クラシックの行方は見えたか ~チューリップ賞&弥生賞

牡牝それぞれのクラシックの大事な前哨戦である、チューリップ賞と弥生賞が終わりました。これでクラシックの行方は見えてきたのか、ちょっと考察してみます。

今年の傾向として、どちらも前評判の高い馬たちが集まったということがあげられます。もちろんどちらも1冠目と同じ距離・舞台で行われるため、例年実力馬が集まるのですが、今年は特にそれが強く、ともに10頭立てと少頭数になりました。

まずチューリップ賞ですが、上位人気は阪神JFで1~3着を占めたラッキーライラック、リリーノーブル、マウレアが、その着順通りに1~3番人気に支持されます。阪神JFでは3頭で4着以下を離したこともあり、その3頭だけが1桁人気でした。
中でもラッキーライラックは1.8倍と圧倒的で、これは阪神JFで見せたパフォーマンスから当然の結果でもあるでしょう。

レースは最初の600mが35.4と、前の2頭が離した割にはゆったりとしたペースでしたが、その中でラッキーライラックは離れた3番手で折り合い、マウレア、リリーノーブルがその直後でマークして進みます。そのまま3頭とも馬なりで4コーナーを回り直線に入ると、馬なりのままのラッキーライラックに対して、マウレアとリリーノーブルは懸命に追いますが差は詰まらず。そしてラッキーライラックが追い出すと一気に差を広げ、ゴール前は石橋騎手が真剣にムチを入れて追い、2馬身差の完勝でした。2着がマウレアでクビ差3着がリリーノーブル。

ラッキーライラックは好位で折り合い、直線も余裕で抜け出して、上りもメンバー1位タイの33.3と完勝。ゴール前は意外にも石橋騎手がかなり追っていましたが、早めに抜け出してソラを使わないか試したようで、着差以上に余裕を感じさせる勝ち方でした

過去10年、チューリップ賞を1番人気で制した4頭のうち、クラシックに出走したのはブエナビスタ(2009年)、ハープスター(2014年)、ソウルスターリング(2017年)の3頭。そしてブエナビスタは2冠を、ハープスターは桜花賞を、ソウルスターリングはオークスを制しており、ラッキーライラックはクラシックは確勝という感じです。しかも関西馬は2頭とも桜花賞を勝っていて、ハープスターはオークスでも2着。このままいけば桜花賞はもちろん、オークスもかなり有望ではと思います。

そして弥生賞ですが、人気は無敗のディープインパクト産駒3頭が抜けて、ホープフルS2着のジャンダルムまでの4頭が1桁人気。1番人気は3戦3勝で朝日杯FSを先行して最速の上りで制したダノンプレミアム(1.8倍)。2番人気は同じく3戦3勝で東スポ杯2歳Sを3馬身差で圧勝したワグネリアン(3.6倍)。3番人気は2戦2勝で阪神芝1800m500万を4馬身差で楽勝したオブセッション(4.7倍)。
特にダノンプレミアムとワグネリアンはともにクラシック候補上位に押される2頭で、ここで対戦してしまうのは惜しいぐらいの顔ぶれとなりました。

ところがパドックではダノンプレミアムもワグネリアンもかなりテンションが高くチャカついています。返し馬でも同様でちょっといやな予感がしました。

レースは、好スタートを切ったダノンプレミアムが行きたがるのを川田騎手が懸命に抑えて、逃げたサンリヴァルの離れた2番手につけます。1000m1.01.5のスローということもあり、向こう正面でもやや掛かりぎみで、なんとかなだめている感じ。対するワグネリアンは中団を折り合って進み、それをマークするようにオブセッションが直後につけます。
3コーナーすぎでダノンプレミアムは手綱を緩めると一気に先頭に追い付き、4コーナーは馬場の良い中央に出します。その直後にワグネリアンも続きますが、オブセッションは大きく外に膨れ、減速して後方まで下がってしまい、万事休す。直線はダノンプレミアムが一気に伸びて残り100mでサンリヴァルを交わして先頭。そのまま力強く伸びて、上り34.1で1 1/2馬身差の完勝でした。
対するワグネリアンは大外を伸びて、ダノンプレミアムを0.4秒上回る上り33.7で、ゴール直前ジャンダルム、サンリヴァルを交わして2着。負けはしたものの、鋭い末脚で存在感を示しました。

この結果を見る限り、上位2頭の比較で言えば、皐月賞では器用さに勝るダノンプレミアム有利という印象です。3コーナーまで掛かりぎみながら最後もきっちり伸びており、また鞍上の指示に素直に従って4コーナーで馬場中央に持ち出すなど、中山のコースにもしっかり対応していました。しかし行きたがるという弱点も示しており、距離が延びるダービーは疑問符がつきます。
その点、ワグネリアンはテンションが高くてもレースではしっかり折り合い、最速の上りで追い込み、実際東京でも勝っているということから、ダービーはこちらかなという印象です。

過去10年の皐月賞の勝ち馬を見てみると、弥生賞からの連勝は2010年のヴィクトワールピサただ1頭で、弥生賞組は4着から勝ったキャプテントゥーレ(2008年)を含めてわずか2頭。共同通信杯組4頭、スプリングS組3頭にも見劣り、意外と皐月賞に直結しないトライアルでもあります。
ということで、弥生賞からはダノンプレミアムが皐月賞を勝つ可能性が一番高いものの、牝馬のチューリップ賞組ほどの信頼度はないという感じでしょうか。

ただ過去10年の弥生賞馬のうち、2着に1 1/2馬身以上の差をつけて勝ったのは、ロジユニヴァース(2009年)とサトノクラウン(2015年)の2頭だけ。いずれも皐月賞は連対すら逃していますが、その後G1を勝っています。ダノンプレミアムは、たとえ皐月賞は勝てなくてもG1では追いかける必要がありそうです。

 

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