休み明けはマイナス要素ではなくなった? ~桜花賞

今年の桜花賞は阪神JFとチューリップ賞を連勝したダノンファンタジー(栗・中内田厩舎)と、そのダノンファンタジーを新馬戦で2馬身差で下してサウジアラビアRCも圧勝し、牡馬相手の朝日杯FSで4着に敗れそれ以来のグランアレグリア(美・藤沢和厩舎)が、1番人気を争いました。
個人的にもこのどちらかが桜花賞馬になるとは思いましたが、グランアレグリアの大きな不安要素は、朝日杯FS以来の4か月の休み明けということでした。

藤沢和厩舎の休み明けの桜花賞というと、スティンガーを思い出します。
スティンガーは1996年生まれのサンデーサイレンス産駒で、1998年に新馬、500万下と連勝で臨んだG1 阪神3歳牝馬S(現阪神JF)を後方一気で2馬身差の圧勝。1999年の牝馬クラシック候補の1番手となったのです。

そして陣営は桜花賞出走にあたり、当時は異例だった阪神3歳牝馬Sから直行というローテーションを選択しました。トライアルで強いパフォーマンスを見せた馬がいなかったこともあり、スティンガーは桜花賞で3.1倍の1番人気に支持されます。
半信半疑ではあったものの、当時すでにトップトレーナーとして評価が高かった藤沢和師が選択したローテーションであれば、間違いはないだろうと、スティンガーを中心に馬券を買ったことを覚えています。

しかしレースでは、久々が響いたのか出遅れてしまい後方を追走。そのまま直線に入っても伸びず、人気を大きく裏切る12着と大敗します。岡部騎手がただ1つ手にしていないクラシックである桜花賞をようやく勝てるかという興味もあったので、2重の意味で落胆しました。
当然このローテーションには大きな非難が巻き起こりました。有名な評論家の大川慶次郎氏も、トライアルを使うべきだったと、TVで怒りのコメントをしていたことを覚えています。

その後、藤沢和師はダンスインザムードで桜花賞を勝ちますが、この時はフラワーCからのローテーションでした。そして2年前のソウルスターリングは阪神JFを勝った後にチューリップ賞を連勝。しかし桜花賞では圧倒的な1番人気を裏切って3着に敗れてしまいます。

今から考えると、スティンガーとソウルスターリングの2頭の敗戦の経験が、今回の休み明けでの桜花賞挑戦につながったのではないでしょうか。
スティンガーの敗戦による非難は当然藤沢和師にはこたえたでしょうし、それがソウルスターリングのローテーション選択に影響したと思います。ところがトライアルを使ったことにより、短い期間に2回も阪神に輸送することになりました。桜花賞の敗因は馬場が合わなかったこととルメール騎手も藤沢和師も言っていましたが、トライアルを使ったこともあったのかもしれません。

近年の調教技術の進歩は大きく、特に外厩を使った調教は、今の競馬には欠かせなくなっています。そのため休み明けも以前とは意味が異なるのでしょう。昔から鉄砲が効く馬もいて、トウカイテイオーのように1年ぶりでG1を制することもありましたが、最近は3歳クラシックにおいてさえも、休み明けを気にする必要は低くなっているように思います。
昨年桜花賞を制したアーモンドアイも、シンザン記念以来の3か月ぶりもあって2番人気でしたが圧勝しましたし、そのあとも間隔を取って出走し、結果を出しています。
そして今年のグランアレグリアも、アーモンドアイを上回る4か月ぶりをものともせず、桜花賞レコードで2 1/2馬身差の圧勝を飾りました。藤沢和師としては、スティンガーの無念をようやく晴らしたのではないでしょうか。

グランアレグリアは休み明けということもあり、掛かることを心配しました。実際にスタートして向こう正面では掛かりぎみになり、ルメール騎手が抑えています。しかしダノンファンタジーも1週前追切りでは掛かったこともあり、川田騎手も折り合いに気を使っている様子で、グランアレグリアの後ろでやはり抑え気味でした。
しかし3コーナー過ぎからは折り合ったこともありグランアレグリアが前に出していったのに対して、ダノンファンタジーは折り合いに専念。結果としてグランアレグリアは4コーナー手前で先頭に立ったのに対して、直線に入った時にはダノンファンタジーは2馬身半ほど差をつけられてしまいます。
そのためダノンファンタジーは早めに追い出さざるを得ず、懸命にグランアレグリアを追いますが差は詰まりません。早めに追い出したためか、ダノンファンタジーの脚色はゴール前で衰え、追い込んできたシゲルピンクダイヤとクロノジェネシスに交わされて4着に終わりました。

この結果を受けて、オークスでは2頭の評価は完全に裏返るでしょう。折り合いにもスタミナにも心配の少ないグランアレグリアの評価が上がるでしょうし、今日の着差を見れば、桜花賞組ではオークスでグランアレグリアを逆転できる馬はいないと思います。
現状ではフラワーCを勝ったコントラチェックと今日の忘れな草賞を勝ったラヴズオンリーユーなどが有力と思いますが、はたして逆転まではどうでしょう。

昨年のアーモンドアイのレースにもかなりの衝撃を受けましたが、グランアレグリアのパフォーマンスもそれに劣らないものでした。2年連続の3冠牝馬誕生の可能性も、かなり高いと思います。

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