春の実績馬か夏の上り馬か ~秋華賞

秋華賞と菊花賞では、春のクラシック実績馬を上位に取るか、それとも夏の上り馬を中心に考えるか、毎年のように頭を悩ませます。
もちろん年によって違うのですが、秋華賞の場合はおおむね春のクラシックで活躍した馬が来ることが多いように思います。

過去10年を見てみると、2011年アヴェンチュラ、2014年ショウナンパンドラ、2016年ヴィブロスの3頭だけが春のクラシック未出走で秋華賞を制しています。ところが、アヴェンチュラは阪神JF4着、ショウナンパンドラはフラワーCとスイートピーSともに5着、ヴィブロスはチューリップ賞とフラワーCともに12着と、勝てないまでもそれぞれクラシックの前哨戦には参加しており、純粋な夏の上り馬というイメージとはちょっと違います。

ことしは17年ぶりに春のクラシックホースが参戦しない秋華賞ということで、その17年前の勝ち馬ファインモーションが話題になりました。
ファインモーションは夏の北海道で500万、1000万と連勝し、その勢いでローズS、秋華賞、さらにエリザベス女王杯まで勝って、デビュー6連勝でG1連勝と、まさに典型的な夏の上り馬だったのですが、逆にかなりレアなケースと言えるのです。

今年は桜花賞馬グランアレグリアが短距離戦線に向かい、オークス馬ラヴズオンリーユーが体調が整わず回避とクラシック勝ち馬が不在ということもあり、かなりの混戦模様となりました。
1番人気は2歳女王のダノンファンタジー。1番人気の桜花賞は4着で、オークスは5着と春は活躍できなかったものの、ローズSを快勝して臨んできました。
2番人気はオークス2着のカレンブーケドール。紫苑Sは差のない3着と好走しています。
3番人気は夏に500万、1000万と連勝したエスポワール。特に1000万は古馬相手に4馬身差で制して、まさに夏の上り馬で勢いを感じます。

1番人気のダノンファンタジーが単勝3.5倍で、5番人気までが1桁とまさに混戦でしたが、勝ったのは単勝6.9倍の4番人気クロノジェネシス。桜花賞、オークスとも3着と、春のクラシックでは最も安定感を見せていましたが、オークス以来の5か月ぶりということが、4番人気という評価になったのだと思います。
+20kgと少し不安を感じさせる馬体重でしたが、気合乗りよく馬体も太さは感じさせず、おそらくすべて成長分だったのでしょう。
レースでは中団追走から直線はうまく外に出し、追いすがるカレンブーケドールに2馬身差をつけて、春のうっぷんを晴らすような快勝でした。

2着はオークス2着のカレンブーケドールで、3着は桜花賞2着のシゲルピンクダイヤ。春のクラシック3着以内馬3頭を買うだけで3連複15,170円を1点で取れるという、終わってみれば単純な結果に、あらためて秋華賞は春の実績馬を上位に取るべきと肝に銘じたいと思います。
逆にエスポワールは9着と失速。デビュー以来3連勝のディープインパクト産駒サトノダムゼルも7番人気で13着と沈みました。古馬相手に1000万を勝っていたとしても、やはり強い相手と戦った経験は必要なのかもしれません。

ところでクロノジェネシスの父は、2004年の凱旋門賞を制したバゴ。実は2007年に日本軽種馬協会静内種馬場を訪れた際に会っています。そこにはオペラハウスもいて、2頭とも人懐こく、見ていると寄ってきて愛想を振りまいてくれました。ヨーロッパの馬は人懐こいのかなと思ってことを覚えています。

しかしその後バゴの産駒成績は今一つ。2010年にビッグウィークが菊花賞を制したものの、7番人気でそれ以外に重賞は勝てず、最後は障害入りして結局種牡馬にはなれませんでした。
他にもクロノジェネシスを含めて5頭の重賞勝ち馬がいるものの、いずれも重賞は1勝止まり。クロノジェネシスが今回バゴ産駒として初めて重賞2勝馬となったのです。

今回G1を圧勝したことで、バゴの種牡馬としての評価も上がるでしょうし、父にとっては孝行娘です。今後も活躍して、父を喜ばせてあげてほしいと思います。

クロノジェネシスの父バゴ 日本軽種馬協会静内種馬場にて 2007年9月19日

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