14年ぶりの無敗の皐月賞馬誕生

今年の皐月賞は、桜花賞に続いて年明け初戦の馬が勝つのかが大きな焦点でした。そのサートゥルナーリアは、2歳時に新馬、OP萩S、G1ホープフルSとすべて楽勝。いずれも追うところなく勝っており、そのスケールの大きさは特に厩舎関係者などに大きく評価されていたように感じます。
しかし負かした馬たちのその後の成績が今一つということで、レースのレベルへの疑問の声もあり、また2年前に同じローテーションで皐月賞に臨んだレイデオロが5着に敗れていたことで、絶対的な存在ではないのではという声もありました。

またサートゥルナーリアとダノンキングリーが今年は3戦無敗で皐月賞に出走してきましたが、3戦3勝の馬たちの成績が今一つということも、つけ入るすきがあるのではという根拠になっていました。
近年3戦3勝で皐月賞に出走したのは、2014年:トーセンスターダム(11着)、2015年:キタサンブラック(3着)、サトノクラウン(6着)、2016年:マカヒキ(2着)、サトノダイヤモンド(3着)、2017年:ファンディーナ(7着)、レイデオロ(5着)とそうそうたるメンバーですが、未勝利に終わっています。

キャリアが少ないということは、未対戦の馬が多いということでもあり、いくら下馬評で強いと言われても、実際に走ってみないと力関係はわからないというのが多くの人の実感ではなかったでしょうか。
しかしそんな中でも、サートゥルナーリアは1.7倍の1番人気に支持されました。

レースでは、好スタートを切ったサートゥルナーリアは、無理せず中団の外につけます。そのまま向こう正面まで折り合って中団を進み、3コーナー手前でルメール騎手に促されると進出開始。4コーナーで先団につけると、直線は先に抜け出したヴェロックスを追って残り200mで並びかけます。
そこから一気に突き放すかと思ったのですが、馬体を合わせたヴェロックスが粘り、さらに最内からダノンキングリーが伸びてきて3頭の叩き合い。ゴール前でサートゥルナーリアが抜け出したものの、内の2頭も粘り差なくゴール。
結局サートゥルナーリアが勝ったものの、2着ヴェロックスとはアタマ差。さらにそこからハナ差で3着ダノンキングリーという結果になりました。

これでサートゥルナーリアはディープインパクト以来15年ぶりの無敗の皐月賞馬となりました。ディープインパクトといえば、言わずと知れた無敗の3冠馬ですが、無敗の皐月賞馬は他にどんな馬がいるのか、少し調べてみました。
すると、驚くことにキラ星のような名馬たちが無敗で皐月賞を勝っていたのです。

まず平成に限ると、トウカイテイオー(1991年)、ミホノブルボン(1992年)、アグネスタキオン(2001年)、ディープインパクト(2005年)とすごい馬たちが並びます。
また皐月賞後に怪我で引退したアグネスタキオンを除いて、他の3頭はそのまま無敗のダービー馬となっているのです。これを見る限り、サートゥルナーリアのダービー制覇はかなり確率が高いように思えます。

では昭和の無敗の皐月賞馬はどうでしょう。調べてみると、1941年の初代3冠馬セントライトから、1985年のミホシンザンまで12頭いることがわかりました。
その中には、東京競馬場に銅像があるトキノミノル(1951年)、戦後初の3冠馬シンザン(1964年)、競馬ブームの立役者ハイセイコー(1973年)、TTG3強の1頭で3冠馬ミスターシービーの父トウショウボーイ(1976年)、史上初の無敗の3冠馬シンボリルドルフ(1984年)など、競馬ファンなら誰でも知っているような名馬が並びます。
しかしこの12頭の内、ダービーも勝ったのは、セントライト、トキノミノル、クリノハナ(1952年)、コダマ(1960年)、シンザン、シンボリルドルフの6頭。勝率は5割に落ちてしまいます。
残り6頭の内、ダービー不出走はミホシンザンだけで、他はいずれもダービーで敗れているのです(アルバイト[クリヒカリ](1942年):ダービー2着、ダイナナホウシユウ(1954年):ダービー4着、ハイセイコー:ダービー3着、キタノカチドキ(1974年):ダービー3着、トウショウボーイ:ダービー2着)。
このうちダイナナホウシユウ、キタノカチドキは菊花賞を勝っているので、ダービーを勝っていれば3冠馬になっていました。

次の興味の焦点は、サートゥルナーリアがダービーも制して無敗の2冠馬になるかでしょう。その最大の懸念は、皐月賞でのアタマ差という着差の少なさだと思います。
平成における無敗の2冠馬の皐月賞での着差は、トウカイテイオー:1馬身、ミホノブルボン:2 1/2馬身、ディープインパクト:2 1/2馬身と比較的はっきりと差をつけて勝っています。

しかしサートゥルナーリアは、史上初めて年明け初戦で皐月賞を制しており、休み明け2戦目となるダービーでは調子を上げてくる可能性があります。最近は外厩を使って馬体はきちんと仕上げられるものの、勝負勘や闘争心などの精神面は競馬を使って養われる面もあると思うのです。

今後ダービー戦線は、皐月賞の上位3頭を中心に展開されるでしょう。皐月賞をパスした馬や、青葉賞や京都新聞杯からくる馬も含めて、いよいよダービーに向けてクラシックの盛り上がりも最高潮になっていきます。

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