2強の明暗分かれる。アーモンドアイ、しびれるような強さでした ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、同じロードカナロア産駒のアーモンドアイとサートゥルナーリアの2強という構図になりました。しかし個人的にはアーモンドアイの1強というイメージだったので、意外とサートゥルナーリアが人気になったという感じでした。

アーモンドアイは去年の牝馬3冠に加えて、JCでは驚異的な世界レコードでキセキ以下の古馬を完封。3月のドバイターフも快勝し、安田記念こそスタートの大きな不利でクビ+ハナ差の3着に敗れたものの、最後は32.4の究極の上りで差してきて、あと10mあれば差し切っている勢いでした。
馬は厳しい勝負を経験することで鍛えられると思うのですが、その意味では踏んでいる場数とその厳しさを考えると、現役のJRA競走馬の中では経験値はNo.1と言えるのではないでしょうか。

対するサートゥルナーリアはホープフルSを快勝した後、休み明けの皐月賞でヴェロックス、ダノンキングリーの追撃を封じて戴冠。ダービーは直前でテンションがあがったこともあり4着に敗退。ところが夏を越した神戸新聞杯は32.3の上りでヴェロックスを3馬身突き放す強い勝ち方。ダービーで感じさせた不安を一掃させました。
しかし個人的にはダービーでヴェロックスに差し返されたレースぶりに加えて、超スローの上り勝負となった神戸新聞杯が、天皇賞(秋)とは展開が全く違うであろうことに不安を感じました。

競馬では2強は並び立たないのがほぼ常識となっていますが、以上のことに加えて、パドックでのアーモンドアイのすばらしい気配、落ち着きとトモの深い踏み込みに対して、サートゥルナーリアは心なしかやや落ちる感じがあり、個人的にアーモンドアイが中心になる確信を得ることができました。

レースでは好スタートを切ったアーモンドアイですが、外からアエロリットが前に行くと後ろに下げます。さらにサートゥルナーリアも押して、2コーナーではアーモンドアイを交わして3番手へ。アーモンドアイは5,6番手の内を追走します。
サートゥルナーリアのスミヨン騎手は、前を捉えられなかったダービーや、スローを早め先頭から後続を突き放した神戸新聞杯を見て、先行して早めにスパートし、長く脚を使ってアーモンドアイの末脚を封じる作戦に出たのではないでしょうか。
そのまま直線に向くと、残り400mで先頭のアエロリットと内ラチの間の1頭分空いたスペースをついてアーモンドアイがスパート。外のサートゥルナーリア、ダノンプレミアム、さらに先頭のアエロリットも一気に交わします。そのままぐんぐん突き放し、最後は2着ダノンプレミアムに3馬身差の完勝。
まさにしびれるような強さを見せ、あらためて現役最強を強く印象付けました。

勝ちタイムは1.56.2。これは2011年のトーセンジョーダンのレコードに0.1秒差という優秀なもの。上りは4着ユーキャンスマイルに0.1秒およばない33.8でしたが、ルメール騎手は最後に追うのをやめており、実質1番と言えるでしょう。
どこからでもレースができる自在性もあり、完成形に近づいている感があります。今まで見た牝馬ではジェンティルドンナが一番強かったと思っているのですが、それに並ぶか、あるいはすでに抜いていると言えるかもしれません。

対するサートゥルナーリアですが、アーモンドアイに交わされたあとダノンプレミアム、アエロリットとの2着争いをするものの、残り100m手前で脱落。最後は差してきたユーキャンスマイル、ワグネリアンにも交わされて6着に終わりました。
敗因はわかりませんが、向こう正面ではやや掛かっているように見え、気性的な問題がダービーに続いて出てしまった感もあります。また休み明けの方がパフォーマンスがいいということと、東京はあまりよくない印象を受けました。距離は何とも言えませんが、東京ならマイルぐらいの方が合うのかもしれません。

ところでこの秋のG1は、比較的単純な結果に終わっています。
秋華賞の上位3頭は桜花賞、オークスの3着以内に入っていた3頭で決まりましたし、菊花賞はトライアル(神戸新聞杯、セントライト記念)の3着以内に入っていた関西馬3頭で決まりました。
そこで今回も何か単純な結果になるのではと思っていたのですが、終わってみれば安田記念の1~3番人気の3頭が、その順番どおりに入りました。
次のエリザベス女王杯もこの傾向が引き継がれるとしたら、どんな結果になるのかについても、考えてみたいと思います。

【アーモンドアイ】パドックでの気配も抜群でした

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