短時間ではあったものの量が多かったのか、馬場状態は再びやや重に逆戻り。
短時間での馬場悪化はあまり経験がないのですが、これが結果オーライになりました。

レースでは、逃げるのではと思われたキセキが出遅れて後方からと意外な展開に。内から押してハナに立ったトーセンスーリヤが作るペースは、1000m1.00.0と、やや重では平均ペース。
それをクロノジェネシスは中団外で追走。対する1番人気サートゥルナーリアはやや後方の内、3番人気ラッキーライラックは少し前を行きます。
馬場状態を考えるとクロノジェネシスは少し後ろ過ぎるのではと心配したのですが、抜群の手ごたえで3コーナー過ぎから外を通って進出すると、4コーナーでは先頭のトーセンスーリヤ、ラッキーライラックに並びかけます。さらに外からはつれて上がってきたキセキの姿も。
この時、懸命に追う他馬に対してクロノジェネシスの北村友騎手は手綱を動かさず持ったままで、あきらかに手ごたえが違います。
そして直線に入ると馬場中央を一気に伸びて、内のラッキーライラックや外のキセキを、あっという間に置き去りに。後方から伸びる馬もなく、最後は2着キセキに6馬身差をつける圧勝でした。

馬場状態が違いますが、昨年のリスグラシューの3馬身差を大きく超える衝撃的な勝ち方で、その強さは昨年の有馬記念のリスグラシューのパフォーマンスを彷彿とさせました。
秋の成績次第では、アーモンドアイやラッキーライラックを抑えて最優秀4歳以上牝馬の獲得も夢ではないでしょう。意外とここが最も激烈な戦いになるかもしれません。

では他の馬たちの好走、凡走の要因はなんでしょうか。
まずは2着のキセキですが、その走りには驚かされました。武豊騎手が秘策があるようなことを言っていたのですが、よもや出遅れは予想していなかったのではないでしょうか。
最初の直線で後方から進む姿を見た時は、不良で圧勝した菊花賞と同じ追い込み戦法をとるのかと思ったのですが、向こう正面で少しずつ上がっていくと、3コーナーからは先に仕掛けたクロノジェネシスを追って進出し、4コーナーでは先頭に並びかける勢い。
さすがに直線ではクロノジェネシスには突き放されましたが、最後までじりじりと伸びて昨年と同じ2着を確保。しかし1番人気の昨年とは違って、その後好走がないこともあり、今日は6番人気の低評価。
道悪適性と長距離でも対応できるスタミナを最大限に生かした、武豊騎手の好騎乗と言えるでしょう。

1番人気のサートゥルナーリアですが、調教もパドックでの気配も素晴らしく、もしかして圧勝もあるのではと思っていました。
スタートはうまく出たものの、馬場のせいか進んでいかず、道中は中団後方から進めます。3コーナーからクロノジェネシスやキセキが進出開始したとき、ルメール騎手も懸命に押してはいますが、なかなか前に行けません。
4コーナーで外に出して懸命に前を追いますが、直線に入っても伸び脚は一息で外によれたりします。最後は一足先に抜け出したモズベッロも捉えられず4着まで。
初の道悪馬場が意外と効いた感じでした。本当はもっと前につけたかったと思うのですが、そもそもポジションを取りに行くのも難しいという感じ。やはり良馬場の上り勝負があっている印象です。

そして2番人気のラッキーライラック。大阪杯は狭い場所を抜けだして勝つなど、精神的な成長が大きいイメージでした。
今日は好位追走から早めに先頭に並びかけるというM.デムーロ騎手の作戦はよかったと思うのですが、4コーナーでのクロノジェネシスとの手ごたえの差は明らか。直線は差を広げられる一方で、2.5秒差の6着と思わぬ差での敗戦となってしまいました。
こちらもやはり敗因は道悪に尽きるでしょう。父オルフェーヴルから勝手に道悪は大丈夫と思っていたのですが、意外とこたえた印象です。

最後に12番人気で3着に入ったモズベッロ。今年充実しているので気にはなったのですが、日経新春杯1着が52kgということもあり軽視してしまいました。
それよりも池添騎手のグランプリ(宝塚記念、有馬記念)での強さには恐れ入ります。両レースとも3勝ずつしており、今後も出走するときは要注目でしょう。

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