世代による力の差を考える ~マイルCS

今年のマイルCSは、馬主(ダノックス)も父親(ディープインパクト)も同じ2頭の馬が、人気の中心となりました。

1頭は2年前の2歳王者ダノンプレミアム。サウジアラビアRC、朝日杯FCと連勝した後、翌年は弥生賞も勝ち、一躍クラシックの最有力候補となるものの、皐月賞は怪我で回避。休み明けのダービーは1番人気に支持されるも失速して6着と初の敗戦を喫します。
その後、3歳は全休して復帰した今年の春に、いきなり金鯱賞とマイラーズCを連勝し、力があるところを見せつけます。安田記念は大きな不利で大敗したものの、天皇賞(秋)は粘ってアーモンドアイの2着。勝ち馬には離されたものの、適距離のマイルならと、マイルCSでは2.4倍の1番人気に支持されました。

対するのは、今年の皐月賞アタマ差3着、ダービーはクビ2着とクラシックで僅差の勝負を演じたダノンキングリー。秋初戦の毎日王冠を最後方から33.4の脚で一気に差し切り1 1/4差の完勝。安田記念の勝ち馬モズアスコット、インディチャンプや2年前のマイルCS勝ち馬で昨年も2着のペルシアンナイトというマイルG1馬を破ったことで、1800mのレースではあるものの、デビュー2戦のマイル戦での強さもあり、3.9倍の2番人気に支持されたのです。

4歳世代の特にマイルでは実力上位のダノンプレミアムに対して、3歳世代でベスト3に入る力の持ち主ダノンキングダム。この2頭の比較において、世代の力差は気になります。
そこでこの2世代の3歳7月から10月における古馬重賞での成績を調べてみました。

まずは現4歳世代の実績から。昨年7月から10月の古馬平地重賞で、3歳馬が勝ったのが3戦(関屋記念、新潟記念、シリウスS)で、最高着順が2着だったのが5戦(アイビスSD、キーンランドC、セントウルS、スプリンターズS、毎日王冠)と合計8戦で3歳馬が連対しています。
対して今年の3歳馬が勝ったのは2戦(中京記念、毎日王冠)で、最高着順が2着だったのが2戦(北九州記念、セントウルS)と合計4戦。
単純に数を比較してみると、勝ち数こそ1差ですが、2着まで広げると倍となり、明らかに差があるように見えます。

実は昨年の3歳世代(現4歳)はとても強い世代で、秋の古馬平地G1(全7戦)ではマイルCS(ステルヴィオ)、JC(アーモンドアイ)、チャンピオンズC(ルヴァンスレーヴ)と3連勝し、さらに有馬記念もブラストワンピースが勝って4勝。これはグレード制が導入された1984年以降で最多でした。

これを見る限り、世代の力的には4歳が上と考えられ、したがって世代上位の2頭の比較では、4歳のダノンプレミアムを上位とするのが正しいと思われます。
そしてレースでもその選択が正しいことが示されました。

好スタートから好位の外につけたダノンプレミアムに対して、ダノンキングダムはその後ろの内につけます。4コーナーでスムーズに外を上がっていくダノンプレミアムに対して、ダノンキングダムは最内を突きます。直線でダノンプレミアムはじわじわと外から脚を伸ばしますが、内のダノンキングダムは懸命に押すものの伸び一息。残り100mで2頭の対決は決します。
しかし逃げたマイスタイルを馬場中央から 捉えようとするダノンプレミアムを、並ぶ間もなく内から交わしていったのが、安田記念の勝ち馬で同じ4歳のインディチャンプ。
アーモンドアイの追い込みをギリギリ抑えた安田記念とは違って、鋭い末脚で抜け出す強い勝ち方で、G1 2勝目を飾りました。

終わってみれば上位2頭は強い4歳勢で、3着は2年前の勝ち馬で昨年2着の5歳馬ペルシアンナイト。4着も同じ5歳のマイスタイルで、ダノンキングダムは残念ながら5着に敗れました。
これでこの秋の古馬G1は4戦すべて4歳勢が勝利。このままJC、チャンピオンズC、有馬記念も4歳勢が制するのか、あるいは3歳や5歳以上が巻き返すのか。今後も世代間の争いに注目したいと思います。

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